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連載
武器制作、始動
まず、自分は親方の元に届けられた要望書を仕分けする事にした。自分の知識で作れるもの、親方達の知識も借りればいけそうなもの、そしてちょっと無理そうなもの、と言った感じだ。
「こんな感じですかねー?」「ふむ……こうなるか」
比率としては、四:五:一かな? 大半はどうにかなる、けど……流石にクラネス師匠が生み出した魔法の力を込めて打ち出す系統の武器は再現が非常に難しい。弟子入りした時にある程度の仕組みは教えてもらったけれど、そこからさらに今使っている武具レベルまで威力を上げるとなると……なので、この技術は補助動力としての使い道が主かな?
SFの武器で言うなら、メカが持つパイルバンカー。あれをクラネス師匠から学んだ技術である程度再現できる。魔法の力で鉄の杭を爆発的に加速させて打ち出すという形にすればいいのだ。ただ反動もデカいし、頑丈な鉄の杭を仕込まなければならない為自分の筋力ではとてもじゃないが運用できない。力自慢のプレイヤーやワンモアの住人なら使えるだろうけど。
だが、今の自分が使っているアンカーのように捉えてから風の弾で相手を貫くような火力を出せるような物は作れない。こればっかりはクラネス師匠じゃないと無理。だからそれ系統の要望はかなえられないのだ。
「とにかく作れる奴から作りましょうか? 親方やお弟子さん達にはパーツを作ってもらい、自分が組み立てる感じで行けるのかな……分業って大丈夫なんです?」「ああ、分業は大丈夫だ。武器や防具のパーツが正しくかみ合えば問題なく作れたからな」
親方曰く、大量受注された時には各種パーツを弟子に作ってもらい、ここだけは自分が作らないとならない部分だけを親方が作る事で効率を上げていたらしい。そうなると、盾にスネークソードを仕込む、弓を仕込むパターンは一度作るところを見せてパーツはどういった物を作ればいいかを親方達に理解して貰い、パーツ生産をしてもらおう。
その間に自分は八岐の月のレプリカを作る事に専念する形かな。流石にこの弓ばっかりは一から十まで自分で作らないとならないだろう……特殊過ぎる形だからね。ただ、やっぱり性能は比べ物にならないほどに落ちるだろうけど。龍やドラゴンの素材もないし、人魚の世界に行かないと手に入らないあの金属もない。本当に見た目と武器として使えはするレプリカ止まりがせいぜいだ。
それでもせめて基礎ATKが二〇〇以上になる物を作ろう。今の自分の腕ならば問題なくやれるラインだ。ただ、出来上がりの品質の差がちょっと心配だ。特異な形をしているからこそ、性能にムラが出そうな予感がする。あまりにも低い物は除外しないとな……
さて、とにもかくにも、まずはどういう形にすればいいのかを親方達に見せなきゃいけないので、安い鉄でスネークソードを仕込んだものと弓を仕込んだものを作る。特に弓を仕込んだ盾の方は非常に懐かしいな……初期のイベント中に使って戦いの最中で破損してそれっきり作っていなかった。それでも設計図は残してあったので、今の自分の腕なら苦も無く制限可能だ。
「そう言う形に出仕込むのか」「盾が変形するんですね! これはロマンがある」「というか、自分用にもこの変形する盾は欲しい! 盾を変形させて隠し武器を出す……熱くなるぜ」
親方達からの評判は悪くない。むしろ変形機構を備えている弓を仕込む盾の方は一部のお弟子さん達から大いに受けた。なんで変形しなきゃいけないんだ? という疑問は飛んでこず、ロマンを感じるというまさに考えずに感じるという言葉の形で受け入れられた。
「変形を活かせば、あの時作った小型クロスボウを盾に仕込む事も出来そうだな?」「行けるんじゃねえか? 流石に大盾じゃないと仕込みが隠しきれないかもしれないが、大盾の下部を地面に置いて構えて変形させて発射させるってのは……いいな、うん、いいじゃん!」
クロスボウなんてスキルはあったかな? 記憶にないんだけど。そう思って親方に聞いたところ、どうやらごく一部ではあるがスキルの一番高い値を参照する武器や魔法と言った物が存在するらしいのだ。クロスボウはその中に含まれ、キャラクターの戦闘スキルの中で一番高い物を参照して威力などが決まるらしい。
ただし、この系統の武器にはアーツはない。純粋に威力の計算などにスキルが使われるだけであって、放った矢を当てるのは本人のプレイヤースキルが無ければいけないとの事。それでもスキルを一切取らずに補助的ながらも遠距離攻撃手段を得られると言う事で、ごく一部が使っているらしい。
ただ、相当マイナーな情報なのであまり話に上る事もないそうだ。実際変にクロスボウを抱えるよりも特化させた能力で特化した方面の戦いをした方が効率的であり、無難だという。それでも一部が使う理由は汎用性を高めたいから。放たれる矢も火や水と言った属性を持つ矢じりが存在し、自分の魔剣とは異なる属性の矢を持つ事で対処できる場面が増える。
そして何より、遠距離攻撃が出来る点が有用。いくら近接特化とはいえ、地形の問題や相手の使ったアーツなどによる影響で接近する事が難しい状況は存在する。その自分の特化した状況を否定される状況に追いやられても、クロスボウがあるならば何もできない時間は減る。だからこそ重量があってもクロスボウを持ち歩く人はいるのだと親方は言う。
「全然知りませんでしたよ」「まあ、大半の奴らは知らないからな。俺だってクロスボウって作れないのか? という話から始まって、一回やってみるかという流れに乗っていなかったら知らないままだったからな。そう言う隠し要素みたいなのがいくつかあるらしい──そう言う意味では、アースが盾に組み込んだ特殊な弓もその部類に含まれるぞ?」
親方にそう指摘されてしまった。ああ、確かにそう言われればそうかもしれない。あの盾に仕込んだ弓ではアーツが一切使えなかったか。それでも武器としては成立していた……うん、自覚はなかったがあれも隠し要素に思いっきり触れてたんだな。今更ながら知った真実だ。
そんな話の後に、とにかく作れる奴から作ると言う事で生産が始まった。流石親方とそのお弟子さんは機構さえ理解すれば次々と必要なパーツを高品質と言えるレベルで次々と作り出していく。数が揃った所で親方が組み立てる。その作業はスムーズで次々とスネークソードや弓を仕込んだ盾が完成していく。
一方で自分は八岐の月のレプリカを生産する。材料はすべて親方達から提供されているので、そちらの心配はない。ただ、やはりムラが出るな……品質も六から八を行ったり来たりするし、基礎のATKも二百前半から二百五十前後とかなりぶれている。で、一番出来が良かったレプリカはこいつだ。
八つ爪
ある弓のレプリカ。上下に四つの爪があり、この爪を使って引っ掻くなどの近接攻撃に使用できる。爪の威力は弓スキルによって左右される。
種類:狩弓 制作評価八
ATK+261
特殊能力 血の爪(この弓の爪による近接攻撃は、出血を誘いやすい) 強弓(一般的な狩弓よりも引くための力を要求される。その代わり威力は上昇する) 貫通(相手を貫通し、大きなダメージを与えやすい。装甲を無視しやすい)
特殊能力も三つしかないが、近接でも遠距離でもこれ一つでそれなりにやれるレベルではないだろうか? 遠距離なら普通の弓として。接近されたら相手を引き裂いて出血を誘い、持続的なダメージを強いて優位に事を運ぶ。更に貫通という特殊能力のお陰で硬い相手にも攻撃が通りやすくなっている。
なので、親方に見てもらった。さて、数多の武器を生み出してきた親方はどう見るだろうか? かなりドキドキしながらも親方からの反応を待つ。
「──なるほどな。威力も狩弓としては十分なものがある。特殊能力も三つしかないが……その三つがどれも単純でわかりやすく、かつ有用だ。特に貫通は良いな、これがあるとないではかなり評価が違っただろう。そして弓を使う人間にとっての接近された時の備えもこいつならば予備の武器を抜かずとも良い。使いこなすための訓練は必要だろうが、人気は出そうだ」
という評価の、親方からのお言葉を頂いた。実際自分でもこれはかなりいい逸品が作れたと思う。強弓に関しては評価が分かれるかもしれないけど、そこは引けるだけのパワーとテクニックをつけてもらう他ない。デメリットもあるがメリットも付いているんだし。この調子で次々と注文が入っている武器を作って行こう。
「こんな感じですかねー?」「ふむ……こうなるか」
比率としては、四:五:一かな? 大半はどうにかなる、けど……流石にクラネス師匠が生み出した魔法の力を込めて打ち出す系統の武器は再現が非常に難しい。弟子入りした時にある程度の仕組みは教えてもらったけれど、そこからさらに今使っている武具レベルまで威力を上げるとなると……なので、この技術は補助動力としての使い道が主かな?
SFの武器で言うなら、メカが持つパイルバンカー。あれをクラネス師匠から学んだ技術である程度再現できる。魔法の力で鉄の杭を爆発的に加速させて打ち出すという形にすればいいのだ。ただ反動もデカいし、頑丈な鉄の杭を仕込まなければならない為自分の筋力ではとてもじゃないが運用できない。力自慢のプレイヤーやワンモアの住人なら使えるだろうけど。
だが、今の自分が使っているアンカーのように捉えてから風の弾で相手を貫くような火力を出せるような物は作れない。こればっかりはクラネス師匠じゃないと無理。だからそれ系統の要望はかなえられないのだ。
「とにかく作れる奴から作りましょうか? 親方やお弟子さん達にはパーツを作ってもらい、自分が組み立てる感じで行けるのかな……分業って大丈夫なんです?」「ああ、分業は大丈夫だ。武器や防具のパーツが正しくかみ合えば問題なく作れたからな」
親方曰く、大量受注された時には各種パーツを弟子に作ってもらい、ここだけは自分が作らないとならない部分だけを親方が作る事で効率を上げていたらしい。そうなると、盾にスネークソードを仕込む、弓を仕込むパターンは一度作るところを見せてパーツはどういった物を作ればいいかを親方達に理解して貰い、パーツ生産をしてもらおう。
その間に自分は八岐の月のレプリカを作る事に専念する形かな。流石にこの弓ばっかりは一から十まで自分で作らないとならないだろう……特殊過ぎる形だからね。ただ、やっぱり性能は比べ物にならないほどに落ちるだろうけど。龍やドラゴンの素材もないし、人魚の世界に行かないと手に入らないあの金属もない。本当に見た目と武器として使えはするレプリカ止まりがせいぜいだ。
それでもせめて基礎ATKが二〇〇以上になる物を作ろう。今の自分の腕ならば問題なくやれるラインだ。ただ、出来上がりの品質の差がちょっと心配だ。特異な形をしているからこそ、性能にムラが出そうな予感がする。あまりにも低い物は除外しないとな……
さて、とにもかくにも、まずはどういう形にすればいいのかを親方達に見せなきゃいけないので、安い鉄でスネークソードを仕込んだものと弓を仕込んだものを作る。特に弓を仕込んだ盾の方は非常に懐かしいな……初期のイベント中に使って戦いの最中で破損してそれっきり作っていなかった。それでも設計図は残してあったので、今の自分の腕なら苦も無く制限可能だ。
「そう言う形に出仕込むのか」「盾が変形するんですね! これはロマンがある」「というか、自分用にもこの変形する盾は欲しい! 盾を変形させて隠し武器を出す……熱くなるぜ」
親方達からの評判は悪くない。むしろ変形機構を備えている弓を仕込む盾の方は一部のお弟子さん達から大いに受けた。なんで変形しなきゃいけないんだ? という疑問は飛んでこず、ロマンを感じるというまさに考えずに感じるという言葉の形で受け入れられた。
「変形を活かせば、あの時作った小型クロスボウを盾に仕込む事も出来そうだな?」「行けるんじゃねえか? 流石に大盾じゃないと仕込みが隠しきれないかもしれないが、大盾の下部を地面に置いて構えて変形させて発射させるってのは……いいな、うん、いいじゃん!」
クロスボウなんてスキルはあったかな? 記憶にないんだけど。そう思って親方に聞いたところ、どうやらごく一部ではあるがスキルの一番高い値を参照する武器や魔法と言った物が存在するらしいのだ。クロスボウはその中に含まれ、キャラクターの戦闘スキルの中で一番高い物を参照して威力などが決まるらしい。
ただし、この系統の武器にはアーツはない。純粋に威力の計算などにスキルが使われるだけであって、放った矢を当てるのは本人のプレイヤースキルが無ければいけないとの事。それでもスキルを一切取らずに補助的ながらも遠距離攻撃手段を得られると言う事で、ごく一部が使っているらしい。
ただ、相当マイナーな情報なのであまり話に上る事もないそうだ。実際変にクロスボウを抱えるよりも特化させた能力で特化した方面の戦いをした方が効率的であり、無難だという。それでも一部が使う理由は汎用性を高めたいから。放たれる矢も火や水と言った属性を持つ矢じりが存在し、自分の魔剣とは異なる属性の矢を持つ事で対処できる場面が増える。
そして何より、遠距離攻撃が出来る点が有用。いくら近接特化とはいえ、地形の問題や相手の使ったアーツなどによる影響で接近する事が難しい状況は存在する。その自分の特化した状況を否定される状況に追いやられても、クロスボウがあるならば何もできない時間は減る。だからこそ重量があってもクロスボウを持ち歩く人はいるのだと親方は言う。
「全然知りませんでしたよ」「まあ、大半の奴らは知らないからな。俺だってクロスボウって作れないのか? という話から始まって、一回やってみるかという流れに乗っていなかったら知らないままだったからな。そう言う隠し要素みたいなのがいくつかあるらしい──そう言う意味では、アースが盾に組み込んだ特殊な弓もその部類に含まれるぞ?」
親方にそう指摘されてしまった。ああ、確かにそう言われればそうかもしれない。あの盾に仕込んだ弓ではアーツが一切使えなかったか。それでも武器としては成立していた……うん、自覚はなかったがあれも隠し要素に思いっきり触れてたんだな。今更ながら知った真実だ。
そんな話の後に、とにかく作れる奴から作ると言う事で生産が始まった。流石親方とそのお弟子さんは機構さえ理解すれば次々と必要なパーツを高品質と言えるレベルで次々と作り出していく。数が揃った所で親方が組み立てる。その作業はスムーズで次々とスネークソードや弓を仕込んだ盾が完成していく。
一方で自分は八岐の月のレプリカを生産する。材料はすべて親方達から提供されているので、そちらの心配はない。ただ、やはりムラが出るな……品質も六から八を行ったり来たりするし、基礎のATKも二百前半から二百五十前後とかなりぶれている。で、一番出来が良かったレプリカはこいつだ。
八つ爪
ある弓のレプリカ。上下に四つの爪があり、この爪を使って引っ掻くなどの近接攻撃に使用できる。爪の威力は弓スキルによって左右される。
種類:狩弓 制作評価八
ATK+261
特殊能力 血の爪(この弓の爪による近接攻撃は、出血を誘いやすい) 強弓(一般的な狩弓よりも引くための力を要求される。その代わり威力は上昇する) 貫通(相手を貫通し、大きなダメージを与えやすい。装甲を無視しやすい)
特殊能力も三つしかないが、近接でも遠距離でもこれ一つでそれなりにやれるレベルではないだろうか? 遠距離なら普通の弓として。接近されたら相手を引き裂いて出血を誘い、持続的なダメージを強いて優位に事を運ぶ。更に貫通という特殊能力のお陰で硬い相手にも攻撃が通りやすくなっている。
なので、親方に見てもらった。さて、数多の武器を生み出してきた親方はどう見るだろうか? かなりドキドキしながらも親方からの反応を待つ。
「──なるほどな。威力も狩弓としては十分なものがある。特殊能力も三つしかないが……その三つがどれも単純でわかりやすく、かつ有用だ。特に貫通は良いな、これがあるとないではかなり評価が違っただろう。そして弓を使う人間にとっての接近された時の備えもこいつならば予備の武器を抜かずとも良い。使いこなすための訓練は必要だろうが、人気は出そうだ」
という評価の、親方からのお言葉を頂いた。実際自分でもこれはかなりいい逸品が作れたと思う。強弓に関しては評価が分かれるかもしれないけど、そこは引けるだけのパワーとテクニックをつけてもらう他ない。デメリットもあるがメリットも付いているんだし。この調子で次々と注文が入っている武器を作って行こう。
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