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盾の設計図イメージと、親方の実力を改めて見る
弓を作りつつ、盾の中に仕込むハサミのギミックを考える。まず、持ち手の部分から考えよう。一つ一つ考えて形にしていかないと、完成の青写真が全く見えてこない。
(盾の持ち方を、ハサミギミックを使うのに合わせて変更するってのはちょっと無理か? 戦闘中に一回片手の武器をしまって盾を全く別に持ち方をして構えなおして──ないな。そんな不便な武器じゃだめだ。出来るだけ手早く攻撃形態に移行できないと、こういう隠し武器の意味が薄れる)
盾に仕込んだスネークソードも、そしてクラネス師匠が作ってくれたアンカーにしろ、いざという時は安全装置を解除すればすぐに使えるからこそ意味がある。このハサミギミックだってそうだ。相手が気が付いた時にはすでに首や腕を挟まれて切り飛ばされている、位が理想的なはず。
(そうすると、左手の持ち手を握ったまま盾を動かせるようにする、か。盾の後ろにちょっとしたレールを作って、普段は普通の盾の持ち方が出来てギミックを使う時だけレールに沿って左腕の上部にスライドさせられるようにすれば……うん、それならば左手は握ったままでいいから展開が速まるはずだ)
普段は盾の位置を固定しておいて、ギミックを使う時だけ解除してレールの上を動かせるようにすれば左手はずっと握ったままで済むから、持ち替える必要がなくなる。とりあえず持ち手周辺はこの形で試作品を作ろう。レールは周りさすがに木じゃ作れないので、ここだけは試作品でも金属を使おうか。
(で、スライドさせた後どうするかって話になるよな。まあ、スライドさせ終わったらギミック発動準備がすべて整うってのが便利だよな。スライドさせ終わって、そこからいくつもの行為を経てやっと起動じゃあ流石に遅すぎるし……)
頭の中で、スライドさせるレールの最後に盾を移動させたら後は何かをすればギミックが使える形を行くともイメージしては消していく。こういったギミック武器は先人がいる事はまずない為、自分でああでもないこうでもないと考えるほかないのだ。
(後考えなければならないのは使う状況か。右手武器を飛ばされた、壊れてしまったならば右手が使えるか。後は右手に多大なダメージを受けてアームブレイクになってしまったってパターンも考えるべきだな。この場合は左手だけで使えないとダメだな)
後は、ギミックを使う、もしくは頼らざるを得なくなってしまったパターンも考える。ここまで考えると、ギミックパターンも限られてくる。
(右手で盾の内側に来るように要したフックを引っ張って起動させるか、盾の先端にパイルバンカーみたいな杭状の仕組みを用意して、そこをスイッチとして押し込まれると動くパターンかな……引っ張る方は完全人力でもいいけど、スイッチ式の場合は魔法か、火薬式のどちらかしかないだろうな)
起動方法はとりあえずそれらで行く事を考える。後は一番肝心なハサミの部分だ。相手を挟み込む時だけハサミが前に出てこないといけない。極端に前に出なくても良いが、せめてショートソードぐらいのリーチが無いと挟み込んで斬りおとすという狙いを達成するのはちょっと厳しいかもしれない。
(スライドさせたときに、ハサミの部分だけはやや前に出るように設計する他ないだろうな。スライドさせるときに段階的に仕組みがずれて、ハサミが一番前、そして仕組みがその後ろというやや長方形的な形になるか。レールに引っかかるチェックポイントみたいなものを仕込めばなんとか行ける、か?)
とにかく、スライドさせ終わった時にはもう仕掛けられるようになっているという前提が外せない以上、スライドさせる部分であれこれ手を入れるしかない。
(で、そこまでが上手く行ったとして……最後にして一番肝心なハサミの攻撃力だよな。ハサミ自体は親方達に作って貰えば品質は問題ないだろうけど、そのハサミを支える仕組みが重量に耐えられるか? って話が出てくるんだよな。これは親方達に話を聞いて、向いている鉱物を教えてもらう他ない。最悪お弟子さん達に仕入れてもらう事になるかも)
ここまで考えて、一つ息を吐く。とりあえず、大雑把な設計図は出来上がった。だが、あくまで大雑把だ。ここからきちんと動く物を作り上げるためにしっかりと練り上げていかないといけない。でも、今日はとりあえずそれでいい。ここで弓を作る手を止めて適当な紙にとりあえず考えたハサミギミック案をいくつか書いておき、忘れても問題ないようにしておく。
ワイヤーでギミックを繋げて引っ張って起動させるパターン、魔法の仕組み……自分の盾にも使われている魔法弾の発動を推力に変える事で発動させる魔力パターン。最後に火薬を用いてそのパワーでギミックを作動させるパターンを書き記しておく。とりあえず今日はここまでかな? あんまり考え混み過ぎても頭が痛くなるだけで大して進まないし、弓だってまだまだ作らなきゃいけないのだ。
とりあえず書き終えた設計図というには物足りない覚書レベルの物をアイテムボックスへとしまっておく。別案として、普段は盾として使えるがいざという時は盾そのものがハサミになると言うのも考えたんだが……これは却下した。絶対盾として使っている最中にハサミが歪むからだ。そうなったらギミックが作動しなくなる。
(あとは明日、模型を作ってちゃんと動くか否かだ。動けばそれを基に設計図を書いていこう)
そうまとめた後は完全に頭を切り替えて弓の作成に専念する。ちなみに盾のギミックを考えながら作っていた弓だが……やっぱり自分いマルチタスクなんて器用な事は出来なかった。正直、ゴミ。こんなものをお客さんに売る訳にはいかない。出来る限り解体して、再利用できる部分はお弟子さんに頼んで素材に戻してもらうように頼んでおいた。
その後作ったモノは──幸い昨日と同じかほんの少しだけいい物が出来上がっていた。肝心のスキルが上がらないのが非常に不満なのだが……もうすでに鍛冶関係はlimitに到達してしまっているから仕方がないし、指の方は……多分制作よりも戦闘の方が経験が多いのだろう──それでもあまりにも上がらないよな? 壊れてないよね?
「素材に戻したっす。まだまだ時間もあるし、俺達もたまに良くない品質の物を作っちまう事があるん出来にしないでいいっすよ」
素材に戻してもらうように頼んでいたお弟子さんからは、そんな風に励まされた。ふむ、親方のお弟子さんでもそういう時があるのか。こればっかりは人間だから、かな?
「そうなんですか……ちなみに親方は?」「親方は一万本ぐらい剣を打てば、一つぐらいはそう言う剣が出るかもしれないっすね。その一方で、数本ほどガチの名剣が生まれるっす。ワン・オブ・サウザンドって聞いたことないっすか? これは銃の話になっちまうんですが」
彼曰く、無数に作られた銃の中でも非常にまれな確率で凄まじい制度を誇る銃が出来上がる事があるんだとか。最高のパーツが最高の状態でかみ合った結果だとかなんとか。とにかく、それが外見には変わりがないが名銃と呼ばれる一品との事。
「魔剣とかそんなんじゃないっすけど……あれは見ればわかるっすよ。ただの剣が、魔剣よりも威圧感みたいなものを持ってるっす……親方に弟子入りして数回しか見た事ないっすが、あの名剣が出来上がった時の雰囲気は──」
彼の言葉がそこで止まった。お弟子さんから一本、大剣を打って欲しいという連絡が入った親方が槌を振るっていたのだが……親方のいる方向からただならぬ雰囲気を感じる。こんな感覚は、初めてだ。
「これっす、この感覚っす! 名剣が出来上がった時はこんな空気になるっす!」
興奮気味に話す彼と一緒に親方の方に視線を向ける。そこには一本の大剣があった……多分ミスリルをメインに、何かしらの鉱石を混ぜたと思われる色をした剣。華美な装飾はなく、純粋に相手を叩き切る。そう思わせるだけの圧が、あの剣から感じられる。
「確かにこの圧、並の剣じゃないって事は嫌でもわかりますね」「鍛冶に携わる人間なら分かるっす。逆にそうでないなら感じられないらしいっす」
そう言う事らしい。親方はそのミスリルの剣を事前に用意していたと思われる鞘に納めた。鞘に納められると、剣から感じていた圧が感じられなくなった。これは、良い物を見せてもらったな。これがプロフェッショナルのみが自力で見ることが出来る光景か……ぞくっと身震いしてしまったよ……
「よし、会心の一振りが出来た。届けるのは頼むぞ」「はい、任せてください」
親方はさっそく弟子の一人に剣を預けて依頼者の元へと運ぶ様だ。あの剣ならば、どんな人物が依頼主であったとして文句などでないだろう……
(盾の持ち方を、ハサミギミックを使うのに合わせて変更するってのはちょっと無理か? 戦闘中に一回片手の武器をしまって盾を全く別に持ち方をして構えなおして──ないな。そんな不便な武器じゃだめだ。出来るだけ手早く攻撃形態に移行できないと、こういう隠し武器の意味が薄れる)
盾に仕込んだスネークソードも、そしてクラネス師匠が作ってくれたアンカーにしろ、いざという時は安全装置を解除すればすぐに使えるからこそ意味がある。このハサミギミックだってそうだ。相手が気が付いた時にはすでに首や腕を挟まれて切り飛ばされている、位が理想的なはず。
(そうすると、左手の持ち手を握ったまま盾を動かせるようにする、か。盾の後ろにちょっとしたレールを作って、普段は普通の盾の持ち方が出来てギミックを使う時だけレールに沿って左腕の上部にスライドさせられるようにすれば……うん、それならば左手は握ったままでいいから展開が速まるはずだ)
普段は盾の位置を固定しておいて、ギミックを使う時だけ解除してレールの上を動かせるようにすれば左手はずっと握ったままで済むから、持ち替える必要がなくなる。とりあえず持ち手周辺はこの形で試作品を作ろう。レールは周りさすがに木じゃ作れないので、ここだけは試作品でも金属を使おうか。
(で、スライドさせた後どうするかって話になるよな。まあ、スライドさせ終わったらギミック発動準備がすべて整うってのが便利だよな。スライドさせ終わって、そこからいくつもの行為を経てやっと起動じゃあ流石に遅すぎるし……)
頭の中で、スライドさせるレールの最後に盾を移動させたら後は何かをすればギミックが使える形を行くともイメージしては消していく。こういったギミック武器は先人がいる事はまずない為、自分でああでもないこうでもないと考えるほかないのだ。
(後考えなければならないのは使う状況か。右手武器を飛ばされた、壊れてしまったならば右手が使えるか。後は右手に多大なダメージを受けてアームブレイクになってしまったってパターンも考えるべきだな。この場合は左手だけで使えないとダメだな)
後は、ギミックを使う、もしくは頼らざるを得なくなってしまったパターンも考える。ここまで考えると、ギミックパターンも限られてくる。
(右手で盾の内側に来るように要したフックを引っ張って起動させるか、盾の先端にパイルバンカーみたいな杭状の仕組みを用意して、そこをスイッチとして押し込まれると動くパターンかな……引っ張る方は完全人力でもいいけど、スイッチ式の場合は魔法か、火薬式のどちらかしかないだろうな)
起動方法はとりあえずそれらで行く事を考える。後は一番肝心なハサミの部分だ。相手を挟み込む時だけハサミが前に出てこないといけない。極端に前に出なくても良いが、せめてショートソードぐらいのリーチが無いと挟み込んで斬りおとすという狙いを達成するのはちょっと厳しいかもしれない。
(スライドさせたときに、ハサミの部分だけはやや前に出るように設計する他ないだろうな。スライドさせるときに段階的に仕組みがずれて、ハサミが一番前、そして仕組みがその後ろというやや長方形的な形になるか。レールに引っかかるチェックポイントみたいなものを仕込めばなんとか行ける、か?)
とにかく、スライドさせ終わった時にはもう仕掛けられるようになっているという前提が外せない以上、スライドさせる部分であれこれ手を入れるしかない。
(で、そこまでが上手く行ったとして……最後にして一番肝心なハサミの攻撃力だよな。ハサミ自体は親方達に作って貰えば品質は問題ないだろうけど、そのハサミを支える仕組みが重量に耐えられるか? って話が出てくるんだよな。これは親方達に話を聞いて、向いている鉱物を教えてもらう他ない。最悪お弟子さん達に仕入れてもらう事になるかも)
ここまで考えて、一つ息を吐く。とりあえず、大雑把な設計図は出来上がった。だが、あくまで大雑把だ。ここからきちんと動く物を作り上げるためにしっかりと練り上げていかないといけない。でも、今日はとりあえずそれでいい。ここで弓を作る手を止めて適当な紙にとりあえず考えたハサミギミック案をいくつか書いておき、忘れても問題ないようにしておく。
ワイヤーでギミックを繋げて引っ張って起動させるパターン、魔法の仕組み……自分の盾にも使われている魔法弾の発動を推力に変える事で発動させる魔力パターン。最後に火薬を用いてそのパワーでギミックを作動させるパターンを書き記しておく。とりあえず今日はここまでかな? あんまり考え混み過ぎても頭が痛くなるだけで大して進まないし、弓だってまだまだ作らなきゃいけないのだ。
とりあえず書き終えた設計図というには物足りない覚書レベルの物をアイテムボックスへとしまっておく。別案として、普段は盾として使えるがいざという時は盾そのものがハサミになると言うのも考えたんだが……これは却下した。絶対盾として使っている最中にハサミが歪むからだ。そうなったらギミックが作動しなくなる。
(あとは明日、模型を作ってちゃんと動くか否かだ。動けばそれを基に設計図を書いていこう)
そうまとめた後は完全に頭を切り替えて弓の作成に専念する。ちなみに盾のギミックを考えながら作っていた弓だが……やっぱり自分いマルチタスクなんて器用な事は出来なかった。正直、ゴミ。こんなものをお客さんに売る訳にはいかない。出来る限り解体して、再利用できる部分はお弟子さんに頼んで素材に戻してもらうように頼んでおいた。
その後作ったモノは──幸い昨日と同じかほんの少しだけいい物が出来上がっていた。肝心のスキルが上がらないのが非常に不満なのだが……もうすでに鍛冶関係はlimitに到達してしまっているから仕方がないし、指の方は……多分制作よりも戦闘の方が経験が多いのだろう──それでもあまりにも上がらないよな? 壊れてないよね?
「素材に戻したっす。まだまだ時間もあるし、俺達もたまに良くない品質の物を作っちまう事があるん出来にしないでいいっすよ」
素材に戻してもらうように頼んでいたお弟子さんからは、そんな風に励まされた。ふむ、親方のお弟子さんでもそういう時があるのか。こればっかりは人間だから、かな?
「そうなんですか……ちなみに親方は?」「親方は一万本ぐらい剣を打てば、一つぐらいはそう言う剣が出るかもしれないっすね。その一方で、数本ほどガチの名剣が生まれるっす。ワン・オブ・サウザンドって聞いたことないっすか? これは銃の話になっちまうんですが」
彼曰く、無数に作られた銃の中でも非常にまれな確率で凄まじい制度を誇る銃が出来上がる事があるんだとか。最高のパーツが最高の状態でかみ合った結果だとかなんとか。とにかく、それが外見には変わりがないが名銃と呼ばれる一品との事。
「魔剣とかそんなんじゃないっすけど……あれは見ればわかるっすよ。ただの剣が、魔剣よりも威圧感みたいなものを持ってるっす……親方に弟子入りして数回しか見た事ないっすが、あの名剣が出来上がった時の雰囲気は──」
彼の言葉がそこで止まった。お弟子さんから一本、大剣を打って欲しいという連絡が入った親方が槌を振るっていたのだが……親方のいる方向からただならぬ雰囲気を感じる。こんな感覚は、初めてだ。
「これっす、この感覚っす! 名剣が出来上がった時はこんな空気になるっす!」
興奮気味に話す彼と一緒に親方の方に視線を向ける。そこには一本の大剣があった……多分ミスリルをメインに、何かしらの鉱石を混ぜたと思われる色をした剣。華美な装飾はなく、純粋に相手を叩き切る。そう思わせるだけの圧が、あの剣から感じられる。
「確かにこの圧、並の剣じゃないって事は嫌でもわかりますね」「鍛冶に携わる人間なら分かるっす。逆にそうでないなら感じられないらしいっす」
そう言う事らしい。親方はそのミスリルの剣を事前に用意していたと思われる鞘に納めた。鞘に納められると、剣から感じていた圧が感じられなくなった。これは、良い物を見せてもらったな。これがプロフェッショナルのみが自力で見ることが出来る光景か……ぞくっと身震いしてしまったよ……
「よし、会心の一振りが出来た。届けるのは頼むぞ」「はい、任せてください」
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