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連載
PvP決着
一気に詰め寄ってからレガリオンによる一閃は、このPvP内で一番の手ごたえを感じた。明確にジャグドのHPを大きく削ったという感覚がある。ジャグドの表情もそれを裏付けるかのようなしかめっ面になる。当然この機を逃す理由はない。この近接戦状態で一気に流れを自分に傾けるべく八岐の月とレガリオンによる連撃を再開。正真正銘の全力で押し込みに行く。
再び舞う火花だが……それと同じぐらいジャグドの体から血飛沫が舞う。こちらも無被弾とはいかないが、貰ったダメージは非常に軽いので無視しても構わないだろう。むしろ無視してでもジャグドのHPを削らないと負ける。故にここは防御よりも攻撃重視。多少のダメージは必要経費と割り切る。
こちらが一発軽いのを貰うまでに相手を三発削れればいい。そのぐらいの考えで攻め続けるわけだがやはりジャグドは上手い。最初の一太刀以降全然直撃を与えられない。本当に切っ先の先端が掠ったぐらいのヒットがせいぜい……まあ、それはこちらも同じで直撃は許していない。許した瞬間終わるともいえる状況ではあるが。
(だが、いい感じだ。後はタイミング次第でシザーズを放ち、この勝負に勝つ)
お互いの体力の削り合いで、ここは我慢のしどころとジャグドは考えているはず。そこに不意にこちらが隙を見せたら? ジャグドと言えど食いついてくるはずだ。そこを狙って切り落とす。そのためのお膳立てをしている真っ最中とも言える。出来るだけ不自然にならないように、なおかつジャグドが食いついてくれるぐらいの隙の大きさを晒さなければいけない。
(が、こちらの良い感じに入ったレガリオンの一撃でジャグドもかなりのダメージを負っている。普段よりは焦りの感情もある筈──だからこそ引っ掛けられるだろう)
そう考えた上での行動だ。引っ掛けられなければこちらの旗色は明確に悪くなる。それでもやる価値があるならばやるのが戦いというもの。そしてそのタイミングが来た。ジャグドのパーリングを仕掛ける動きが見えたので会えてそれを受ける形で仕掛け、ジャグドのパーリングで左手に持つ八岐の月の攻撃が弾かれてこちらは体勢を崩した。だが、右手は動く。
ジャグドはそうとは知らず、こちらが完全に硬直したとみて弓の刃部分でこちらの喉付近を狙った斬撃を繰り出してきた。そこに合わせて、自分はシザーズのトリガーを引いた。狙ったのはジャグドの首。が、ジャグドはこちらの攻撃に気が付いて回避行動をとる──その結果。ジャグドの首を取る事に失敗した。しかし、シザーの刃を咄嗟にコントロールし、ジャグドの右腕にある程度ではあるが食らいつかせた。
「ぐあっ!!?」
ジャグドの右腕から飛び散る鮮血。手ごたえあり、間違いなくジャグドの右腕に大きなダメージが入った。ジャグドは右手を上げようとしたが、痛みに表情を苦痛で歪める。アームブレイクとまではいかなかったが、明確なダメージだ。右手を使えるようになるまでには少々時間がかかるだろう。今が好機だ。
自分は再びジャグドに襲い掛かった。ジャグドもこちらの攻撃をいなすが動きの精彩が明らかに欠けた。表情も普段見せている余裕のある顔ではなく歯を食いしばるようにしながらこちらの攻撃に耐えている状態だ。流れは変わった、ならばとは押し通って勝つ。こちらも左目はいまだ全く見えず、接近戦をしないとならない。
「くそ、更なる新しい仕込み武器かよ! また妙な物を持ってきやがって!」
ジャグドが戦いの最中、そんな悪態をついた。だが、こちらは攻めるのに手いっぱいで返答する余裕すらない。いや、余裕がないのはお互い様だろう。決着の時は近い、恐らく残されたHP量に差はあまりない筈だ。後一回、明確なミスをした方が負ける。そう言う状況になっている。
それからどれくらい戦っただろうか? 多分時間にしてみれば三分ぐらいの戦いだった。しかし、ジャグドとの戦いで感じた時間はその何十倍にも感じられた。右手を満足に動かせなくなったとはいえ、ジャグドの振るう弓の刃はますます鋭くなりこちらの首を、心臓を、頭部を貫かんと襲い掛かってくる。
こちらもその刃に八岐の月とレガリオンによる二刀流で全力をもって応えた。お互いがお互いを本気で殺した勝つのだという意思のぶつけ合い。濃密な時間であった事は間違いないし、お互い油断はしていなかったと思う。ただ、ただ自分は勝ちをほんの少し急いでしまったのかもしれない。それが、致命的なミスとなってしまった。
八岐の月とレガリオンの二刀流にてジャグドを削っていく。その最中、ジャグドが後ろに下がりながら今まで握っていた弓を取り落した。これを見た自分は千載一遇の機会と見て決着をつけるべく更に前に踏み込みつつ勝負を決めるべくレガリオンを全力振るった。しかし、ジャグドはこの自分が振るったレガリオンの一撃の下をぎりぎりでかいくぐる。そこから自分の腹部に走ったのは激痛。
「か、っは……」
吐血、そしてそんな声が漏れると同時に力が抜けていく。HPゲージは完全に空となっていた。この痛み、おそらくは短剣。くそ、弓を手放したのはこの短剣を持つため。そして何よりこの一撃を決めるための誘いで合った事を今更ながら理解した。こうして価値を急いだ自分はジャグドの短剣らしきものの攻撃によってとどめを入れられて負ける事となった。
「ぜえ、ぜえ、ぜえ……こいつまで使わされるなんてよ」
そんなジャグドの声を最後に意識が薄れ、PvPエリアから自分は通常エリアへと戻ってきた。体力が全快し、痛みも引く。もちろん左目の視力も戻った。そして先程の戦いの最後を思い出す。あと少し冷静さが残っていれば、あれはジャグドの誘いであると分かったはず。それを好機と考えて自分はレガリオンを全力で振るってしまった。
故にジャグドの反撃に全く対応できず、とどめの一撃を入れられた。これは良く反省するべきだろう。勝ちを急いだ自分が悪い、ジャグドは最後まで冷静な部分をしっかりと維持していた。今後の糧とするべきPvPだった。
「お、戻ってきた」「どっちが勝ったんだ? それぐらい教えてくれよ」「いいですよ、ジャグドさんの勝利で終わりました」
周囲に残っていた人達にどっちが勝ったのかと質問を受けたので、素直に答えておく。別に隠したい訳じゃないし、今回のPvPで映える物が多くあった。負けたのはもちろん悔しいが、それでもいい勝負は出来たと思う。
「やっぱりジャグドか」「まあ、順当だよな」「でも大番狂わせもありそうだったからなぁ。やっぱり戦っていると子を直接見たかったよ」
結果を聞いて、周囲の人たちがあれこれお互いの感想を口にし合う。一方で勝ったジャグドだが……見える口元は勝った人間とは思えないほどに不機嫌な感じで曲げられていた。
「ジャグド、どうしたんだよ?」「ああ、勝つには勝ったが……こっちもボロボロ、負ける直前までもっていかれちまった。しかも、まだ見せたくねえ切り札まで切らされた。とてもじゃねえが勝った気がしねえ」
ジャグドの様子を不思議に思ったプレイヤーの一人がジャグドに問いかけると、ジャグドからはそんな言葉がでてきた。なるほど、最後のあれはやっぱり切り札の一つだったのか。そもそもジャグドが短剣を抜刀した姿は最後まで見えていなかった。短剣と判断したのは痛みと突き刺さった刃の長さから判断したんだが……違うのかもしれない。
「が、そこまで追い詰められるほど厳しい戦いを全力でやれたってこと自体は満足だ。こっちもいくつか改善するべき点と対策するための案が浮かんだしな、やってよかったって事だけは間違いねえ。おいアース」
と、そんな言葉を口にした後にジャグドからお呼びがかかったので振り向く。
「またやろうぜ。十二分に楽しませてもらった」「勘弁してほしいと言いたいところですが……借りもありますからね。時間に余裕がある時は受けますよ」
ジャグドの言葉に自分が返答を返すと、ジャグドはいつものようにニヤリと笑う。その後、自分はこの場所から離れてログアウトするために宿屋へと向かった。一方でジャグドは自分と戦ってどういう感じだったかを言える範囲で教えているようだ。ま、彼ならこっちの秘密をべらべらとは喋らないだろうし止めないでおこう。さて、就寝だ。
再び舞う火花だが……それと同じぐらいジャグドの体から血飛沫が舞う。こちらも無被弾とはいかないが、貰ったダメージは非常に軽いので無視しても構わないだろう。むしろ無視してでもジャグドのHPを削らないと負ける。故にここは防御よりも攻撃重視。多少のダメージは必要経費と割り切る。
こちらが一発軽いのを貰うまでに相手を三発削れればいい。そのぐらいの考えで攻め続けるわけだがやはりジャグドは上手い。最初の一太刀以降全然直撃を与えられない。本当に切っ先の先端が掠ったぐらいのヒットがせいぜい……まあ、それはこちらも同じで直撃は許していない。許した瞬間終わるともいえる状況ではあるが。
(だが、いい感じだ。後はタイミング次第でシザーズを放ち、この勝負に勝つ)
お互いの体力の削り合いで、ここは我慢のしどころとジャグドは考えているはず。そこに不意にこちらが隙を見せたら? ジャグドと言えど食いついてくるはずだ。そこを狙って切り落とす。そのためのお膳立てをしている真っ最中とも言える。出来るだけ不自然にならないように、なおかつジャグドが食いついてくれるぐらいの隙の大きさを晒さなければいけない。
(が、こちらの良い感じに入ったレガリオンの一撃でジャグドもかなりのダメージを負っている。普段よりは焦りの感情もある筈──だからこそ引っ掛けられるだろう)
そう考えた上での行動だ。引っ掛けられなければこちらの旗色は明確に悪くなる。それでもやる価値があるならばやるのが戦いというもの。そしてそのタイミングが来た。ジャグドのパーリングを仕掛ける動きが見えたので会えてそれを受ける形で仕掛け、ジャグドのパーリングで左手に持つ八岐の月の攻撃が弾かれてこちらは体勢を崩した。だが、右手は動く。
ジャグドはそうとは知らず、こちらが完全に硬直したとみて弓の刃部分でこちらの喉付近を狙った斬撃を繰り出してきた。そこに合わせて、自分はシザーズのトリガーを引いた。狙ったのはジャグドの首。が、ジャグドはこちらの攻撃に気が付いて回避行動をとる──その結果。ジャグドの首を取る事に失敗した。しかし、シザーの刃を咄嗟にコントロールし、ジャグドの右腕にある程度ではあるが食らいつかせた。
「ぐあっ!!?」
ジャグドの右腕から飛び散る鮮血。手ごたえあり、間違いなくジャグドの右腕に大きなダメージが入った。ジャグドは右手を上げようとしたが、痛みに表情を苦痛で歪める。アームブレイクとまではいかなかったが、明確なダメージだ。右手を使えるようになるまでには少々時間がかかるだろう。今が好機だ。
自分は再びジャグドに襲い掛かった。ジャグドもこちらの攻撃をいなすが動きの精彩が明らかに欠けた。表情も普段見せている余裕のある顔ではなく歯を食いしばるようにしながらこちらの攻撃に耐えている状態だ。流れは変わった、ならばとは押し通って勝つ。こちらも左目はいまだ全く見えず、接近戦をしないとならない。
「くそ、更なる新しい仕込み武器かよ! また妙な物を持ってきやがって!」
ジャグドが戦いの最中、そんな悪態をついた。だが、こちらは攻めるのに手いっぱいで返答する余裕すらない。いや、余裕がないのはお互い様だろう。決着の時は近い、恐らく残されたHP量に差はあまりない筈だ。後一回、明確なミスをした方が負ける。そう言う状況になっている。
それからどれくらい戦っただろうか? 多分時間にしてみれば三分ぐらいの戦いだった。しかし、ジャグドとの戦いで感じた時間はその何十倍にも感じられた。右手を満足に動かせなくなったとはいえ、ジャグドの振るう弓の刃はますます鋭くなりこちらの首を、心臓を、頭部を貫かんと襲い掛かってくる。
こちらもその刃に八岐の月とレガリオンによる二刀流で全力をもって応えた。お互いがお互いを本気で殺した勝つのだという意思のぶつけ合い。濃密な時間であった事は間違いないし、お互い油断はしていなかったと思う。ただ、ただ自分は勝ちをほんの少し急いでしまったのかもしれない。それが、致命的なミスとなってしまった。
八岐の月とレガリオンの二刀流にてジャグドを削っていく。その最中、ジャグドが後ろに下がりながら今まで握っていた弓を取り落した。これを見た自分は千載一遇の機会と見て決着をつけるべく更に前に踏み込みつつ勝負を決めるべくレガリオンを全力振るった。しかし、ジャグドはこの自分が振るったレガリオンの一撃の下をぎりぎりでかいくぐる。そこから自分の腹部に走ったのは激痛。
「か、っは……」
吐血、そしてそんな声が漏れると同時に力が抜けていく。HPゲージは完全に空となっていた。この痛み、おそらくは短剣。くそ、弓を手放したのはこの短剣を持つため。そして何よりこの一撃を決めるための誘いで合った事を今更ながら理解した。こうして価値を急いだ自分はジャグドの短剣らしきものの攻撃によってとどめを入れられて負ける事となった。
「ぜえ、ぜえ、ぜえ……こいつまで使わされるなんてよ」
そんなジャグドの声を最後に意識が薄れ、PvPエリアから自分は通常エリアへと戻ってきた。体力が全快し、痛みも引く。もちろん左目の視力も戻った。そして先程の戦いの最後を思い出す。あと少し冷静さが残っていれば、あれはジャグドの誘いであると分かったはず。それを好機と考えて自分はレガリオンを全力で振るってしまった。
故にジャグドの反撃に全く対応できず、とどめの一撃を入れられた。これは良く反省するべきだろう。勝ちを急いだ自分が悪い、ジャグドは最後まで冷静な部分をしっかりと維持していた。今後の糧とするべきPvPだった。
「お、戻ってきた」「どっちが勝ったんだ? それぐらい教えてくれよ」「いいですよ、ジャグドさんの勝利で終わりました」
周囲に残っていた人達にどっちが勝ったのかと質問を受けたので、素直に答えておく。別に隠したい訳じゃないし、今回のPvPで映える物が多くあった。負けたのはもちろん悔しいが、それでもいい勝負は出来たと思う。
「やっぱりジャグドか」「まあ、順当だよな」「でも大番狂わせもありそうだったからなぁ。やっぱり戦っていると子を直接見たかったよ」
結果を聞いて、周囲の人たちがあれこれお互いの感想を口にし合う。一方で勝ったジャグドだが……見える口元は勝った人間とは思えないほどに不機嫌な感じで曲げられていた。
「ジャグド、どうしたんだよ?」「ああ、勝つには勝ったが……こっちもボロボロ、負ける直前までもっていかれちまった。しかも、まだ見せたくねえ切り札まで切らされた。とてもじゃねえが勝った気がしねえ」
ジャグドの様子を不思議に思ったプレイヤーの一人がジャグドに問いかけると、ジャグドからはそんな言葉がでてきた。なるほど、最後のあれはやっぱり切り札の一つだったのか。そもそもジャグドが短剣を抜刀した姿は最後まで見えていなかった。短剣と判断したのは痛みと突き刺さった刃の長さから判断したんだが……違うのかもしれない。
「が、そこまで追い詰められるほど厳しい戦いを全力でやれたってこと自体は満足だ。こっちもいくつか改善するべき点と対策するための案が浮かんだしな、やってよかったって事だけは間違いねえ。おいアース」
と、そんな言葉を口にした後にジャグドからお呼びがかかったので振り向く。
「またやろうぜ。十二分に楽しませてもらった」「勘弁してほしいと言いたいところですが……借りもありますからね。時間に余裕がある時は受けますよ」
ジャグドの言葉に自分が返答を返すと、ジャグドはいつものようにニヤリと笑う。その後、自分はこの場所から離れてログアウトするために宿屋へと向かった。一方でジャグドは自分と戦ってどういう感じだったかを言える範囲で教えているようだ。ま、彼ならこっちの秘密をべらべらとは喋らないだろうし止めないでおこう。さて、就寝だ。
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