7 / 11
激闘
しおりを挟む
物音が鳴り響いた瞬間、両者は動き出した。
最初から奴が転移で俺の背後を取ってくることも予想していた。その予想通り奴は背後に回り顔を巨大化させて俺に食らいついてきた。それを同じく転移にて躱し、奴の巨大な顔目掛けて全力で攻撃を叩きつけた。
「影魔法・影槍」
右手を後ろに伸ばし、影を集めて一つの槍のような形状をした影を創り出し、それを奴に目掛けて投げ飛ばした。
が、奴もそれなりの強者である。その攻撃が当たる寸前で転移にて俺の攻撃を躱していた。奴の攻撃パターンは噛みつきのみだ、それをわかってしまえば後は転移にだけ注意を払っていれば問題はないだろう。
その後は転移による競り合いが始まった。状況は俺が奴から逃げ回っている状況だ。流石にステータスの差は歴然。俺よりも遥かに敏捷値が高い子犬の方が俺よりも早く転移されてしまう。くそ、このままではじり貧だ。転移であってもそれなりに魔力を消費するのだ。それに形勢逆転できないのであれば、ここで無駄遣いはあまり芳しくない。
そう思うと俺はそこで転移による攻防を諦め、肉弾戦もとい魔法で戦うことにした。これならこちらにも幾ばくか勝機はある。奴は顔だけ巨大になり体は小さいままだ。そこを上手く叩くことができれば俺の勝利は可能であろう。
子犬も転移を辞めて俺の正面に向き直る。不意打ちが通用しないと理解しても未だ余裕の表情を見せる子犬に少しばかり不気味さを覚える。
「影魔法・影縛り」
自身の影を伸ばし。それを奴の影に忍ばせることにより奴の動きを封じ込める魔法だ。膠着しきった場ではかなりの有効打になるはず、だが奴は魔法にかかったにも関わらず、平気な顔をしていた。
本来なら動くことができない筈なのに、奴の凄まじい力で引っ張り上げられる。その反動で奴のすぐ近くに引き寄せられた瞬間奴の右足は顔と同様巨大化して俺を蹴り上げた。
その一撃を受けて骨は軋み、内臓が破裂しているのが感覚的に伝わってくる。
奴の一撃によりかなり遠くの場所まで吹っ飛ばされた。気は失いかけたがなんとか大丈夫なのだが、意識は朦朧とし視界は赤く染め上げられている。まずい、回復しきるまで体が動かない。早く、早く回復してくれ……。
赤く染まった視界から奴の姿が見えた。のろのろと体を小さくした状態で探してくれたおかげで少し回復ができているが受けたダメージが予想以上に大きかったためか回復が襲い。奴に見つかるのは時間の問題だが、今のままではパラメータ等が上のあいつに勝つ算段が立たない。どうする、どうすれば勝てるんだ? 考えろ、考えるんだ。
奴に影を巻き付けてもすぐに千切られてしまう。例え貫通しても特段ダメージを負いそうにもない。それなら貫通させる数を増やせば……、いやこれもダメだろう。
回復がようやく半分くらいと言ったところだろうか、体が少し動くようになり、スキル闇移動にて影の中に潜伏して回復とそして奴との再戦に向けて思案していた。
普通じゃない攻撃、あの鶏との戦いと同じ戦局に持ち込めればまだ勝てる可能性はある。だがそこまで奴を縛り付けられるか? 否だ。あの鶏と奴では力の強さが桁違いだ。ありとあらゆるパターンを想定しても今一つピンとこない。何をしても奴を食い止めることが可能な策が浮かばない。いや、待てよ。何故食い止める必要性ばかり考えていたんだ? 別に食い止めなくても作戦は幾らでも立てられるのではないだろうか? 俺は自身で視野を狭めていたということか……。
回復も済んだ。一つ試してみたいことがあるし、そろそろ迎えに行くか。
最初から奴が転移で俺の背後を取ってくることも予想していた。その予想通り奴は背後に回り顔を巨大化させて俺に食らいついてきた。それを同じく転移にて躱し、奴の巨大な顔目掛けて全力で攻撃を叩きつけた。
「影魔法・影槍」
右手を後ろに伸ばし、影を集めて一つの槍のような形状をした影を創り出し、それを奴に目掛けて投げ飛ばした。
が、奴もそれなりの強者である。その攻撃が当たる寸前で転移にて俺の攻撃を躱していた。奴の攻撃パターンは噛みつきのみだ、それをわかってしまえば後は転移にだけ注意を払っていれば問題はないだろう。
その後は転移による競り合いが始まった。状況は俺が奴から逃げ回っている状況だ。流石にステータスの差は歴然。俺よりも遥かに敏捷値が高い子犬の方が俺よりも早く転移されてしまう。くそ、このままではじり貧だ。転移であってもそれなりに魔力を消費するのだ。それに形勢逆転できないのであれば、ここで無駄遣いはあまり芳しくない。
そう思うと俺はそこで転移による攻防を諦め、肉弾戦もとい魔法で戦うことにした。これならこちらにも幾ばくか勝機はある。奴は顔だけ巨大になり体は小さいままだ。そこを上手く叩くことができれば俺の勝利は可能であろう。
子犬も転移を辞めて俺の正面に向き直る。不意打ちが通用しないと理解しても未だ余裕の表情を見せる子犬に少しばかり不気味さを覚える。
「影魔法・影縛り」
自身の影を伸ばし。それを奴の影に忍ばせることにより奴の動きを封じ込める魔法だ。膠着しきった場ではかなりの有効打になるはず、だが奴は魔法にかかったにも関わらず、平気な顔をしていた。
本来なら動くことができない筈なのに、奴の凄まじい力で引っ張り上げられる。その反動で奴のすぐ近くに引き寄せられた瞬間奴の右足は顔と同様巨大化して俺を蹴り上げた。
その一撃を受けて骨は軋み、内臓が破裂しているのが感覚的に伝わってくる。
奴の一撃によりかなり遠くの場所まで吹っ飛ばされた。気は失いかけたがなんとか大丈夫なのだが、意識は朦朧とし視界は赤く染め上げられている。まずい、回復しきるまで体が動かない。早く、早く回復してくれ……。
赤く染まった視界から奴の姿が見えた。のろのろと体を小さくした状態で探してくれたおかげで少し回復ができているが受けたダメージが予想以上に大きかったためか回復が襲い。奴に見つかるのは時間の問題だが、今のままではパラメータ等が上のあいつに勝つ算段が立たない。どうする、どうすれば勝てるんだ? 考えろ、考えるんだ。
奴に影を巻き付けてもすぐに千切られてしまう。例え貫通しても特段ダメージを負いそうにもない。それなら貫通させる数を増やせば……、いやこれもダメだろう。
回復がようやく半分くらいと言ったところだろうか、体が少し動くようになり、スキル闇移動にて影の中に潜伏して回復とそして奴との再戦に向けて思案していた。
普通じゃない攻撃、あの鶏との戦いと同じ戦局に持ち込めればまだ勝てる可能性はある。だがそこまで奴を縛り付けられるか? 否だ。あの鶏と奴では力の強さが桁違いだ。ありとあらゆるパターンを想定しても今一つピンとこない。何をしても奴を食い止めることが可能な策が浮かばない。いや、待てよ。何故食い止める必要性ばかり考えていたんだ? 別に食い止めなくても作戦は幾らでも立てられるのではないだろうか? 俺は自身で視野を狭めていたということか……。
回復も済んだ。一つ試してみたいことがあるし、そろそろ迎えに行くか。
0
あなたにおすすめの小説
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』
チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。
気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。
「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」
「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」
最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク!
本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった!
「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」
そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく!
神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ!
◆ガチャ転生×最強×スローライフ!
無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
異世界へ転生した俺が最強のコピペ野郎になる件
おおりく
ファンタジー
高校生の桜木 悠人は、不慮の事故で命を落とすが、神のミスにより異世界『テラ・ルクス』で第二の生を得る。彼に与えられたスキルは、他者の能力を模倣する『コピーキャット』。
最初は最弱だった悠人だが、光・闇・炎・氷の属性と、防御・知識・物理の能力を次々とコピーし、誰も成し得なかった多重複合スキルを使いこなす究極のチートへと進化する!
しかし、その異常な強さは、悠人を巡る三人の美少女たちの激しい争奪戦を引き起こすことになる。
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる