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最終試験(2)
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自身の力を隠し、シャルルに投げかけたのと同じような質問もしたことがある。その時の彼等も同じようなことを言っていた。だが、そんなある日いつものように魔族と戦いに励んでいた時だった。突如として現れた魔族の中でも上位の存在、魔人に出会った俺たちは全滅の危機に瀕していた。皆を守るために俺は自身の能力を解放した。その力で魔人を屠った俺に向けられた仲間からの視線は、まるでバケモノを見るかのような目をして、俺から逃げる様に消えて行った。
町に戻ると、周囲の視線がちらつき、視線に目を合わすと皆揃って逃げる様に去る者たちばかり、その事態に諦め、隣町、隣国全てにおいて俺の素性が露見されていて、どこに居ても同じ対応をされる。俺は何か間違えたのか? 皆を救うために力を使い、助けた俺が何でこんな仕打ちを受けなければならないのだ。そこからは遠く離れた山奥に一人籠り暮らしていた。俺が転生前に仮面をつけていたのはそれが原因だ。その仮面に認識疎外の魔法をかけていたからである。
そんな二千年も前の出来事を俺は昨日のように覚えている。そんなことを思い出していると隣でシャルルが心配しているかのような面持ちでこちらを窺っている。俺がその言葉を信じていないことを悟られないように、俺は柔らかな笑みを浮かべて答えた。
「まあ、冗談だ。そんな恐ろしい奴が居るわけないだろ?」
「冗談ですか。そうですね、そんな方が居たら正直怖いですね」
その後は特に会話をすることなく、無言のまま時を過ごしていた。不思議とこの時間を心地よく感じていたのだが、その静寂を破る声が聞こえてきた。
「おーい、クロム! ここに居たのか……」
「馬鹿! 何で邪魔してるのよあんたは」
「え? あー……、悪い。邪魔しちゃった?」
ナグモが俺たちの前に現れ声をかけてきた。それをワカツキは急ぎ止めに入っていたが間に合わなかった様子だった。それに反応するかのようにシャルルが顔を真っ赤に染め上げて、否定の声を挙げていた。
「じゃ、邪魔なんてとんでもありません! ね! クロム」
「ん? あぁ、別に邪魔じゃないぞ。それよりどうした?」
俺の発言にシャルルは肩を落とし、ワカツキに何やら宥められている様子だった。何をそんなに残念がっているんだ? よくわからないな。
四人が揃ったことにより、先程までの静寂が嘘のように騒がしい時間が訪れた。
シャルルも二人の異世界人のフレンドリーな対応に気兼ねなく接することができてどこか気が楽そうに見えた。これが所謂、仲間、友達というものなのかもしれないな。
暫く四人で雑談を交わしていると、他のメンバーが帰還してきていた。皆言うまでもなくボロボロの状態だった。
その人だかりの中、突如として背後に殺気を感じ、殺気のする方に即座に二本の短剣を創造して剣を向けた。
「ぐっ、貴様、何故私のことがわかった」
「殺気がだだ漏れだ。お前、暗殺者か?」
「な、何故それを……」
「ルイネ! あなた、何をしているの⁉」
俺と彼女の刹那の攻防に遅れながらシャルルが声を上げたのだが、どうやらシャルルの知り合いらしく、今にもシャルルの顔が爆発しそうなくらいに膨れ上がり、その彼女に怒りを露わにしている。怒っていても可愛いってやっぱり天使なのかな?
「シャルル様に仇なす不届き物をころ、成敗しようと思いまして……」
こいつ今殺すって言おうとしただろ、なんて物騒な女なんだ。外見からは想像もできないぞ。
シャルルの知り合いらしき彼女、名をルイネ。綺麗な黒い髪に、大きな瞳に涙袋に黒子があるのが印象的で整った顔立ち。シャルルやワカツキにも引けを取らないほどの美少女であった。このルイネこそが先程俺が見ていた少女であった。
「不届き物はあなたです! その剣をしまいなさい。クロム、申し訳ありません。この子はどうも真っ直ぐすぎる性格をしていまして……、今もきっと私がクロムにナンパされていると勘違いしてしまったのかと思います。どうか剣を収めてはもらえませんか?」
シャルルに言われて剣を消し去った。それを間近で見ていたナグモたちはおぉ、などと驚いている様子だった。
「いや、元々斬るつもりは無かった。だが、あんな殺気を飛ばされては反応してしまうものだ。そうだよな?」
「ん? いや……、殺気なんて感じなかった」
「わ、私も……」
共感を求めて言葉を投げかけたのだが、二人はルイネの殺気に気付いてすらいなかった。
「ルイネは私を守護するメイド兼暗殺者です。幼い頃より英才教育を受けていましたから、普通の人が気付かないのは当たり前です、むしろこの子の殺気に気付いたクロムが少し……、ね?」
「なんだ、まるで俺が異常みたいな言い方だな」
「貴様は異常です! この私に気付いたのはおろか、私に致命傷を与える寸前で寸止めをしてきました。私が貴様を本気で殺す気で斬りかかっていれば命を落としていたのは私の方でした!」
何故か、殺しに来た方に異常者扱いを受けてしまった。一体王女様の護衛はどんな教育を受けてきたんだか……。
俺に異常者扱いをしてきたルイネはその後、しっかりシャルルにお叱りを受けていた。その最中も俺の方を睨み付け、目が合うとふいっと目を逸らされてしまった。なんで俺はあの子に嫌われてしまったんだ……。案外ショックを受けていた俺は肩をガクッと落として下を向いていた。そんな俺を見てまたしてもワカツキが肩に手を乗せ逞しい笑みを浮かべていた。
ルイネが加わり五人で食事をすることになった。未だ試験を受けているグループが居るために時間があるうちにできる限り栄養補給もしようとのことになったのだ。
そして、いつの間にか豪勢な食事が俺たちの目の前に並べられていた。
皆がその光景を不思議そうに見ていたのだが、シャルルだけは違った。その並べられた料理が当然かのような顔付きで、きちんとエプロンを身に付け、フォークとナイフを丁寧に使い一人優雅に食事を嗜んでいた。
「「「……」」」
俺を含む三人の視線に気付きはっと声を上げて、美しく白かった首筋まで赤く染め上げられていた。
「ご、ごめんなさい。第一試験でも安心して食事を取れていなかったので、つい気が緩んでしまいました。こちらの料理はルイネの手作りです。とっても美味しいんですよ! 皆さんも召し上がってください」
シャルルの気持ちもわからなくはない。あの状況で、皆を指揮しつつ自分の体も休めるなんて真似は歴戦の指揮官クラスでしか実行することは難しいだろう。それにしても、この料理めちゃくちゃ美味いな。ルイネに思わず感心していると、俺はずっと引っかかっていた疑問をこの機会に晴らそうとした。
「そういえば、ナグモとワカツキは第一試験の時どこに居たんだ?」
「え? シャルル様のグループに一緒に居たわよ?」
「……何? じゃあ、お前らは力を隠してシャルルに頼りきりだったって訳か?」
「あ、あはは……。ごめんなさい」
ワカツキは舌をペロッと出して可愛らしく謝っていた。先程感じた大人しそうなイメージは最早俺の中には欠片も残っていなかった。これが本来のワカツキの姿なのだろう。
ナグモに関してはギクッと反応して俺から視線を外していた。だが、俺からの視線に耐え兼ねたのか、あーっと叫びながら、頭をくしゃくしゃとしながら口を開く。
「悪かったよ! 俺たちも魔獣なんかと戦うのは初めてだったんだよ! いきなり目の前で人が食べられるところを見たら足が竦んじまって、恐怖に立ち向かえなかった。あの時のシャルル様は本当にかっこよかった」
「なら、お前たちは何であの冒険者に立ち向かえたんだ? あの冒険者はあの時の魔獣よりも強かったぞ?」
「それは、お前を見たからだよ。俺とこいつはお前がみんなに気付かれないように援護しているのに気付いていた。そんなお前に勇気をもらったんだよ」
ナグモの直接的な賛辞に思わずむず痒い気持ちにさせられ、頬を掻きながら視線を外してしまった。
「それよりも、気になっていることがあるんだ! クロムとシャルル様の関係ってどういうのなの?」
「関係?」
「そう! シャルル様はクロムに対する接し方が違う気がするし、クロムもシャルル様のことをかなり信頼してるみたいだし、呼び方も呼び捨てじゃん。それに、シャルル様はクロムの力のこと前から知っているみたいだったし」
「それは、第一試験の時から少し色々あってな」
ナグモの質問をはぐらかそうと試みたのだが、ワカツキに加えルイネにも興味を持たれてしまい、俺はこれまでの戦いを、ついでに影の王以外のスキルを彼等に教えた。そして、オリジンスキルのことも彼等になら話してもいいと思ってしまった俺は詳らかに話した。
「え、おま、は? オリジンスキル無しであの強さなのかよ」
「信じられません、てっきり本当に破壊がオリジンスキルだと思い込んでいました」
「クロムっちのあの集団儀式魔法を一人でしかも無詠唱で放った時から怪物だと思っていたけど、まさかそこまでのバケモノだったとはね」
「貴様の話を聞いて、あの身のこなし、正直納得いきました」
皆感想は各々あるのかもしれないが、俺の話を信じてくれた様子。自身の秘密を打ち明けたことで更にこの五人の絆が深まった気がした。
そこからは当たり障りのない会話をして時間を過ごしていたのだが、突如として俺たちの気持ちのスイッチが切り替わった。
中庭には大きなサイレンの音が鳴り響き、場内アナウンスが流れた。
「以上を持ちまして、第二試験終了とさせていただきます。通過者は以下の方々です」
そうして、画面に張り出された名前を確認して気付いたことがあった。それは、俺たちのグループ以外全滅したにも関わらず、そこにはルイネの名前も映し出されていた。どうやら、あの試験は勝利することが条件と言いつつ、格上の冒険者にどう対応するのかを問われていたのかもしれない。
「引き続き第三試験を行います。ですが、その前に皆さまの体力を回復したいと思います、中庭の中央付近にお集まりください」
試験でボロボロになっていた彼等彼女等は、言われるがまま中庭の中央付近に集まっていた。するとそこに、上空から癒しの雨(ヒールレイン)が降り注いでいた。
その雨に打たれている彼等彼女等は、みるみる回復していき、生気が満ちていた。
「では、これより、第三試験の会場にご案内いたします。各グループの方は指定された闘技場まで移動をお願いします」
今回の試験は転移による移動ではなく、学園の施設を使うらしく、皆指定された場所に赴いていた。ルイネとは別グループとなり、一度ここで別れることになった。
町に戻ると、周囲の視線がちらつき、視線に目を合わすと皆揃って逃げる様に去る者たちばかり、その事態に諦め、隣町、隣国全てにおいて俺の素性が露見されていて、どこに居ても同じ対応をされる。俺は何か間違えたのか? 皆を救うために力を使い、助けた俺が何でこんな仕打ちを受けなければならないのだ。そこからは遠く離れた山奥に一人籠り暮らしていた。俺が転生前に仮面をつけていたのはそれが原因だ。その仮面に認識疎外の魔法をかけていたからである。
そんな二千年も前の出来事を俺は昨日のように覚えている。そんなことを思い出していると隣でシャルルが心配しているかのような面持ちでこちらを窺っている。俺がその言葉を信じていないことを悟られないように、俺は柔らかな笑みを浮かべて答えた。
「まあ、冗談だ。そんな恐ろしい奴が居るわけないだろ?」
「冗談ですか。そうですね、そんな方が居たら正直怖いですね」
その後は特に会話をすることなく、無言のまま時を過ごしていた。不思議とこの時間を心地よく感じていたのだが、その静寂を破る声が聞こえてきた。
「おーい、クロム! ここに居たのか……」
「馬鹿! 何で邪魔してるのよあんたは」
「え? あー……、悪い。邪魔しちゃった?」
ナグモが俺たちの前に現れ声をかけてきた。それをワカツキは急ぎ止めに入っていたが間に合わなかった様子だった。それに反応するかのようにシャルルが顔を真っ赤に染め上げて、否定の声を挙げていた。
「じゃ、邪魔なんてとんでもありません! ね! クロム」
「ん? あぁ、別に邪魔じゃないぞ。それよりどうした?」
俺の発言にシャルルは肩を落とし、ワカツキに何やら宥められている様子だった。何をそんなに残念がっているんだ? よくわからないな。
四人が揃ったことにより、先程までの静寂が嘘のように騒がしい時間が訪れた。
シャルルも二人の異世界人のフレンドリーな対応に気兼ねなく接することができてどこか気が楽そうに見えた。これが所謂、仲間、友達というものなのかもしれないな。
暫く四人で雑談を交わしていると、他のメンバーが帰還してきていた。皆言うまでもなくボロボロの状態だった。
その人だかりの中、突如として背後に殺気を感じ、殺気のする方に即座に二本の短剣を創造して剣を向けた。
「ぐっ、貴様、何故私のことがわかった」
「殺気がだだ漏れだ。お前、暗殺者か?」
「な、何故それを……」
「ルイネ! あなた、何をしているの⁉」
俺と彼女の刹那の攻防に遅れながらシャルルが声を上げたのだが、どうやらシャルルの知り合いらしく、今にもシャルルの顔が爆発しそうなくらいに膨れ上がり、その彼女に怒りを露わにしている。怒っていても可愛いってやっぱり天使なのかな?
「シャルル様に仇なす不届き物をころ、成敗しようと思いまして……」
こいつ今殺すって言おうとしただろ、なんて物騒な女なんだ。外見からは想像もできないぞ。
シャルルの知り合いらしき彼女、名をルイネ。綺麗な黒い髪に、大きな瞳に涙袋に黒子があるのが印象的で整った顔立ち。シャルルやワカツキにも引けを取らないほどの美少女であった。このルイネこそが先程俺が見ていた少女であった。
「不届き物はあなたです! その剣をしまいなさい。クロム、申し訳ありません。この子はどうも真っ直ぐすぎる性格をしていまして……、今もきっと私がクロムにナンパされていると勘違いしてしまったのかと思います。どうか剣を収めてはもらえませんか?」
シャルルに言われて剣を消し去った。それを間近で見ていたナグモたちはおぉ、などと驚いている様子だった。
「いや、元々斬るつもりは無かった。だが、あんな殺気を飛ばされては反応してしまうものだ。そうだよな?」
「ん? いや……、殺気なんて感じなかった」
「わ、私も……」
共感を求めて言葉を投げかけたのだが、二人はルイネの殺気に気付いてすらいなかった。
「ルイネは私を守護するメイド兼暗殺者です。幼い頃より英才教育を受けていましたから、普通の人が気付かないのは当たり前です、むしろこの子の殺気に気付いたクロムが少し……、ね?」
「なんだ、まるで俺が異常みたいな言い方だな」
「貴様は異常です! この私に気付いたのはおろか、私に致命傷を与える寸前で寸止めをしてきました。私が貴様を本気で殺す気で斬りかかっていれば命を落としていたのは私の方でした!」
何故か、殺しに来た方に異常者扱いを受けてしまった。一体王女様の護衛はどんな教育を受けてきたんだか……。
俺に異常者扱いをしてきたルイネはその後、しっかりシャルルにお叱りを受けていた。その最中も俺の方を睨み付け、目が合うとふいっと目を逸らされてしまった。なんで俺はあの子に嫌われてしまったんだ……。案外ショックを受けていた俺は肩をガクッと落として下を向いていた。そんな俺を見てまたしてもワカツキが肩に手を乗せ逞しい笑みを浮かべていた。
ルイネが加わり五人で食事をすることになった。未だ試験を受けているグループが居るために時間があるうちにできる限り栄養補給もしようとのことになったのだ。
そして、いつの間にか豪勢な食事が俺たちの目の前に並べられていた。
皆がその光景を不思議そうに見ていたのだが、シャルルだけは違った。その並べられた料理が当然かのような顔付きで、きちんとエプロンを身に付け、フォークとナイフを丁寧に使い一人優雅に食事を嗜んでいた。
「「「……」」」
俺を含む三人の視線に気付きはっと声を上げて、美しく白かった首筋まで赤く染め上げられていた。
「ご、ごめんなさい。第一試験でも安心して食事を取れていなかったので、つい気が緩んでしまいました。こちらの料理はルイネの手作りです。とっても美味しいんですよ! 皆さんも召し上がってください」
シャルルの気持ちもわからなくはない。あの状況で、皆を指揮しつつ自分の体も休めるなんて真似は歴戦の指揮官クラスでしか実行することは難しいだろう。それにしても、この料理めちゃくちゃ美味いな。ルイネに思わず感心していると、俺はずっと引っかかっていた疑問をこの機会に晴らそうとした。
「そういえば、ナグモとワカツキは第一試験の時どこに居たんだ?」
「え? シャルル様のグループに一緒に居たわよ?」
「……何? じゃあ、お前らは力を隠してシャルルに頼りきりだったって訳か?」
「あ、あはは……。ごめんなさい」
ワカツキは舌をペロッと出して可愛らしく謝っていた。先程感じた大人しそうなイメージは最早俺の中には欠片も残っていなかった。これが本来のワカツキの姿なのだろう。
ナグモに関してはギクッと反応して俺から視線を外していた。だが、俺からの視線に耐え兼ねたのか、あーっと叫びながら、頭をくしゃくしゃとしながら口を開く。
「悪かったよ! 俺たちも魔獣なんかと戦うのは初めてだったんだよ! いきなり目の前で人が食べられるところを見たら足が竦んじまって、恐怖に立ち向かえなかった。あの時のシャルル様は本当にかっこよかった」
「なら、お前たちは何であの冒険者に立ち向かえたんだ? あの冒険者はあの時の魔獣よりも強かったぞ?」
「それは、お前を見たからだよ。俺とこいつはお前がみんなに気付かれないように援護しているのに気付いていた。そんなお前に勇気をもらったんだよ」
ナグモの直接的な賛辞に思わずむず痒い気持ちにさせられ、頬を掻きながら視線を外してしまった。
「それよりも、気になっていることがあるんだ! クロムとシャルル様の関係ってどういうのなの?」
「関係?」
「そう! シャルル様はクロムに対する接し方が違う気がするし、クロムもシャルル様のことをかなり信頼してるみたいだし、呼び方も呼び捨てじゃん。それに、シャルル様はクロムの力のこと前から知っているみたいだったし」
「それは、第一試験の時から少し色々あってな」
ナグモの質問をはぐらかそうと試みたのだが、ワカツキに加えルイネにも興味を持たれてしまい、俺はこれまでの戦いを、ついでに影の王以外のスキルを彼等に教えた。そして、オリジンスキルのことも彼等になら話してもいいと思ってしまった俺は詳らかに話した。
「え、おま、は? オリジンスキル無しであの強さなのかよ」
「信じられません、てっきり本当に破壊がオリジンスキルだと思い込んでいました」
「クロムっちのあの集団儀式魔法を一人でしかも無詠唱で放った時から怪物だと思っていたけど、まさかそこまでのバケモノだったとはね」
「貴様の話を聞いて、あの身のこなし、正直納得いきました」
皆感想は各々あるのかもしれないが、俺の話を信じてくれた様子。自身の秘密を打ち明けたことで更にこの五人の絆が深まった気がした。
そこからは当たり障りのない会話をして時間を過ごしていたのだが、突如として俺たちの気持ちのスイッチが切り替わった。
中庭には大きなサイレンの音が鳴り響き、場内アナウンスが流れた。
「以上を持ちまして、第二試験終了とさせていただきます。通過者は以下の方々です」
そうして、画面に張り出された名前を確認して気付いたことがあった。それは、俺たちのグループ以外全滅したにも関わらず、そこにはルイネの名前も映し出されていた。どうやら、あの試験は勝利することが条件と言いつつ、格上の冒険者にどう対応するのかを問われていたのかもしれない。
「引き続き第三試験を行います。ですが、その前に皆さまの体力を回復したいと思います、中庭の中央付近にお集まりください」
試験でボロボロになっていた彼等彼女等は、言われるがまま中庭の中央付近に集まっていた。するとそこに、上空から癒しの雨(ヒールレイン)が降り注いでいた。
その雨に打たれている彼等彼女等は、みるみる回復していき、生気が満ちていた。
「では、これより、第三試験の会場にご案内いたします。各グループの方は指定された闘技場まで移動をお願いします」
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