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入学式
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怒涛の試験が終わった翌日。新たな制服を身に纏い、まだ見ぬ新たな出会いに胸を躍らせて俺は家の扉を開けた。
「じゃあ行ってきます」
「気を付けるのよ? 週末は必ず帰ってきてね? 絶対よ?」
「クロム、沢山勉強してこい!」
二人とまるで永遠の別れを想像させるくらいの熱い抱擁を交わして俺は学園に転移した。
この魔剣学園は完全なる全寮制なので週末にしか自宅に帰ることはできないのだ。まあ、そろそろ両親にも子離れしてもらいたかったし、丁度いい機会である。
転移が終わり学園の前に現れた俺に声がかかった。
「おーい、クロムっち! おはよう。どう? 似合う?」
俺に声をかけてきたのはワカツキだった。新しい制服を着て体をくるくる回転させながら、俺に感想を求めてきた。
「おはよう、ワカツキ。相変わらず元気だな。うん、似合っているよ」
「えへへ、ありがと」
俺の言葉に可愛くはにかんで見せるワカツキ。その後ろからナグモの姿が目に映った。
「おはよう、ナグモ。どうやら遅刻はしなかったようだな」
「いやいや、かなり焦ったわ! イズミが起こしてくれなくて本当に危なかった」
その言葉の信憑性を出すためか、早朝から汗だくのナグモだった。そのナグモも新しい制服を着て、髪もバッサリ短く切り、更に男らしくなっていた。
「皆さんおはようございます。本日からよろしくお願いします」
三人で会話をしていると後ろから清らかで温かみのある声が聞こえてきた。この声の持ち主は俺の知る限りでは他に居ないだろうとあたりを付けて振り返ると、そこには皆と同じ制服なはずなのに特別輝いているように見えるシャルルが居た。
「おはよう。シャルル、そのなんだ、とても似合っているよ。すごく可愛いと思う」
昨日の出来事からシャルルと妙な距離感を感じていた俺は今も無視されるのではないかという恐怖心に打ち勝ち、シャルルに感想を述べていたのだが、その言葉を聞いたシャルルはまるで、ボン! と音が聞こえるような勢いで顔が真っ赤になっていた。
「むー、クロムっち! 私の時と感想が違うじゃん」
「そんなこと無いぞ? お前も可愛いって」
四人が集まり、他愛のない会話をしていると、そこにもう何故だか恒例になっているが俺の背後から殺気を感じて後ろに振り向くと、入学早々短剣を忍ばせたルイネがそこに居た。
「はぁ、お前は普通に挨拶できないのかよ!」
「私の目標は貴様に気付かれずに卒業までに貴様を暗殺することだ」
挨拶ではなく、なんだか恐ろしい目標を宣言されてしまった。
「クロム、準備はできていますか?」
「ん? 何をだ?」
「はぁ、あなたは資料やこの学園の歴史を調べないんですか? この学園の入学式には伝統行事があるんですよ?」
「ほぉ? 全く知らん」
俺の言葉に四人は盛大に溜め息を吐いていた。え? そんなに呆れられる?
その伝統行事とやらの詳細が掴めないまま、入学式が始まった。
入学式が進行していく中、ふと俺を呼ぶ声が聞こえてきた。呼ばれるままその場に行き着くと、何やら新入生代表として答辞を述べねばならないらしい。そんなことをいきなり言われてすんなり出てくるほど俺の頭は良くない。これが、魔法理論や歴史についての解説とかなら、たぶん一生話ができるんだが……。
俺がその事実に戸惑っていると、そこにシャルルが現れ、一枚の封筒を渡してきた。
「もう、あなたはそんなことだろうと思って、今答辞の言葉を書いておきました。これを読めば大丈夫でしょう」
「シャルル……。いや、天使様。ありがとうございます! この恩は一生忘れません」
いや、ほんとシャルルって本当に天使じゃないの?
「頑張って読み切ってくださいね! 今二年連続失敗しているみたいなので」
失敗? 文字を読むのに? 馬鹿なの? よくそれでこの学園の主席が成り立つな、などとこの時はシャルルの言葉を簡単に受け取っていた。
「新入生代表答辞、新入生代表クロム・ジルキア前へ」
入学式を司会している人に呼ばれて、前に出た俺の目に思わず目がギョッとする光景が広がっていた。
「じゃあ行ってきます」
「気を付けるのよ? 週末は必ず帰ってきてね? 絶対よ?」
「クロム、沢山勉強してこい!」
二人とまるで永遠の別れを想像させるくらいの熱い抱擁を交わして俺は学園に転移した。
この魔剣学園は完全なる全寮制なので週末にしか自宅に帰ることはできないのだ。まあ、そろそろ両親にも子離れしてもらいたかったし、丁度いい機会である。
転移が終わり学園の前に現れた俺に声がかかった。
「おーい、クロムっち! おはよう。どう? 似合う?」
俺に声をかけてきたのはワカツキだった。新しい制服を着て体をくるくる回転させながら、俺に感想を求めてきた。
「おはよう、ワカツキ。相変わらず元気だな。うん、似合っているよ」
「えへへ、ありがと」
俺の言葉に可愛くはにかんで見せるワカツキ。その後ろからナグモの姿が目に映った。
「おはよう、ナグモ。どうやら遅刻はしなかったようだな」
「いやいや、かなり焦ったわ! イズミが起こしてくれなくて本当に危なかった」
その言葉の信憑性を出すためか、早朝から汗だくのナグモだった。そのナグモも新しい制服を着て、髪もバッサリ短く切り、更に男らしくなっていた。
「皆さんおはようございます。本日からよろしくお願いします」
三人で会話をしていると後ろから清らかで温かみのある声が聞こえてきた。この声の持ち主は俺の知る限りでは他に居ないだろうとあたりを付けて振り返ると、そこには皆と同じ制服なはずなのに特別輝いているように見えるシャルルが居た。
「おはよう。シャルル、そのなんだ、とても似合っているよ。すごく可愛いと思う」
昨日の出来事からシャルルと妙な距離感を感じていた俺は今も無視されるのではないかという恐怖心に打ち勝ち、シャルルに感想を述べていたのだが、その言葉を聞いたシャルルはまるで、ボン! と音が聞こえるような勢いで顔が真っ赤になっていた。
「むー、クロムっち! 私の時と感想が違うじゃん」
「そんなこと無いぞ? お前も可愛いって」
四人が集まり、他愛のない会話をしていると、そこにもう何故だか恒例になっているが俺の背後から殺気を感じて後ろに振り向くと、入学早々短剣を忍ばせたルイネがそこに居た。
「はぁ、お前は普通に挨拶できないのかよ!」
「私の目標は貴様に気付かれずに卒業までに貴様を暗殺することだ」
挨拶ではなく、なんだか恐ろしい目標を宣言されてしまった。
「クロム、準備はできていますか?」
「ん? 何をだ?」
「はぁ、あなたは資料やこの学園の歴史を調べないんですか? この学園の入学式には伝統行事があるんですよ?」
「ほぉ? 全く知らん」
俺の言葉に四人は盛大に溜め息を吐いていた。え? そんなに呆れられる?
その伝統行事とやらの詳細が掴めないまま、入学式が始まった。
入学式が進行していく中、ふと俺を呼ぶ声が聞こえてきた。呼ばれるままその場に行き着くと、何やら新入生代表として答辞を述べねばならないらしい。そんなことをいきなり言われてすんなり出てくるほど俺の頭は良くない。これが、魔法理論や歴史についての解説とかなら、たぶん一生話ができるんだが……。
俺がその事実に戸惑っていると、そこにシャルルが現れ、一枚の封筒を渡してきた。
「もう、あなたはそんなことだろうと思って、今答辞の言葉を書いておきました。これを読めば大丈夫でしょう」
「シャルル……。いや、天使様。ありがとうございます! この恩は一生忘れません」
いや、ほんとシャルルって本当に天使じゃないの?
「頑張って読み切ってくださいね! 今二年連続失敗しているみたいなので」
失敗? 文字を読むのに? 馬鹿なの? よくそれでこの学園の主席が成り立つな、などとこの時はシャルルの言葉を簡単に受け取っていた。
「新入生代表答辞、新入生代表クロム・ジルキア前へ」
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