転生した最強の死霊使いは平凡な日々を求めるが……

カルマ

文字の大きさ
35 / 43

最後の戦い(3)

しおりを挟む
「あら、みんないらっしゃい。今日はどうしたの? さあ中に入って」

「突然お邪魔して申し訳ございません。今日はクロムさんのご両親にご報告したいことがありまして来ました」


 シャルルの言葉に両親は首をはてなと傾けていた。いやいやいや、シャルルさんや、いきなり過ぎませんかね? 俺にも心の準備というものがあるんですよ?


 両親の視線が俺に注がれているが未だ心の準備が纏まっておらず、上手く言葉が出てこない。それを見兼ねた皆が普段の学園生活の話を両親に聞かせてくれていた。


 主に俺の学園での女子生徒からの人気の話をしていた。それを聞いた両親もきゃーとかずるいぞなどなど感想が零れ出ていた。ん? 父さんの感想何かおかしくなかった?


 そんな話をしていると突然母さんが思い付いたかのように話題を振ったのだが、その内容は爆弾以外の何物でもなかった。


「それで? 色んな子にモテモテのクロムちゃんを好きなのは他の子だけなのかしら? この中にもいるんじゃないの?」

「げぇっ……」


 母さんの言葉に俺はあられもない言葉が出てしまったが、周囲の女性陣はにやりと笑みを浮かべていた。


「私はクロムっちのこと好きですよ!」


 ワカツキが母さんの言葉に躊躇なく告白した。その発言に他の女性陣はしてやられたという顔つきになり各々告白合戦が繰り広げられていた。


「私は好きという気持ちはわからないが、クロムのことは他の男とは違う何かを感じています」

「私もクロムさんをお慕いしております。この中の誰よりも」


 皆の気持ちを初めて知った俺は驚愕とそれにも勝る嬉しさと恥ずかしさで全身が真っ赤になっているのが自身の体温を通して伝わってくる。嘘だろ⁉ 皆が俺のことを好きなんて、全く気付かなかった……。好きと言ってもライクであってラブではないだろ? だけどお慕いしてるってルミナスは言っていたし、え、俺こんなにモテてたの⁉


「キャー! クロムちゃんモテモテじゃないの! こんなに可愛い子から告白されるなんて、凄いわ! お母さんも鼻が高いわ」


 母さんは皆の想いを聞いてかなりはしゃいでいた。父さんに関してはナグモと共に俺を睨み付けていた。なんやかんやこの二人気が合うんだよな。


 そんな喧騒の中、シャルルは全身を震わせて何かを抗議したいように見えた。そして我慢の限界が訪れたのか、机をバン! と叩きながら立ち上がり顔を赤らめながら、声を大にして言葉を発した。


「皆さん! クロムさんは私の恋人です! 手出しは禁止します!」

「……」


 突然のシャルルの告白に周囲は言葉を失った。ルミナスたちは意図してシャルルを呷っていたのかもしれないが、その事実を知らない両親は少しの沈黙の中俺とシャルルを見比べながら何かを思っているのか、口をパクパクしながら動揺していた。


「「な、なんですって⁉」」

「お、おいクロム。シャルル王女とこ、こ、恋人って本当なのか⁉」

「ク、ク、クロムちゃん、シャルル王女様と、お、お、王族の方とお付き合いしてるって本当なの⁉」

「……あぁ。その、なんだ。シャルルとは恋人になってはいるが……」


 そこで言葉を区切り、今回の選考会を受けるに至った話と国王に謁見した経緯について話をした。


「まさか、あの四国祭に選ばれたのか⁉ 凄い事だぞ! この国の代表に我が子が選ばれるなんて……」

「本当にクロムちゃんは天才ね! それじゃあシャルル王女様と無事にお付き合いするためにその大会に出て優勝すれば正式にお付き合いできるのね!」


 そして、まずはその選考会選出と取り敢えず暫定的ではあるが俺とシャルルの交際を祝う宴が簡易ではあるが開かれた。


 宴が終わりを迎え、皆を転移にて送り届けた。今回は争い事も無くシャルルとルミナスが大人の対応を取り、俺の両隣にはワカツキとルイネが居た。


 皆を無事に送り終えた俺は自宅にて両親と色んな事柄を話していた。


「まさか、クロムがシャルル王女とお付き合いしているとは思わなかった。決め手は何だったんだ?」

「うーん、決め手はあの魔人襲撃の時かな? 俺の力の一端を見せた時、みんなが俺を拒絶していたんだ。それを見て俺は学園を去ろうとしていたんだけど、それをシャルルが引き留めてくれたんだ。それだけじゃない、入学試験の時思い返せばシャルルがいつも俺の傍に居てくれたんだ」

「ロマンティックな成り染めね。キュンキュンしちゃうわ」

「クロム。本気でシャルル王女とお付き合いをするつもりなんだな? 王族とお付き合いする覚悟が本当にあるんだな?」

「二人には迷惑かけると思う。だけど俺はシャルルを本気で特別に思ってるし、何より他の男にシャルルを奪われたくない」


 俺の言葉に両親はおぉ、などと感慨に耽っている様子だった。勢いで言葉を紡いだが思い返すと恥ずかしさで今にも悶えそう。


「迷惑だなんて考えるな。我が子が幸せになれるなら親は全力で応援するに決まっているだろ? まあ国王に謁見することがあればかなり緊張するけど、きっと大丈夫だ」

「そうよ、クロムちゃんが選んだ相手だし、私たちもシャルル王女様をもう知っている。この二人なら幸せな家庭が築けると思うわ。最大の壁が立ちはだかるけどクロムちゃんなら乗り越えて見せるわよね?」

「あぁ、もちろんだ。必ず乗り越えて見せる」


 両親との会話も終わり、一人お気に入りの場所にて修練を行っていた。すると、唐突に通信(テレパシー)を受信した。相手はシャルルだった。


「ごめんなさい。こんな遅くに、なんだか急に声が聞きたくなって……」

「大丈夫だ、わざわざありがとう。俺も声が聞けて嬉しいよ」

「ねえ、クロム? 本当に四国祭で優勝できる?」

「わからない。出場者のレベルがどれだけのものか測りかねない。だがどんな手を使ってでも勝ちにいくよ。シャルルとの交際を認めてもらわなければ」

「そうですね、お父様は無茶苦茶してくるから本当に困ったものよね……」

「仕方ないさ、可愛い愛娘だからな」

「そろそろ子離れしてもらいたいものです」

「あぁ……、俺もそれは思う。俺の両親も何時子離れできるのか……」


 そこから時間にして一時間程度会話をしていた。そしてその会話も区切りよく終了した。


「では、おやすみなさい」

「あぁ。おやすみ」


 シャルルとの会話が終わり、再び修練を開始した。修練の内容も転生前に戻し影の世界にて十影雄と修練を積んだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

処理中です...