白騎士と薔薇の婚姻

世羅

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プロローグ

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 ヴァイスの目の前に連れてこられた女はロザリア薔薇という名前の美しい少女だった。この国には珍しい長い艶やかな黒髪と碧眼が特徴的で、肌は雪のように白く陶器のように美しい。その体はほっそりとしていて、出る部分は出ており、またそのような体型はこの国の女とはまた異なっていた。



 しかし、その手足は鎖で繋がれており、捕虜であるというのは一目瞭然だった。報告書によれば、ここ辺境に住み着いている異民族の娘とあり、納税をすることができずに連れてこられたとあった。

「お前、ジキル語は話せるか?」

 彼は異民族の言葉で話しかけると、ロザリアはジキル語で「話せます」と答えた。それを確認するなり、ヴァイスは彼女の手足の錠を外してやった。

「ファーバ将軍っ」

 彼を制止する部下の声が聞こえるとすぐさま彼は部下を睨みつけた。

「この者は今から俺の妻だ。俺の妻に無体を働くことは許さない」

 そう告げて、彼女を抱き寄せた。
 これほど、美しい女は二度とお目にかかれないかもしれない。
 それに見た感じ、この女のように勝気な女ではなく、聡明さも兼ね備えているようだった。目の前の女を嫁にするというのはとてもいい考えだと思った。


 都にある実家から適齢期をすぎる前に結婚しろと散々言われ続けている。


 だから、相手は誰でもよかった。しかし、なかなかこれといった女がいなかったが今目の前に嫁にしたいという女が現れた。

 さっそく、近くの教会で簡易ではあるが、婚姻を済ませて、家に連れ帰った。


 ロザリアはなにも抵抗することなく、ただヴァイスのすることを受け入れていた。それも彼にとってはとても好都合だった。

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