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婚約からの結婚?
Round5:彼の違う姿
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夕方になり、彼はトレーニングのためにジムにいってしまった。
とりあえず、再びゆっくりお風呂に入ることにしたのだが、私が持ってきたはずの下着が消えていた。ゴミ箱を漁ったがなかった。
あのうっすいネグリジェとあまりにもセクシーすぎる下着を身につける以外、選択肢がないと思うとなんだかぞっとしてしまう…………。
意を決して、お風呂あがりにネグリジェとセクシーな下着を身に付け、鏡で自分の姿を確認してみたら、いかにも「わたしを食べて」って感じがしたので念のため、パーカーを着ることにした。もちろん、チャックは閉めた。
キッチンにいき、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出して、それを飲んだ。急にいろいろあったからだろうか、ものすごくうとうとしてしまう。どうせなら寝ちゃいたい。ふらふらとした足取りで、寝室に向かってそのままベッドに飛び込んだ。ふかふかのベッドだ。
しばらくして、悪魔の声が聞こえた。
「ただいま、新菜。ずいぶん、厭らしい格好してるね?」
たぶん、これは幻聴だ。わたしは夢の中にいる。そう決め込んだ。
「ちゃんと見せてくれないと、襲うよ?」
潔くジッパーを引き下げようとしたが、彼の手がそれを遮った。気づいたら頬にキスをされていて、見せろと言ってみたり止めてみたりなんなのだろうか?と思ってしまった。随分と気まぐれな人だと思っていたら、抱きしめられていた。
「ちょっと迷惑かけるかもしれない。それでもいい? ねえ、新菜……ずっとそばにいてくれる? 俺のそばにいてくれる?」
今まで想像していた彼とはまったく違う彼が私の目の前にはいた。私はそっと彼の背中に腕を回して、「うん……」と小さな声で答えた。目の前にいるのはサッカー界の王子様だ。これは夢かもしれないけれども、私はこの夢を謳歌したい。
「実は、新菜が働いていたキャバクラにいったことがあるんだ……―――」
彼の告白に思わず、回していた腕をほどいて、彼の前で目を見開いてしまった。
「他の女の子とは全く違うし、お店で言い寄っても本気だと思われないと思ったから、新菜と一緒に働いていた琴音ちゃんにお願いして……」
え、ということは私が酔っぱらって、記憶なくして、マンションの前で倒れてたのって全部計画だったわけ? あの日一緒に飲んでた 同じお店の仲良しな琴音ちゃんが共謀者だったってことか。それに、彼がお店に来たのなんて私は覚えてない。
「新菜が酔っぱらってたからそのまま俺のうちに連れ込んだ。既成事実を作ろうかと思ったけど、琴音ちゃんから新菜が処女だって聞いてたから、やめたんだ……。その代わり、新菜が酔ってて勘違いして、婚姻届けと婚約誓約書を書いてくれたからちょうどよかったんだけどね。って……こういうことして俺のこと嫌いになったりしない?」
何も言わずに首を横に振った。そうすると目の前の悪魔が笑った。
「これからは俺のものだからな、新菜」
とりあえず、再びゆっくりお風呂に入ることにしたのだが、私が持ってきたはずの下着が消えていた。ゴミ箱を漁ったがなかった。
あのうっすいネグリジェとあまりにもセクシーすぎる下着を身につける以外、選択肢がないと思うとなんだかぞっとしてしまう…………。
意を決して、お風呂あがりにネグリジェとセクシーな下着を身に付け、鏡で自分の姿を確認してみたら、いかにも「わたしを食べて」って感じがしたので念のため、パーカーを着ることにした。もちろん、チャックは閉めた。
キッチンにいき、冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出して、それを飲んだ。急にいろいろあったからだろうか、ものすごくうとうとしてしまう。どうせなら寝ちゃいたい。ふらふらとした足取りで、寝室に向かってそのままベッドに飛び込んだ。ふかふかのベッドだ。
しばらくして、悪魔の声が聞こえた。
「ただいま、新菜。ずいぶん、厭らしい格好してるね?」
たぶん、これは幻聴だ。わたしは夢の中にいる。そう決め込んだ。
「ちゃんと見せてくれないと、襲うよ?」
潔くジッパーを引き下げようとしたが、彼の手がそれを遮った。気づいたら頬にキスをされていて、見せろと言ってみたり止めてみたりなんなのだろうか?と思ってしまった。随分と気まぐれな人だと思っていたら、抱きしめられていた。
「ちょっと迷惑かけるかもしれない。それでもいい? ねえ、新菜……ずっとそばにいてくれる? 俺のそばにいてくれる?」
今まで想像していた彼とはまったく違う彼が私の目の前にはいた。私はそっと彼の背中に腕を回して、「うん……」と小さな声で答えた。目の前にいるのはサッカー界の王子様だ。これは夢かもしれないけれども、私はこの夢を謳歌したい。
「実は、新菜が働いていたキャバクラにいったことがあるんだ……―――」
彼の告白に思わず、回していた腕をほどいて、彼の前で目を見開いてしまった。
「他の女の子とは全く違うし、お店で言い寄っても本気だと思われないと思ったから、新菜と一緒に働いていた琴音ちゃんにお願いして……」
え、ということは私が酔っぱらって、記憶なくして、マンションの前で倒れてたのって全部計画だったわけ? あの日一緒に飲んでた 同じお店の仲良しな琴音ちゃんが共謀者だったってことか。それに、彼がお店に来たのなんて私は覚えてない。
「新菜が酔っぱらってたからそのまま俺のうちに連れ込んだ。既成事実を作ろうかと思ったけど、琴音ちゃんから新菜が処女だって聞いてたから、やめたんだ……。その代わり、新菜が酔ってて勘違いして、婚姻届けと婚約誓約書を書いてくれたからちょうどよかったんだけどね。って……こういうことして俺のこと嫌いになったりしない?」
何も言わずに首を横に振った。そうすると目の前の悪魔が笑った。
「これからは俺のものだからな、新菜」
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