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婚約からの結婚?
Round6:不本意な結婚
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朝、テレビをつけたら大変なことになっていた。でかでかと槇ノ内さんの写真と共に、『槇ノ内進選手、一般女性と結婚へ。お相手は某有名大学のお嬢様』とテロップが流れていた。昨日のちょっと迷惑をかけるとはこういうことだったのか……―――。
槇ノ内さんを問い詰めたかったけれども、練習に行ってしまっていて不在。ああ、もう最悪だ。家から出ようにも私はこのマンションの鍵なんて渡されてないし、とりあえず彼の帰りをおとなしく待つことにした。
夕食の準備をしていると彼の「ただいま」という声が聞こえた。
「マンションの下、記者とかたくさんいて入るの大変だった」
それは自業自得というものだと私は思ったが、「そうですか」とだけ言って、テーブルの上に作った食事を並べ始めた。その間、彼は荷物を置きに部屋に行き、着替えて戻ってきた。二人で夕食を食べ終わり、私が片付けをしていると槇ノ内さんは「婚姻届け出してきた」とぼそりとつぶやいた。
「え? はああああああ?」
思わず、そんな声が出てしまった。
「いやほらだって、ずっと一緒にいてくれるって言っただろ?」
「待ってくださいよ。いいましたけど、私たち実質出会ってそんな日数経ってないんですよ?」
「それとこれとはまた別な話だろ。結婚してから愛をはぐくめば問題ない」
とんだおめでたい頭をしているようだ。勝手に婚姻届けを出されるなんて最悪だ。それに苗字が変わればいろいろ手続きをしなければならないのに、何を考えているんだろうか。彼を見れば、にやにや笑っている。
「槇ノ内さん、ひどいですよ」
「新菜ももう”槇ノ内新菜”だけどな。そうそう、明日ディナー食べに行こうぜ。それから、これからは名前で呼べよ?」
用件だけ言うと、彼は映画を見始めてしまった。
どうしていいかわからないのが正直なところで、「夫婦」になったからと言って彼に対してそういった感情があるかと言えばはっきりと頷くことはできない。それに、まだいろいろと心の準備だってできているわけでもない。それにまだお互いのこともそんなに知らない。
「新菜、こっちおいで」
仕方なく、彼の隣にいけばすっぽりと彼の腕に包まれた。
「勝手に婚姻届け出したから怒ってる?」
「当たり前でしょ……」
「けど、新菜を縛るためには俺こういうことしかできないんだよね」
イケメンにそんなこと言われたら、何も反論ができない。
「新菜、キスしていい?」
そんなこと言われて見つめられたら、どうしようもない。
はっと我に返って、手で唇を隠した。
槇ノ内さんを問い詰めたかったけれども、練習に行ってしまっていて不在。ああ、もう最悪だ。家から出ようにも私はこのマンションの鍵なんて渡されてないし、とりあえず彼の帰りをおとなしく待つことにした。
夕食の準備をしていると彼の「ただいま」という声が聞こえた。
「マンションの下、記者とかたくさんいて入るの大変だった」
それは自業自得というものだと私は思ったが、「そうですか」とだけ言って、テーブルの上に作った食事を並べ始めた。その間、彼は荷物を置きに部屋に行き、着替えて戻ってきた。二人で夕食を食べ終わり、私が片付けをしていると槇ノ内さんは「婚姻届け出してきた」とぼそりとつぶやいた。
「え? はああああああ?」
思わず、そんな声が出てしまった。
「いやほらだって、ずっと一緒にいてくれるって言っただろ?」
「待ってくださいよ。いいましたけど、私たち実質出会ってそんな日数経ってないんですよ?」
「それとこれとはまた別な話だろ。結婚してから愛をはぐくめば問題ない」
とんだおめでたい頭をしているようだ。勝手に婚姻届けを出されるなんて最悪だ。それに苗字が変わればいろいろ手続きをしなければならないのに、何を考えているんだろうか。彼を見れば、にやにや笑っている。
「槇ノ内さん、ひどいですよ」
「新菜ももう”槇ノ内新菜”だけどな。そうそう、明日ディナー食べに行こうぜ。それから、これからは名前で呼べよ?」
用件だけ言うと、彼は映画を見始めてしまった。
どうしていいかわからないのが正直なところで、「夫婦」になったからと言って彼に対してそういった感情があるかと言えばはっきりと頷くことはできない。それに、まだいろいろと心の準備だってできているわけでもない。それにまだお互いのこともそんなに知らない。
「新菜、こっちおいで」
仕方なく、彼の隣にいけばすっぽりと彼の腕に包まれた。
「勝手に婚姻届け出したから怒ってる?」
「当たり前でしょ……」
「けど、新菜を縛るためには俺こういうことしかできないんだよね」
イケメンにそんなこと言われたら、何も反論ができない。
「新菜、キスしていい?」
そんなこと言われて見つめられたら、どうしようもない。
はっと我に返って、手で唇を隠した。
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