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婚約からの結婚?
ROUND7: 攻防戦の始まり
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「結婚してるんだから夫婦としてキスとかセックスとかするのは当たり前だろ? それから、俺のことは進って呼んでよ……っていてぇ」
思いっきり、クッションで殴り飛ばして「変態!」と叫べば、彼はふんっと鼻で笑って見せた。そして、ゆっくりと私の頬を両手で包むとその優しい眼が私を覗き込んできた。まっすぐこちらを見る瞳に私は思わず目を逸らしてしまった。
「なんで逸らすんだよ? もしかして、怒ってるのか……」
首を横に振って、クッションをぎゅっと抱きしめるとそのクッションも彼によって奪われてしまった。「ちゃんとこっち見ろ」と言って、顎をつかまれた。再び、彼の真剣な眼差しが向けられて、どうしたらいいかわからなくなる。
「まだセックスはしたくない……。そういうのは好きな人としたいもん」
「え……?」
私の発言に彼は目を丸くしていた。そして、首を後ろにそらして「気持ちの問題か」となんだか独り言を言っていた。その隙に奪われてしまったクッションを奪い返して、抱え込んだ。そうすると彼は「かわいい」とぼそりと呟いた。
「お前が俺とセックスしたい気持ちにさせればいいんだろ?」
挑発的な彼の発言に私は瞼をぱちぱちと羽ばたかせた。「そういうことだろう」とにやりと笑う彼は私の頬に手を当てて、耳元でそっと囁いた。
「俺に惚れさせてやるよ……―――」
「っ……」
思わずそんな言葉にどきりとしてしまう私。こんなの仕事で慣れっこなはずなのにどうしてここまでどきどきとしてしまうのかわからない。もしかしたら、私は彼の掌で踊らされているのかもしれない。
「お前に抱いてほしいって言わせてやるからな、新菜」
「絶対、言わないからっ!」
「いや、言わせてやる」
頬を膨らませて彼をにらみつければ、また鼻で笑われた。
私と彼の攻防戦はこうして幕を開けてしまったのだ……―――。
彼が練習に出かけた昼間にテレビをつければ、ワイドショーの話題は彼と私のことについてだった。そうだ、サッカー界の王子様ならばこのぐらい報道が過熱するのは当然だろう。
『槇ノ内選手っ、お相手はどんな女性ですか?』
女性リポーターの質問に満面の笑みで応じる彼。
『とても誠実で真面目な方で、俺にはもったいないような女性です。それにとってもかわいらしいですし』
本当にそう思っているかどうかは甚だ怪しいが、なぜか少しだけうれしくなってしまった。
思いっきり、クッションで殴り飛ばして「変態!」と叫べば、彼はふんっと鼻で笑って見せた。そして、ゆっくりと私の頬を両手で包むとその優しい眼が私を覗き込んできた。まっすぐこちらを見る瞳に私は思わず目を逸らしてしまった。
「なんで逸らすんだよ? もしかして、怒ってるのか……」
首を横に振って、クッションをぎゅっと抱きしめるとそのクッションも彼によって奪われてしまった。「ちゃんとこっち見ろ」と言って、顎をつかまれた。再び、彼の真剣な眼差しが向けられて、どうしたらいいかわからなくなる。
「まだセックスはしたくない……。そういうのは好きな人としたいもん」
「え……?」
私の発言に彼は目を丸くしていた。そして、首を後ろにそらして「気持ちの問題か」となんだか独り言を言っていた。その隙に奪われてしまったクッションを奪い返して、抱え込んだ。そうすると彼は「かわいい」とぼそりと呟いた。
「お前が俺とセックスしたい気持ちにさせればいいんだろ?」
挑発的な彼の発言に私は瞼をぱちぱちと羽ばたかせた。「そういうことだろう」とにやりと笑う彼は私の頬に手を当てて、耳元でそっと囁いた。
「俺に惚れさせてやるよ……―――」
「っ……」
思わずそんな言葉にどきりとしてしまう私。こんなの仕事で慣れっこなはずなのにどうしてここまでどきどきとしてしまうのかわからない。もしかしたら、私は彼の掌で踊らされているのかもしれない。
「お前に抱いてほしいって言わせてやるからな、新菜」
「絶対、言わないからっ!」
「いや、言わせてやる」
頬を膨らませて彼をにらみつければ、また鼻で笑われた。
私と彼の攻防戦はこうして幕を開けてしまったのだ……―――。
彼が練習に出かけた昼間にテレビをつければ、ワイドショーの話題は彼と私のことについてだった。そうだ、サッカー界の王子様ならばこのぐらい報道が過熱するのは当然だろう。
『槇ノ内選手っ、お相手はどんな女性ですか?』
女性リポーターの質問に満面の笑みで応じる彼。
『とても誠実で真面目な方で、俺にはもったいないような女性です。それにとってもかわいらしいですし』
本当にそう思っているかどうかは甚だ怪しいが、なぜか少しだけうれしくなってしまった。
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