40代のさえないオッサン、異世界をゆく

レタスさん二朗

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オッサン異世界でお礼を貰う

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「やぁ失礼するよ、この度はどうもありがとう」

客室に入ってきた男性からなかなか気さくに声をかけられた。
俺もソファーから立ち上がり馬を俺に預けた兵士の男性と握手をする。

「いえいえ、俺もこの街へ来るついででしたから」

「いやいや、あんな事をあんな時間、あんな場所でいきなり頼まれたのに
快く引き受けた上、馬にもよくしてくれたようで、とても感謝しているよ。

さっき厩に行ってきたが疲れた様子もなく機嫌もよかった。
連れてくるにも気を使ってくれたようだね。」

兵士の男性はにこにこと機嫌がよい。
彼にとってもあの馬はお気に入りらしい。

手を離しお互い対面でソファーに座る。
メイドさんが兵士の男の前にも紅茶を置く。

それを兵士の男性は手で感謝の意を伝えメイドさんは離れていく。

紅茶を一口のみこちらに目を向ける。

「えーと、ああ、すまない。
名を名乗っていなかったね、私の名前はクリストファー。

まぁ長いのでクリスとでも呼んでくれ。」

「あ、どうも、クリスさん。
俺の名前はタツマです。」

「タツマか、珍しい名前だな。
名前的に海を渡った東の国の名前か?」

転生ものによくある日本っぽい国はこの世界にも東の島国としてあるっぽい。
いずれ行ってみたいもんだ。

「いや、進んできた道の先にある農村ですよ。
爺さんがそうだったらしいだけでよく知らないんですよね。
父も母もそういう話をしてませんでしたし。」

とすっとぼけておく。

クリスさんはふむと軽く考え込むとまぁそんなものかと納得したのか
会話を続ける。

「何も聞いてないか、まぁ農家はそんなもんだな。
馬の扱いが良いのも農家だからかもしれんな。」

「ええ、なんだかんだ子供のころから側にいますからね。
馬は仕事仲間で家族ですよ。」

牛も馬も酪農・農業と係ってきた来た身としては家族である。

ニコニコと会話をいくつかして本題に入り始めた。

「馬も疲れず機嫌がよくこの後すぐに私は帰路に就くことができるので
非常に感謝している。

そこで謝礼だが大銀貨5枚でいいだろうか?」

俺は驚く、銀貨5枚でも結構もらえたラッキーと思うくらいである。
さっき買った飼料の米が10キロくらいの麻袋10個で銀貨5枚だったのに。

「もらいすぎでは?」

「いやいや、馬をあそこでつぶしてしまったとする。
ウィンディア領主から馬を譲り受けてまた戻ることを考えると
大銀貨5枚どころではない。

まぁ今回はこのウィンディア領主への急ぎの伝令も出来、早朝の出立ができた。
そしてあの馬を連れて帰る事ができる、上出来だよ。

貴族のメンツもあるから、まぁ受け取ってくれ。」

と懐から小さな革袋を出しテーブルに置く。

「それじゃいただきます、あ、こちらはお返しします。」

預かった装飾品を返し革袋をいただく。

「それではそろそろ・・・」
とソファーから腰を浮かす。

「ああ、この度はありがとう、もしガルドランの街に来ることが
あれば街門の門兵に私の名前を出してくれ。
多少扱いがよくなるはずだ。」

最後にもう一度馬に会わせてもらいお別れをする。
首を振って足をかいてくれたので許可をもらって人参をあげた。

「またどこかでなー」

それからわざわざ門まで送ってくれたクリスさんにもう一度握手をして別れた。

「ふむ、なんの情報も集めようとせずか。
常に若干の警戒心をもちつつニコニコしているのでどこぞの間者かと思ったが
馬の話になると途端に警戒心もかき消えてしまっていた。

ただの人見知りだな、プライベートもないすべての人間が共同体の農村の
人間としてはどうかと思うがだからこそ村から出てきたのかもな。」

そう呟きながら苦笑しつつ館へ戻ったのを俺は知る由もない。
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