灰に堕ちるその日まで

こりゃりゃ

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空白を超えて

終焉の弾丸

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吹き抜ける夜風の中、ビルの屋上で睨み合う三人の男たち。
遠くでサイレンが鳴っている。けれど、ここに辿り着ける者はいない。
これは、彼らだけの――終わらせるための夜だった。

「……まさか、お前が裏切るとはな、鴉。」
真壁が肩をすくめ、皮肉な笑みを浮かべる。

「裏切ったのは――お前だ。」
鴉の声は静かだが、鋭く研ぎ澄まされていた。
蓮の隣で、肩から血を流しながらも、銃を構えている。

「俺があんたの元に居たのは、宵宮の情報を得るため。そして、蓮の命を守るためでもあった」

蓮が驚いたようにわずかに眉を上げる。
鴉は構わず言葉を続ける。

「自分の命を盾にでもしなきゃ、あいつに蓮の命が狙われる。……それだけは絶対に避けたかった」

「……鴉……」

蓮が小さく呟く。

「だが……それだけじゃなかった」

鴉の瞳が夜空に染まる。

「俺は、お前が宵宮と1番近い存在であるということに、どこかで縋ってた。
宵宮を救えるかもしれないって、そう信じたかった。……でもな――」

鴉はわずかに蓮を振り返り、その目に確かな決意を宿す。

「お前が“力”の名のもとに、すべてを踏みにじってるって気づいた時、俺は間違ってたって思い知ったんだ」

真壁がわずかに顔を歪める。

「理想なんて、きれいごとだ。現実は、力がすべてだ。
そうじゃなきゃ、誰も救えねぇし、誰も守れねぇ!」

「だから、俺は一度蓮を手放した。……本気で守る覚悟がなかったからだ。
でも――離れて初めてわかった。俺が本当に怖れていたのは、命を落とすことじゃない。
蓮と、向き合うことだった」

一歩、踏み出す。

「だからもう、逃げない。
俺は蓮を守る。宵宮と決着をつける。そして――お前を止める」

その瞬間、真壁が引き金を引く。
二人は同時に飛び退き、銃弾が屋上のコンクリートに火花を散らす。

「鴉、右から回れ!」
「了解」

短く交わされる声に迷いはない。
かつての連携は、再び“絆”へと戻っていた。

鴉が真壁の死角に回り込む。
蓮が正面から圧をかける。

真壁が叫ぶ。「ふざけるなああああああッ!!」

銃弾が鴉の脇をかすめ、蓮の足元に火花が走る。
だが、二人は止まらない。

「これで終わりだ!!」

蓮の叫びとともに、二発の銃弾が同時に放たれる。

――真壁の銃を撃ち抜き、膝を砕いた。

崩れ落ちる真壁。血を流し、荒い呼吸の中で呟く。

「……お前ら……気色悪ぃ絆だな……」

鴉が歩み寄り、銃を下ろす。

「オレたちは、もう戻れねぇ。けど――お前とも、もう進まねぇ。」


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