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それでも朝はくる
戦士たちの朝
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公安本部。
朝の報告会前、少しだけ余裕のある時間。
蓮がデスクに座って資料を整理していると、背後から馴れ馴れしい声が飛んできた。
「おいおい、朝から真面目すぎじゃねぇの? 顔が死んでんぞ、蓮」
「……お前が来ると死ぬ理由が増えるんだよ、鴉」
「ひっでぇな。こんなに心配してやってんのに」
「どこに心配要素が……」
そこへ、新田がコーヒー片手にやってくる。
「蓮さん、おはようございます。お疲れ様です」
「おう、新田。今日もよろしくな」
「うっす」
そして視線を鴉に移すと、表情がほんの少し険しくなる。
「……で、こいつもまた湧いてきたわけっすか?」
「“湧いた”ってお前なぁ、人を虫みたいに言うんじゃねぇよ」
「虫じゃなくて雑草だろ。抜いても抜いても生えてくるやつ」
「草むしりしすぎて手が痛いならマッサージしてやろうか?」
「いらねぇよ」
「お前ら、いつの間に仲良くなったんだ?報告会まであと10分だ、さっさとまとめるぞ」
蓮が真顔でまとめにかかると、鴉と新田はしぶしぶ各自の席へ戻る。
いつものように、騒がしくて、少しだけあたたかい朝だった。
朝の報告会前、少しだけ余裕のある時間。
蓮がデスクに座って資料を整理していると、背後から馴れ馴れしい声が飛んできた。
「おいおい、朝から真面目すぎじゃねぇの? 顔が死んでんぞ、蓮」
「……お前が来ると死ぬ理由が増えるんだよ、鴉」
「ひっでぇな。こんなに心配してやってんのに」
「どこに心配要素が……」
そこへ、新田がコーヒー片手にやってくる。
「蓮さん、おはようございます。お疲れ様です」
「おう、新田。今日もよろしくな」
「うっす」
そして視線を鴉に移すと、表情がほんの少し険しくなる。
「……で、こいつもまた湧いてきたわけっすか?」
「“湧いた”ってお前なぁ、人を虫みたいに言うんじゃねぇよ」
「虫じゃなくて雑草だろ。抜いても抜いても生えてくるやつ」
「草むしりしすぎて手が痛いならマッサージしてやろうか?」
「いらねぇよ」
「お前ら、いつの間に仲良くなったんだ?報告会まであと10分だ、さっさとまとめるぞ」
蓮が真顔でまとめにかかると、鴉と新田はしぶしぶ各自の席へ戻る。
いつものように、騒がしくて、少しだけあたたかい朝だった。
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