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目覚め
目覚め5
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(危険……? 死ぬかも知れない事と繋がりがありそうだな)
そう考えた空良が、更に何か言葉を聞き取れないかと音を聞くことに集中する。
しかし、それ以上言葉は聞こえることが無く、ただ砂嵐の雑音だけが続いていた。
それでも、もしかしたら声がするかも知れないと待っていると、テレビがジジッと音を立て、砂嵐から映像が切り替わる。
驚いて空良が画面に視線を向けると、そこには白黒の映像が流れていた。
映し出されたその場所は、ひとつの部屋だった。
壁には無数のキズがつき、色合いはわからないが、造り的にこの建物の何処かなのだろう。
その部屋の中心で、椅子に縛り付けられた制服姿の少女の姿があった。
彼女は頭に麻袋らしきものを被せられていて、顔はわからない。
どちらにしても、このテレビの解像度では、少し離れた場所にいる彼女の顔を正確に確認する事は出来なかっただろう。
「これは……一体?」
空良がテレビの画面をじっと見ていると、縛られた少女の後方に、黒いモヤのような物が、床から生えるように現れる。
そのモヤはゆっくりと人の形のようになっていくが、頭はグニャリと歪んでいて、両腕からはトゲのような物が生えているような形になった。
そのモヤは少女の後ろから、その細い首に手を伸ばし、首を掴む。
しかし、少女の方は何も感じていないのか、微動だにしなかった。
「何なんだ、これは」
空良が戸惑っていると、一瞬画面にノイズが走り、今度は画面いっぱいに少女の顔が映る。
とはいえ、麻袋を被せられているために、顔はわからない。
空良はじっと画面を見つめ、息をのむ。
何が起きるのか、不安になり、画面から目を反らそうかとも思ったが、好奇心がそれを邪魔した。
空良の目は、テレビの画面を真っ直ぐに見つめている。
「……に、げて……ここは……みと」
と、声がする。
その声は、先ほど砂嵐の中に混じって聞こえたのと同じ声だった。
(この子の声だったのか)
空良が認識したのとほぼ同時に、テレビの画面がぶつんと音を立てて消える。
「消えた……あの映像は何だったんだろう」
気になって、もう一度テレビの画面がつかないだろうかと、空良は適当にテレビについているボタンやダイヤルを触ってみるが、テレビが点く様子は無かった。
空良が首を捻っていると、突然テレビの画面にヒビが入り、高い音を立てて画面が砕ける。
「うわっ!」
驚いて空良はしりもちをつく。
画面が壊れたテレビを見て、空良は目を見開いた。
テレビの中から、人の手が出てくる。
その腕は異様に長く、ゆっくりと空良に迫ってきた。
空良は座ったまま後ろに下がり、伸びてくる手から少し距離をとって立ち上がる。
驚きのあまり、膝が震えてふらついたが、何とか立ち上がることができた。
そう考えた空良が、更に何か言葉を聞き取れないかと音を聞くことに集中する。
しかし、それ以上言葉は聞こえることが無く、ただ砂嵐の雑音だけが続いていた。
それでも、もしかしたら声がするかも知れないと待っていると、テレビがジジッと音を立て、砂嵐から映像が切り替わる。
驚いて空良が画面に視線を向けると、そこには白黒の映像が流れていた。
映し出されたその場所は、ひとつの部屋だった。
壁には無数のキズがつき、色合いはわからないが、造り的にこの建物の何処かなのだろう。
その部屋の中心で、椅子に縛り付けられた制服姿の少女の姿があった。
彼女は頭に麻袋らしきものを被せられていて、顔はわからない。
どちらにしても、このテレビの解像度では、少し離れた場所にいる彼女の顔を正確に確認する事は出来なかっただろう。
「これは……一体?」
空良がテレビの画面をじっと見ていると、縛られた少女の後方に、黒いモヤのような物が、床から生えるように現れる。
そのモヤはゆっくりと人の形のようになっていくが、頭はグニャリと歪んでいて、両腕からはトゲのような物が生えているような形になった。
そのモヤは少女の後ろから、その細い首に手を伸ばし、首を掴む。
しかし、少女の方は何も感じていないのか、微動だにしなかった。
「何なんだ、これは」
空良が戸惑っていると、一瞬画面にノイズが走り、今度は画面いっぱいに少女の顔が映る。
とはいえ、麻袋を被せられているために、顔はわからない。
空良はじっと画面を見つめ、息をのむ。
何が起きるのか、不安になり、画面から目を反らそうかとも思ったが、好奇心がそれを邪魔した。
空良の目は、テレビの画面を真っ直ぐに見つめている。
「……に、げて……ここは……みと」
と、声がする。
その声は、先ほど砂嵐の中に混じって聞こえたのと同じ声だった。
(この子の声だったのか)
空良が認識したのとほぼ同時に、テレビの画面がぶつんと音を立てて消える。
「消えた……あの映像は何だったんだろう」
気になって、もう一度テレビの画面がつかないだろうかと、空良は適当にテレビについているボタンやダイヤルを触ってみるが、テレビが点く様子は無かった。
空良が首を捻っていると、突然テレビの画面にヒビが入り、高い音を立てて画面が砕ける。
「うわっ!」
驚いて空良はしりもちをつく。
画面が壊れたテレビを見て、空良は目を見開いた。
テレビの中から、人の手が出てくる。
その腕は異様に長く、ゆっくりと空良に迫ってきた。
空良は座ったまま後ろに下がり、伸びてくる手から少し距離をとって立ち上がる。
驚きのあまり、膝が震えてふらついたが、何とか立ち上がることができた。
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