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気配
気配4
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白黒の歪んだ映像が画面に映し出されていて、空良は眉間にシワを寄せる。
そしてベッドから立ち上がると、おもちゃのテレビに近付いた。
画面に何が映っているのか、空良が覗き込むと、そこには二つのてるてる坊主がぶら下がっているのが確認できる。
「これは、てるてる坊主?」
首を傾げ、映像をよくよく見てみると、そのてるてる坊主が不自然に揺れていた。
最初こそ只のてるてる坊主だと判断した空良だったが、ふとあることに気付く。
その二つのてるてる坊主からは、足が生えているのだ。
だらりと力なく揺れる足。
片方はズボンに革靴を履いた男性の足でもう片方はハイヒールを履いた女性の足に見える。
ぶらぶらとする足の生えた二つのてるてる坊主の映像に、気分の悪さを感じた空良は、テレビのおもちゃから離れ、不安と恐怖を抱きつつ、部屋の出口へと向かう。
部屋をでようとドアノブに手を掛けた瞬間。
子供の歌声がおもちゃのテレビから流れ出した。
その歌は空良も小さい頃に歌った記憶のある、てるてる坊主の童謡に間違いない。
(この歌……確か、てるてる坊主の首を切るぞって歌詞があったよな……)
思い出して空良はゾクッとする。
画面に映っていたてるてる坊主の中には、きっと人間が入っているのだろう。
それの首を切るという事は、人間の首を切るということになる。
恐ろしくなった空良は歌声から逃げるように、部屋のドアを開けて外に出た。
そして、左右を見回し、とりあえずで歩きだす。
自分が歩き始めた道の先に階段があるのか、心配になりながらも、じっとしている事はできずに進み続けた。
暫し歩いて、空良は立ち止まる。
四つの分かれ道がある場所につき、どの道に行くべきか迷ってしまう。
壁には巻き貝の飾りが掛けてあるが、道のヒントでは無いただの飾りのようだった。
(どうしよう)
そう思いながら、それぞれの道を眺める。
すると、床にポタポタと何かが落ちて来た。
黒いそれは墨汁のようなサラサラとした液体に見える。
黒い液体はポタリ、ポタリと床を汚しながら、四つの分かれ道の中の一番右側の道へと向かっていく。
(これって、ヒント……なのか?)
そう思った空良は、黒い液体を追って一番右側の道へと進む。
少し進むと液体は落ちなくなり、空良の背後でゴゴゴと重たい音がした。
驚いて振り向くと、分かれ道に繋がる道が上から降りてきた壁によって塞がれてしまっていた。
「……戻れなくなったのか」
呟き、空良は壁に背を向ける。
前に続く道を見つめ、きっとこの先に階段があると信じて、歩きだした。
そして歩きだして数分が経った頃、通路の途中に大きな窓があるのが見える。
その窓の外に、何かがぶら下がっているのが見えて、空良の体に力が入った。
ぶら下がっているそれは……てるてる坊主の"頭"の部分が二つだ。
体の部分はほんの少し残っているが、そこから下は完全に何か鋭利な物で切り落とされている。
出血などの痕跡は無いが、先ほどの部屋で見た映像を思い出し、空良は恐怖に身を震わせた。
そしてベッドから立ち上がると、おもちゃのテレビに近付いた。
画面に何が映っているのか、空良が覗き込むと、そこには二つのてるてる坊主がぶら下がっているのが確認できる。
「これは、てるてる坊主?」
首を傾げ、映像をよくよく見てみると、そのてるてる坊主が不自然に揺れていた。
最初こそ只のてるてる坊主だと判断した空良だったが、ふとあることに気付く。
その二つのてるてる坊主からは、足が生えているのだ。
だらりと力なく揺れる足。
片方はズボンに革靴を履いた男性の足でもう片方はハイヒールを履いた女性の足に見える。
ぶらぶらとする足の生えた二つのてるてる坊主の映像に、気分の悪さを感じた空良は、テレビのおもちゃから離れ、不安と恐怖を抱きつつ、部屋の出口へと向かう。
部屋をでようとドアノブに手を掛けた瞬間。
子供の歌声がおもちゃのテレビから流れ出した。
その歌は空良も小さい頃に歌った記憶のある、てるてる坊主の童謡に間違いない。
(この歌……確か、てるてる坊主の首を切るぞって歌詞があったよな……)
思い出して空良はゾクッとする。
画面に映っていたてるてる坊主の中には、きっと人間が入っているのだろう。
それの首を切るという事は、人間の首を切るということになる。
恐ろしくなった空良は歌声から逃げるように、部屋のドアを開けて外に出た。
そして、左右を見回し、とりあえずで歩きだす。
自分が歩き始めた道の先に階段があるのか、心配になりながらも、じっとしている事はできずに進み続けた。
暫し歩いて、空良は立ち止まる。
四つの分かれ道がある場所につき、どの道に行くべきか迷ってしまう。
壁には巻き貝の飾りが掛けてあるが、道のヒントでは無いただの飾りのようだった。
(どうしよう)
そう思いながら、それぞれの道を眺める。
すると、床にポタポタと何かが落ちて来た。
黒いそれは墨汁のようなサラサラとした液体に見える。
黒い液体はポタリ、ポタリと床を汚しながら、四つの分かれ道の中の一番右側の道へと向かっていく。
(これって、ヒント……なのか?)
そう思った空良は、黒い液体を追って一番右側の道へと進む。
少し進むと液体は落ちなくなり、空良の背後でゴゴゴと重たい音がした。
驚いて振り向くと、分かれ道に繋がる道が上から降りてきた壁によって塞がれてしまっていた。
「……戻れなくなったのか」
呟き、空良は壁に背を向ける。
前に続く道を見つめ、きっとこの先に階段があると信じて、歩きだした。
そして歩きだして数分が経った頃、通路の途中に大きな窓があるのが見える。
その窓の外に、何かがぶら下がっているのが見えて、空良の体に力が入った。
ぶら下がっているそれは……てるてる坊主の"頭"の部分が二つだ。
体の部分はほんの少し残っているが、そこから下は完全に何か鋭利な物で切り落とされている。
出血などの痕跡は無いが、先ほどの部屋で見た映像を思い出し、空良は恐怖に身を震わせた。
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