上 下
17 / 271
第3章

同じ方向を見詰めていた老人

しおりを挟む
 私が対峙していた老人は、相変わらず同じ道路の方角ばかりを見詰めていました。

「何を見ているんだ。警察が来るのを待っているのか!」

 私が、そう言ったのは憶えていますが、その後は記憶が飛んでいて……

 次に憶えているのは、複数の警察官から取り押さえられている場面です。

 ガムテープをはがされて奪い取られた包丁を、警察官がメジャーで計っていました。

「見ろ! 刃渡りが21㎝あるぞ」

 このとき私は身柄を拘束されないために、金網にしがみついていました。

「ほら、手を放せ。ケガするぞ」

 警察官が気を使ってくれたのには驚きました。

 それからパトカーに乗せられて、どこかに連れていかれて……
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

工芸職人《クラフトマン》はセカンドライフを謳歌する

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,047pt お気に入り:5,103

【完結】聖獣人アルファは事務官オメガに溺れる

BL / 完結 24h.ポイント:9,460pt お気に入り:1,614

生まれ変わったら知ってるモブだった

BL / 完結 24h.ポイント:12,652pt お気に入り:1,150

花婿図鑑〜もふもふ姫が真実の愛を掴むまでの研究記録〜

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:29

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

BL / 連載中 24h.ポイント:50,972pt お気に入り:4,994

【完結】シュゼットのはなし

恋愛 / 完結 24h.ポイント:333pt お気に入り:27

『運命の番』の資格を解消する方法。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:809pt お気に入り:3,472

処理中です...