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第5章
犯罪者だったんだ
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私のこの言葉に彼が調子にのってきた。
「お金が無くて困ってるんだ。もう少し沢山お金、差し入れてくれないかなぁ」
「いやぁ、悪いけど、これ以上は出せないよ」
しばらく押し問答が続く。
「差し入れって、全部、僕のお金でしょう。君が刑期を終了したとき、返ってくるわけじゃないし……
第一、君の刑期が終わるのは、早くても2、3年、先になるでしょう」
明日、釈放されると分かると、もうこの狭い部屋で共同生活をするわけではないのだから、これまでのようなお互いに遠慮しながらという関係は、少しだけ崩れていく。
この時のやり取りで私は初めて、優しい番長が犯罪を複数犯した人物であることを自覚した。
「お金が無くて困ってるんだ。もう少し沢山お金、差し入れてくれないかなぁ」
「いやぁ、悪いけど、これ以上は出せないよ」
しばらく押し問答が続く。
「差し入れって、全部、僕のお金でしょう。君が刑期を終了したとき、返ってくるわけじゃないし……
第一、君の刑期が終わるのは、早くても2、3年、先になるでしょう」
明日、釈放されると分かると、もうこの狭い部屋で共同生活をするわけではないのだから、これまでのようなお互いに遠慮しながらという関係は、少しだけ崩れていく。
この時のやり取りで私は初めて、優しい番長が犯罪を複数犯した人物であることを自覚した。
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