浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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明日の朝までにはお返しします

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蘆根は日中に仮眠を取るのだが。
スッ
するとどこからともなくイツモが室内にやってくる。
廊下の窓から入っているようだ、少しだけいつもここが開いている。
周囲を確認した上で、蘆根の側によってきた。
イツモにとっては蘆根は兄のような存在で、先日まで縄張りを争うのかと心配していたが、それもなくなったのでこんな調子でリラックスしている。
何しろイツモは今の縄張りでは実の父と揉めたから、次は兄のように慕う蘆根と戦わなければならないのか…みたいなのがあった。
実の両親のそれこそ末っ子として生れたイツモ。
姉二人に比べたら小さく、蘆根に預けられなかったら、ケットシーとはいえどうなっていたか。
実はイツモ、蘆根からじゃないと餌を食べないところがある。
それこそ子猫、子ケットシー時代はお皿から食べず、蘆根の掌にフードを乗せて、そこから食べていた。
「5200グラムの男の子です」
たまに脱熱生地にくるまれた時の定番のギャグにも使われたりするが、ここまで大きくなったのは、蘆根がしっかりも食べさせ。
「フッシャ!」
「何しているんですか?」
「今ちょっとイタズラしかけたから、怒った」
イツモ母直伝の叱り方鳴き声をして教育を施した。
普通にフッシャ!より、母親に似せた方が効くので、母親の真似をしているのである。

『ここは浜薔薇の耳掃除です』

昼時にもなると、顔見知りしかいないので世間話にもなる。
「さっきリーダー(夢見るジャンパー派)さんがいたから、甘いもの食べていかない?っ聞いたら、断られちゃったよ」
「あっ、あの人、応援しているアイドルのペリカンドールっていうのですが、シーちゃんって子が甘いものは好きなんだけども、会いに来てくれる人のために制限しているから、自分も制限しているって言ってました」
「えっ?そうなんだ」
好きなものを食べると、ライブのパフォーマンスが落ちてしまうので、それから好きなものを食べるか、アイドルであることを選ぶかということで、アイドルであり続けることにしたという。
「そこにリーダーは感激したんですよ」
そうてすよ、ファンのためにここまでしてくれる、これが嬉しいんですよ!
「なので甘いものぶんは、ペリカンドールに課金すると」
「徹底しているね」
「人生にアイドルが必要な方ですからね」
「そういえばあれ、知ってる?」
「なんですか?」
「これこれ」
そういってサメの公務員を知っているかという見出しを見せた。
「なんですか?これ」
「こっちじゃないんだけどもさ、下水処理場の水質のチェックに河川ザメがいるんだって」
「そういうのって、あれ、子供の頃見学したところは金魚だった気がする」
「普通、金魚だよね、サメなんだって、ここは」
水族館か閉園してから引き取られた。
「異常があるとお肌がピリッとするといって教えてくれるって」
「意志疎通可能なんだ」
「まあ、映画スターも意志疎通できてるといえば出来ているからな」
ただ芋とか好物を目の前にすると、それしか見なくなります。
「話戻すけども、それでまあ、サメに公務員がやらすな!みたいな話になったんだけども、体をはって水質チェックしている、命かけているっていう返答で騒動はおさまったらしい」
「まあ、そうですよね、浄水機能がおかしくなったら、死んじゃうかもしれませんし」
河川ザメの場合はおかしかったら、水から上がって訴えてくるので、それこそ機械管理ではなかった時代にはサメの力を借りていたらしい。
「あれですか、お湯熱いですか?」
「もうちよっもぬるくみたいなもんだな、金魚だと異変があっても水から上がって訴えるはないからな」
この河川サメは下水処理場で一番古株なので、就任当時にいた方が退職し、下水処理場見学のボランティアで来ると。
バシャン
三回転からの三回転というジャンプパフォーマスを見せてくれる。
これが結構受けており、ボランティアツアー、退職者がガイドに限り見せてくれるので、退職者の第二の人生の張りにもなっている。
「こいつ45才ぐらいなんだけどもな」
現在も新技を練習していたりするらしい。
「このサメとか、イッキュウに限らず、全部一ヶ所に集めてパフォーマンスやらせたら、できるんじゃないですかね」
「一級河川にはどっかにいるっていうし、やろうとすればやれるんじゃないかな」
現在炊き出しの行列はソーシャルディスタンスを守ってもらえるように。
地面に河川サメやケットシーのシールが貼っております、この距離を取ってお待ちください。
「ケットシーはギリギリ無理があるような」
しっぽすんごい伸ばしている感じです。
「元々は河川サメだったんだけども、ケットシーもなきゃダメってことで」
シールなので踏まれてもいいようにはなっているが。
「それを踏むには抵抗がある」
みんなよけて前に進んでいるのでシールはきれいなままです。
フィギュアスケートサメシングルもまだまだ順調に興業収入伸ばしてきてます。
「やっぱりあそこから素晴らしい演技を見せるっていう、あれがいいんだよ」
「何回か見ているが、練習では転んじゃうところがあって、本番でもしかしたら転んじゃうんじゃないかって、でも成功させる、あれがね、本当に、神がかってるんだよ」
色んな人たちがサメシングルを楽しんでくれているそうです。
「でもブラックベルトフィルムフェスティバルな」
ここに監督は招待はされているが…
「なんかこういつ来るのかわからないんですよね、連絡は特に来てなくて」
「俺はいつでもいいぜ」
がちゃん
すると部屋の扉が開いた。
「えっ?」
サメ達がずらっと並んでて。
「ちょっと」
部屋の中に入り込む、スタッフが静止しようとしたが、監督は人波ならぬ、サメの波に紛れて、部屋の外に出てしまい。
「監督!監督!」
スタッフが監督を追うために外に出ると、もう監督は見えなくなっていた。
「えっ、どっちいった?」
キョロキョロすると。
「受け付けにこれがありました!」
『監督は明日の朝までにはお返しします』

「それで無事に監督は帰ってきたんですけども」
「なんかサメがなんかしているのはわかったけども、何やっているのか全然わからないし、舞台の上にあげられて、お客さんはみんなサメなの」
監督の持ちネタが増えた。
「帰ってこなかったらどうするつもりだったんですか」
「サメの国できっと幸せにやっているから心配しないで」
ブラックベルトフィルムフェスティバル、サメ以外の監督賞をもらい戻ってきたという。



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