浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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ロマンチックね

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「なんだてめぇ」
「どうも」
「舐めてんのか」
挨拶代わりに、剣は男の腕を切り飛ばした。
「吸血鬼退治に来てるのに、君らと話すわけないでしょ」
「俺の腕が、いや、俺は吸血鬼だから…」
そういって落ちた腕を繋ごうとするが。
「なんでだよ、なんでだ?俺は人間に戻ったのか」
「うるさい」
トドメを刺した後に、奥に進んでいく。


「ボス大変です、変なのが1人で喧嘩売りに来ました」
「変なの?」
「はい」
ここでただのバカじゃないのか?と言わずに、己の目で確認する。
「ただのバカですよね」
「ああ、そうだな、そのバカに教えてやれ、お前が強いってことを」
「わかりました」
命令もあってか男がいなくなると。
「ああ、わかってないな」
ボスと呼ばれた男はさっさと逃げる準備をした。
最近は吸血鬼、吸血鬼になったばかりで、文化も美学もあったもんじゃない、ニューヴァンパイア、ニューバンの中には頭が回るものが出てきたようで。
このように、手駒は増やすが、何かあったら捨て駒にして、その間に逃げるというのが増えている。
もちろん、一度このようなことが起きると、学習して、対策をするので、次に群れを作った場合はわかりづらく、そして逃げやすい構築をしていた。
「まあ、それも人間ベースの考え方しているもの同士だと、手札読みづらいんだけどもね」
【退路と考えられる選択肢は三つほどありましたが、正面衝突という力付く、できればもっと考えてほしい行動をしたせいで、おそらく相手はこの道を選ぶと思います】
ユメトキボウの音声アナウンスが流れた。
「最近のAIってすごいね、こんなこともできるんだ」
【このために調整してもらいました】
言葉だけではこの一文ではあるが。


「で、どういうデータがいるの?」
【今回はルート、逃げ道の割り出しなので、考えられる道を全部撮影して】
「えっ?これ全部」
【はい、それを様々な時間で撮影し、光の当たり方、気象条件が必要です】
データを揃えるのにかなり苦戦したらしい。
【これは暗くて認識できません、撮影しなおしてください】
「もうやだぁ」
というAIと人との作業があったという。


もう少しで人通りが多い道に合流できる、そしたら一安心だ、息を整えて、馴染ませてなんて考えているところを…闇討ちした。
「意外と呆気なかったな」
【逃げるために武装はできませんから、人通りが多いところに紛れるためにこの選択をしてしまうと、このような事を起こりがちです、選択してはリスクの分散が基本です】
「頭がいいようで、こいつ頭が悪かったのかな」
【顔認証を行います、はい、認証ができました、防犯カメラに残っていた加害者と一致】
「吸血鬼って映像類移らないんじゃないのか」
【それは技術というやつですよ、12年前に吸血鬼が写るカメラというのが一般販売されました、それは吸血鬼の悲願でもありました】
「それまでは肖像画がほとんどだったもよな」
【はい、そうです。これによって吸血鬼達に旅行ブームが到来し、カメラも吸血鬼達の趣味になっていきました。カメラの設定も吸血鬼の目線なので、人間からすると酷く歪んで見えると好評です】
「やっぱり吸血鬼は考え方が違うんだな」
【そうですね、彼らは紫外線に弱く、日中に行動できるものは少数派になります】
「後天的に、人間と結婚したりすると日中出歩けたり、食事も人と同じもの食べれたりするようになるんでしょ?」
【よくご存知ですね、それこそ喜びも悲しみも分かち合うのが吸血鬼の結婚といえるのではないでしょうか】
「ロマンチックね」
【そうですね、あなたもそんな結婚をしてみるといいのではありませんか?】
「そこは余計なお世話だ」
応援がやって来た。
「そっちは大丈夫でしたか?」
「ああ、なんとかな、しかし、こう吸血鬼が増えてるとは思わなかった」
「生活苦の人間を誘っているらしくてですね、空腹状態の時に話しかけるのがこいつらの手らしいんですよ」
「それは、そこまでなったら、吸血鬼になりますっていうしかないものな」
「そういう断らない相手を吸血鬼にして、自分には逆らわない、それ以外はわりと自由にさせているものだから、暴力沙汰起こしまくってまして」
「一般人には吸血鬼退治なんて無理でしょ」
「無理ですね、強盗かと思って、応戦したら吸血鬼で、そのせいでオーバン達は怒ってますがね」
オーバン、オールドヴァンパイア、吸血鬼として人間には好意的で、むしろ自分達の領地や文化のための取引相手として見ている一派。
「そりゃあ、オーバンは怒るよ、安全じゃなきゃ商売上がったりだもの」
「チョコレートが欲しいならば向こうがつけた値段で払うべきであって、暴力的な態度で欲しいからクレ!はやっぱり違いますしね」
「そうそう、そんな感じ、全く世の中どうなっちゃうんだろうね」
「なるようにしかなりませんよ」
「そういって世の中の安定のために動いている、KCJさんは嫌いじゃない、っていうか、職員さん、名伏せの人でしょ?」
「名伏せの職員は名伏せでーすっていうと思います?」
「思わないから、だからこれはただの推測さ」
「はっはっはっ、面白い人だな」
空気は少しピリピリとした。
「ご協力ありがとうございました、たぶんまたお願いしますよ」
「はいはい、じゃあね!」
最後は不穏に終わったが、まあまあな切り上げ方である。
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