浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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一門の傷

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「何も知らないハッピーエンドがいい場合もあるさ」
「えっ?何?ご機嫌ななめ?何か食べる?」
「…何か分けてください」
「わかった、パンならあるよ」
パンをモグモグ。
「そんなに僕の様子はおかしかった?」
「皮肉を口にするときって、何かを思い出しているのかなって最近気づいた」
「確かに過りはするけどもさ」
「でしょ、そういうのは忘れられないかもしれないけども、忘れてしまった方がいいというかさ…覚えていてもあんまりいいことはないとは思うんだ」
「それはそうなんだけどもね」
「そこまで愛していたい思い出なのか」
「いや、そういうもんじゃない」
「それならば塗りつぶしてしまうことをおすすめするよ」
「そういうご経験は?」
「俺は剣士だからあるよ、それこそ素振りをしながら塗りつぶすものなんだけどもさ、塗りつぶせなくて、二の腕が育つことがあります」
そういって二の腕を見せてくれました。
「相変わらず、体が締まってるな」
「触る?」
「いや、そこまではいいさ」
「そう、剣士だと、体力はあるからね、多少の無茶はできるものだよ」
「忘れるまで素振りは確かに、体も鍛えられて一石二鳥なんだろうがな」
「当たり前だけども、オーバーワークになりますと、筋肉痛になります」
「そりゃあ、なるさ」
「でもまあ、これを越えないと、習得できないものもあるからな」
「何気なく教えられていることを実践してわかるものもあるか…」
「そうそう、そういうやつ、失恋して素振りするやつは多かったなって感じ、後はテストの結果、受験とか」
「受験とかだと、そこで素振りできるから、その時はダメでもなんとかはなりそうだとは思うんだがな」
「そう?」
「そうだよ、毎日きちんと積み上げていける人間は尊敬するよ、お前だってそうじゃん、そういう人間だから頼りになる」
「もっと誉めてもいいよ、誉めたその日はラッキーデーになるから」
「それでその日一日がラッキーに、本当になるなら、僕は毎日誉めてる」
「俺はラッキーを感じるから」
「ん?誉めてほしいのかよ、そんなに自信失っていたのか」
「それもちょっとありますが、やっぱり誰かがいると違うものなんだよ」
「あ~ストレスか、それはな」
極限状態にちかいときに、一人ではないことが救いになることがあります。
「お前はやっぱり向いてないんじゃないの」
「本来はこの仕事向いてないんだろうな、性格的にっていうか」
「そりゃあ、キツい話ばかりだからしょうがないんじゃないの、そこに合わせて適切な準備をする、それで書類を作ったりするから」
「必要である、求められているのはわかるけども、やっぱり向いてないのはわかる」
「配置転換を希望するよ」
「ヤダ」
「また駄々っ子か」
「それてもそんな調子の俺では隣にいることは出来ないの?」
「そんなことはないさ、ないが、そういう我慢で成り立っている関係は、いつか破綻してしまうし、僕がダメになることもあるよ」
「そうしたらやめる」
「人を見て判断するなよ、自分の考えて判断しなよ、何がお前にそうさせるんだ」
「何がだろうね、でも、今、言わなくては、たぶんずっと言えないところはあるもは思う」
「確かにそういうのはあるが…それはそれでキツい選択だと思うよ」
「それもわかってるさ、でもどう考えても今、口にしなきゃいけないっていうタイミングはあるだろう?」
「あるね、そういうのはモリモリあるよ」
「モリモリあるのは嫌だけどもさ」
「そうだな、あんまり良くはない、良くはないが、それでもいい物を見つける、明るい未来を掴むためには必要だよ」
「未来なんて明るくなくてもいいよ」
「またそんなこといって」
「そう言いたくもなるよ、計画とか立てていると、どれかを選ばなくちゃいけない、そんなことはよくあるもんだ、そのたびに、なんて自分というやつは無力なんだろうねっては思うよ」
「そういうときはお話ししましょ!」
「話してもな…気分転換にもならないときもあるんだよな」
「俺は無力?」
「いや、時間的な余裕があるならばそこで話してもいいが、やはり急ぎのときは、誰ならば解決できるのかってまず考えなきゃいけないから、そうなると、まっ、同行してもらえるのはありがたいよ、たぶんいるといないじゃ、全く違うと思うよ」
「そう」
「信用できない人間と行動を共にするとろくなもんじゃない」
「それって誰?」
「僕の場合はいつもの奴等さ、結局わかち合えなかった」
「向こうは同等と見てないからだよ、だからズレに気づいて、落ち込むんだ」
「そこはある、でもな、そういう見方をされているって思われたくはないんだって」
「俺はそうじゃない」
「だろうな、お前のところは…」
「そういう意味じゃない」
「難しい奴め」
「向こうは君が傷ついていることは反省してない、だから繰り返す」
「本当、全部謝罪して、失われたものみんなお返ししますってなったら、働かなくてもいいんじゃないのかなって感じだよな」
「ああ、やっぱりそうなんだ」
「そんぐらいだよ、そんぐらいヒドイから…ああ、なるほどこれが過るってことか、これは辛いな」
「その過りが原因で剣を握れなくなった人たちはいるよ」
「それはどっちが理由で、自分が何か間違いをなのか、それとも誰かが…」
「人それぞれだけども、信じてたものに裏切られたとかは結構多いんだ」
「信頼を預けられていた上で、知ってて、裏切るならば、それ相応の報いはやってくるだろうな、剣士はそれを許さないし」
「許さないね」
「ああ、やっぱりそうなのか」
「個人が許さなくても、一門の傷というか、砂をかけられたらな、やっぱりダメだよ」
「それがわかってない奴多すぎると思う、未だにその感覚で生きているとは思ってないのかもしれない、どうにでもなると、でもさ、その判断が間違ってるんだよな、剣士の矛は、矛っていうのは適切な例えではないけども、切っ先がこちらを向くときは、自分で判断してはいけないからな」
「剣士とは何かを知らなければわからないんだよ」
「剣と共にある人間が剣士だから、僕にはそこで砂をかけに行く奴の気持ちわからないね」
「わからなくていいんじゃない、一生君はわからやくてもいいよ、あれは理解してはダメだ」
「化け物退治でも行くのか?って目をしているな」
「化け物もいるからな」
「それはわかる」
「人間の形をしているから、人間だから切りにくいんだよ、そうでなかったら反射的に切ってるさ」
「怖いね」
「俺にそんな顔をさせないでほしい」
「わかってるよ、お前は優しい奴だ、そんな目に合わせることがどうにかしている」
「技能がこっちに向いているって散々言われているけども、精神的には本当に向かないからな」
「大変だな、それ」
「うん、大変、だから何かを軽く選んでも、やめる時揉めるっていうか」
「もう自分の好きなように生きたら」
「そうしたい、いや、そうするというか」
「お前の幸せを祈ってるさ」
「じゃあ、俺のことを助けると思って側に置いてよ」
「それだと引き受ける仕事、軽くしないと…」
「そこは今のままでいいからさ、話したり、遊んだりする時間作って」
(犬みたいなやつだな)
お散歩!ボール!
「それなら俺は頑張れる」
「でも趣味は新しく見つけることだな」
「そんなもん?」
「ああ、他のやつら見てみろよ、旨いものを食べに行きますって言ったりさ」
「でも健康診断引っ掛かったでしょ」
「そうだけども、わりかし長くストレス対策はあれで何とかなってたからな」
食事制限の方でストレスになったので、配置転換考え出す頃である。
「金もかからず、精神的な負荷が減るような、体にいい趣味って大事なんだなってああいう人たちの転属みて思うわ」
「逆に君はなんで強いの?」
「一人だと気が楽だからだよ」
俺が言いたいことわかるよな?それに肯定的に振る舞うよりはマシと言う奴さ。
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