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人生のアクセント
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「秋澄(あきすみ)…さん、何時ならばお時間をとっていただけますか?」
「伽羅磁(きゃらじ)さん、お電話どうもありがとうございますが、時間というと…」
「秋澄!悪いが電話は後だ」
電話の向こうから腰木(こしぎ)の声が聞こえて、自然とイラっとした。
向こうでは戦闘が始まりかけていたようだ。
ピッ
しばらくしてから折り返し電話があった。
「大丈夫かい、秋澄。僕は君に何かあったら心配で、君のことしか考えなくなるよ」
「そういうのはいいですから、助けてくださいましてありがとうございました」
「…ああ、そっちか、律儀だね。まあ、そういうところも凄く好きなんだけどもね。そのことは僕の一存ではないよ」
「そうですか、でもありがとうございます」
「じゃあ、そういう気持ちがあるのならば食事行こうよ、君の好きそうなお店、また見つけておくからさ」
「それは申し訳なく」
「前回は君が会計していったからな、油断したよ」
「良いお店でしたから」
「そういうことじゃなくてさ、その経済力も素敵だけどもね、もう少し僕に頼っていいんだよ」
「伽羅磁さん、嫉妬深いしな」
「嫉妬深いほど、愛が深い男なんだよ」
この男は言葉で凹んだことはあるのだろうか?と思うほどだ。
「というか、君がいると、酒の量は減るというか、飲まなくても楽しいし」
「もっと人間関係充実させた方がいいですよ」
「君に言われたくないよ、君こそ、仕事してばっかりじゃないか」
「仕事するにはKCJっていい環境なんですよね」
「そうだね、そこはそういう人たちが多いから、だからこそ助かっているところはあるけもも、もっと自分の幸せとか考えろって土下座されたの忘れたの?」
秋澄は適正が高かったので、そこで回復の術を学ぶことになったが、その時は軽く勧めた人が、後でその後の秋澄を知って慌てたのである。
「あの時は、あなたしか回復適性がないと思っていたから、あんなことを言ってしまったが、これではあなたの人生を縛り付けているとわかってから、心が重苦しくてしょうがない。だからあなたが幸せになってくれないと、私は救われないので、どうか、あなたはもっと自分の人生を見つめ直して、幸せになってほしいんだ」
土下座して言われたが。
「はあ、でももう全うするつもりですからね」
話は平行線に終わっている。
そんな感じで、人間関係も狭いといっていい。そこに伽羅磁が来ても、悪い人ではないなと、人生のアクセントぐらいの感覚で、誘いには乗っていた。
「でも伽羅磁くんはたぶん本気なんだよな」
「本気じゃなきゃ誘わんでしょ」
休憩室の同僚と二人。
「それはそうだけどもさ」
「それ以外の何かあるんでしょうか?」
「そう返されると弱い」
「ではいいんじゃないですかね」
「秋澄ちゃんは、俺も知ってるからな」
「ええ、知ってます、あなたの方が付き合いが長いと言うこともね!」
おおっと、語尾も強いぞ。
「そんな言い方しなくてもね…君の知らない秋澄ちゃんとかの話は好きではあるのにね」
「それはそれ」
「やっぱり話としては好きなんだね」
「彼女はあまり話をしてくれないし」
「まあ、結構大変だったからな」
「あの優しさの理由が、そこからならば尊敬する」
(えっ?)
「辛いことを知っててもなお、誰かに優しく出来る人は少ないじゃありませんか」
「そうだね、うん、そうなんだけももさ」
「ただその時、彼女を知っていたら、抱き締めてあげたいですけどもね」
「ずいぶんと熱烈だね」
「えっ?あなたが教えてくれたんですよ、女心がわからないなら、抱き締めればいいって」
「言ったけどもさ、あの時、伽羅磁くんだけだよ、感心してたの、他の人たちはすごい目で俺のことを見てたもん」
あれは真似をしてはいけない。
良い子だからあっち行ってようね
勘違いされてそのうちとんでもないことが起こりそう。
すまない、あれは理解できない。
女性問題をそのうち起こすかもしれないから、覚悟はしておこうか。
などの反応があったことを伽羅磁は知らない。
「えっ?そうなんですか?」
「伽羅磁くんは、意外とピュアだな」
「そうでしょうかね」
「そうだよ、俺みたいに女難とかなさそうだし」
「女難なんですか?」
「えっ?女難でしょ?」
向こうからも来るが、自分でも巻き起こすタイプの女難。
「まっ、だから責任は取らなきゃねって」
「それは楽しいんですか?」
「楽しいときもあるね~」
「一人をずっと愛されては?」
「うん、それは思うんだけどもね。つい、言っちゃうよね」
「俺はあんたがいなきゃ生きていけないんだよね」
「って」
「そしたらお相手の方はなんと?」
「わかった、じゃあ私が支えるねって」
「それ何人目ですか?」
「その時は二人目」
「本当に数あってます?」
「最初の方はね、間違えないよ。今はもう…そういうのも面倒になったかな」
「よく大丈夫ですね」
「生きるの諦めてるからじゃない?もうここで終わってもいいから、どうでもよくなった」
「あなたのことをしっかりと考えてくれていた人もいたでしょうに」
「いたよ、いたけど、その子とはちゃんと別れた。先日会ったときに、ポカポカ、向こうも本当は叩きたかったんだけども、我慢して抑えて、だからあえてそれそのままにしたけどもね、ごめんね、って言葉しか出てこなかったよ」
「悪い男ですね」
「そうだね、あの子に対しては悪い男だったね」
「あなたの恋愛観は話だけならばおもしろいのに」
「退屈しのぎにはちょうどいいでしょ」
「世の中の広さがよくわかります」
「でしょ?恋愛は楽しいよ、何気ない言葉のやり取りが充実した時間をくれる」
「これだけならばいい話なのにな」
「そうなんだよね、綺麗になんでか終わらないんだよな、何がいけないんだろう」
「僕はそこまで恋愛上手ではありませんから」
「それっぽいよね、まさか秋澄ちゃんに行くとは思わなかった」
「意外ですか?」
「意外、魅力的ではあるよ、うん、それは認める、こう…寄せ付けない感じなのに、親しくなるとね」
「そう!あれは本当に…勘違いするには十分で」
「勘違いだと思ってるの?」
「たまによぎりますよ」
「そんなの気にしないで、一緒に過ごせばいいのに」
「あなたのようにどこで、踏み込めば行けるのか全然わかりませんから」
「そう?そんなの行けるって感じたら、後は慣れだよ」
「慣れたくない」
「でも仲良くはなれるよ」
「それは…」
「秋澄と仲良くはなりたいんでしょ」
「それは…はい」
「素直になりなよ、まっ、その代わり言葉で好きだとは伝えているみたいだから、後は秋澄がそれをちゃんと受け取れるか、かな。あれ本気にしてないし」
「なんで本気にしてくれないんですかね」
「日頃の行いかな」
「僕は一途ですよ」
「知ってる、でも偏屈なところを思いっきり秋澄は理解しているから、君の好きがどういう意味なのかわかってないんだよ」
「どうって」
「それこそ、どうだよ。愛している、大事にするの意味じゃない使い方をする奴もいるよ」
「あなたみたいに」
「いや、俺はそこは嘘つかないし、むしろ言葉はあるが現実の準備とか適当だから上手く行かないタイプだね。花を贈る時、考えないで贈った話とかで叱られたとかはある」
「何を贈ったんです?」
「とりあえずで選んだのが伝わった」
「それはダメでしょ、贈り物は相手のことを考えてってことで」
「えっ?じゃあ、伽羅磁くんは秋澄に花を贈る場合は何を贈るの?」
「その日がなんの日なのか、纏わる花を束ねてもらうのはいいかもしれませんね」
「そういうの喜ぶ人はいるからな」
「でしょ?」
「秋澄ちゃんはそれがわかる人なの?」
「それは…贈ったことがないから、わかりませんが…」
「じゃあ、なんなら贈ったことがあるの?お菓子とかあげたことはあるでしょ?」
「なんでそれを」
「秋澄、可愛い缶を前に鞄から出しているの見たから、あれって秋澄の趣味じゃないし、どっちかって言うと伽羅磁くんが選びそうな感じかなって思っていたけども、やっぱりあれは伽羅磁くんの贈ったものなんだ」
使う頻度は少ないが、ないと困る小物。そのために中が潰れたりしないように小さい缶のケースを使っていた。
そのデザインが、なんというか、秋澄が選ばないような系の可愛いであった。
「彼女、シンプルなものがメインじゃない?だから誰かからの贈り物なのかなっては思っていたけども、何?ホワイトデーか何か?」
「いえ、そういうのではない日です」
「ええ、何々教えてよ」
の所で時間が来たらしく。
「ああ、惜しい、伽羅磁の困った顔が見れたのに、じゃあ、俺は行くからな」
「お気をつけて」
こんな軽口でも許してしまうところがあるのは、これから同僚が向かうのは命がけの依頼だからだ。
このまま亡くなる、行方不明になるもよくある世界だからこそ、その辺は寛容になっていくというか、寛容でなければ精神的な苦痛に繋がってしまうのである。
秋澄の缶のケースについては、他の人からも実は伽羅磁は言われていた。
伽羅磁の親しいものほど、秋澄のそれを見て、ずいぶんと秋澄という人間を気に入っているのだなとわかるようだ。
「でもたぶん秋澄の方は、捨てるのもったいないとか、他の容れ物が壊れたからとか、そんな理由だとは思ってるんだけどもね」
とは伽羅磁は答えてはいるのだが。
「これ、可愛いんですよね、だから気に入ってるんですよ、ちょうどいいサイズだから持ち運べるし、さすがは伽羅磁さんだな、プレゼント慣れしてるから、こんなに可愛いもの選んでくれたんだろうな」
が秋澄側の意見ではある。
このすれ違いを訂正することが出来たのならば進展がありそうな気がするのだが。
その辺に気づかないし、そこを重要だとも思ってもいない伽羅磁では無理な話。
「伽羅磁(きゃらじ)さん、お電話どうもありがとうございますが、時間というと…」
「秋澄!悪いが電話は後だ」
電話の向こうから腰木(こしぎ)の声が聞こえて、自然とイラっとした。
向こうでは戦闘が始まりかけていたようだ。
ピッ
しばらくしてから折り返し電話があった。
「大丈夫かい、秋澄。僕は君に何かあったら心配で、君のことしか考えなくなるよ」
「そういうのはいいですから、助けてくださいましてありがとうございました」
「…ああ、そっちか、律儀だね。まあ、そういうところも凄く好きなんだけどもね。そのことは僕の一存ではないよ」
「そうですか、でもありがとうございます」
「じゃあ、そういう気持ちがあるのならば食事行こうよ、君の好きそうなお店、また見つけておくからさ」
「それは申し訳なく」
「前回は君が会計していったからな、油断したよ」
「良いお店でしたから」
「そういうことじゃなくてさ、その経済力も素敵だけどもね、もう少し僕に頼っていいんだよ」
「伽羅磁さん、嫉妬深いしな」
「嫉妬深いほど、愛が深い男なんだよ」
この男は言葉で凹んだことはあるのだろうか?と思うほどだ。
「というか、君がいると、酒の量は減るというか、飲まなくても楽しいし」
「もっと人間関係充実させた方がいいですよ」
「君に言われたくないよ、君こそ、仕事してばっかりじゃないか」
「仕事するにはKCJっていい環境なんですよね」
「そうだね、そこはそういう人たちが多いから、だからこそ助かっているところはあるけもも、もっと自分の幸せとか考えろって土下座されたの忘れたの?」
秋澄は適正が高かったので、そこで回復の術を学ぶことになったが、その時は軽く勧めた人が、後でその後の秋澄を知って慌てたのである。
「あの時は、あなたしか回復適性がないと思っていたから、あんなことを言ってしまったが、これではあなたの人生を縛り付けているとわかってから、心が重苦しくてしょうがない。だからあなたが幸せになってくれないと、私は救われないので、どうか、あなたはもっと自分の人生を見つめ直して、幸せになってほしいんだ」
土下座して言われたが。
「はあ、でももう全うするつもりですからね」
話は平行線に終わっている。
そんな感じで、人間関係も狭いといっていい。そこに伽羅磁が来ても、悪い人ではないなと、人生のアクセントぐらいの感覚で、誘いには乗っていた。
「でも伽羅磁くんはたぶん本気なんだよな」
「本気じゃなきゃ誘わんでしょ」
休憩室の同僚と二人。
「それはそうだけどもさ」
「それ以外の何かあるんでしょうか?」
「そう返されると弱い」
「ではいいんじゃないですかね」
「秋澄ちゃんは、俺も知ってるからな」
「ええ、知ってます、あなたの方が付き合いが長いと言うこともね!」
おおっと、語尾も強いぞ。
「そんな言い方しなくてもね…君の知らない秋澄ちゃんとかの話は好きではあるのにね」
「それはそれ」
「やっぱり話としては好きなんだね」
「彼女はあまり話をしてくれないし」
「まあ、結構大変だったからな」
「あの優しさの理由が、そこからならば尊敬する」
(えっ?)
「辛いことを知っててもなお、誰かに優しく出来る人は少ないじゃありませんか」
「そうだね、うん、そうなんだけももさ」
「ただその時、彼女を知っていたら、抱き締めてあげたいですけどもね」
「ずいぶんと熱烈だね」
「えっ?あなたが教えてくれたんですよ、女心がわからないなら、抱き締めればいいって」
「言ったけどもさ、あの時、伽羅磁くんだけだよ、感心してたの、他の人たちはすごい目で俺のことを見てたもん」
あれは真似をしてはいけない。
良い子だからあっち行ってようね
勘違いされてそのうちとんでもないことが起こりそう。
すまない、あれは理解できない。
女性問題をそのうち起こすかもしれないから、覚悟はしておこうか。
などの反応があったことを伽羅磁は知らない。
「えっ?そうなんですか?」
「伽羅磁くんは、意外とピュアだな」
「そうでしょうかね」
「そうだよ、俺みたいに女難とかなさそうだし」
「女難なんですか?」
「えっ?女難でしょ?」
向こうからも来るが、自分でも巻き起こすタイプの女難。
「まっ、だから責任は取らなきゃねって」
「それは楽しいんですか?」
「楽しいときもあるね~」
「一人をずっと愛されては?」
「うん、それは思うんだけどもね。つい、言っちゃうよね」
「俺はあんたがいなきゃ生きていけないんだよね」
「って」
「そしたらお相手の方はなんと?」
「わかった、じゃあ私が支えるねって」
「それ何人目ですか?」
「その時は二人目」
「本当に数あってます?」
「最初の方はね、間違えないよ。今はもう…そういうのも面倒になったかな」
「よく大丈夫ですね」
「生きるの諦めてるからじゃない?もうここで終わってもいいから、どうでもよくなった」
「あなたのことをしっかりと考えてくれていた人もいたでしょうに」
「いたよ、いたけど、その子とはちゃんと別れた。先日会ったときに、ポカポカ、向こうも本当は叩きたかったんだけども、我慢して抑えて、だからあえてそれそのままにしたけどもね、ごめんね、って言葉しか出てこなかったよ」
「悪い男ですね」
「そうだね、あの子に対しては悪い男だったね」
「あなたの恋愛観は話だけならばおもしろいのに」
「退屈しのぎにはちょうどいいでしょ」
「世の中の広さがよくわかります」
「でしょ?恋愛は楽しいよ、何気ない言葉のやり取りが充実した時間をくれる」
「これだけならばいい話なのにな」
「そうなんだよね、綺麗になんでか終わらないんだよな、何がいけないんだろう」
「僕はそこまで恋愛上手ではありませんから」
「それっぽいよね、まさか秋澄ちゃんに行くとは思わなかった」
「意外ですか?」
「意外、魅力的ではあるよ、うん、それは認める、こう…寄せ付けない感じなのに、親しくなるとね」
「そう!あれは本当に…勘違いするには十分で」
「勘違いだと思ってるの?」
「たまによぎりますよ」
「そんなの気にしないで、一緒に過ごせばいいのに」
「あなたのようにどこで、踏み込めば行けるのか全然わかりませんから」
「そう?そんなの行けるって感じたら、後は慣れだよ」
「慣れたくない」
「でも仲良くはなれるよ」
「それは…」
「秋澄と仲良くはなりたいんでしょ」
「それは…はい」
「素直になりなよ、まっ、その代わり言葉で好きだとは伝えているみたいだから、後は秋澄がそれをちゃんと受け取れるか、かな。あれ本気にしてないし」
「なんで本気にしてくれないんですかね」
「日頃の行いかな」
「僕は一途ですよ」
「知ってる、でも偏屈なところを思いっきり秋澄は理解しているから、君の好きがどういう意味なのかわかってないんだよ」
「どうって」
「それこそ、どうだよ。愛している、大事にするの意味じゃない使い方をする奴もいるよ」
「あなたみたいに」
「いや、俺はそこは嘘つかないし、むしろ言葉はあるが現実の準備とか適当だから上手く行かないタイプだね。花を贈る時、考えないで贈った話とかで叱られたとかはある」
「何を贈ったんです?」
「とりあえずで選んだのが伝わった」
「それはダメでしょ、贈り物は相手のことを考えてってことで」
「えっ?じゃあ、伽羅磁くんは秋澄に花を贈る場合は何を贈るの?」
「その日がなんの日なのか、纏わる花を束ねてもらうのはいいかもしれませんね」
「そういうの喜ぶ人はいるからな」
「でしょ?」
「秋澄ちゃんはそれがわかる人なの?」
「それは…贈ったことがないから、わかりませんが…」
「じゃあ、なんなら贈ったことがあるの?お菓子とかあげたことはあるでしょ?」
「なんでそれを」
「秋澄、可愛い缶を前に鞄から出しているの見たから、あれって秋澄の趣味じゃないし、どっちかって言うと伽羅磁くんが選びそうな感じかなって思っていたけども、やっぱりあれは伽羅磁くんの贈ったものなんだ」
使う頻度は少ないが、ないと困る小物。そのために中が潰れたりしないように小さい缶のケースを使っていた。
そのデザインが、なんというか、秋澄が選ばないような系の可愛いであった。
「彼女、シンプルなものがメインじゃない?だから誰かからの贈り物なのかなっては思っていたけども、何?ホワイトデーか何か?」
「いえ、そういうのではない日です」
「ええ、何々教えてよ」
の所で時間が来たらしく。
「ああ、惜しい、伽羅磁の困った顔が見れたのに、じゃあ、俺は行くからな」
「お気をつけて」
こんな軽口でも許してしまうところがあるのは、これから同僚が向かうのは命がけの依頼だからだ。
このまま亡くなる、行方不明になるもよくある世界だからこそ、その辺は寛容になっていくというか、寛容でなければ精神的な苦痛に繋がってしまうのである。
秋澄の缶のケースについては、他の人からも実は伽羅磁は言われていた。
伽羅磁の親しいものほど、秋澄のそれを見て、ずいぶんと秋澄という人間を気に入っているのだなとわかるようだ。
「でもたぶん秋澄の方は、捨てるのもったいないとか、他の容れ物が壊れたからとか、そんな理由だとは思ってるんだけどもね」
とは伽羅磁は答えてはいるのだが。
「これ、可愛いんですよね、だから気に入ってるんですよ、ちょうどいいサイズだから持ち運べるし、さすがは伽羅磁さんだな、プレゼント慣れしてるから、こんなに可愛いもの選んでくれたんだろうな」
が秋澄側の意見ではある。
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