今までの功績を改竄され、役立たずのお荷物認定されてギルドを追放されたけど、国一の貴族の令嬢に拾われ無事勝ち組人生

taki210

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第五十三話

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あぁ…私は馬鹿です。

底抜けの馬鹿です。

過去の失敗から何も学ばないお間抜けさんです。

どうもニーナ・アルトリアです。

私は今朝、市場へ買い物に出ていました。

お目当ては、新鮮な食材。

最近私は料理に凝っているのです。

なぜかといえば、それはアルト様に私の手作り料理を食べてもらうためです。

屋敷の使用人が言っていました。

男性の心を射止めるには、胃袋を掴むのが手っ取り早いと…

…はい。

隠してもしょうがないので白状すると、私はアルト様が好きです。

アルト様は今まであったどんな男性よりも強くてかっこいいです。

助けていただいた時から、アルト様のことを意識していたのですが、最近自分の好きだという感情にようやく気づけました。

こんなことは初めてです。

恥ずかしながら、今まで男性に好意を寄せられ、思いを告げられた経験は何度かあったのですか、私自身あまりピンとこず、全て断っていました。

でも今ようやくわかりました。

これが好きだという感情。

私はアルト様にすっかり夢中です。

そんなアルト様に喜んでもらえるような料理を作りたい。

その一心で私は市場へと出かけていったのです。

そしてまんまと攫われてしまいました。

私を罠に嵌めたのは、一見優しそうなお婆さんでした。

「やあやあ、可愛いお嬢さん。何をお求めですか?」

「新鮮で、美味しくて…それから男性に人気のお肉を教えて欲しいです」

「男性に人気…あら、もしかして想い人に手作り料理でも振る舞うのかい?」

「は、はい…えへへ…」

「あらぁ、そうかい。可愛らしいねぇ…それじゃあ、お嬢さん。こっちにおいで。店の奥に今仕入れたばかりの新鮮な肉があるんだ。お前さんに特別に売ってあげるよ」

「本当ですか!?ありがとうございます…あっ、お二人はここで待っていてください。すぐに戻ります」

「「はっ」」

私は従者をその場に待たせて店の奥へと入っていきます。

相手がお婆さんだったので完全に油断していたのです。

「うふふ…今日は稀に見る別嬪が釣れたねぇ…これは高く売れそうだ」

「へ?」

店の奥には男の人たちが待機していて、あっという間に私を取り押さえました。

叫べないように猿轡をかまされて、私は店の裏口から男たちに運ばれていきます。

こうして私はまたまんまと人攫いの罠にかかり、連れて行かれてしまったのでした。


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