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第二話

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「ん…?」

部屋に引きこもり始めて半年以上が経過したある日。

朝、俺は自室のベッドの上で目を覚ました。

「眠い…」

まだ寝付いてから2時間ほどしか立っていない。

引きこもりの俺の生活は完全に昼夜逆転しており、いつも明け方ごろに眠っている。

なのでこの時間帯はいつもぐっすりと寝ているため、今、ものすごく眠い。

さっさと布団をかぶって眠りたいのだが、何やら外が騒がしい。

ピーポーピーポーとサイレンの音のようなものが聞こえる。

近くで火事でも起こったのだろうか。

他には「きゃあああああ!」とか「うわあああああああ!」とか人の悲鳴みたいなのも聞こえる。

なんなんだよ全く。

「勘弁してくれよ…」

俺はぼやきながらカーテンを開いて窓から外の様子を覗く。

「うわぁあああああああ!!!」

ちょうど正面に見える道で、スーツに身を包んだサラリーマンが大声を上げながら走り回っていた。

なんだあれ。

気でも触れたのか?

薬物患者?

働きすぎで頭おかしくなったのか?

そんなことを考えながらそのサラリーマン風の男を観察していると、次の瞬間道の角から何かが現れた。

「は…?」

思わずそんな声を漏らす。

目の錯覚か?

そう思ってゴシゴシと目を擦ったが、その角から現れた『ゴブリンに酷似した生物』が消えることはなかった。

「なんだよあれ…子供のコスプレか…?」

それにしてはよくできている。

出来すぎている。

動きもなんかきもいし、リアルすぎる。

どう見たって本物のゴブリンだ。

「うわ…一匹じゃない…めちゃくちゃいる…」

そのゴブリンっぽい緑色の見た目のキモい生物は一匹だけじゃなかった。

何匹も固まって角から姿を現して集団で

『グゲェエエエエエエ!!』

『グギィイイイイ!!』

とか気色の悪い声を発しながらサラリーマンを追っかけている。

「く、来るなぁああ!!!」

そしてサラリーマンは、恐怖の表情で追いかけていくるゴブリンたちから逃げ惑っていた。

「意味わかんねぇ…映画の撮影かな…?」

俺は周囲をキョロキョロと見渡して撮影スタッフとかを探してみたのだが、そんなものはどこにも見当たらないのだった。



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