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九十話
しおりを挟むパン屋の扉と壁は表から見ると中が見える
討伐署の人が3人も来ていると噂になる、と
言われ、奥に案内された
お茶を用意しようとする女性を止め、
何もない机を5人で囲む
男性は胡座をかき、机に肘をつき
横を向いている
女性は正座をしているが、視線が泳いでいた
「この人のこと、知っていますね?」
ジーナがシギの写真を机に置き、
2人の表情の変化を見つめた
男性は一瞬見たがすぐに視線を外し、
女性は写真を見ると
少し震え出したように見えた
「‥知っていますね?」
「知らねぇ」
男性は一言だけ答えた
「知らないはずありません、
討伐署からこちらへ配属されていた人です」
タリアが言うと、男性は舌打ちをする
「知ってんなら、わざわざ
聞いてくんじゃねぇよ」
イライラしているように見える
「で、そいつが何だ?」
「今、私たちはこの人を探しています
重要な人物なので」
「探している!?
シギは死亡扱いになってるんでしょう!?」
女性が机に手をつきながら半分立ち上がり、大きな声で言った
「‥情報がなかったから
死亡扱いになってるだけです」
「突然いなくなったのよ!?
今更私たちに聞かれたって知らないわ!」
「いなくなったんですね?
いなくなる心当たりはありますか?」
「所詮盗賊は盗賊、
根性のねぇ奴らばっかだ」
「‥根性?」
バタバタと階段を降りる音が聞こえてきた
「わー!!
遅刻しちゃうー!!」
若い15.6歳ぐらいの女の子が
大きな声を出しながら
勢いよく扉を開けて入ってきた
「あっ、ごめんなさい‥!」
いるとは思わなかった来客に驚きながら
焦ったように頭を下げ、
女性の横に行き、小さい声で聞く
「お母さん、リリの用意しなくて
大丈夫なの?」
目を擦りながら
10歳ぐらいの子も部屋に入ってきて
女性の膝の上に座る
肩までの長さの髪の毛は
パーマをかけているようにクルクルしていて
とても可愛らしい印象を持った
さすがに子どもを巻き込むわけにはいかない
私たちは顔を見合わせ
今日は引き上げることにし、
パン屋を後にした
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