パンドラ

須桜蛍夜

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盈月

127

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希望はもうここには無い。

裏路地に連れ込まれた俺は容赦なく殴られる。

「運が悪かったな。俺は今、むしゃくしゃしてるんだよ」

運が悪かったなんて理由で殴られる。同じだ、幼稚園の時と。もうこいつらの気が済むまで待つしかない。 俺は結局、あの頃と何も変わっていない。弱いままなんだ。

「こいつ全然抵抗しねぇな。つまんねー」

「アニキ、火つけましょうよ。そしたら反応しますよ」

笑い声が勘に触る。恐くなる。相容れない。心の中では反抗しているのに、心はいつまでも怖がって、身体は動かなくなる。

「さぁて、髪の毛が無くなるお時間ですよ」

タカと呼ばれた子分に押さえつけられ、金髪のアニキが俺の髪にライターを近づける。

ーー嫌だ!

初めて抵抗が身体に現れた。だけどもう遅い。押さえられた手足は動かないし、逃げられない。

「やっ、やた……やめーー」

もがく俺に笑いながら火を近づける男達。

ーーやめてくれ!

火が髪につくその瞬間、

「賢太郎になにしてんの!」

希望がアニキを蹴飛ばした。





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