パンドラ

須桜蛍夜

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盈月

47

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ーー翌日。日々は変わらない。

「おはよう、西山さん。昨日7チャンでやってたドラマ見た? どんでん返しの展開でさーー」

「で、私と友達になる気は起こった?」

「じゃ、また明日ね。今日は、委員会あるから一緒に帰れないんだ~」



「瑠璃、そういえば、あの後スマホ起動してみたか?」

「……じゃ、おれがやってやるから、持ってこい」

「ところで、誰かにスマホ買った事言ったか?」

「駄目だろ言わなきゃ。誰とも連絡取り合えないしスマホの意味なくなるし」


ーー毎日毎日、同じ日常が繰り返される。


「今日の事前学習なんだけど、私、コンピュータ全く駄目なんだよね。触りたくもないくらい? だからさ、悪いんだけど、西山さんが調べてくれない?」

「そう言わずにさ、お願い。んー、やってくれたら購買でなんか奢るからさ」



「瑠璃、なんだよ今日のメール『帰』って。せめて"る"くらい入れろよ」

「面倒くさかったって……。逆に"帰"だけの方が面倒くさくないか?」

「……じゃあ、せめてカエルの絵文字とかにしよう。可愛いし。友達と連絡するようになった時とかも、淡白なのじゃなくてそういう方が良さそうだし」


ーーこのままでいい。面倒くさい。


「あっ! 西山さん、スマホ買ったの? そこに置いてあるの、西山さんのだよね。メアド教えて」

「そう一蹴しないでさ。いいじゃん、教えてくれるくらい」

「……じゃあ、どうすれば教えてくれんのさ? 友達になったら教えてくれる?」

「それなら、頑張って友達にならないとね。という訳で、今日こそ友達になる気は起こった?」

「やっぱり? じゃ、また来ますわ」



「瑠璃、学校生活どうだ? 楽しいか?」

「何が楽しいか分からない……か。そっか、ゆっくり分かってきゃいいよ。うん、ゆっくりね。そのうち、きっと楽しくなるからさ……」


ーー面倒くさいけど、でも……。




 
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