パンドラ

須桜蛍夜

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盈月

65

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「西山、ちょっと来い」

昼休み、森本があの子を連れ去った。

「ふふっ、どうなるかな」

「学校なんて来たくなくなるくらいまでやって欲しいよね」

「いいから、行くよ」

ユウコとミカを引き連れて、もう姿の見えない彼らを追う。


「はぁ、良かった。あいつらまだ来てないみたいだね」

生物準備室に飛び込んで、息を潜めて笑い合った。

森本は西山瑠璃を職員室など無駄に連れ回しながら、ここの隣ーー生物室へと連れてくる。それまでに沙羅達はショー鑑賞の準備を済ませる段取りだ。

「沙羅、ミカ、感度良好」

パソコンを操作していたユウコがこっちを向いてVサイン。沙羅達はその横から液晶画面を覗き込む。
そこには蛇やらなんやらが蠢くキモい教室ーー生物室の内部がくっきりと映し出されていた。

ーーカメラの確認OK!

準備はこれで整った。後は、主役二人の登場を待つのみ。

身体が興奮なのか緊張なのか分からない鼓動を地震のように響かせる。
喉が渇く。手先が震える。だけど気分は最高過ぎる。
不快なのに心地よい。
シャブをやるってこんな感じなのかもしれない。やめられない、やめたくなくなる最高の快楽。
確かに、これが続けられるなら身体なんて壊れてもいいかもしれない。

ガラッ

その時、待ちに待ったベルが鳴った。憎き女優と愚かな脇役の登場。

ーー沙羅のために良いショーを演じなさい。

開演の音に隣の部屋に笑みを送る。

学校の端で人が来ない密室空間、百戦錬磨のエロ教師、間近で鑑賞ができる客席……そして、"タラクサカム"とかいう奴に貰った切り札。 

最高の舞台が揃っている。ならば、自ずとショーは最高の物になるはずだ。

ーーあの子の全てを壊し尽くすくらいまでね。 
 
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