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盈月
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西山弘。
男はそう名乗った。彼は、躊躇うことなく西山の家に入り、当たり前のようにソファーを勧める。
あぁ……本当に西山の父親なんだな。
遠い目になる。
ーー似なさすぎだろ!
心が大きく叫んでいた。隠しきれない驚きを外に出そうともがいている。
声に出したい。叫びたい。ツッコミたい。
半ば怒りにも似た激しさで俺の中は大荒れだった。
「瑠璃の友達が訪ねてきてくれることがあるなんてね。いや~、夢みたいだ。あ、さっきはごめんね。怒鳴っちゃって。職業柄どうしても癖でね」
そんな俺とは反対に西山さんはひどく上機嫌で感情を全面に押し出すみたいに笑っている。
「…………」
ーー西山はお母さん似なのかな。
俺は遠くに答えを見つけた。
「ところであの、瑠璃は今どこに……?」
優秀な幼馴染は、そんな間に話を進めていたらしく、気づけば核心の問いが発されている。
「申し訳ないんだけどおれも分かんないんだよね。よくこうして勝手に出かけてくんだけど、行き先も言わないし、帰ってくる時間とかもバラバラで。ごめんね、わざわざ訪ねてきてくれたのに」
本気で申し訳なさそうな顔をする西山さん。それは思わずこちらが謝ってしまいそうな程にしょぼくれていて、とても続けて聞ける雰囲気ではなかった。
「いえ、約束せずに来た私達が悪いんで気にしないでください」
巴も慌てたように話を切り上げる。不意に沈黙が訪れて、俺らは小さく目を見合わせた。西山が居ないなら話にならない。
男はそう名乗った。彼は、躊躇うことなく西山の家に入り、当たり前のようにソファーを勧める。
あぁ……本当に西山の父親なんだな。
遠い目になる。
ーー似なさすぎだろ!
心が大きく叫んでいた。隠しきれない驚きを外に出そうともがいている。
声に出したい。叫びたい。ツッコミたい。
半ば怒りにも似た激しさで俺の中は大荒れだった。
「瑠璃の友達が訪ねてきてくれることがあるなんてね。いや~、夢みたいだ。あ、さっきはごめんね。怒鳴っちゃって。職業柄どうしても癖でね」
そんな俺とは反対に西山さんはひどく上機嫌で感情を全面に押し出すみたいに笑っている。
「…………」
ーー西山はお母さん似なのかな。
俺は遠くに答えを見つけた。
「ところであの、瑠璃は今どこに……?」
優秀な幼馴染は、そんな間に話を進めていたらしく、気づけば核心の問いが発されている。
「申し訳ないんだけどおれも分かんないんだよね。よくこうして勝手に出かけてくんだけど、行き先も言わないし、帰ってくる時間とかもバラバラで。ごめんね、わざわざ訪ねてきてくれたのに」
本気で申し訳なさそうな顔をする西山さん。それは思わずこちらが謝ってしまいそうな程にしょぼくれていて、とても続けて聞ける雰囲気ではなかった。
「いえ、約束せずに来た私達が悪いんで気にしないでください」
巴も慌てたように話を切り上げる。不意に沈黙が訪れて、俺らは小さく目を見合わせた。西山が居ないなら話にならない。
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