溺れる月【完結】

深智

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2三人の兄

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 二人の兄が母を恨みに思っていたなど、知らなかった。

 母が亡くなった事を悲しむ暇も、何故彼らがこれ程まで母を憎んでいたのかを聞く猶予も与えられなかった。

「お願い、やめて!」

 必死の懇願も虚しく美夕の陰部は二人の前に晒された。

「いや、見ないで!」

 激しく頭を振りながら懸命に抗う美夕だったが、手も足も掴まれて身じろぐこともままならない。

 そんな美夕を見下ろす滉と楊は薄く笑いながら、露わにされた花弁を見つめた。

「なに、美夕、見られただけで興奮しちまった? 大事なとこが濡れて光ってるぜ」

 全身を一気に紅潮させた美夕は涙を流しながらキッと二人を睨んだ。

「睨む顔も可愛いね」

 クスクスと肩を竦めて笑い出した楊は、しなやかな手で美夕の花弁をゆっくりとなぞり始めた。

「……っひっぅ」

 美夕の白い躰がビクンと跳ねる。

「もう、待ってるみたいだよ、ほら」

 楊は、粘液で糸を引く指を美夕に見せて優美に微笑んだ。

「やだ……やめて」

 涙で濡れる頬を、楊がするりと撫でた。

「でもおかしいな。男性経験のないヴァージンが、こんな状況でこんなに濡れる?」

 楊の優美な笑みの下に隠れる本性が見えない。

 ゾクリとした美夕に、滉がクククと笑った。

「じゃあ、確認するか。こんだけ濡れてりゃすぐにでも入れられそうだ」

 滉は乱暴に美夕の足を開くと、陰部に指を入れた。

「ああっ、いやぁ、んっあ、ンッ」

 入れられた指が、膣《ナカ》で暴れる。

「いや、いやいやッ、あああンッ」

 足を全開にされて押さえつけられた美夕は躰を仰け反らせた。

 形のよい豊かな乳房がピンク色の乳首を勃たせて大きく揺れる。乳首を、楊が強く摘まんだ。

「んふっ、ぅ、いやっ」

 泣きながら頭を振り必死に抗うも、美夕の蜜壺からは止めどなく蜜が溢れ、床を濡らし始めていた。

「すげぇな」
「美夕、感度良すぎだよ」
「いやあぁああっ、あっ、あっ」
「よしっ、じゃあ、処女かどうか確認するぞ」

 膣から指を抜いた滉は、両手で美夕の細い腰を掴むと、一気にそこを貫いた――。




 滉は立ち上がるとテーブルの上に置いてあった煙草の箱を手に取った。

「挿れるのはいっつも俺が先だよな」

 立ち居姿がまるでダビデの彫像のような滉に、楊はぐったりとした美夕を抱え上げながら「何を今さら」と笑う。

 幾度も幾度も抱かれ、疲れ果てた美夕の身体はソファに座った楊に背後から抱かれた。

 乳房を揉まれていたが、美夕にはもう抗う力はなく、ぐったりと目を閉じ、されるがままになっていた。

「美夕は、僕たちが初めて抱いた時には既にヴァージンじゃなかったんだ。
もう今さらどっちが先かなんて気にしないよ」

 美夕の心がドキリと鳴った。

「そうなんだよな」

 煙草を口に咥えた滉は美夕に近づくと、顔を掴みグッと自分の方へ向けさせた。

 驚いた美夕が目を開けると、黒い大きな瞳が自分を見据えていた。

「お前に男の気配なんて微塵も感じなかったんだけどな。噂でも聞いてなかった。相手は、誰だ」

 滉の瞳の中に、微かな怒りの色が見え、美夕は脅える。

 堪らず視線を逸らした美夕の乳首を、楊がキュッと摘まんだ。

「んんっ」
「答えられない相手?」

 乳首を摘まむ指に微かな力が加わる。

 ゆっくりと擦るような刺激が、敏感になった躰を痺れさせていく。

 また始まってしまう!

「もういやよ、やめて」

 楊の腕に抱かれたまま、美夕は首を振った。

 言えない。初めての男。

 記憶が、美夕の中で蘇る。

 腕を掴む強い手。服が破かれる音。荒っぽい手も軀も、少し熱っぽかった。

 乱暴に足を開かされ、自分は見た事も無かった世界へと突き落とされた。

 溺れる!

 真っ暗な水の中へ堕ちていく自分の躰が――、

 滉が、美夕の足を開かせた時だった。

 玄関のドアが開く音が聞こえた。

「兄貴か」

 滉の手が離れる。

「そうみたいだね」

 美夕の全身が〝兄〟という言葉に戦慄に近い反応をする。

 ドアの開く音から廊下を歩く音がして、リビングのドアが開いた。

 姿を現した瞬間、部屋の空気を変えてしまう人間を、美夕は彼以外に知らない。

 まるで奇跡かと思うほどの美貌を長身痩躯八頭身の身体に乗せたスーツ姿の男、長男の貴臣が、リビングに入って来た。

 部屋の中を一瞥して全裸の三人を見た貴臣は、フン、と鼻で笑った。

「またやっているのか。そう言えば、今夜は三浦さんも住み込みの奴らも皆帰す日だったな」
「そうだ」

 滉は、ため息混じりに一人掛けのソファに乱暴に腰を落とした。

 弟の不貞腐れたような態度に、貴臣はクックと笑う。

「俺が帰って来たからって止めることはないぞ。俺はお前たちの邪魔をする気はないからな」
「兄貴の優等生面を見たら萎えたよ!」

 フイッと横を向いた滉に貴臣は続けた。

「萎え次いでに滉には親父からの耳の痛い話をしてやろう。親父は来年留年したらもう学費は一切払わないらしい」
「ああっ!?」
「少しは講義に出ろ、という事だな。俺は別に、お前が留年しようと退学しようと関係ないがな」
「今年は留年しねえっ! 親父にそう言っておけ!」

 髪の毛を金色に近い色に染め、片耳にピアスをしている滉は、今年は留年2年目だった。

「ああくそっ! マジ、萎えた!」

 滉は、座った時と同じく乱暴に立ち上がり、近くにあったスウェットを着だした。

「美夕」

 貴臣の視線が向けられ、美夕の身体がビクンと震えた。

 立ち上がろうとした身体は、楊に背後から抱きしめられて動けなかったが。

 困惑気味の表情で見上げる美夕に、貴臣は無表情のまま告げた。

「ピルを処方してやるから後で俺の部屋に来い」
「……はい」



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