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おケイちゃん事変2
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おケイちゃんは横浜で一人暮らししている従姉さんのお宅に身を寄せていた。お腹に赤ちゃんがいる身体でどこかで一人でいたら、と心配したけれど、とりあえずは安心した。
でも、おケイちゃんは泣いてた。
おケイちゃんとは幼稚園に入る前からずっとお友達だったけれど、おケイちゃんが泣いたのを見たことは一度もない。いつも強くて、毅然としていて、わたしが困っていたら直ぐに飛んできてくれて、助けてくれて、守ってくれた。
わたしはいつの間にか、おケイちゃんに守られるのを当たり前のことと思っていたのかもしれない。
ごめんね、おケイちゃん。おケイちゃんは苦しんでいたんだね。悩んでいたんだね。
二十年分の恩返しがしたいです。ううん、してみせる。おケイちゃんと赤ちゃんを守ってみせるから。
通話が終わったスマートフォンを一旦床に置いて、わたしは涙を拭った。
明るいブルーのラグの上で静かに黙っているスマートフォンを睨み、固唾を呑み込む。覚悟を決めよう。
わたしはスマートフォンを取り上げ、グッと握りしめた。
「今は、おケイちゃんの為。おケイちゃんの為に動く第一歩。ひまりは、やる時はやる子なの!」
誰かに見られたら確実に恥ずかしい文言だけど、これは呪文。自分自身への。わたしは勇気を出して一歩を踏み出した。
数回の呼び出し音がして、相手が出た。
「お嬢、奇遇だな。今俺も掛けようと思っていた」
甘い響きを持った低めの声がわたしの芯に届く。痺れそうになる身体をぐっと抑えてわたしは応えた。
「もしかして、ケンさんも知ってるの?」
おケイちゃんのこと、と言おうとする前に反応があった。
「今、晃司と一緒にいる」
わたしは「えっ」と思い切り声を出した。
「もしかして、ケンさんもおケイちゃんと平田さんの事情を」
「聞いた」
言い終わらないうちに返答があって、電話の向こうでケンさんが「な?」という同意を求める気配が感じられた。間違いなく、そこに平田さんがいる。
「ケンさん! 変わってください! 平田さんに! わたしから話したいことがあります!」
何の迷いもなかった。今のわたしの頭の中にはそれしかなかったから。
おケイちゃんは、泣きながら話した。
『赤ちゃんができちゃったこと、晃司は何も悪くないの。わたしが一人で晃司に内緒でそう仕向けたことだから。正直、パパたちなんて二の次だった。両親に認めてもらえなくたってわたしは晃司と一緒にいれれば、って思った、だから、出来たって報告して受け入れてくれるか一番怖かったのは晃司だった。案の定、晃司ったらドン引きしちゃって。情けない男なの。そんなところも堪らなく好きで、晃司の全部、全部ひっくるめて大好きだから、いいんだけどね』
泣きながら、ちょっと自嘲気味に笑って話したおケイちゃんの声は、わたし一生忘れないと思う。
『それでどうしたいの、おケイちゃんは』って聞いたわたしにおケイちゃんは涙声ながらも力強く答えてくれた。
『産む。決まってるじゃない。大好きな人の子だもん。わたしはそんな思慮の浅い女じゃない。独りだって育てるって覚悟がないとこんなことしない。わたしには出来るから』
やっぱり、おケイちゃんは強い女性でした。でもね、まだ諦めないで。別のアプローチからわたしが解答を求めてみるから。納得のいく解答を。
わたしが出来ることは? って人生経験の浅いなりに懸命に思考を巡らせて二つの行動を捻り出した。
一つは、おじ様に直談判する事。そしてもう一つは、平田さんにおケイちゃんの生の感情をぶつける事。
先に平田さん、と思ったのだけど直接の連絡先は知らない。でもそんな事で引き下がれない。そこで考えたのが、平田さんの親友、ケンさんだったのだ。
メッセージのやり取りはあっても直接電話は初めてだった。これもおケイちゃんの為! と勢いでボタンを押して――、現在に至ってる。
「電話、代わりました」
スマートフォンの向こうから頼りないか細い声が届いた。打ちひしがれているんだろうな、って手に取るように分かる声音だった。でも、そんなこと知らない!
あなたは今、人生の大事な岐路に立っているんです!
「平田さん!」
平田さんがハッと息を呑むのが聞こえた。わたしはそのまま続ける。
「どうして、って聞くのはやめますね。わたしが出来るのは、平田さんにおケイちゃんの感情を、気持ちを聞いてもらうことだけだから。おケイちゃんは、本当に、本当に平田さんが好きなんです。言ってました。『私は晃司じゃなきゃダメだから』って。平田さん以外なんて考えられないって。独りだって産むって。大好きな人の子どもだからって。凄いことだと思いませんか? あのおケイちゃんが考えなしに、感情だけで動くと思いますか?」
一気に捲し立てたわたしの言葉を平田さんは黙って聞いていてくれた。電話だから顔は見えないけれど、聞いてくれているのが分かったから、わたしは続けた。
「あのおケイちゃんが泣いてたんですよ。本当に、本当に平田さんの事――」
言いながら、少し前のおケイちゃんの声がわたしの中に蘇って、また涙がこぼれてきた。震える声を絞り出す。結局は、言いたいことはただ一つなの。
「許しません。わたしは、平田さんを許しませんから。大事な、わたしの大事なお友達を泣かせた平田さんを、わたしは許しませんから。おケイちゃんを苦しめる人なんて、一生許しませんから」
通話口から嗚咽が聞こえ、わたしは耳を澄ませた。平田さんが、泣いてる? 微かに、ありがとう、という声が聞こえて、言葉が続いた。
「ひまりさん、ありがとう。俺も、おケイ以外の女は考えられない。おケイしかいないんだ。だから、悩んだ。このまま、おケイにだけこの先を背負うような想いをさせていいのかって。だから、直ぐに答えが出せなかった。おケイを苦しめるつもりはなかったんだ。おケイのこの先の人生を縛るような事をしたくなかったから」
おケイちゃんは、平田さんがドン引きした、って思ってたけど、そうじゃなかった。真剣に考えていた。おケイちゃんの人生を考えていた。だから、直ぐに答えが出せなかった。
わたしの気持ちが、感情が、溢れ出す。
「それを、その気持ちをおケイちゃんに言ってあげなくちゃいけなかったんです。おケイちゃんは頭がいい女性だけど、言葉にしてもらわないと分からない事だってあるんです。言ってあげてください。これ以上、おケイちゃんを泣かせないで――」
もう限界だった。涙に溺れてしまった声はこれ以上続かない。わたしは、わあわあ泣き出してしまった。
おケイちゃん、おケイちゃん!
耳に当てたスマートフォンの向こうで、ごそごそっと動く気配があって、わたしの耳にあの声が届いた。
「ごめんな、情けないヤツで。でも、お嬢が話してくれて助かった。コイツも勇気をもらえただろ。大丈夫だ。悪い方向には行かせない。だからもう泣くな」
いつの間にか電話口がケンさんに代わっていた。優しい声が、とげとげになっていたわたしの心に柔らかく沁みて、丸く丸くしてくれる。
「俺たち今、鎌倉まで来てる」
わたしは、え、と息を呑んだ。状況が呑み込めずに固まるわたしにケンさんが続ける。
「お嬢、もう少し俺たちでサポートしような」
ケンさんの言葉は、今のわたしに勇気をくれる。おケイちゃんを守りたい。おケイちゃんを助けたい。わたしはケンさんに「うん!」と応えた。
「今コイツ、おケイにメールも通話もブロックされて身動き取れなくなっていたんだ。とりあえずはお嬢に協力してもらって、おケイとおケイの両親にコイツを会わせることから始めよう」
ケンさんの冷静な声にわたしは背中を押された。
「おケイちゃんは今戸塚にいるから、なんとかしてこちらに帰って来てもらいます。それからご両親は今わたしの家にいるので、平田さんに会ってくれるように説得します」
耳に当てたスマートフォンから、フッと笑う声がした。
「サンキュ、頼むな」
「任せてください」
〝ありがとう〟を言わなければいけないのはわたしの方です。
通話を終えたスマートフォンを床に置き、わたしは深呼吸して拳を握りしめた。
おケイちゃん。おケイちゃんの笑顔、取り戻すからね。
でも、おケイちゃんは泣いてた。
おケイちゃんとは幼稚園に入る前からずっとお友達だったけれど、おケイちゃんが泣いたのを見たことは一度もない。いつも強くて、毅然としていて、わたしが困っていたら直ぐに飛んできてくれて、助けてくれて、守ってくれた。
わたしはいつの間にか、おケイちゃんに守られるのを当たり前のことと思っていたのかもしれない。
ごめんね、おケイちゃん。おケイちゃんは苦しんでいたんだね。悩んでいたんだね。
二十年分の恩返しがしたいです。ううん、してみせる。おケイちゃんと赤ちゃんを守ってみせるから。
通話が終わったスマートフォンを一旦床に置いて、わたしは涙を拭った。
明るいブルーのラグの上で静かに黙っているスマートフォンを睨み、固唾を呑み込む。覚悟を決めよう。
わたしはスマートフォンを取り上げ、グッと握りしめた。
「今は、おケイちゃんの為。おケイちゃんの為に動く第一歩。ひまりは、やる時はやる子なの!」
誰かに見られたら確実に恥ずかしい文言だけど、これは呪文。自分自身への。わたしは勇気を出して一歩を踏み出した。
数回の呼び出し音がして、相手が出た。
「お嬢、奇遇だな。今俺も掛けようと思っていた」
甘い響きを持った低めの声がわたしの芯に届く。痺れそうになる身体をぐっと抑えてわたしは応えた。
「もしかして、ケンさんも知ってるの?」
おケイちゃんのこと、と言おうとする前に反応があった。
「今、晃司と一緒にいる」
わたしは「えっ」と思い切り声を出した。
「もしかして、ケンさんもおケイちゃんと平田さんの事情を」
「聞いた」
言い終わらないうちに返答があって、電話の向こうでケンさんが「な?」という同意を求める気配が感じられた。間違いなく、そこに平田さんがいる。
「ケンさん! 変わってください! 平田さんに! わたしから話したいことがあります!」
何の迷いもなかった。今のわたしの頭の中にはそれしかなかったから。
おケイちゃんは、泣きながら話した。
『赤ちゃんができちゃったこと、晃司は何も悪くないの。わたしが一人で晃司に内緒でそう仕向けたことだから。正直、パパたちなんて二の次だった。両親に認めてもらえなくたってわたしは晃司と一緒にいれれば、って思った、だから、出来たって報告して受け入れてくれるか一番怖かったのは晃司だった。案の定、晃司ったらドン引きしちゃって。情けない男なの。そんなところも堪らなく好きで、晃司の全部、全部ひっくるめて大好きだから、いいんだけどね』
泣きながら、ちょっと自嘲気味に笑って話したおケイちゃんの声は、わたし一生忘れないと思う。
『それでどうしたいの、おケイちゃんは』って聞いたわたしにおケイちゃんは涙声ながらも力強く答えてくれた。
『産む。決まってるじゃない。大好きな人の子だもん。わたしはそんな思慮の浅い女じゃない。独りだって育てるって覚悟がないとこんなことしない。わたしには出来るから』
やっぱり、おケイちゃんは強い女性でした。でもね、まだ諦めないで。別のアプローチからわたしが解答を求めてみるから。納得のいく解答を。
わたしが出来ることは? って人生経験の浅いなりに懸命に思考を巡らせて二つの行動を捻り出した。
一つは、おじ様に直談判する事。そしてもう一つは、平田さんにおケイちゃんの生の感情をぶつける事。
先に平田さん、と思ったのだけど直接の連絡先は知らない。でもそんな事で引き下がれない。そこで考えたのが、平田さんの親友、ケンさんだったのだ。
メッセージのやり取りはあっても直接電話は初めてだった。これもおケイちゃんの為! と勢いでボタンを押して――、現在に至ってる。
「電話、代わりました」
スマートフォンの向こうから頼りないか細い声が届いた。打ちひしがれているんだろうな、って手に取るように分かる声音だった。でも、そんなこと知らない!
あなたは今、人生の大事な岐路に立っているんです!
「平田さん!」
平田さんがハッと息を呑むのが聞こえた。わたしはそのまま続ける。
「どうして、って聞くのはやめますね。わたしが出来るのは、平田さんにおケイちゃんの感情を、気持ちを聞いてもらうことだけだから。おケイちゃんは、本当に、本当に平田さんが好きなんです。言ってました。『私は晃司じゃなきゃダメだから』って。平田さん以外なんて考えられないって。独りだって産むって。大好きな人の子どもだからって。凄いことだと思いませんか? あのおケイちゃんが考えなしに、感情だけで動くと思いますか?」
一気に捲し立てたわたしの言葉を平田さんは黙って聞いていてくれた。電話だから顔は見えないけれど、聞いてくれているのが分かったから、わたしは続けた。
「あのおケイちゃんが泣いてたんですよ。本当に、本当に平田さんの事――」
言いながら、少し前のおケイちゃんの声がわたしの中に蘇って、また涙がこぼれてきた。震える声を絞り出す。結局は、言いたいことはただ一つなの。
「許しません。わたしは、平田さんを許しませんから。大事な、わたしの大事なお友達を泣かせた平田さんを、わたしは許しませんから。おケイちゃんを苦しめる人なんて、一生許しませんから」
通話口から嗚咽が聞こえ、わたしは耳を澄ませた。平田さんが、泣いてる? 微かに、ありがとう、という声が聞こえて、言葉が続いた。
「ひまりさん、ありがとう。俺も、おケイ以外の女は考えられない。おケイしかいないんだ。だから、悩んだ。このまま、おケイにだけこの先を背負うような想いをさせていいのかって。だから、直ぐに答えが出せなかった。おケイを苦しめるつもりはなかったんだ。おケイのこの先の人生を縛るような事をしたくなかったから」
おケイちゃんは、平田さんがドン引きした、って思ってたけど、そうじゃなかった。真剣に考えていた。おケイちゃんの人生を考えていた。だから、直ぐに答えが出せなかった。
わたしの気持ちが、感情が、溢れ出す。
「それを、その気持ちをおケイちゃんに言ってあげなくちゃいけなかったんです。おケイちゃんは頭がいい女性だけど、言葉にしてもらわないと分からない事だってあるんです。言ってあげてください。これ以上、おケイちゃんを泣かせないで――」
もう限界だった。涙に溺れてしまった声はこれ以上続かない。わたしは、わあわあ泣き出してしまった。
おケイちゃん、おケイちゃん!
耳に当てたスマートフォンの向こうで、ごそごそっと動く気配があって、わたしの耳にあの声が届いた。
「ごめんな、情けないヤツで。でも、お嬢が話してくれて助かった。コイツも勇気をもらえただろ。大丈夫だ。悪い方向には行かせない。だからもう泣くな」
いつの間にか電話口がケンさんに代わっていた。優しい声が、とげとげになっていたわたしの心に柔らかく沁みて、丸く丸くしてくれる。
「俺たち今、鎌倉まで来てる」
わたしは、え、と息を呑んだ。状況が呑み込めずに固まるわたしにケンさんが続ける。
「お嬢、もう少し俺たちでサポートしような」
ケンさんの言葉は、今のわたしに勇気をくれる。おケイちゃんを守りたい。おケイちゃんを助けたい。わたしはケンさんに「うん!」と応えた。
「今コイツ、おケイにメールも通話もブロックされて身動き取れなくなっていたんだ。とりあえずはお嬢に協力してもらって、おケイとおケイの両親にコイツを会わせることから始めよう」
ケンさんの冷静な声にわたしは背中を押された。
「おケイちゃんは今戸塚にいるから、なんとかしてこちらに帰って来てもらいます。それからご両親は今わたしの家にいるので、平田さんに会ってくれるように説得します」
耳に当てたスマートフォンから、フッと笑う声がした。
「サンキュ、頼むな」
「任せてください」
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