弟を 雅な公爵令嬢に育てようと思う。

ママさん看護師

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享年39歳の看護師が転生しました。前前前世と前前世と前(あの)世の記憶持ちです。

前前世では結婚して、育児と看護師してました。

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私ことハイド・クラッセンは、うっかり死後の世界で興味本位でやらかした為に、記憶がそのままで異世界転生しました。

何をやらかしたか…。

それは、あまりにもお馬鹿過ぎて、もはや黒歴史的なアレなんだが。
それを説明するなら最初から話した方が分かりやすいなぁ…。



以前私は、ここの世界よりも300年位は文明が進んだ世界地球に生きていた。

その時に"笹野海空(ささのみく)"として生きていた私は、数え年で39歳の看護師。
旦那と共に二人の子供を育てながら、仕事と育児のストレスでヘロヘロになりながらも、日々幸せに過ごしていた。


あの時は、お盆が近づく真夏のとても暑い日曜日だった。
習いものが趣味だった私はその中の一つ、アロマセラピスト看護師認定資格更新の為に東京に行った。
その帰りに、運悪く命を落としてしまっていた。

即死だったから、自分が死んだのわからずにいて、普段通りに生活してたのだけれど。
ある日、高校生になった反抗期のボッチ息子が、初めて幼なじみ君以外の友達を連れてきた。

嬉し過ぎて思わず玄関先まで出ていっちゃったら、反抗期の息子は相変わららず私をスルーして、幼なじみ君を連れてさっさと部屋へ向かって行っちゃった。

連れてきた男の子は、
「こんにちは。お邪魔します」
と、少し照れて会釈をすると、靴を揃えてから上がる。

先に上がった二人の靴も、ついでに揃えるのを忘れない。

…キチンと躾のされている、良い子だなぁ…。

息子の友達が良い子で、安心した。

「いらっしゃい。ゆっくりしていってね」
「はい、有り難うございます。暫くお邪魔させて頂きますね」

受け答えも、しっかりしている。
はにかんだ笑顔もまた、可愛いわぁ!。

「おーい!。井坂、早く来いよ!」
「あ、ゴメン!。今行くよー」

息子の新しい友達は、井坂君と言うらしい。

「では、すみません」
ペコリと会釈をすると、息子の部屋に向かう。

「どうぞ、どうぞ!。…息子と仲良くしてくれて有り難うね」

そう言いながら私もリビングに戻ろうとしたら、私の横で井坂君が固まっていた。

しかも、驚いた顔をしてお仏壇を凝視している。

「どうした…」
の?。

と、声をかけようとしたけど…

「笹野!。三千院!」

慌てて息子の部屋に走って行ってしまった。



それから数日、息子の精神状態が不安定になって心配したけど、どうやら死んだはずだった私がまだ、この世で生活してた事を知って、酷く動揺していた事がわかった。

私が死んだことを教えてくれたのが、この井坂君。

私が自覚していなかった、断ち切れていない心残りと未練を教えてくれて、息子とその幼なじみ君と三人で未練を解決し、あの世へと旅立つ事ができた。









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