現代で落ちこぼれの三男〜異世界転生してコアの力で人生を謳歌する〜

荒葉千歳

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転生後〜幼少期

#15コア目

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マルズレットとの鬼ごっこを二、三時間ほどやった所でシュレットの魔力が尽きかけた為、
一度屋敷に戻り、休憩と称したお昼ご飯になった。


食堂へ歩いてる最中マーガレットが、「今日はゴードンが腕によりをかけて食事を用意してくださるそうですよ」と伝えてきた。


食堂の目の前まできた時、廊下の向こうから駆け足な兄 カーズが居た。
その後ろには姉のキャディアとメイドのアマンダがゆったりと歩いてくるのが分かった。


駆け寄ってきたカーズはそのままシュレットに抱きついた。


「シュレットおぉ!」

「うわうわ! 兄様あぶないですよぉ!」

「今日ははじめての父様との訓練だったんだろ!? どうだったどうだった!?」


父と同じく快活なカーズがシュレットの注意をどこかにやりつつ質問攻めにしていた。


「いっぱいかけっこしましたよぉ!」

「えぇー? かけっこだけかー? 剣の訓練は!? なぁなぁ他にもなにがあったんだ!?」

「うわぁっ! 兄様そんな質問がいっぱいだと! 一つずつお答えしますから!」

「もぉカーズったらぁ、シュレットが困っているじゃありませんかぁ」

「あ、姉様」

「もうこんにちわかしらぁ? うふふ」

「はい、こんにちわですね。あはは」


この語尾が伸びるように話すのは姉のキャディア。
いつもお淑やかなのだが、喋り方もお淑やかというかぽやぽやなのだ。
シュレットとしてはお優しいお姉様って感じで結構好きだったりする。
もちろん兄のカーズも好きだ。


前世での兄たちの冷たい仕打ちから反発だろう。


「ほら子供たちよ! そこにいつまでも居てもご飯が食べられないぞぉ! ほら行った行った!」

「もうあなたったら。ふふふ。ほらあなた達、行きますよ」

「「「はーい」」」


—————————————————


あの後家族全員で食事にありついた。
兄姉は最近の習い事でお昼の時間がシュレット達とずれて居た為、久しぶりの家族水入らずの席となった。


食事が終わり次第、兄姉は習い事、シュレットは再びマルズレットと訓練となった。


「父様、次はどんな訓練ですか?」

「次はこの短剣での訓練だ。今のシュレットだと長剣や小剣は大きいし重いからな。」

「でも身体強化をすれば持てるのでは?」

「あぁそうだな確かに持てる。だが今のうちに長剣とかに慣れちまうと歪な筋肉のつき方しちまうからな。それはやめた方がいい」

「そうなんですね。わかりました。それでこの短剣でどのような訓練を?」

「あぁ。まずは型だな。長剣や小剣、その他にも武器には武器ごとに最適な型がある。
 派生して色々な型はあるが、今回は俺が知ってる型を教えていく」

「わかりました! お願いします!」

「おうよ。んじゃまずは短剣の持ち方からだ」


そうしてマルズレットから短剣の持ち方、攻撃時の型、防御時の型を一通り教えてもらった。


マルズレットが知っている型は攻防一体の型、『回帰流』というのだとか。
「回帰と謳っている通り、攻撃時の型は流れるように防御時の型へと戻っていく。一周して攻防一体というわけだ」と教わった。


型は懇切丁寧に教わった。
途中豆知識として、「この筋肉がここで動くから、ここで腕をこの様に動かすと、相手の剣がこの様に来ても流せるという訳だ」
などの理論も教えてもらった。かなり分かりやす、シュレットの身体を使いながら説明を受けた為、記憶もしやすいかった。

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