現代で落ちこぼれの三男〜異世界転生してコアの力で人生を謳歌する〜

転生後〜幼少期

#17コア目

ストレッチを終えたシュレットはまだマルズレットが来てはいないが、早速庭二十周を始めた。
要領は昨日と同じ様に魔力を全身に回していくだけ。ただ一周のみ。


二十周が終わる頃には魔力切れ寸前でかなりバテていたシュレットである。


「はぁはぁ・・・きっつぅ」

「お、いいねぇ。早速二十周終えたのか？」

「父様。はい先ほど終わらせました。結構疲れますねこれ。」

「だろぉ？ でもいい訓練になる気がするだろう？」

「はい。続けていけば体力が上がっていく気がします。ふぅ」

「ははは！ よし！じゃあ次は昨日と同じく障害物を見立てた訓練だ！」

「はい！」


魔力切れ寸前であったシュレットだが、十分もすれば少量ではあるが魔力が回復していた。
昨日と同様に朝スピード鬼ごっこをしていき、それが終わればまたも同じく家族全員で食事を取る。


そして午後は型の練習。
今日はマルズレットがシュレットの型が正確にできているかを確認の為、木剣で攻撃をしていく。防御の型がメインだ。

「よしシュレット。しっかりとした型で防げよ」

「はい！ お願いします！」

「よっ、はっ、ほいっ」

「うっ・・・」


そしてシュレットは流石に予期していなかった。


『無属性魔法［模倣］の効果により相手の剣術を模倣しました』


「うへぇ！？・・・あだっ！」

「おいシュレット！？ どうしたよ？」

「いてて・・・ぃ、いぇなんでもないです。続きをお願いします！」

「お、おう？ じゃあ続きな。よいしょっ、それっ、はいよぉっ」

「ふっ、はっ、てりゃっ」

「・・・・んー？、シュレット。お前いきなりどうしたそれ。なんで昨日の今日でそこまで型ができてる？」

「えっ！？ い、いえ僕にもなにがなんだか・・・あははは・・・」

「んー。まぁとりあえず今は気にしないでおこう。しっかり型ができているのであれば問題ないからな」

「は、はい！ では続きをお願いします！」

「おうよ」


そう。本当にシュレットは予期していなかった。
まさかマルズレットの攻撃を見ただけで無属性魔法の［模倣］が発動するなんて。


急に無機質な声が頭の中に、しかも久々に流れたのだ。
驚かなければそれは、特別な訓練を受けている猛者か、ただの鈍感野郎だ。