現代で落ちこぼれの三男〜異世界転生してコアの力で人生を謳歌する〜

荒葉千歳

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転生後〜幼少期

#24コア目

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シュレットが住んでいるカールストン領はケイノック王国という国の一部の領地になる。


ケイノック王国の季節は日本と同じ気候をしており、四季にしっかり分かれている。


シュレットが生まれたのは春中頃。その年の春、シュレットは六歳を迎えた。
そして兄のカーズと姉のキャディアも誕生したのは春。


そう、兄姉がこの年で十歳を迎えた。


十歳を迎えるということは、コアを授かる年となる。


この日家族総出でカールストン領内にある教会へと赴いた。


教会では神官のレイアが出迎えてくれた。


「これはこれは、カールストン子爵様。お久しゅうございます」

「おぉレイアではないか! 息災であったか!」

「はい。この教会で神官を勤めて早六年。病魔にもあたらず健康に過ごさせていただいております」

「それはよかった」

「それで、本日はどのような御用向きでございましょうか?」

「あぁ、うちの双子が十の歳となってな。コアの祝福を授かりに来た次第だ」

「それはなんとも! この度はおめでとうございます。
 では早速祝詞を唱えましょう。ささ、こちらへどうぞ」

「あぁ、よろしくお願いする」


そうしてレイアの案内にて奥の祭壇へと向かった。


「ではお二方。お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」

「カーズだ」

「キャディアですわ」

「カーズ様、キャディア様、それでは今から祝詞を贈らせて頂きます。
 両の手を胸より下に置いてください。祝詞が完了次第、神様からコアの贈り物が与えられます。
 その際、コアは胸の辺りから出てきますので、受け止めてください」

「「はい」」

「よろしい。では。


『原初の神聖なる神よ、

此度《こたび》は十の歳を迎えた幼児《おさなご》が

新たに誕生したことを祝《しゅく》したまへ。

神官レイアは原初の神聖なる神へ求む。

この未来の幼児の安寧《あんねい》を。

此処《ここ》にカーズ並びにキャディアへ、

コアの祝福を与えた給う』


 はい、祝詞が終了致しました。これからお二人の足元に魔法陣が出現します。
 驚かれぬよう、その場でお待ち下さい」


レイアが祝詞を唱え終え、説明をし終えた寸刻後、
双子の足元には大きな魔法陣が展開され、魔法陣は眩い光を発している。
周りには蛍のように光る何かが漂っていた。


後ろで見ていたシュレットは、それが想像以上に煌びやかで綺麗なことに感動していた。


次第に光は薄くなり、魔法陣も消えていた。
双子の手にはコアが出現したのだろう。


「「やったぁ!サードだ!(ですわ!)」」


神官レイアが確認すると、
兄カーズのコアが火魔法、水魔法、闇魔法。
姉キャディアのコアが風魔法、光魔法、治癒魔法であった。


その魔法の種類には見覚えのあったシュレット。
そう、以前双子を鑑定で確認した時の、潜在能力と同じであったからだ。


(見覚えはあったが、今は兄と姉を祝福しよう。
 確認するのはあとででも出来るだろう。)


そう思ったシュレットは双子のところへ赴き、
「兄様、姉様。おめでとうございます」と伝えたのだった。
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