現代で落ちこぼれの三男〜異世界転生してコアの力で人生を謳歌する〜

荒葉千歳

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転生後〜幼少期

#32コア目

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「凄い・・・ゴブリンだけでも十体いるのに、さらにはオークを二体までもあっさり倒すだなんて・・・。
 いつも父上達がここで間引きをしているのは知っていたが・・・流石うちの騎士団だな」

「えぇそうですわね。しかもガイデンのあの掛け声だけでの連携。並大抵の努力では成しえないものですわね」

「しかも兄様姉様。あの魔法、あれって中級の魔法ですよね。詠唱スピードも流石のものですね」


三者三様、皆自分の領地に所属する騎士団のことを褒めていた。


そんな感想を述べていると、ガイデンと話していたマルズレットがこちらに歩きながら話かけてきた。

「どうだ、うちの騎士団は凄いやつらばっかだろ。あれでも冒険者から移籍してきたやつもいたんだ。
 あの大盾と魔法使いはその冒険者パーティ脱退後にこっちで隊員やってるんだ」

「父上。父上から言葉として聞いてはおりましたが、いざ目にしてみますと、
 騎士団のあの連携はさすがとしか言えませんね」

「お父様、カーズに同じですわ。涙ぐましい努力があったに違いありません」

「魔法使いの方々、中級魔法使ってましたよね。あれって結構難しいって本で読みました」

「キャディアの言う通り、最初期は本当に大変だったさ。
 それこそ隊というものが、規律というものが分からない奴らばっかりだったからな。
 最近になってようやく目が開いたという感じだな。

 カーズは良く見ていろよ。将来はお前さんがこの隊を動かすことになるんだ。

 シュレットはよく勉強できてるな。魔法使い全員が中級魔法を使えたわけじゃなかったんだけどな。
 この間引きをやってくうちに、自分の中の足りない物を見つけたんだろう」


そんな会話がありながらも、それからは順調に中層域の間引きを終わらせていった。


中層域の間引きをしていくうちに、徐々に慣れたのか、
カーズ、キャディア、シュレットの三人は魔力探知で確認できる距離が伸びていた。


その中で一際距離が伸びていたのはシュレット。
三人の中で一番繊細に魔力操作や魔力感知が可能なのはこの男のみである。


だからこそ。必然とも言えよう。


その巨大な魔力量を直に、肌で感じとってしまった。


その距離、およそ一キロメートル。
他の魔力探知使いより遥かに探知できる距離である。


恐怖した。と同時にその場から動けないでいた。


「シュレット? どうした」

「シュレット? どうしましょう。疲れたのかしら?」

「おい、どうしたシュレット。動けるか」


シュレットは兄姉、父親から声をかけられるも微動だにできなかった。
声を出せたのもほんの一言。


「む、無理です・・・あんなのかないっこない。
 み、みんな逃げてください!! ここから! 今すぐに!!」

「お、おい!シュレット! どうしたっていうんだ!」


そんな問答をしているうちに、その対象は近くに来ていた。


「ガァァァァァぁアアアアアアアアアア!!!!!」
(どこぁぁぁぁ!! 我の子をどこへやったぁぁぁ!!!!!)


恐怖に打ち震えていたシュレットの耳には、
大型の魔物の叫び声と、悲しみに泣き叫ぶ女性の声が二重に聞こえていた。
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