42 / 69
転生後〜幼少期
#41コア目
しおりを挟む
シュレットはおぶられている間、ずっと驚きっぱなしである。
抱えられているとしてもどこかで振動があり、
ちょっとしたダメージがあるものだと思っていた。
だが実際は少しの揺れもなく、いや一部揺れている部分はあるのだが、
それはシュレットを優しく包んでいる。
それにシュレットに抱えられている小狐。
凄く大人しく丸まっている。気絶してるのかと思うほど静かなのだ。
抱えられながら抱えるというのもおかしいが、運搬されている間は小狐を撫でながら、
終わりを待っていた。
また、シュレットはこの身体的能力が羨ましいと思えるほどである。
それは、この木の小枝ほどの大きさを折りもせずに、
木から木へと渡っているのだ。
シュレットが揺れないと思うほどの安定感と、木から木へと飛び乗る身体技術。
羨ましいと思わずになんと思うのだ。どこかの火影がでてくる忍者かよと。
そんなことを思っていたシュレット。到着である。
「ほれ着いたぞ」
「父様!」
「おぉ!シュレット!・・・と誰だ?」
「我じゃよ我」
「我々詐欺?」
「ちゃうわ!どこからどう見てもさっき会た妖狐じゃよ!」
「・・・・はぁ!?妖狐!?あの幻獣の!?」
「そうじゃよ。この姿の方が会話もしやすい。こんな生い茂ってる森の中でも動きやすいんじゃ。
それに倒れたお主の子と傷ついた我の子を運びやすいしの」
「シュレット倒れたのか!?」
「あぁ大丈夫じゃよ。ただの魔力と体力切れじゃ。
我もあの時は動転しておったからの、それに妙に大人びておる。
こんな齢数年しか経っておらん童を捜索に交えたのは大人として良くなかったのにの。
だが、この子のおかげで我の子は無事救出できた。ほんに感謝しておる」
「そうか・・・頑張ったんだなシュレット」
緊張の糸は洞窟の中で切れたと思っていた。
でもこんな子供の体だ。それに初めての戦闘。殺した感覚。
そんな物語が頭をよぎり、泣くつもりのない瞼には水滴が溢れ出た。
それは真っ暗で繭に囲われた幼虫が蛹から成虫になるかのよう。
暗闇の繭はひび割れ、光が差し込んでくる。
「おぉおぉ。頑張った。頑張ったぞシュレット。もういいんだ。大丈夫だからな」
「心が少し成長し過ぎたんじゃろうな」
「あぁ。最近は大人びてきたと寂しいと思っていたが・・・まだ守ってやれるな」
「だが、子の成長は早いぞ?」
「分かってるさ。ありがとう妖狐殿」
「なに。こちらこそじゃ」
マルズレットの胸の中で泣くシュレットにそんな会話は聞こえなかった。
危険という繭はもうないのだから。
抱えられているとしてもどこかで振動があり、
ちょっとしたダメージがあるものだと思っていた。
だが実際は少しの揺れもなく、いや一部揺れている部分はあるのだが、
それはシュレットを優しく包んでいる。
それにシュレットに抱えられている小狐。
凄く大人しく丸まっている。気絶してるのかと思うほど静かなのだ。
抱えられながら抱えるというのもおかしいが、運搬されている間は小狐を撫でながら、
終わりを待っていた。
また、シュレットはこの身体的能力が羨ましいと思えるほどである。
それは、この木の小枝ほどの大きさを折りもせずに、
木から木へと渡っているのだ。
シュレットが揺れないと思うほどの安定感と、木から木へと飛び乗る身体技術。
羨ましいと思わずになんと思うのだ。どこかの火影がでてくる忍者かよと。
そんなことを思っていたシュレット。到着である。
「ほれ着いたぞ」
「父様!」
「おぉ!シュレット!・・・と誰だ?」
「我じゃよ我」
「我々詐欺?」
「ちゃうわ!どこからどう見てもさっき会た妖狐じゃよ!」
「・・・・はぁ!?妖狐!?あの幻獣の!?」
「そうじゃよ。この姿の方が会話もしやすい。こんな生い茂ってる森の中でも動きやすいんじゃ。
それに倒れたお主の子と傷ついた我の子を運びやすいしの」
「シュレット倒れたのか!?」
「あぁ大丈夫じゃよ。ただの魔力と体力切れじゃ。
我もあの時は動転しておったからの、それに妙に大人びておる。
こんな齢数年しか経っておらん童を捜索に交えたのは大人として良くなかったのにの。
だが、この子のおかげで我の子は無事救出できた。ほんに感謝しておる」
「そうか・・・頑張ったんだなシュレット」
緊張の糸は洞窟の中で切れたと思っていた。
でもこんな子供の体だ。それに初めての戦闘。殺した感覚。
そんな物語が頭をよぎり、泣くつもりのない瞼には水滴が溢れ出た。
それは真っ暗で繭に囲われた幼虫が蛹から成虫になるかのよう。
暗闇の繭はひび割れ、光が差し込んでくる。
「おぉおぉ。頑張った。頑張ったぞシュレット。もういいんだ。大丈夫だからな」
「心が少し成長し過ぎたんじゃろうな」
「あぁ。最近は大人びてきたと寂しいと思っていたが・・・まだ守ってやれるな」
「だが、子の成長は早いぞ?」
「分かってるさ。ありがとう妖狐殿」
「なに。こちらこそじゃ」
マルズレットの胸の中で泣くシュレットにそんな会話は聞こえなかった。
危険という繭はもうないのだから。
0
あなたにおすすめの小説
荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。
しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。
しかし――
彼が切り捨てた仲間こそが、
実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。
事実に気づいた時にはもう遅い。
道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。
“荷物持ちがいなくなった瞬間”から、
アレクスの日常は静かに崩壊していく。
短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。
そんな彼と再び肩を並べることになったのは――
美しいのに中二が暴走する魔法使い
ノー天気で鈍感な僧侶
そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー
かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。
自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。
これは、
“間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる”
再生の物語である。
《小説家になろうにも投稿しています》
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ガチャで領地改革! 没落辺境を職人召喚で立て直す若き領主
雪奈 水無月
ファンタジー
魔物大侵攻《モンスター・テンペスト》で父を失い、十五歳で領主となったロイド。
荒れ果てた辺境領を支えたのは、幼馴染のメイド・リーナと執事セバス、そして領民たちだった。
十八歳になったある日、女神アウレリアから“祝福”が降り、
ロイドの中で《スキル職人ガチャ》が覚醒する。
ガチャから現れるのは、防衛・経済・流通・娯楽など、
領地再建に不可欠な各分野のエキスパートたち。
魔物被害、経済不安、流通の断絶──
没落寸前の領地に、ようやく希望の光が差し込む。
新たな仲間と共に、若き領主ロイドの“辺境再生”が始まる。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
勘当された少年と不思議な少女
レイシール
ファンタジー
15歳を迎えた日、ランティスは父親から勘当を言い渡された。
理由は外れスキルを持ってるから…
眼の色が違うだけで気味が悪いと周りから避けられてる少女。
そんな2人が出会って…
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる