現代で落ちこぼれの三男〜異世界転生してコアの力で人生を謳歌する〜

荒葉千歳

文字の大きさ
56 / 69
転生後〜幼少期

#55コア目

しおりを挟む
風魔法の初級ウインドを唱えたシュレット。
突如、風がなかった庭に少し体に抵抗があるであろう力の風が起こる。


「おぉ、これが初級魔法のウインドか! でも実態が無く分かりずらいなぁ・・・。
 よし次は土にしてみよう。アース」


風魔法の次に唱えたのは土魔法の初級アース。
この魔法は初回であれば地面に手をつきながら魔法を発動させた方がよいと魔導書に書いてあり、
シュレットも実際、その通りの動作で発動してみせた。


ウインドの時もそうだが、もちろんアースの時も左手の中にコアを持っている。


そうして唱えた土魔法アースの効果は、一メートル先にボコっと音を立てて盛り上がるだけであった。


「ん~、結構初級だと微妙だな。というより初級の初級だからそこまで期待したら酷か。
 よし、このくらいの威力なら火魔法も水魔法も大丈夫だろう。ファイア、ウォーター」


効果の微妙さを確認したシュレットは連続で火魔法と水魔法を行使する。
火魔法のファイアは人差し指の第一関節程度の種火が出来上がり、
水魔法のウォーターは前世で言う蛇口をほんの少し捻って出した垂れてくる水滴程度であった。


「初心者レベルならこんなもんか。よし他の魔法でいうと光と闇、治癒と無属性か。
 これくらいの魔力量なら指に連続して出せないかな。こうボッボッボッみたいに。
 試しだしやってみよう。ダーク、ライト、ヒーリング」


やって見せたのは、人差し指の先に闇属性のダーク、中指にライト、薬指にヒーリング、
どれも属性の初心者用魔法を行使してみせた。
効果としては、ダークが指先が暗くなり見えなくなる程度、
ライトがダークと真逆で屋敷の備わっている魔道具の光より少し弱い程度、
ヒーリングは薬指に出来た訓練の豆がちょっと柔らかくなったかなと錯覚する程度になる。


「ふーん、なるほどね。無属性魔法はどんなもんだ。目に見えてわかるのは鑑定とかかな?
 じゃあまずは鑑定」


無属性魔法の[鑑定]を自分に行使したシュレット。


 ————————————————————————
 名前:シュレット・カールストン
 年齢:10歳
 コア:火水風土光闇無治
 無属性:[模倣][鑑定][言語][転移]
     [貯蓄]
 称号:異世界転移者
 ————————————————————————


「まぁ分かりきってはいたんだけどね。元々使ってたし。ただ、前に使ってた魔力量より明らかに違いがあるな。
 これ、コアがない時と雲泥の差じゃないか?昔は魔力五十滴ほど使ってたけど今じゃ魔力二滴ほどしか使ってないぞ。
 んー魔力の総量とか数字で分かればいいのに。それに貯蓄の量も」


シュレットの愚痴もこの世界の人からしたら「なにを言ってるんだ」というものである。
そもそもこの世界には数字で分かる魔力量など存在しないのだ。それが当たり前。
であるからして、愚痴を他の人に聞いてもらったところで「はぁ、そうですか」で終わってしまうのだ。
どこ吹く風というものである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作) 異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

パワハラで会社を辞めた俺、スキル【万能造船】で自由な船旅に出る~現代知識とチート船で水上交易してたら、いつの間にか国家予算レベルの大金を稼い

☆ほしい
ファンタジー
過労とパワハラで心身ともに限界だった俺、佐伯湊(さえきみなと)は、ある日異世界に転移してしまった。神様から与えられたのは【万能造船】というユニークスキル。それは、設計図さえあれば、どんな船でも素材を消費して作り出せるという能力だった。 「もう誰にも縛られない、自由な生活を送るんだ」 そう決意した俺は、手始めに小さな川舟を作り、水上での生活をスタートさせる。前世の知識を活かして、この世界にはない調味料や保存食、便利な日用品を自作して港町で売ってみると、これがまさかの大当たり。 スキルで船をどんどん豪華客船並みに拡張し、快適な船上生活を送りながら、行く先々の港町で特産品を仕入れては別の町で売る。そんな気ままな水上交易を続けているうちに、俺の資産はいつの間にか小国の国家予算を軽く超えていた。 これは、社畜だった俺が、チートな船でのんびりスローライフを送りながら、世界一の商人になるまでの物語。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します

名無し
ファンタジー
 毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...