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恋煩い(幼馴染cp)
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「――好きだ、祀。」
その絞り出された言葉を聞いた時、マズイと思った。
「……あ?何?」
それを気取られないように、ニヤッと笑って振り返る。雨が上がった直後だからか、キラキラした日差しと透き通った青空が、黒い雲の隙間から覗いていた。世界が不思議なほどに鮮やかで、アジサイの紫の上から透明な雫が滴り落ちる。
――そんな放課後。土曜の昼。
「あーそういや俺さぁ、行きたい店あんだよね。なんかiPhoneケースのREVELAってシリーズが新作出したらしくてさ。見ときたいんだけど。」
何事もなかったように、そして何事も起きないように振る舞う。だけどまあ、どうせ見抜かれているに違いない。我ながら見苦しい。
「……だから突っ立ってねえで行くぞ、羽咲。」
そう言い捨てながら、俺は無言で佇む我が友人に背を向けた。まるで死んだように動かなくなった羽咲がどんな顔をしているのか、俯いているせいで影になって分からない。が、分からなくて良かったとも思う。
――友人。友達。フレンド。アミーゴ。……それでいいじゃないか、なぁ?それ以上を俺に要求すんなボケ。
益体のない事をつらつら考えながら、見慣れたコンクリートの道を歩いた。子供の頃から散々通って見慣れ切ったはずのそれが、赤錆がこびり付いた信号機が、生暖かい風に揺れる草木が、何となく今は妙に現実離れして見えた。……いや、もうこれでこの話は終わりだ。俺には無理だから。
しばらく歩いて、気配がねえなと思って振り返ると、あいつは相変わらずあの場に立ち尽くしたままだった。ただし、離れて小さくなったその顔と目は、俺の方をじっと見つめている。初夏の蒸し暑さの中で、血の気が引いたように真っ白なその顔が少しだけ不気味で、俺も思わず足を止めた。
「……何してんだよ、来ねえの?」
動揺のせいで少し声が上ずった。ドクドクと脈打つ己の鼓動が、嫌に大きく聞こえる。そんな俺を見透かしたように、羽咲が笑った。いつもの優しそうな微笑みは、どこか歪んでいた。
『大好きだよ、マツリ。』
あいつの唇がそう言葉を紡いだ気がした。ぞっとする胸騒ぎで背筋に冷たい汗が走る。絶対的な何かを俺は間違えた。そんな予感が脳裏をよぎるが、メンヘラにも程があると打ち消した。そう、全ては気のせいだ。俺の精神が衰弱してる予兆だ。早くケース買って帰ってソシャゲしよう。
「あっそ……じゃ、一人で行こ。なんかいいスマホリングあったら買っとくわ。またな。」
「――ああ、また後で。」
再び背を向けた俺にはっきり聞こえたその返事は、いつもの羽咲の声音だった。思わず振り返ると、「どうした?」と不思議そうな顔で苦笑される。気まずくなって「うるさいうるさい黙れ黙れ黙れ」と言いながら、俺はその場で羽咲と別れた。
――己の過ちと、親友への違和感を見過ごしたまま。
⭐︎⭐︎⭐︎
「……大丈夫。後ちょっとで、ずっと一緒にいてあげられるから。」
⭐︎⭐︎⭐︎
――目が覚めると、見慣れてしまった見慣れない天井が、相変わらず無機質に広がっていた。寝ている間に跳ね飛ばしたはずの毛布が、上から丁寧にかけられているのがムカつく。コンクリートで塗り固められた窓からは光の一筋も差してくることはなく、今が昼なのか夜なのかを判断するには、戸棚に置かれたデジタル時計が唯一の頼みの綱だ。
薄暗い部屋に蛍光ライトがぼんやりと数字を映し出している。現刻13:05。土曜日。……ああ、なるほど。道理で妙な夢を見た訳だ。
乱れた髪を掻き上げながら、ゆっくり体を起こした。右足首に嵌められたシリコン加工の鉄枷。その柔らかいゴムみたいな触感にも最早慣れてしまって、たまにつけられていることを忘れそうになる。まあ、こんな状況で忘れられるなんてどんだけ図太い神経してんだと思われそうだが、コトはそう単純な問題じゃねえから。
フローリングの床に敷き詰められた、真紅の絨毯。無駄に広い上に何も乗ってないデスク。教科書やら小説やら漫画やらラノベやらフィギュアやらが乱立している戸棚。型落ちのオーディオセット。基本的に履かないフロアスリッパ。昔こだわってた低反発クッション。最早必要性がなくなった遮光遮音カーテン。iPhoneケースコレクション。ゲームのハードとソフト。
――そう、俺の部屋そのもの。
クローゼットに仕舞われている服もパンツも片方だけの靴下も、見事に再現されている。ただホンモノと違うのは、部屋の微妙な形と、服が几帳面に全部畳まれてる所だが。エントロピーって増大するもんだろ、フツー。それにしても、……どうやって作ったんだかこんなもん。あいつをあの家に入れた覚えはろくにねえのにさ。
俺が羽咲に監禁されて、早一週間。囚われの身にしては少々良すぎる待遇の下、日々ゴロゴロしながら過ごす生活を送っている。逃げ出すべき?羽咲を説得する?誰かに連絡を取る必要が?警察?抵抗?脱出?……いや、本来そうすべきなんだろうな、俺は。
ゴロリと寝返りをうった拍子に、ベッドヘッドから染み一つないシーツの上へと木枠のフォトフレームが落ちた。何気なく手に取って、そこで無邪気に笑っている俺たちを見る。中学の時の文化祭で、早々にバックレようとした俺を引き摺っていった羽咲が教室で撮ったツーショット。記念写真なんぞほとほと縁のない人生だったもんだから、珍しいのでとっておいたやつ。昔から俺はひねくれた自己中な不良で、羽咲は大人しくて面倒見のいい優等生だった。
――優等生と、不良、ね……。
我ながらよく関係が続いたものだ。俺はともかく、向こうが特に。遅刻魔で自堕落で粗暴な奴のどこに関わりあう価値があるんだか。閉じ込められた理由は散々はぐらかされていて不明だが、人生犠牲にしてまでやることがそれかよ。バカかてめえ。……まあ、不良が言えた口じゃねえがな。
だから結局、俺は何も言わず、何もせず……というか多少悪態ついた気がしなくもないが、とにかくあいつのされるがままになってきた。気付いたら人身売買されてましたとか、妙なクスリ打たれてましたとか、そんなことを考えたこともあったが、何となくそんな雰囲気は無さそうだったし、別にまあ、どうでもよかった。
――こんなつまんねえ人生が、どう終わろうが。
コンコン、とノックが聞こえる。毅然とした態度で無視すると、様子を伺うようにゆっくりと扉が開いた。
「……祀?起きた?」
「寝てる。」
「おはよう、朝飯持ってくるから待ってろ。」
「……いらね。てか今昼だろ。」
朗らかな笑顔と共に、見慣れた薄い茶髪が隙間からヒョイと覗いた。我らが誘拐犯様こと羽咲 飛鳥は、そんないい加減極まりない俺の言葉に苦笑しながら、そっと部屋に身体を滑り込ませる。
「電気付けるぞ。」
「やだ。」
「あ、まず洗面所行って顔洗うか?」
「後で。」
「じゃあ、先に服着替えよう。お前のジーンズにアイロンかけといたから。」
「……必要ある?ソレ。」
皮肉混じりにそう答えると、羽咲は一瞬顔を強張らせたが、すぐにいつもの微笑みを浮かべて俺を見た。
「……全く、万年イヤイヤ期だなお前は。少しはちゃんとした生活習慣を心掛けろとあれ程言った筈だが。」
「うっせえ。面倒なら放っとけよ。」
「はいはい。ここにタオル置いとくからな。パンなら食べられるか?」
「……ん。」
顔を背けて軽く頷くと、そっと伸ばされた手に髪を撫でられた。拘うのも面倒なので好きにさせる。
「お前の髪は柔らかいな。」
「あっそ。」
「撫でていると落ち着く。」
「……は、どういう性癖?髪フェチ?」
茶化すようにそう言って、ベッドに腰掛けた羽咲を見上げた。若干茶色を帯びた瞳に長い睫毛が影を落とし、大人びた色気を漂わせている。
「そういうのじゃない。"お前"だからだよ、祀。」
「…...意味分かんね。」
「誰でも良いって訳じゃないのさ。」
そう囁くと、羽咲は俺の頭をポンポンと軽く叩いて立ち上がり、部屋から静かに出て行った。
「意味...分かんねえっつーの。」
何で羽咲は俺に関わろうとするのか。
何で羽咲は俺じゃなきゃいけないのか。
何で羽咲は俺をーー
その愛の意味って何?
その絞り出された言葉を聞いた時、マズイと思った。
「……あ?何?」
それを気取られないように、ニヤッと笑って振り返る。雨が上がった直後だからか、キラキラした日差しと透き通った青空が、黒い雲の隙間から覗いていた。世界が不思議なほどに鮮やかで、アジサイの紫の上から透明な雫が滴り落ちる。
――そんな放課後。土曜の昼。
「あーそういや俺さぁ、行きたい店あんだよね。なんかiPhoneケースのREVELAってシリーズが新作出したらしくてさ。見ときたいんだけど。」
何事もなかったように、そして何事も起きないように振る舞う。だけどまあ、どうせ見抜かれているに違いない。我ながら見苦しい。
「……だから突っ立ってねえで行くぞ、羽咲。」
そう言い捨てながら、俺は無言で佇む我が友人に背を向けた。まるで死んだように動かなくなった羽咲がどんな顔をしているのか、俯いているせいで影になって分からない。が、分からなくて良かったとも思う。
――友人。友達。フレンド。アミーゴ。……それでいいじゃないか、なぁ?それ以上を俺に要求すんなボケ。
益体のない事をつらつら考えながら、見慣れたコンクリートの道を歩いた。子供の頃から散々通って見慣れ切ったはずのそれが、赤錆がこびり付いた信号機が、生暖かい風に揺れる草木が、何となく今は妙に現実離れして見えた。……いや、もうこれでこの話は終わりだ。俺には無理だから。
しばらく歩いて、気配がねえなと思って振り返ると、あいつは相変わらずあの場に立ち尽くしたままだった。ただし、離れて小さくなったその顔と目は、俺の方をじっと見つめている。初夏の蒸し暑さの中で、血の気が引いたように真っ白なその顔が少しだけ不気味で、俺も思わず足を止めた。
「……何してんだよ、来ねえの?」
動揺のせいで少し声が上ずった。ドクドクと脈打つ己の鼓動が、嫌に大きく聞こえる。そんな俺を見透かしたように、羽咲が笑った。いつもの優しそうな微笑みは、どこか歪んでいた。
『大好きだよ、マツリ。』
あいつの唇がそう言葉を紡いだ気がした。ぞっとする胸騒ぎで背筋に冷たい汗が走る。絶対的な何かを俺は間違えた。そんな予感が脳裏をよぎるが、メンヘラにも程があると打ち消した。そう、全ては気のせいだ。俺の精神が衰弱してる予兆だ。早くケース買って帰ってソシャゲしよう。
「あっそ……じゃ、一人で行こ。なんかいいスマホリングあったら買っとくわ。またな。」
「――ああ、また後で。」
再び背を向けた俺にはっきり聞こえたその返事は、いつもの羽咲の声音だった。思わず振り返ると、「どうした?」と不思議そうな顔で苦笑される。気まずくなって「うるさいうるさい黙れ黙れ黙れ」と言いながら、俺はその場で羽咲と別れた。
――己の過ちと、親友への違和感を見過ごしたまま。
⭐︎⭐︎⭐︎
「……大丈夫。後ちょっとで、ずっと一緒にいてあげられるから。」
⭐︎⭐︎⭐︎
――目が覚めると、見慣れてしまった見慣れない天井が、相変わらず無機質に広がっていた。寝ている間に跳ね飛ばしたはずの毛布が、上から丁寧にかけられているのがムカつく。コンクリートで塗り固められた窓からは光の一筋も差してくることはなく、今が昼なのか夜なのかを判断するには、戸棚に置かれたデジタル時計が唯一の頼みの綱だ。
薄暗い部屋に蛍光ライトがぼんやりと数字を映し出している。現刻13:05。土曜日。……ああ、なるほど。道理で妙な夢を見た訳だ。
乱れた髪を掻き上げながら、ゆっくり体を起こした。右足首に嵌められたシリコン加工の鉄枷。その柔らかいゴムみたいな触感にも最早慣れてしまって、たまにつけられていることを忘れそうになる。まあ、こんな状況で忘れられるなんてどんだけ図太い神経してんだと思われそうだが、コトはそう単純な問題じゃねえから。
フローリングの床に敷き詰められた、真紅の絨毯。無駄に広い上に何も乗ってないデスク。教科書やら小説やら漫画やらラノベやらフィギュアやらが乱立している戸棚。型落ちのオーディオセット。基本的に履かないフロアスリッパ。昔こだわってた低反発クッション。最早必要性がなくなった遮光遮音カーテン。iPhoneケースコレクション。ゲームのハードとソフト。
――そう、俺の部屋そのもの。
クローゼットに仕舞われている服もパンツも片方だけの靴下も、見事に再現されている。ただホンモノと違うのは、部屋の微妙な形と、服が几帳面に全部畳まれてる所だが。エントロピーって増大するもんだろ、フツー。それにしても、……どうやって作ったんだかこんなもん。あいつをあの家に入れた覚えはろくにねえのにさ。
俺が羽咲に監禁されて、早一週間。囚われの身にしては少々良すぎる待遇の下、日々ゴロゴロしながら過ごす生活を送っている。逃げ出すべき?羽咲を説得する?誰かに連絡を取る必要が?警察?抵抗?脱出?……いや、本来そうすべきなんだろうな、俺は。
ゴロリと寝返りをうった拍子に、ベッドヘッドから染み一つないシーツの上へと木枠のフォトフレームが落ちた。何気なく手に取って、そこで無邪気に笑っている俺たちを見る。中学の時の文化祭で、早々にバックレようとした俺を引き摺っていった羽咲が教室で撮ったツーショット。記念写真なんぞほとほと縁のない人生だったもんだから、珍しいのでとっておいたやつ。昔から俺はひねくれた自己中な不良で、羽咲は大人しくて面倒見のいい優等生だった。
――優等生と、不良、ね……。
我ながらよく関係が続いたものだ。俺はともかく、向こうが特に。遅刻魔で自堕落で粗暴な奴のどこに関わりあう価値があるんだか。閉じ込められた理由は散々はぐらかされていて不明だが、人生犠牲にしてまでやることがそれかよ。バカかてめえ。……まあ、不良が言えた口じゃねえがな。
だから結局、俺は何も言わず、何もせず……というか多少悪態ついた気がしなくもないが、とにかくあいつのされるがままになってきた。気付いたら人身売買されてましたとか、妙なクスリ打たれてましたとか、そんなことを考えたこともあったが、何となくそんな雰囲気は無さそうだったし、別にまあ、どうでもよかった。
――こんなつまんねえ人生が、どう終わろうが。
コンコン、とノックが聞こえる。毅然とした態度で無視すると、様子を伺うようにゆっくりと扉が開いた。
「……祀?起きた?」
「寝てる。」
「おはよう、朝飯持ってくるから待ってろ。」
「……いらね。てか今昼だろ。」
朗らかな笑顔と共に、見慣れた薄い茶髪が隙間からヒョイと覗いた。我らが誘拐犯様こと羽咲 飛鳥は、そんないい加減極まりない俺の言葉に苦笑しながら、そっと部屋に身体を滑り込ませる。
「電気付けるぞ。」
「やだ。」
「あ、まず洗面所行って顔洗うか?」
「後で。」
「じゃあ、先に服着替えよう。お前のジーンズにアイロンかけといたから。」
「……必要ある?ソレ。」
皮肉混じりにそう答えると、羽咲は一瞬顔を強張らせたが、すぐにいつもの微笑みを浮かべて俺を見た。
「……全く、万年イヤイヤ期だなお前は。少しはちゃんとした生活習慣を心掛けろとあれ程言った筈だが。」
「うっせえ。面倒なら放っとけよ。」
「はいはい。ここにタオル置いとくからな。パンなら食べられるか?」
「……ん。」
顔を背けて軽く頷くと、そっと伸ばされた手に髪を撫でられた。拘うのも面倒なので好きにさせる。
「お前の髪は柔らかいな。」
「あっそ。」
「撫でていると落ち着く。」
「……は、どういう性癖?髪フェチ?」
茶化すようにそう言って、ベッドに腰掛けた羽咲を見上げた。若干茶色を帯びた瞳に長い睫毛が影を落とし、大人びた色気を漂わせている。
「そういうのじゃない。"お前"だからだよ、祀。」
「…...意味分かんね。」
「誰でも良いって訳じゃないのさ。」
そう囁くと、羽咲は俺の頭をポンポンと軽く叩いて立ち上がり、部屋から静かに出て行った。
「意味...分かんねえっつーの。」
何で羽咲は俺に関わろうとするのか。
何で羽咲は俺じゃなきゃいけないのか。
何で羽咲は俺をーー
その愛の意味って何?
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