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めでたしめでたし
しおりを挟む「あの子たちはもう大丈夫なようだな」
その部屋の向こうでは継母が行く末に安堵していました。もう2人の姉がヤケになることはないと確信できたからです。そして隠していたロケットペンダントを開けるとシンデレラの父親、継母にとっては2番めの夫の写真がありました。娘が2人もいて結婚を躊躇った自分に求婚を迫った変わり者の男だったと、継母は過去を思い出していました。
「シンデレラは、あなたにそっくりだ」
継母はシンデレラの美しさを理解していました。だが下手に社交界に出せばその美しさが危険であることもわかっていました。だから家事や娘たちのサポートに徹してもらったのです。しかし継母の想像以上にシンデレラのスキルが高いことに気づき、何かあっても困らないようあらゆる技能を身につけさせたのです。
まさか娘たちを全力でサポートする宣言をするとは、継母も想像していなかったことでした。娘たちがシンデレラに惚れてしまった姿はかつて自分がシンデレラの父親に感じた想いと重なるようで、継母は多少の照れくささを感じました。
継母はその場から去ります。しかしまた明日から娘たちの指導を続けていくつもりでした。シンデレラの言葉の通り、娘たちはまだまだ高みへと上れると信じているからです。
継母は3人の娘の将来に希望を抱き続けるのでした。
そして時は流れました。
2人の姉はそれぞれ違うジャンルのダンスの才能を覚醒させ、共に国を越え世界のダンス大会でチャンピオンになるのでした。
そしてその2人をボサボサ頭のジャージ男が甲斐甲斐しくサポートするのでした。
シンデレラが美しいということは継母を除き、2人の姉しか知りません。ですがシンデレラにトキメくのは自分たち以外にいてほしくはない姉たちは、黙ってシンデレラのそばに居続けました。そして日々シンデレラに恋をし、その恋によって姉たちは美しくなっていくのでした。
そしてシンデレラはというと。
世界進出した姉たちのために、ジェット機の免許をとるべきか真剣に悩むのでした。
めでたしめでたし。
~~~~~~~~~~
友人に「お前は捻った設定にしなくても変なBL書くんだから王道書け」と言われたので、王道でシンデレラをBLにしてみました。シンデレラは恋愛物の王道だよね!
応援ありがとうございます!
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みんなの感想(3件)
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感想ありがとうございます。
どんどんサポートスキルが高まっていくシンデレラでした。
ネタはあるんですけどね。白雪姫で。
最強すぎて破壊した壁が白雪のように崩れるから白雪姫と名付けられた姫とか。かつての最強の栄光に縋り白雪姫を暗殺しようとする元最強の女王とか。スカウター性能の鏡とか。
いつか書きたいですね。
登場する人に悪い人が誰一人いない……素晴らしすぎます…°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.
荒んだ世の中に染みる世界線に心を打たれました。学びを妥協しない継母さんは母の鏡ですね…こりゃいい男が育つよ……
作者様お体に気をつけてくださいね!いきぬきましょう(*˘︶˘*)
感想ありがとうございます。
やはりシンデレラという長年愛されてきた話は違いますね。BLにしてもそれなりに良い話っぽくなるという(笑)
継母自身がいい男なので、娘も必然的にいい男になることは決まってました!!
お気遣いありがとうございます。マイペースにがんばります。
こ、これは王道なのかぁぁ?楽しく拝読させていただきましたー♥️
まさかのシンデレラの落ちに草はえましたー(笑)
スキデス
感想ありがとうございます。
シンデレラという題材で、みんなめでたしめでたしなので王道だと信じてます(真顔)
キャー、スキッテイワレチャッタ(照)