シンデレラっぽいBL

うましか

文字の大きさ
6 / 6

めでたしめでたし

しおりを挟む


「あの子たちはもう大丈夫なようだな」

 その部屋の向こうでは継母が行く末に安堵していました。もう2人の姉がヤケになることはないと確信できたからです。そして隠していたロケットペンダントを開けるとシンデレラの父親、継母にとっては2番めの夫の写真がありました。娘が2人もいて結婚を躊躇った自分に求婚を迫った変わり者の男だったと、継母は過去を思い出していました。

「シンデレラは、あなたにそっくりだ」

 継母はシンデレラの美しさを理解していました。だが下手に社交界に出せばその美しさが危険であることもわかっていました。だから家事や娘たちのサポートに徹してもらったのです。しかし継母の想像以上にシンデレラのスキルが高いことに気づき、何かあっても困らないようあらゆる技能を身につけさせたのです。
 まさか娘たちを全力でサポートする宣言をするとは、継母も想像していなかったことでした。娘たちがシンデレラに惚れてしまった姿はかつて自分がシンデレラの父親に感じた想いと重なるようで、継母は多少の照れくささを感じました。
 継母はその場から去ります。しかしまた明日から娘たちの指導を続けていくつもりでした。シンデレラの言葉の通り、娘たちはまだまだ高みへと上れると信じているからです。

 継母は3人の娘の将来に希望を抱き続けるのでした。






 そして時は流れました。
 2人の姉はそれぞれ違うジャンルのダンスの才能を覚醒させ、共に国を越え世界のダンス大会でチャンピオンになるのでした。
 そしてその2人をボサボサ頭のジャージ男が甲斐甲斐しくサポートするのでした。

 シンデレラが美しいということは継母を除き、2人の姉しか知りません。ですがシンデレラにトキメくのは自分たち以外にいてほしくはない姉たちは、黙ってシンデレラのそばに居続けました。そして日々シンデレラに恋をし、その恋によって姉たちは美しくなっていくのでした。


 そしてシンデレラはというと。
 世界進出した姉たちのために、ジェット機の免許をとるべきか真剣に悩むのでした。


 めでたしめでたし。



~~~~~~~~~~

 友人に「お前は捻った設定にしなくても変なBL書くんだから王道書け」と言われたので、王道でシンデレラをBLにしてみました。シンデレラは恋愛物の王道だよね!
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

愛実
2020.04.22 愛実
ネタバレ含む
2020.04.22 うましか

感想ありがとうございます。
どんどんサポートスキルが高まっていくシンデレラでした。

ネタはあるんですけどね。白雪姫で。
最強すぎて破壊した壁が白雪のように崩れるから白雪姫と名付けられた姫とか。かつての最強の栄光に縋り白雪姫を暗殺しようとする元最強の女王とか。スカウター性能の鏡とか。
いつか書きたいですね。

解除
かさかさスライム

登場する人に悪い人が誰一人いない……素晴らしすぎます…°ʚ(*´꒳`*)ɞ°.
荒んだ世の中に染みる世界線に心を打たれました。学びを妥協しない継母さんは母の鏡ですね…こりゃいい男が育つよ……

作者様お体に気をつけてくださいね!いきぬきましょう(*˘︶˘*)

2020.04.22 うましか

感想ありがとうございます。
やはりシンデレラという長年愛されてきた話は違いますね。BLにしてもそれなりに良い話っぽくなるという(笑)
継母自身がいい男なので、娘も必然的にいい男になることは決まってました!!

お気遣いありがとうございます。マイペースにがんばります。

解除
魁輝羅
2020.04.21 魁輝羅

こ、これは王道なのかぁぁ?楽しく拝読させていただきましたー♥️

まさかのシンデレラの落ちに草はえましたー(笑)

スキデス

2020.04.21 うましか

感想ありがとうございます。
シンデレラという題材で、みんなめでたしめでたしなので王道だと信じてます(真顔)
キャー、スキッテイワレチャッタ(照)

解除

あなたにおすすめの小説

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

学園の俺様と、辺境地の僕

そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ? 【全12話になります。よろしくお願いします。】

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

罰ゲームって楽しいね♪

あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」 おれ七海 直也(ななみ なおや)は 告白された。 クールでかっこいいと言われている 鈴木 海(すずき かい)に、告白、 さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。 なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの 告白の答えを待つ…。 おれは、わかっていた────これは 罰ゲームだ。 きっと罰ゲームで『男に告白しろ』 とでも言われたのだろう…。 いいよ、なら──楽しんでやろう!! てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ! ひょんなことで海とつき合ったおれ…。 だが、それが…とんでもないことになる。 ────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪ この作品はpixivにも記載されています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。