12 / 109
第一章: はじまり
新たな恐怖の予感 ☆
しおりを挟む
第2の門 白通用門に立つ2人。
門柱の両端から建物を囲うように、榊が植えられている。
低めに剪定された垣根が美しく、奥にはお寺の様な建物があった。
門に入る時は、誰もが厳かな気持ちになるようである。
厳かとは、縁のない あおいは、中に入ってから、門柱を見上げていた。
「お姉さん、何しているんですか?
通行の邪魔になっています」
「あっ、すみません」
他の人と ぶつかりそうになって謝った。
あおいは、オストリッチの横で、屈んでヘルメットに向かい話す。
この辺に向かって言えば、聞こえるかな?
「ねぇねぇ、ここの門って、ツヤツヤだけど地味だよね?飾りの彫り物もないし、お墓の石みたいだね」
「じ、地味なんて、失礼ですよっ!
これから先も、白用は同じ門柱です!
さあ、受付しましょう」
オストリッチは先に歩きながら、ゴソゴソしている。
「え……と、階段を上がって、受付して、お姉ちゃんは、中待合室に行って……あれ?まあ、いいか。
で、僕は……ここから、こっちに行って……」
「何?どうしたの?」
独り言を言っているオストリッチに声をかけると、紙を急いでしまい、立ち止まった。
「確認を忘れていました。
先程の脱衣場で、服の重さを量ったはずですけど、どうでしたか?」
「えっ、重さ?木の枝にオムツを掛け、あっ、いや、服を掛けて罪の重さを量ったことね……」
どうだと聞かれても 特に何も言われていないけど……。
タツエ様との やり取りを思い出していた。
「そういえば、微かに枝がしなったように見えたけど、何も言われていないから、問題ないでしょっ。」
えっ、微かに枝がしなった?お姉ちゃん大丈夫なのかな?
まあ、金札だからきっと大丈夫だよね!
「…………この石階段を上がりましょう」
階段を上がると、大きな木の扉が左右に開けられ、中通路を挟むように2つの受付カウンターがあった。
カウンターには、2名ずつ黒いパンツスーツの女性がいて、その前に人の列ができていた。
冥界って、男性スタッフが少ないのかな?
あっ、でも、ジャージの鬼がここにもいて、見張っているから、男性スタッフという立ち位置でいいかっ。
うん、男性も活躍している職場だな!
などと、あおいは考え事をしていると、声を掛けられた。
「ここで、受付を済ませて、中通路を通って、待合室に行ったら、そこの指示に従って下さい」
オストリッチがそう言って、何処かに行こうとした。
「待ってよ!どこに行くの?一緒に居てくれないの?」
「僕は、スタッフルームに行って、また、合流します。では、後で」
オストリッチは、石階段を下りて、どこかへ行ってしまった。
あおいは、途端に不安になった。
これから どんな所に行くのか?
どんな人に会うのか?
金札の自分は、悪い事には、ならないだろうと思い込むようにして、足を先に進める。
そして、中待合室に入った。
とても横に長い部屋で、縦……奥行きはなく、横幅一杯にドアが沢山あった。
幾つあるのかは、わからない。
後から人が入ってきて、あおいを入れて8名程いる。
ここにいる人は、恐怖に怯えている。
この部屋の床下から、ギャァーとかウォーとかアーとか聞こえてきたからだ。
「一体、何の声だ?」「下に何かいるの?」「この、沢山のドアが不気味だ」「怖い」
白札の人達は、恐怖を口にしていた。
ピンポンパンポン!
「 ! 」
「皆さま、大変お待たせ致しました。
只今より、殺生の有無鑑定を始めます。
受付で貰った、カードの番号と同じドアに 行って下さい」
えっ、カード、7番だ。
ここか……。
「ドアにカードを差し込んで下さい。
カードが中に入ったら、ドアが開きます」
えっ、ああ、ここか……セルフなんて、サービス悪過ぎ、説明する人が必要だよ!
……“せっしょうのうむかんてい”って、何だろう?何するのー?
「ドアが開きます、中にお入り下さい」
誰もが緊張しながら入る。
「何、ここ……」
50メートル走でもする様なコースになっている……。
ただ、陸上競技場ではないのは、一目瞭然だ。
それは、両隣を透明なガラスの様な板で仕切ってあるからだった。
透明だから、他の人達は見えているが、仕切りがあることで、これから起こる事が恐怖でしかないのだ。
とにかく!
“せっしょうのうむ”って何なのー?
リッチ君、あたし……ピンチの予感がする……。
迎えに来て下さ~い!
門柱の両端から建物を囲うように、榊が植えられている。
低めに剪定された垣根が美しく、奥にはお寺の様な建物があった。
門に入る時は、誰もが厳かな気持ちになるようである。
厳かとは、縁のない あおいは、中に入ってから、門柱を見上げていた。
「お姉さん、何しているんですか?
通行の邪魔になっています」
「あっ、すみません」
他の人と ぶつかりそうになって謝った。
あおいは、オストリッチの横で、屈んでヘルメットに向かい話す。
この辺に向かって言えば、聞こえるかな?
「ねぇねぇ、ここの門って、ツヤツヤだけど地味だよね?飾りの彫り物もないし、お墓の石みたいだね」
「じ、地味なんて、失礼ですよっ!
これから先も、白用は同じ門柱です!
さあ、受付しましょう」
オストリッチは先に歩きながら、ゴソゴソしている。
「え……と、階段を上がって、受付して、お姉ちゃんは、中待合室に行って……あれ?まあ、いいか。
で、僕は……ここから、こっちに行って……」
「何?どうしたの?」
独り言を言っているオストリッチに声をかけると、紙を急いでしまい、立ち止まった。
「確認を忘れていました。
先程の脱衣場で、服の重さを量ったはずですけど、どうでしたか?」
「えっ、重さ?木の枝にオムツを掛け、あっ、いや、服を掛けて罪の重さを量ったことね……」
どうだと聞かれても 特に何も言われていないけど……。
タツエ様との やり取りを思い出していた。
「そういえば、微かに枝がしなったように見えたけど、何も言われていないから、問題ないでしょっ。」
えっ、微かに枝がしなった?お姉ちゃん大丈夫なのかな?
まあ、金札だからきっと大丈夫だよね!
「…………この石階段を上がりましょう」
階段を上がると、大きな木の扉が左右に開けられ、中通路を挟むように2つの受付カウンターがあった。
カウンターには、2名ずつ黒いパンツスーツの女性がいて、その前に人の列ができていた。
冥界って、男性スタッフが少ないのかな?
あっ、でも、ジャージの鬼がここにもいて、見張っているから、男性スタッフという立ち位置でいいかっ。
うん、男性も活躍している職場だな!
などと、あおいは考え事をしていると、声を掛けられた。
「ここで、受付を済ませて、中通路を通って、待合室に行ったら、そこの指示に従って下さい」
オストリッチがそう言って、何処かに行こうとした。
「待ってよ!どこに行くの?一緒に居てくれないの?」
「僕は、スタッフルームに行って、また、合流します。では、後で」
オストリッチは、石階段を下りて、どこかへ行ってしまった。
あおいは、途端に不安になった。
これから どんな所に行くのか?
どんな人に会うのか?
金札の自分は、悪い事には、ならないだろうと思い込むようにして、足を先に進める。
そして、中待合室に入った。
とても横に長い部屋で、縦……奥行きはなく、横幅一杯にドアが沢山あった。
幾つあるのかは、わからない。
後から人が入ってきて、あおいを入れて8名程いる。
ここにいる人は、恐怖に怯えている。
この部屋の床下から、ギャァーとかウォーとかアーとか聞こえてきたからだ。
「一体、何の声だ?」「下に何かいるの?」「この、沢山のドアが不気味だ」「怖い」
白札の人達は、恐怖を口にしていた。
ピンポンパンポン!
「 ! 」
「皆さま、大変お待たせ致しました。
只今より、殺生の有無鑑定を始めます。
受付で貰った、カードの番号と同じドアに 行って下さい」
えっ、カード、7番だ。
ここか……。
「ドアにカードを差し込んで下さい。
カードが中に入ったら、ドアが開きます」
えっ、ああ、ここか……セルフなんて、サービス悪過ぎ、説明する人が必要だよ!
……“せっしょうのうむかんてい”って、何だろう?何するのー?
「ドアが開きます、中にお入り下さい」
誰もが緊張しながら入る。
「何、ここ……」
50メートル走でもする様なコースになっている……。
ただ、陸上競技場ではないのは、一目瞭然だ。
それは、両隣を透明なガラスの様な板で仕切ってあるからだった。
透明だから、他の人達は見えているが、仕切りがあることで、これから起こる事が恐怖でしかないのだ。
とにかく!
“せっしょうのうむ”って何なのー?
リッチ君、あたし……ピンチの予感がする……。
迎えに来て下さ~い!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
