22 / 119
第一章
セレナリーゼの気持ち②
しおりを挟む
翌日、翌々日もレオナルドは眠ったままだった。
ただ一つだけレオナルドの体に変化があった。事件の翌日、ミレーネがレオナルドの包帯を取り換えようとしたとき、驚くべきことに、レオナルドの傷がほとんど治っていたのだ。背中や腰には傷の痕が残っているが、腕などにあった切り傷は綺麗になくなっていた。
医者にも診てもらったが、理由はわからなかった。皆理由不明の治癒に困惑はあったものの、傷が治っているというのはいいことだと無理やり納得した。包帯を巻く必要がなくなったレオナルドは本当にただ眠っているだけに見える。
そして事件から三日目の朝、セレナリーゼは今日も起きてすぐにレオナルドの部屋に向かった。レオナルドの部屋で過ごすのが、この数日セレナリーゼの日課となっている。
セレナリーゼとしてはこの日も一日、レオナルドの側にいたかったのだが、フォルステッドの計らいで、フォルステッドとともにシャルロッテにお茶会欠席の謝罪に行くこととなった。レオナルドがまだ目覚めていないけれど、謝罪は早ければ早い方がいいという考えからだ。こんなに早く王族に会う機会を得るとはさすがは公爵家当主といったところだろうか。
そうしてシャルロッテへの謝罪を終えて、今はもう夜だ。戻ってからはできるだけレオナルドの部屋で過ごしていたセレナリーゼは、レオナルドを見つめながら、シャルロッテとの会話を思い出していた。時間が経ってもまだ胸の辺りがモヤモヤして、怒りのような感情がなくならないのだ。
セレナリーゼとフォルステッドが王城の応接室で待っているとシャルロッテが入ってきた。護衛だろう女性騎士、そして侍女も一緒だ。セレナリーゼがフォルステッドとともに挨拶して着席すると、侍女が三人分のお茶を淹れる。落ち着いたところでセレナリーゼはお茶会に出席できなかったことを謝罪した。
「そんなのセレナリーゼが気にすることなんてないわ。あらためて公爵家次期当主就任おめでとう。直接お祝いを言えて嬉しいわ」
「ありがとうございます」
「フォルステッド様も素晴らしいご決断をなされたと思いますわ。やはり公爵家の跡取りには優秀な人物がならなければなりませんよね?」
「……はっ」
話を振られたフォルステッドは短く答える。頭を軽く下げているためその表情は見えない。フォルステッドの態度に満足したのか、シャルロッテは再びセレナリーゼに視線を向ける。
「今回のことだってどうせレオナルドが原因なのでしょう?」
「?いえ、そんなことはありませんが……」
なぜレオナルドが原因などと言われるのか、セレナリーゼには訳がわからなかった。
「フォルステッド様とセレナリーゼに任せて今日も来ていないようですし、本当身勝手な人ね。それとも余程私に会うのが嫌ということかしら」
「っ、いえ!兄は決してそのような―――」
レオナルドはお茶会を楽しみにしていた。今だってまだ目覚めていないから来れないだけだ。セレナリーゼは言える範囲で説明しようとしたが、それはシャルロッテに遮られた。
「いいのよ。兄妹だからって庇わなくても。今回のお茶会ではセレナリーゼのように将来有望な人をたくさん招待していたの。セレナリーゼにはぜひ人脈を広げてほしかったし、レオナルドには現実を知ってもらおうと思ったのだけれど残念だわ」
「っ!?」
(シャルロッテ様は何を言ってるの?現実……?)
シャルロッテの言い方がひっかかり、セレナリーゼの中に困惑が広がる。今回のお茶会でレオナルドに対して何かするつもりだったのだろうか。隣に座るフォルステッドは黙って聞いている。言いたいことはあったが、王族とはいっても子供の言葉だ。大人である自分が口を出すべきではないとの考えからだった。
「今後レオナルドが何を言ってきても負けちゃダメよ、セレナリーゼ。今回の規模でのお茶会はいくら私が王族だといっても中々難しいけれど、何かあったらいつでも力になるから」
シャルロッテは本心から言っている。レオナルドに対するものもセレナリーゼに対するものも彼女にとっては正当な評価だ。そしてフォルステッドとセレナリーゼも自分と同じ考えだと思っている。だからこそ、次期当主の交代劇が起きたのだろう、と。自分はあなたの味方だと言いたげにシャルロッテは楽しそうな笑みを浮かべて話しているが、セレナリーゼはとても笑ってなんていられなかった。
(いくら王女でも……レオ兄さまを悪く言われるのは我慢できない!)
セレナリーゼは一度小さく息を吐きだして、努めて冷静に、だが自分の気持ちをまっすぐに言葉にした。
「……兄は私が次期当主となったことを応援してくれています。私なんかのことを本気で……。だから私はそんな兄の期待に応えたいと思っています」
言葉にした瞬間、自分自身でもストンと腑に落ちた。
(そうだ。私はレオ兄さまの期待に応えたい。レオ兄さまの気持ちを裏切らない自分でいたい)
「……レオナルドが?」
シャルロッテは信じられない気持ちから目を見開いてしまう。嘘だろうとしか思えない。セレナリーゼの隣ではフォルステッドも内心で驚いていたが、表情は変わらない。
「はい。兄は私のことを大切に思ってくれています。ですから、シャルロッテ様が気にされているようなことはございませんよ」
セレナリーゼは笑ってみせた。それは彼女が貴族として気持ちを表に出さないように仮面を被った初めての瞬間だった。
「そ、そうなの。ならいいわ」
シャルロッテは、セレナリーゼの笑顔に得も言われぬ迫力を感じ若干圧された。ただ、レオナルドがセレナリーゼの邪魔をしないのであれば、それは自分が求めていたものと同じであるため、すぐに笑顔を取り戻した。
その後もシャルロッテの口からはナチュラルにレオナルドを貶める言葉、そしてセレナリーゼを褒める言葉が続いたが、セレナリーゼは最後まで必死に顔には出さないようにして応対した。
シャルロッテとの話を終えたセレナリーゼ達が応接室を退出し、馬車に乗ったところで、
「セレナリーゼ、よく頑張ったな」
フォルステッドがセレナリーゼを労った。
「いえ、これくらいレオ兄さまに比べたら何でもありません」
「そうか……」
フッとフォルステッドの表情が綻ぶ。この数日、セレナリーゼはずっとレオナルドから離れなかったし、今日も屋敷に戻ったらレオナルドの元に行くのだろう。どうも今回の事件以降、セレナリーゼの中でレオナルドの存在が大きくなったように感じる。まあ自分を助けてくれた相手なのだからそういうものかもしれないが。
「お父さまの気にされていたことはいかがでしたか?」
「ああ。おそらく今回の事件にシャルロッテ様は関わっていない。まあ、屋敷に着くまで油断はできんがな」
フォルステッドが謝罪を急いだ理由はこれだった。王族であるシャルロッテが裏で糸を引いていたのであれば由々しき事態のため、早急に確認する必要があったのだ。セレナリーゼを囮にするようなやり方に見えるが、セレナリーゼも今回の意図を説明されており納得済みだ。それに、セレナリーゼの保護者としてだけでなく、安全について万全を期すために公爵家で最強の戦力でもあるフォルステッドが常に側にいた。
「そうですか……。では犯人についてはわからないままですね」
「そうだな。もしかしたらレオナルドが何か知っているかもしれないが、とりあえずは注意を払うしかあるまい」
「はい」
そうして、セレナリーゼは精神的に疲弊しつつも謝罪を終え、賊に襲われることもなく無事帰宅したのだった。
「はぁ……」
思い出してしまったことを追い出すように、そして荒れた気持ちを落ち着けるように、セレナリーゼは一つ息を吐く。
そして徐に椅子から立ち上がるとレオナルドの頬に手を伸ばし触れた。手のひらからレオナルドの体温が伝わってくる。どういう訳か、心臓がドキドキとして、頬が少し熱い。
「レオ兄さま、早く起きて……」
早くレオナルドの優しい笑顔が見たい。レオナルドにいっぱいお礼を言いたい。
その後、何を思ったのか、セレナリーゼは顔を真っ赤にしながらそろそろとベッドに上がるのだった。
この数日、毎日同じ時間帯にレオナルドの部屋へと様子を見に来ていたフォルステッドは、目にしたものに一度苦笑を浮かべると、これまでのように寝落ちしたセレナリーゼを自分の部屋に連れていくことなく、そのまま部屋を後にした。
レオナルドが目を覚ましたのは翌朝のことだった。
ただ一つだけレオナルドの体に変化があった。事件の翌日、ミレーネがレオナルドの包帯を取り換えようとしたとき、驚くべきことに、レオナルドの傷がほとんど治っていたのだ。背中や腰には傷の痕が残っているが、腕などにあった切り傷は綺麗になくなっていた。
医者にも診てもらったが、理由はわからなかった。皆理由不明の治癒に困惑はあったものの、傷が治っているというのはいいことだと無理やり納得した。包帯を巻く必要がなくなったレオナルドは本当にただ眠っているだけに見える。
そして事件から三日目の朝、セレナリーゼは今日も起きてすぐにレオナルドの部屋に向かった。レオナルドの部屋で過ごすのが、この数日セレナリーゼの日課となっている。
セレナリーゼとしてはこの日も一日、レオナルドの側にいたかったのだが、フォルステッドの計らいで、フォルステッドとともにシャルロッテにお茶会欠席の謝罪に行くこととなった。レオナルドがまだ目覚めていないけれど、謝罪は早ければ早い方がいいという考えからだ。こんなに早く王族に会う機会を得るとはさすがは公爵家当主といったところだろうか。
そうしてシャルロッテへの謝罪を終えて、今はもう夜だ。戻ってからはできるだけレオナルドの部屋で過ごしていたセレナリーゼは、レオナルドを見つめながら、シャルロッテとの会話を思い出していた。時間が経ってもまだ胸の辺りがモヤモヤして、怒りのような感情がなくならないのだ。
セレナリーゼとフォルステッドが王城の応接室で待っているとシャルロッテが入ってきた。護衛だろう女性騎士、そして侍女も一緒だ。セレナリーゼがフォルステッドとともに挨拶して着席すると、侍女が三人分のお茶を淹れる。落ち着いたところでセレナリーゼはお茶会に出席できなかったことを謝罪した。
「そんなのセレナリーゼが気にすることなんてないわ。あらためて公爵家次期当主就任おめでとう。直接お祝いを言えて嬉しいわ」
「ありがとうございます」
「フォルステッド様も素晴らしいご決断をなされたと思いますわ。やはり公爵家の跡取りには優秀な人物がならなければなりませんよね?」
「……はっ」
話を振られたフォルステッドは短く答える。頭を軽く下げているためその表情は見えない。フォルステッドの態度に満足したのか、シャルロッテは再びセレナリーゼに視線を向ける。
「今回のことだってどうせレオナルドが原因なのでしょう?」
「?いえ、そんなことはありませんが……」
なぜレオナルドが原因などと言われるのか、セレナリーゼには訳がわからなかった。
「フォルステッド様とセレナリーゼに任せて今日も来ていないようですし、本当身勝手な人ね。それとも余程私に会うのが嫌ということかしら」
「っ、いえ!兄は決してそのような―――」
レオナルドはお茶会を楽しみにしていた。今だってまだ目覚めていないから来れないだけだ。セレナリーゼは言える範囲で説明しようとしたが、それはシャルロッテに遮られた。
「いいのよ。兄妹だからって庇わなくても。今回のお茶会ではセレナリーゼのように将来有望な人をたくさん招待していたの。セレナリーゼにはぜひ人脈を広げてほしかったし、レオナルドには現実を知ってもらおうと思ったのだけれど残念だわ」
「っ!?」
(シャルロッテ様は何を言ってるの?現実……?)
シャルロッテの言い方がひっかかり、セレナリーゼの中に困惑が広がる。今回のお茶会でレオナルドに対して何かするつもりだったのだろうか。隣に座るフォルステッドは黙って聞いている。言いたいことはあったが、王族とはいっても子供の言葉だ。大人である自分が口を出すべきではないとの考えからだった。
「今後レオナルドが何を言ってきても負けちゃダメよ、セレナリーゼ。今回の規模でのお茶会はいくら私が王族だといっても中々難しいけれど、何かあったらいつでも力になるから」
シャルロッテは本心から言っている。レオナルドに対するものもセレナリーゼに対するものも彼女にとっては正当な評価だ。そしてフォルステッドとセレナリーゼも自分と同じ考えだと思っている。だからこそ、次期当主の交代劇が起きたのだろう、と。自分はあなたの味方だと言いたげにシャルロッテは楽しそうな笑みを浮かべて話しているが、セレナリーゼはとても笑ってなんていられなかった。
(いくら王女でも……レオ兄さまを悪く言われるのは我慢できない!)
セレナリーゼは一度小さく息を吐きだして、努めて冷静に、だが自分の気持ちをまっすぐに言葉にした。
「……兄は私が次期当主となったことを応援してくれています。私なんかのことを本気で……。だから私はそんな兄の期待に応えたいと思っています」
言葉にした瞬間、自分自身でもストンと腑に落ちた。
(そうだ。私はレオ兄さまの期待に応えたい。レオ兄さまの気持ちを裏切らない自分でいたい)
「……レオナルドが?」
シャルロッテは信じられない気持ちから目を見開いてしまう。嘘だろうとしか思えない。セレナリーゼの隣ではフォルステッドも内心で驚いていたが、表情は変わらない。
「はい。兄は私のことを大切に思ってくれています。ですから、シャルロッテ様が気にされているようなことはございませんよ」
セレナリーゼは笑ってみせた。それは彼女が貴族として気持ちを表に出さないように仮面を被った初めての瞬間だった。
「そ、そうなの。ならいいわ」
シャルロッテは、セレナリーゼの笑顔に得も言われぬ迫力を感じ若干圧された。ただ、レオナルドがセレナリーゼの邪魔をしないのであれば、それは自分が求めていたものと同じであるため、すぐに笑顔を取り戻した。
その後もシャルロッテの口からはナチュラルにレオナルドを貶める言葉、そしてセレナリーゼを褒める言葉が続いたが、セレナリーゼは最後まで必死に顔には出さないようにして応対した。
シャルロッテとの話を終えたセレナリーゼ達が応接室を退出し、馬車に乗ったところで、
「セレナリーゼ、よく頑張ったな」
フォルステッドがセレナリーゼを労った。
「いえ、これくらいレオ兄さまに比べたら何でもありません」
「そうか……」
フッとフォルステッドの表情が綻ぶ。この数日、セレナリーゼはずっとレオナルドから離れなかったし、今日も屋敷に戻ったらレオナルドの元に行くのだろう。どうも今回の事件以降、セレナリーゼの中でレオナルドの存在が大きくなったように感じる。まあ自分を助けてくれた相手なのだからそういうものかもしれないが。
「お父さまの気にされていたことはいかがでしたか?」
「ああ。おそらく今回の事件にシャルロッテ様は関わっていない。まあ、屋敷に着くまで油断はできんがな」
フォルステッドが謝罪を急いだ理由はこれだった。王族であるシャルロッテが裏で糸を引いていたのであれば由々しき事態のため、早急に確認する必要があったのだ。セレナリーゼを囮にするようなやり方に見えるが、セレナリーゼも今回の意図を説明されており納得済みだ。それに、セレナリーゼの保護者としてだけでなく、安全について万全を期すために公爵家で最強の戦力でもあるフォルステッドが常に側にいた。
「そうですか……。では犯人についてはわからないままですね」
「そうだな。もしかしたらレオナルドが何か知っているかもしれないが、とりあえずは注意を払うしかあるまい」
「はい」
そうして、セレナリーゼは精神的に疲弊しつつも謝罪を終え、賊に襲われることもなく無事帰宅したのだった。
「はぁ……」
思い出してしまったことを追い出すように、そして荒れた気持ちを落ち着けるように、セレナリーゼは一つ息を吐く。
そして徐に椅子から立ち上がるとレオナルドの頬に手を伸ばし触れた。手のひらからレオナルドの体温が伝わってくる。どういう訳か、心臓がドキドキとして、頬が少し熱い。
「レオ兄さま、早く起きて……」
早くレオナルドの優しい笑顔が見たい。レオナルドにいっぱいお礼を言いたい。
その後、何を思ったのか、セレナリーゼは顔を真っ赤にしながらそろそろとベッドに上がるのだった。
この数日、毎日同じ時間帯にレオナルドの部屋へと様子を見に来ていたフォルステッドは、目にしたものに一度苦笑を浮かべると、これまでのように寝落ちしたセレナリーゼを自分の部屋に連れていくことなく、そのまま部屋を後にした。
レオナルドが目を覚ましたのは翌朝のことだった。
386
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
伯爵令息は後味の悪いハッピーエンドを回避したい
えながゆうき
ファンタジー
停戦中の隣国の暗殺者に殺されそうになったフェルナンド・ガジェゴス伯爵令息は、目を覚ますと同時に、前世の記憶の一部を取り戻した。
どうやらこの世界は前世で妹がやっていた恋愛ゲームの世界であり、自分がその中の攻略対象であることを思い出したフェルナンド。
だがしかし、同時にフェルナンドがヒロインとハッピーエンドを迎えると、クーデターエンドを迎えることも思い出した。
もしクーデターが起これば、停戦中の隣国が再び侵攻してくることは間違いない。そうなれば、祖国は簡単に蹂躙されてしまうだろう。
後味の悪いハッピーエンドを回避するため、フェルナンドの戦いが今始まる!
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる