54 / 119
第二章
声
しおりを挟む
先手はブラックワイバーンだった。
レオナルドに突っ込んできた勢いをそのままに、大きな口を開けながら咬み殺そうとしてきたのだ。
「グルゥアアアッッッーーー!!!」
「くっ!?」
レオナルドはそれをギリギリで回避する。相手のスピードが速すぎて、反撃する余裕なんてなかった。
ブラックワイバーンは避けられたことに腹が立ったのか怒りの咆哮を上げながら通り過ぎざまに今度はその太い尾を鞭のようにしならせた。その尾は先ほどの突進を避けて体勢を崩したレオナルドを見事に捉えている。
ブラックワイバーンの息つく暇も与えないと言わんばかりの連続攻撃。
『レオ!次が来ます!』
ステラが焦ったように警告を発する。
自分に迫ってくる尾にレオナルドは目を見開く。
「くっ!!」
避けるのが難しいと瞬時に判断したレオナルドは、その尾を受け止める、もしくはそのまま斬ってやろうと白刀を振るったが――――、
「ぐぉっ!?」
ブラックワイバーンの尾に触れた瞬間、白い光が高速で岩山へと向かっていく。
ズドーーーーン!!!!
そして、轟音が辺りに響き渡った。
「くはっ!!!?」
レオナルドはとんでもない勢いで岩山に吹き飛ばされ、背中から激突していた。
その衝撃に、肺から空気が強制的に吐き出され、背中全体に激しい痛みが広がる。
『レオ!?大丈夫ですか!?』
(……問題、ない!)
衝撃は凄まじかったが、最大限身体強化をしていたおかげで、まだ戦闘は可能だった。それにクラントスとの戦いの際にはもっと傷ついたのだ。あのときに比べたらまだまだ大したことはないと思えるくらいにはあの戦いが活きていた。
痛みから苦悶に顔を歪ませながらも、すぐに立ち上がり、空を見上げるレオナルド。その目は些かも戦意を失ってはない。
先ほどまで自分もいた場所ではブラックワイバーンが悠々と翼をはためかせていた。余裕のつもりなのか、とりあえずすぐに追撃をする気はないように見える。
(くそっ、パワーが違い過ぎるな)
口の中を切ってしまったのか、血が垂れてきたが、それを乱暴に手の甲で拭う。
『ええ。もう攻撃を受けようとは思わない方がいいでしょう』
(あの速さの攻撃を避けながら攻撃しなきゃなのか…。マジでやべえな)
『今の白刀ではそれも難しいです。先ほども尾に弾かれていました。……仕方ありません。もっと、刀に霊力を流してください。刀から霊力が放出するほどに。それであの硬い鱗を斬れるようになるはずです』
ステラは一つの決断をして、レオナルドに提案する。
(っ!?わかった。やってみる!)
今のステラの言い方、白刀にはまだ上があるということだ。白刀化の特訓のとき、どれだけの霊力を流せばいいかはステラの指示に従っていた。今はその感覚にレオナルド自身も慣れていてすぐにその量の霊力を黒刀へと流せるようになったが、実際はもっともっと流してもいいということだ。
「ハアアアァァァッッッ!!!!」
レオナルドが裂帛の気合とともに、握り締めた白刀へと一気に霊力を流し込むと、数秒後、白刀の刀身から白色の光が放出された。
(成功、か?いや、でもこれは―――)
刀身全体に纏うようにしてエネルギーが放出されている白刀を見つめるレオナルド。体全体から霊力が放出される最大限の身体強化をした今の自分の姿と見た目は似ていた。それだけじゃない。刀身からとんでもない力を感じる。だが―――。
『ええ。レオが感じている通り、その状態は霊力の消費が激しい。今までのが継戦重視の白刀化だとすればそれは短期決戦向けです。長期戦は難しくなりますが、今のレオが攻撃を通すにはそれしかありません』
そうなのだ。ステラの言う通り、見た目は似ていても、燃費は身体強化と雲泥の差だ。体内から霊力が減っていくのが感覚でわかる。違いといえば、身体強化は自分の肉体へ作用させるものなのに対し、白刀は自分ではないものに作用させている、ということか。
(わかった。でも、瞬間的な力として切り替えられたら結構使えそうだな。今はそんな余裕ないけど)
『また特訓しましょう』
(だな。……ってアレは!?)
レオナルドはそこでブラックワイバーンの変化に気づいた。
ステラとのやりとりの間、レオナルドは一切ブラックワイバーンから視線を外さなかったのだ。だからすぐに気づくことができた。ブラックワイバーンの口にエネルギーが収束していっていることを。ブラックワイバーンはレオナルドの新しい白刀を見て脅威に感じたのか、攻撃を再開しようとしていたのだ。
(ブレスが来る!?)
レオナルドがそう思ったのとほとんど同時だった。ブラックワイバーンから闇色のブレスが放たれ、レオナルドが立っていた場所は闇に呑み込まれた―――。
(あっぶねー!今のはマジでヤバかった!)
レオナルドは心臓をバクバクさせ、冷や汗を流しながらも、ブレスにやられることはなく、上空にいた。ブレスが放たれると思った瞬間、飛行の精霊術で急上昇したのだ。速度を上げ過ぎると体への負担が大きいため、普段はセーブしているのだが、今回ばかりはそんなこと言っていられなかった。
『あんなのをくらっていたら跡形もなく消し飛んでいましたね。やはりレオはもっと精霊術を扱えるようにならなければ。そうすればこんな風に避ける必要もなくなりますし。……これからはもっと厳しくすることにします』
(それ今言うことか!?まあ、でも避ける必要もなくなるってのは魅力的だな。ここを乗り切ったらよろしく頼むよステラ)
そんな話をしながらもレオナルドはブラックワイバーンから目を離さない。どうやらブラックワイバーンはブレスを放つと暫く硬直してしまうようなのだ。絶好の隙といえなくはないのだが、今回はレオナルドも背中の痛みと急上昇による体へのダメージから落ち着く時間が欲しかった。
するとそのとき―――、
『―――――レ』
声が聴こえた、ような気がした。
(ん?ステラ、今何か言ったか?)
『いえ、私は何も言っていませんが』
レオナルドは気のせいか、とすぐに気にするのをやめた。いや、気にしていられなくなったと言った方が正しい。
「グルウゥアアアッッッ!!!!」
ブラックワイバーンが動けるようになったからだ。
レオナルドを睨みつけながら殺気のこもった咆哮を上げる。
そうして第二ラウンドが始まった。
今度はレオナルドから突進する。
ブラックワイバーンがスピードに乗ると対応が難しいことを痛感したレオナルドは超接近戦を挑むことにしたのだ。
そうすることでブラックワイバーンの攻撃を頭部を使ったものに制限できるというメリットもある。
ブラックワイバーンが鋭い牙で攻撃するが、レオナルドはそれを避けながら白刀で斬りつける。すると、今回は確かに斬ることができた。だが、浅い。レオナルドは思わず顔を顰め、舌打ちが出そうになる。これでは倒すまでに何撃必要になるか見当もつかない。しかも、ブラックワイバーンの攻撃は一撃でも受けてしまえばレオナルドにとって致命傷になりかねないため、レオナルドは神経をすり減らしていく。
こうして戦いは、短期決戦仕様のレオナルドにとって不利としかいえない綱渡りのような持久戦の様相を呈していった。
そんな攻防がしばらく続くと、ブラックワイバーンがレオナルドの攻撃を鬱陶しく感じたのか、それとも自分の攻撃が当たらないことにイライラしたのか、距離を取ろうとした。しかし、レオナルドは決して離れまい、と追随する。スピードに乗せる前、初速であればブラックワイバーンにも十分ついて行けた。
そして再び始まる超接近戦。
『――シ――レ』
(っ、なんだ?やっぱり声が?)
戦いの最中、レオナルドは再び声が聴こえた気がした。
『確かに。ですが今は目の前の敵に集中を』
(ああ)
レオナルドにとってギリギリの攻防戦が繰り広げられている中、確かに気を取られている場合ではなかった。
だが、
『コ―シ―クレ!』
再びの声。もう確定だ。決して気のせいなんかではない。その声は徐々にはっきりしてきていた。
(まただ!……まさか!?これブラックワイバーンの声なのか!?)
レオナルドはその可能性に行きついた。原理は全くわからないが、ステラと話しているときのように頭に声が響くのだ。
『……そうかもしれません。ですが、会話が成立する相手ではないでしょう。何を言っているのかもわかりませんし、敵の攻撃は続いているのです』
ステラの言うことは尤もだが、レオナルドは初めて意思疎通ができるかもしれない魔物を目の前にして、その可能性を否定したくなかった。
だから―――、
「おい!話してるのはお前なのか!?何て言ってるんだ!?俺の言葉が聞こえるか!?」
レオナルドは戦いながらも、声を張ってブラックワイバーンに話しかけた。
『レオ!』
ステラがレオナルドを制止するように名前を呼ぶ。命がけの不利な戦いをしている最中にするべき行動ではないからだ。
ステラの考えは十二分にわかるが、それでもレオナルドは諦められなかった。もしかしたらブラックワイバーンの元となった生物が人間なのではないか、という考えが拭えないのだ。
「声はお前なんだろう!?俺に届いてるから!話せるなら話をさせてくれないか!?」
レオナルドはブラックワイバーンに声をかけ続ける。その声には必死さがあった。
「グルウゥアアアッッッ!!!!」
しかし、返ってきたのは咆哮。そして素早く反転しての尾による攻撃だった。
心を揺さぶられ、集中力を欠いていたレオナルドは間合いを維持したまま躱すことができず、後方へと一度距離を取らざるを得なかった。超接近戦が崩れてしまった。
体の向きを戻したブラックワイバーンとレオナルドが再び対峙する。
そのときだった。
『コロシテクレ!』
これまでと違い、明確な意味をもった言葉がレオナルドの頭に響いた。
レオナルドに突っ込んできた勢いをそのままに、大きな口を開けながら咬み殺そうとしてきたのだ。
「グルゥアアアッッッーーー!!!」
「くっ!?」
レオナルドはそれをギリギリで回避する。相手のスピードが速すぎて、反撃する余裕なんてなかった。
ブラックワイバーンは避けられたことに腹が立ったのか怒りの咆哮を上げながら通り過ぎざまに今度はその太い尾を鞭のようにしならせた。その尾は先ほどの突進を避けて体勢を崩したレオナルドを見事に捉えている。
ブラックワイバーンの息つく暇も与えないと言わんばかりの連続攻撃。
『レオ!次が来ます!』
ステラが焦ったように警告を発する。
自分に迫ってくる尾にレオナルドは目を見開く。
「くっ!!」
避けるのが難しいと瞬時に判断したレオナルドは、その尾を受け止める、もしくはそのまま斬ってやろうと白刀を振るったが――――、
「ぐぉっ!?」
ブラックワイバーンの尾に触れた瞬間、白い光が高速で岩山へと向かっていく。
ズドーーーーン!!!!
そして、轟音が辺りに響き渡った。
「くはっ!!!?」
レオナルドはとんでもない勢いで岩山に吹き飛ばされ、背中から激突していた。
その衝撃に、肺から空気が強制的に吐き出され、背中全体に激しい痛みが広がる。
『レオ!?大丈夫ですか!?』
(……問題、ない!)
衝撃は凄まじかったが、最大限身体強化をしていたおかげで、まだ戦闘は可能だった。それにクラントスとの戦いの際にはもっと傷ついたのだ。あのときに比べたらまだまだ大したことはないと思えるくらいにはあの戦いが活きていた。
痛みから苦悶に顔を歪ませながらも、すぐに立ち上がり、空を見上げるレオナルド。その目は些かも戦意を失ってはない。
先ほどまで自分もいた場所ではブラックワイバーンが悠々と翼をはためかせていた。余裕のつもりなのか、とりあえずすぐに追撃をする気はないように見える。
(くそっ、パワーが違い過ぎるな)
口の中を切ってしまったのか、血が垂れてきたが、それを乱暴に手の甲で拭う。
『ええ。もう攻撃を受けようとは思わない方がいいでしょう』
(あの速さの攻撃を避けながら攻撃しなきゃなのか…。マジでやべえな)
『今の白刀ではそれも難しいです。先ほども尾に弾かれていました。……仕方ありません。もっと、刀に霊力を流してください。刀から霊力が放出するほどに。それであの硬い鱗を斬れるようになるはずです』
ステラは一つの決断をして、レオナルドに提案する。
(っ!?わかった。やってみる!)
今のステラの言い方、白刀にはまだ上があるということだ。白刀化の特訓のとき、どれだけの霊力を流せばいいかはステラの指示に従っていた。今はその感覚にレオナルド自身も慣れていてすぐにその量の霊力を黒刀へと流せるようになったが、実際はもっともっと流してもいいということだ。
「ハアアアァァァッッッ!!!!」
レオナルドが裂帛の気合とともに、握り締めた白刀へと一気に霊力を流し込むと、数秒後、白刀の刀身から白色の光が放出された。
(成功、か?いや、でもこれは―――)
刀身全体に纏うようにしてエネルギーが放出されている白刀を見つめるレオナルド。体全体から霊力が放出される最大限の身体強化をした今の自分の姿と見た目は似ていた。それだけじゃない。刀身からとんでもない力を感じる。だが―――。
『ええ。レオが感じている通り、その状態は霊力の消費が激しい。今までのが継戦重視の白刀化だとすればそれは短期決戦向けです。長期戦は難しくなりますが、今のレオが攻撃を通すにはそれしかありません』
そうなのだ。ステラの言う通り、見た目は似ていても、燃費は身体強化と雲泥の差だ。体内から霊力が減っていくのが感覚でわかる。違いといえば、身体強化は自分の肉体へ作用させるものなのに対し、白刀は自分ではないものに作用させている、ということか。
(わかった。でも、瞬間的な力として切り替えられたら結構使えそうだな。今はそんな余裕ないけど)
『また特訓しましょう』
(だな。……ってアレは!?)
レオナルドはそこでブラックワイバーンの変化に気づいた。
ステラとのやりとりの間、レオナルドは一切ブラックワイバーンから視線を外さなかったのだ。だからすぐに気づくことができた。ブラックワイバーンの口にエネルギーが収束していっていることを。ブラックワイバーンはレオナルドの新しい白刀を見て脅威に感じたのか、攻撃を再開しようとしていたのだ。
(ブレスが来る!?)
レオナルドがそう思ったのとほとんど同時だった。ブラックワイバーンから闇色のブレスが放たれ、レオナルドが立っていた場所は闇に呑み込まれた―――。
(あっぶねー!今のはマジでヤバかった!)
レオナルドは心臓をバクバクさせ、冷や汗を流しながらも、ブレスにやられることはなく、上空にいた。ブレスが放たれると思った瞬間、飛行の精霊術で急上昇したのだ。速度を上げ過ぎると体への負担が大きいため、普段はセーブしているのだが、今回ばかりはそんなこと言っていられなかった。
『あんなのをくらっていたら跡形もなく消し飛んでいましたね。やはりレオはもっと精霊術を扱えるようにならなければ。そうすればこんな風に避ける必要もなくなりますし。……これからはもっと厳しくすることにします』
(それ今言うことか!?まあ、でも避ける必要もなくなるってのは魅力的だな。ここを乗り切ったらよろしく頼むよステラ)
そんな話をしながらもレオナルドはブラックワイバーンから目を離さない。どうやらブラックワイバーンはブレスを放つと暫く硬直してしまうようなのだ。絶好の隙といえなくはないのだが、今回はレオナルドも背中の痛みと急上昇による体へのダメージから落ち着く時間が欲しかった。
するとそのとき―――、
『―――――レ』
声が聴こえた、ような気がした。
(ん?ステラ、今何か言ったか?)
『いえ、私は何も言っていませんが』
レオナルドは気のせいか、とすぐに気にするのをやめた。いや、気にしていられなくなったと言った方が正しい。
「グルウゥアアアッッッ!!!!」
ブラックワイバーンが動けるようになったからだ。
レオナルドを睨みつけながら殺気のこもった咆哮を上げる。
そうして第二ラウンドが始まった。
今度はレオナルドから突進する。
ブラックワイバーンがスピードに乗ると対応が難しいことを痛感したレオナルドは超接近戦を挑むことにしたのだ。
そうすることでブラックワイバーンの攻撃を頭部を使ったものに制限できるというメリットもある。
ブラックワイバーンが鋭い牙で攻撃するが、レオナルドはそれを避けながら白刀で斬りつける。すると、今回は確かに斬ることができた。だが、浅い。レオナルドは思わず顔を顰め、舌打ちが出そうになる。これでは倒すまでに何撃必要になるか見当もつかない。しかも、ブラックワイバーンの攻撃は一撃でも受けてしまえばレオナルドにとって致命傷になりかねないため、レオナルドは神経をすり減らしていく。
こうして戦いは、短期決戦仕様のレオナルドにとって不利としかいえない綱渡りのような持久戦の様相を呈していった。
そんな攻防がしばらく続くと、ブラックワイバーンがレオナルドの攻撃を鬱陶しく感じたのか、それとも自分の攻撃が当たらないことにイライラしたのか、距離を取ろうとした。しかし、レオナルドは決して離れまい、と追随する。スピードに乗せる前、初速であればブラックワイバーンにも十分ついて行けた。
そして再び始まる超接近戦。
『――シ――レ』
(っ、なんだ?やっぱり声が?)
戦いの最中、レオナルドは再び声が聴こえた気がした。
『確かに。ですが今は目の前の敵に集中を』
(ああ)
レオナルドにとってギリギリの攻防戦が繰り広げられている中、確かに気を取られている場合ではなかった。
だが、
『コ―シ―クレ!』
再びの声。もう確定だ。決して気のせいなんかではない。その声は徐々にはっきりしてきていた。
(まただ!……まさか!?これブラックワイバーンの声なのか!?)
レオナルドはその可能性に行きついた。原理は全くわからないが、ステラと話しているときのように頭に声が響くのだ。
『……そうかもしれません。ですが、会話が成立する相手ではないでしょう。何を言っているのかもわかりませんし、敵の攻撃は続いているのです』
ステラの言うことは尤もだが、レオナルドは初めて意思疎通ができるかもしれない魔物を目の前にして、その可能性を否定したくなかった。
だから―――、
「おい!話してるのはお前なのか!?何て言ってるんだ!?俺の言葉が聞こえるか!?」
レオナルドは戦いながらも、声を張ってブラックワイバーンに話しかけた。
『レオ!』
ステラがレオナルドを制止するように名前を呼ぶ。命がけの不利な戦いをしている最中にするべき行動ではないからだ。
ステラの考えは十二分にわかるが、それでもレオナルドは諦められなかった。もしかしたらブラックワイバーンの元となった生物が人間なのではないか、という考えが拭えないのだ。
「声はお前なんだろう!?俺に届いてるから!話せるなら話をさせてくれないか!?」
レオナルドはブラックワイバーンに声をかけ続ける。その声には必死さがあった。
「グルウゥアアアッッッ!!!!」
しかし、返ってきたのは咆哮。そして素早く反転しての尾による攻撃だった。
心を揺さぶられ、集中力を欠いていたレオナルドは間合いを維持したまま躱すことができず、後方へと一度距離を取らざるを得なかった。超接近戦が崩れてしまった。
体の向きを戻したブラックワイバーンとレオナルドが再び対峙する。
そのときだった。
『コロシテクレ!』
これまでと違い、明確な意味をもった言葉がレオナルドの頭に響いた。
253
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
気づいたら美少女ゲーの悪役令息に転生していたのでサブヒロインを救うのに人生を賭けることにした
高坂ナツキ
ファンタジー
衝撃を受けた途端、俺は美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生していた!?
これは、自分が制作にかかわっていた美少女ゲームの中ボス悪役令息に転生した主人公が、報われないサブヒロインを救うために人生を賭ける話。
日常あり、恋愛あり、ダンジョンあり、戦闘あり、料理ありの何でもありの話となっています。
伯爵令息は後味の悪いハッピーエンドを回避したい
えながゆうき
ファンタジー
停戦中の隣国の暗殺者に殺されそうになったフェルナンド・ガジェゴス伯爵令息は、目を覚ますと同時に、前世の記憶の一部を取り戻した。
どうやらこの世界は前世で妹がやっていた恋愛ゲームの世界であり、自分がその中の攻略対象であることを思い出したフェルナンド。
だがしかし、同時にフェルナンドがヒロインとハッピーエンドを迎えると、クーデターエンドを迎えることも思い出した。
もしクーデターが起これば、停戦中の隣国が再び侵攻してくることは間違いない。そうなれば、祖国は簡単に蹂躙されてしまうだろう。
後味の悪いハッピーエンドを回避するため、フェルナンドの戦いが今始まる!
【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?
山咲莉亜
ファンタジー
ある日、高校二年生だった桜井渚は魔法を扱うことができ、世界最強とされる精霊王に転生した。家族で海に遊びに行ったが遊んでいる最中に溺れた幼い弟を助け、代わりに自分が死んでしまったのだ。
だけど正直、俺は精霊王の立場に興味はない。精霊らしく、のんびり気楽に生きてみせるよ。
趣味の寝ることと読書だけをしてマイペースに生きるつもりだったナギサだが、優しく仲間思いな性格が災いして次々とトラブルに巻き込まれていく。果たしてナギサはそれらを乗り越えていくことができるのか。そして彼の行動原理とは……?
ロマンス、コメディ、シリアス───これは物語が進むにつれて露わになるナギサの闇やトラブルを共に乗り越えていく仲間達の物語。
※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました!
※完結後、三人称一元視点に変えて全話改稿する予定です。規約を確認してから決めますが、こちらも残したいと思っています。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
【完結】ヤンデレ乙女ゲームの転生ヒロインは、囮を差し出して攻略対象を回避する。はずが、隣国の王子様にばれてしまいました(詰み)
瀬里@SMARTOON8/31公開予定
恋愛
ヤンデレだらけの乙女ゲームに転生してしまったヒロイン、アシュリー。周りには、攻略対象のヤンデレ達が勢ぞろい。
しかし、彼女は、実現したい夢のために、何としても攻略対象を回避したいのだ。
そこで彼女は、ヤンデレ攻略対象を回避する妙案を思いつく。
それは、「ヒロイン養成講座」で攻略対象好みの囮(私のコピー)を養成して、ヤンデレたちに差し出すこと。(もちろん希望者)
しかし、そこへ隣国からきた第五王子様にこの活動がばれてしまった!!
王子は、黙っている代償に、アシュリーに恋人契約を要求してきて!?
全14話です+番外編4話
ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。
千晶もーこ
ファンタジー
疲労で亡くなってしまった和菓。
気付いたら、異世界に転生していた。
なんと、そこには前世で飼っていた犬、猫、インコもいた!?
物語のような魔法も覚えたいけど、一番は皆で楽しくのんびり過ごすのが目標です!
※この話は小説家になろう様へも掲載しています
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる