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暗雲の『ライトゲート』
師匠でござる その弐
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「おお~リン殿! 奇遇でござるな」
「アヤカか……」
宿屋を決め、明日の出発の為に一晩をそこで過ごすリン達聖剣使い一行。
「眠れないでござるか?」
「まあな だから少し夜の町でも散歩しようと思ってな」
枕が合わなかったのか、それともベッドか、はたまた他の要因か。
リンは寝付けないのならと諦め、夜風を浴びようと男部屋から出てきた時に丁度、女部屋からアヤカが出てきた次第であった。
「これまた奇遇 拙者もそうしようと思っていたのでござるよ」
「……本当か?」
「むぅ? 本当でござるよ?」
いまいちどちらか判断に困る態度に、まあいいかと二人で外に出た。
「誰もいない町というのも風情が有るでござるな~」
夜中ともなれば出歩く人影の姿も無い。
灯りは無いのだが、代わりに今は月明かりが道を照らすおかげで、歩きにくさを感じさせることは無かった。
「そうかもな」
「……随分素直でござるな?」
「お前もか」
シオンにも言われ、普段リンがどの様に思われているのかがわかる一言である。
「あのな……俺だって別に天邪鬼って訳じゃあないんだよ」
「う~ん……どうもリン殿は自分を客観的に見る事が苦手なようでござるな」
「んだとコラ」
「うん? 師匠に対する態度では無いでござるなぁ?」
「前に『じゃけん』教えたのは俺だったよな?」
「その程度で上に立った気になるのは良くないでござるよ?」
軽口を言い合う二人。師弟というには少々フランクな関係ではあるが、間違いなく二人は互いを信頼し、認め合っている関係であろう。
「……後遺症とかは無いでござるか?」
「ああ……今のところはな」
ライトゲートで手に入れた賢者の石『ダークイクリプス』の力は、リンの理性を侵蝕して本能のままに、敵を喰らう力であった。
「王様が言うには『心の闇』と向き合えと……向き合えればどれだけ楽なものか」
「……ちょっと失礼」
「ん……? オワァ!?」
アヤカが突如リンと向き合い、顔を掴んで引き寄せる。
まじまじと見つめられ、恥ずかしさから顔が赤くなるリン。
「うん……前よりはマシでござるか」
「なっ! なんだよ急に!?」
急いで離れてるリン。アヤカが見ていたのは『眼』である。
「最初に会った時は『濁っていた』でござるが……今は少しだけマシでござるよ」
「一言ぐらい言ってくれ……」
「ワザとでござる」
「そういうとこだよ!」
どうにも掴み所の無い性格をしたアヤカに、リンはいつも振り回される。
「ハッハッハッ! リン殿のその初々しい態度が好きなものでつい!」
(このアマァ……)
「大丈夫でござるよ」
アヤカは優しい声色で、リンを見つめながら話す。
「リン殿は『前に進む』ことを覚えたでござる だったら後は『きっかけ』さえあれば上手くいくでござるよ」
月明かりに照らされるアヤカの表情は、とても温く優しい。
「そういう……とこなんだよな」
いつも支えられている。
リンが思い悩むとき、欲しい言葉をくれるアヤカは、紛れも無く『師匠』であると認めざるおえない。
「休憩にするでござるよ ここは綺麗な噴水があって良いでござるな」
歩いている内に町の広場へとたどり着き、噴水を目の前にしたベンチにアヤカは腰かけ、隣に座るように催促する。
「……感謝してるよ 本当に」
抵抗するのは愚策として、指示通りにアヤカの横に座り、改めてお礼を言うリン。
「アヤカだけじゃあない……皆にも本当に頼ってばかりだ」
「お互い様でござろう リン殿にこの世界の命運を担わせているのでござるから」
「……本当に俺で良かったのか?」
この世界に迷い込んで、伝説の英雄に間違えられたのをきっかけに、賢者の石を求めて旅を始めた。
「いつも思うよ もっと上手く出来たんじゃないかってな……伝説の力が使えても所詮は戦いの素人だ ここまで来れたのは仲間と……それから『奇跡』か」
その役目は本当に自分で良かったのだろうかと、何度も折れそうになる度に、いつも疑問はリンの胸に秘められ、不安が押し寄せる。
「守れた人もいた……守れなかった人もいた 振り返る度に怖いんだ」
次は上手くいくのだろうか? 今度は大丈夫だろうか?
誰も答えられない答えを求め、無理やり自分を奮い立たせる。
「それでも戦わなくちゃいけない だって……『その為の力』のはずだから」
力ある者の宿命。
力ある者は成し遂げる力がある。だから守らなくちゃいけない人達を取りこぼさない様に、リンは一生懸命力を振るった。
「これは……『傲慢』なんだろうな」
自惚れている訳ではない。が、借り物の力で何でも出来ると思ってしまうのは『ルシファー』が言う傲慢なのかもしれないと、リンは自分を嗤う。
「……またまた失礼」
そう言ってアヤカは今度はリンの肩へと頭を乗せる。
「……何の意味が?」
「無いでござるよ 拙者がこうしたいと思っただけでござる」
「なんだそりゃ」
リンは乗せられた肩の重みを感じながらも、不思議と嫌な感情は無く、そのまま噴水の水の流れを眺めたいた。
「安心出来るでござるよ」
「乗せ心地が良くて良かったよ」
「拙者が安心出来るのは……優月 輪だからでござるよ」
「え……?」
頭をリンの肩に乗せたまま、アヤカは言う。
「他の誰でもないリン殿だからこそ こうして安心出来るのでござる……それは誰も真似できないリン殿の特権でござる」
「……喜ぶとこだよな?」
肩を枕にされている事を、素直に喜ぶべきなのか迷うリン。
「泣いて喜ぶとこでござる」
たとえリンが不安に思おうと、今までやってこれたのは他でもない、リン自身の歩んだ『軌跡』である。
「リン殿はまだまだ未熟者……でも」
誰かの為に戦い、傷つき、諦めそうになったとしても、最後まで立ち上がる事をやめなかったのは、その度に感謝されたのは紛れも無い『優月 輪』なのだ。
「力及ばないのであればもっと頼るでござる 一人で背負い込もうとするのは誰でも限度あるでござるよ もっと甘えるでござる」
「どうにも馴れないな……」
結構甘えていたのではとリンは思うが、まだ足りないと厳しい言葉を貰う。
「だからこうして甘えて見せているでござろう?」
「ここまでしなくちゃあいけないのか?」
「まだほんの序の口……えいや」
アヤカは肩に頭を乗せていたが、倒れこんでリンの膝を枕する。
「これぐらいやってのけなくては」
「ハードルが……」
照れくさすぎて、誰に頼めるのかと、恥ずかしさでリンの頬は熱くなる。
「流石はヘタレのリン殿 同じ布団で毎夜共に寝ていたというのに……手を出してこなかっただけはあるでござる」
「余計すぎるお世話だ」
そんなリンの頬に手を伸ばし、アヤカは撫でた。
「リン殿は……端正な顔立ちをしているでござるな」
「そうか?」
「中々の美形でござるよ……ちょっとふけ顔でござるが」
「それこそ余計だわ!」
愛おしそうに撫で続け、リンの瞳を見つめ続けるアヤカ。
「……旅が終わればお別れでござる」
「そうだな……」
「白状すれば……今こうしてるのも拙者が寂しいからでござる」
魔王軍との戦いが終われば、リンは元の世界に帰る。
「楽しいでござるなぁ……旅というものは」
「ああ……インドア派の俺もそう思ったよ」
「不謹慎でござるなぁ……世界を守る為の旅だというのに……終わってほしくないと思うのでござる」
ほとんど一人で、変わり映えのしない広い道場で暮らしていた日々。
「感謝するのは拙者も同じでござる」
たった一人道場に増えただけだというのに、リンに稽古をつけてる時間はとても大切で、幸せな時間であった。
「師匠がこれだけ甘えてるのでござる リン殿からもっと甘えさせるでござるよ」
「なんて無理難題を……」
「良いから」
難しそうな顔で悩むリン。がんばって捻り出した事を実践する。
「ヨッ……ヨシヨシ」
考えた結果がこれである。
膝の上で寝そべるアヤカの頭を撫でる事。それが思いつく限界であった。
「……プッ!」
思わず笑いが込み上げるアヤカ。笑われてもリンは何も言えない。
「アハハハハハ! 是ではまるで赤子をあやす様ではござらんか!」
「悪かったな……幼稚で」
不貞腐れるリンであったが、自分でも情けないと思う為、強くは言えなかった。
「いやはや 女泣かせのリン殿と思っていたのでござるが……この様子ではシオン殿とは何も無かったでござるな?」
「なんでシオンが泣いてたことを……」
「目を赤く腫らしていたら誰でも気づくでござるよ」
実際シオンが泣いていたのも、嬉し涙であって決して悲しませたからでは無い。
「年上を泣かせるとはやるな~などと思っていたでござるがやはりヘタレでござったか 一安心一安心」
「何が安心なんだよ……」
「秘密でござる」
起き上がり、背伸びをしたかと思うと立ち上がり、噴水の方まで寄っていく。
「休憩終了でござる せっかく広場に来たのでござるから稽古をつけるでござるよ」
「そろそろ宿に帰ったほうが良いんじゃあないか?」
「もう少しリン殿と二人でいたいでござる」
真っ直ぐに言われてしまうと、リンはたじたじとなって何も言い返せない。
「……じゃんけんで済ませたいものだな」
「そう来なくては! お礼に『秘密』を教えるでござるよ」
「秘密……? なんだそれは?」
一体何を知っているのか……アヤカの言葉に耳を傾ける。
「前に拙者じゃんけんを『知らない』と言ったでござるが……あれは嘘でござる」
「テメェぶち殺すぞ」
アヤカと真実を知ったリンとの戦いは、結局朝まで続けられた。
「アヤカか……」
宿屋を決め、明日の出発の為に一晩をそこで過ごすリン達聖剣使い一行。
「眠れないでござるか?」
「まあな だから少し夜の町でも散歩しようと思ってな」
枕が合わなかったのか、それともベッドか、はたまた他の要因か。
リンは寝付けないのならと諦め、夜風を浴びようと男部屋から出てきた時に丁度、女部屋からアヤカが出てきた次第であった。
「これまた奇遇 拙者もそうしようと思っていたのでござるよ」
「……本当か?」
「むぅ? 本当でござるよ?」
いまいちどちらか判断に困る態度に、まあいいかと二人で外に出た。
「誰もいない町というのも風情が有るでござるな~」
夜中ともなれば出歩く人影の姿も無い。
灯りは無いのだが、代わりに今は月明かりが道を照らすおかげで、歩きにくさを感じさせることは無かった。
「そうかもな」
「……随分素直でござるな?」
「お前もか」
シオンにも言われ、普段リンがどの様に思われているのかがわかる一言である。
「あのな……俺だって別に天邪鬼って訳じゃあないんだよ」
「う~ん……どうもリン殿は自分を客観的に見る事が苦手なようでござるな」
「んだとコラ」
「うん? 師匠に対する態度では無いでござるなぁ?」
「前に『じゃけん』教えたのは俺だったよな?」
「その程度で上に立った気になるのは良くないでござるよ?」
軽口を言い合う二人。師弟というには少々フランクな関係ではあるが、間違いなく二人は互いを信頼し、認め合っている関係であろう。
「……後遺症とかは無いでござるか?」
「ああ……今のところはな」
ライトゲートで手に入れた賢者の石『ダークイクリプス』の力は、リンの理性を侵蝕して本能のままに、敵を喰らう力であった。
「王様が言うには『心の闇』と向き合えと……向き合えればどれだけ楽なものか」
「……ちょっと失礼」
「ん……? オワァ!?」
アヤカが突如リンと向き合い、顔を掴んで引き寄せる。
まじまじと見つめられ、恥ずかしさから顔が赤くなるリン。
「うん……前よりはマシでござるか」
「なっ! なんだよ急に!?」
急いで離れてるリン。アヤカが見ていたのは『眼』である。
「最初に会った時は『濁っていた』でござるが……今は少しだけマシでござるよ」
「一言ぐらい言ってくれ……」
「ワザとでござる」
「そういうとこだよ!」
どうにも掴み所の無い性格をしたアヤカに、リンはいつも振り回される。
「ハッハッハッ! リン殿のその初々しい態度が好きなものでつい!」
(このアマァ……)
「大丈夫でござるよ」
アヤカは優しい声色で、リンを見つめながら話す。
「リン殿は『前に進む』ことを覚えたでござる だったら後は『きっかけ』さえあれば上手くいくでござるよ」
月明かりに照らされるアヤカの表情は、とても温く優しい。
「そういう……とこなんだよな」
いつも支えられている。
リンが思い悩むとき、欲しい言葉をくれるアヤカは、紛れも無く『師匠』であると認めざるおえない。
「休憩にするでござるよ ここは綺麗な噴水があって良いでござるな」
歩いている内に町の広場へとたどり着き、噴水を目の前にしたベンチにアヤカは腰かけ、隣に座るように催促する。
「……感謝してるよ 本当に」
抵抗するのは愚策として、指示通りにアヤカの横に座り、改めてお礼を言うリン。
「アヤカだけじゃあない……皆にも本当に頼ってばかりだ」
「お互い様でござろう リン殿にこの世界の命運を担わせているのでござるから」
「……本当に俺で良かったのか?」
この世界に迷い込んで、伝説の英雄に間違えられたのをきっかけに、賢者の石を求めて旅を始めた。
「いつも思うよ もっと上手く出来たんじゃないかってな……伝説の力が使えても所詮は戦いの素人だ ここまで来れたのは仲間と……それから『奇跡』か」
その役目は本当に自分で良かったのだろうかと、何度も折れそうになる度に、いつも疑問はリンの胸に秘められ、不安が押し寄せる。
「守れた人もいた……守れなかった人もいた 振り返る度に怖いんだ」
次は上手くいくのだろうか? 今度は大丈夫だろうか?
誰も答えられない答えを求め、無理やり自分を奮い立たせる。
「それでも戦わなくちゃいけない だって……『その為の力』のはずだから」
力ある者の宿命。
力ある者は成し遂げる力がある。だから守らなくちゃいけない人達を取りこぼさない様に、リンは一生懸命力を振るった。
「これは……『傲慢』なんだろうな」
自惚れている訳ではない。が、借り物の力で何でも出来ると思ってしまうのは『ルシファー』が言う傲慢なのかもしれないと、リンは自分を嗤う。
「……またまた失礼」
そう言ってアヤカは今度はリンの肩へと頭を乗せる。
「……何の意味が?」
「無いでござるよ 拙者がこうしたいと思っただけでござる」
「なんだそりゃ」
リンは乗せられた肩の重みを感じながらも、不思議と嫌な感情は無く、そのまま噴水の水の流れを眺めたいた。
「安心出来るでござるよ」
「乗せ心地が良くて良かったよ」
「拙者が安心出来るのは……優月 輪だからでござるよ」
「え……?」
頭をリンの肩に乗せたまま、アヤカは言う。
「他の誰でもないリン殿だからこそ こうして安心出来るのでござる……それは誰も真似できないリン殿の特権でござる」
「……喜ぶとこだよな?」
肩を枕にされている事を、素直に喜ぶべきなのか迷うリン。
「泣いて喜ぶとこでござる」
たとえリンが不安に思おうと、今までやってこれたのは他でもない、リン自身の歩んだ『軌跡』である。
「リン殿はまだまだ未熟者……でも」
誰かの為に戦い、傷つき、諦めそうになったとしても、最後まで立ち上がる事をやめなかったのは、その度に感謝されたのは紛れも無い『優月 輪』なのだ。
「力及ばないのであればもっと頼るでござる 一人で背負い込もうとするのは誰でも限度あるでござるよ もっと甘えるでござる」
「どうにも馴れないな……」
結構甘えていたのではとリンは思うが、まだ足りないと厳しい言葉を貰う。
「だからこうして甘えて見せているでござろう?」
「ここまでしなくちゃあいけないのか?」
「まだほんの序の口……えいや」
アヤカは肩に頭を乗せていたが、倒れこんでリンの膝を枕する。
「これぐらいやってのけなくては」
「ハードルが……」
照れくさすぎて、誰に頼めるのかと、恥ずかしさでリンの頬は熱くなる。
「流石はヘタレのリン殿 同じ布団で毎夜共に寝ていたというのに……手を出してこなかっただけはあるでござる」
「余計すぎるお世話だ」
そんなリンの頬に手を伸ばし、アヤカは撫でた。
「リン殿は……端正な顔立ちをしているでござるな」
「そうか?」
「中々の美形でござるよ……ちょっとふけ顔でござるが」
「それこそ余計だわ!」
愛おしそうに撫で続け、リンの瞳を見つめ続けるアヤカ。
「……旅が終わればお別れでござる」
「そうだな……」
「白状すれば……今こうしてるのも拙者が寂しいからでござる」
魔王軍との戦いが終われば、リンは元の世界に帰る。
「楽しいでござるなぁ……旅というものは」
「ああ……インドア派の俺もそう思ったよ」
「不謹慎でござるなぁ……世界を守る為の旅だというのに……終わってほしくないと思うのでござる」
ほとんど一人で、変わり映えのしない広い道場で暮らしていた日々。
「感謝するのは拙者も同じでござる」
たった一人道場に増えただけだというのに、リンに稽古をつけてる時間はとても大切で、幸せな時間であった。
「師匠がこれだけ甘えてるのでござる リン殿からもっと甘えさせるでござるよ」
「なんて無理難題を……」
「良いから」
難しそうな顔で悩むリン。がんばって捻り出した事を実践する。
「ヨッ……ヨシヨシ」
考えた結果がこれである。
膝の上で寝そべるアヤカの頭を撫でる事。それが思いつく限界であった。
「……プッ!」
思わず笑いが込み上げるアヤカ。笑われてもリンは何も言えない。
「アハハハハハ! 是ではまるで赤子をあやす様ではござらんか!」
「悪かったな……幼稚で」
不貞腐れるリンであったが、自分でも情けないと思う為、強くは言えなかった。
「いやはや 女泣かせのリン殿と思っていたのでござるが……この様子ではシオン殿とは何も無かったでござるな?」
「なんでシオンが泣いてたことを……」
「目を赤く腫らしていたら誰でも気づくでござるよ」
実際シオンが泣いていたのも、嬉し涙であって決して悲しませたからでは無い。
「年上を泣かせるとはやるな~などと思っていたでござるがやはりヘタレでござったか 一安心一安心」
「何が安心なんだよ……」
「秘密でござる」
起き上がり、背伸びをしたかと思うと立ち上がり、噴水の方まで寄っていく。
「休憩終了でござる せっかく広場に来たのでござるから稽古をつけるでござるよ」
「そろそろ宿に帰ったほうが良いんじゃあないか?」
「もう少しリン殿と二人でいたいでござる」
真っ直ぐに言われてしまうと、リンはたじたじとなって何も言い返せない。
「……じゃんけんで済ませたいものだな」
「そう来なくては! お礼に『秘密』を教えるでござるよ」
「秘密……? なんだそれは?」
一体何を知っているのか……アヤカの言葉に耳を傾ける。
「前に拙者じゃんけんを『知らない』と言ったでござるが……あれは嘘でござる」
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