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第21話「勇者祭と臆病神」
しおりを挟む「勇者祭?」
レインは届いたばかりの招待状を眺めながら首を傾げた。メカニカの宿で朝食を取っていた一同も興味深そうに彼の方を見た。
「近隣の町フォルティアで開催される英雄譚の祭典です」
シルビアが説明した。
「毎年この時期に開かれる祭りで、過去の英雄たちの偉業を再現するイベントがあるのよ。今年は特別に『安物神祭り』の成功を聞きつけて、私たちが招待されたみたい」
「どんなお祭りなんだろう?」
シルフが目を輝かせた。前回の祭り騒動から少し経っていたが、彼女はすっかり「祭り好き」になっていた。
「武勇伝の披露や武器の展示、勇者コスチュームコンテストなど、様々な催しがあるわ」
レインは招待状をもう一度見て、ある名前に目を留めた。
「主催者が…ゴルド将軍?」
シルビアも顔を曇らせた。
「元アンジェリア王国の将軍ね。数年前に引退して、フォルティアに移住したと聞いていたわ」
「ゴルド将軍といえば…」
レインは苦い記憶を思い出した。かつてアンジェリア王国の神術学院で、神召喚の儀式に失敗した際、最も激しく彼を罵ったのがゴルド将軍だった。
「無能はさっさと辞めろ! 神官になれる器ではない!」
そう叫んだゴルド将軍の顔が頭に浮かぶ。
「行かなくてもいいんじゃない?」
エルミナが心配そうに言った。しかし、レインはしばらく考えた後、顔を上げた。
「いや、行こう。それに…」
彼はマルスを見た。赤い甲冑を身にまとった戦の神は、テーブルの隅でおとなしく朝食を食べていた。
「マルスの『戦意高揚』バグを安定させるには、『勇者祭』みたいな場所が良いかもしれない」
「え? ぼ、ぼく?」
マルスは驚いた表情で顔を上げた。臆病な彼は、自分の名前が出るだけで緊張するようだった。
「そうだね。勇者の祭典なら、『戦の神』であるマルスが学ぶところも多いはずだよ」
「でも…ぼく、戦うのは…」
マルスは震える声で言いかけたが、レインは優しく微笑んだ。
「無理に戦う必要はないよ。ただ見学するだけでも、何か得るものがあるかもしれない」
こうして、レインたちはフォルティアの「勇者祭」への参加を決めた。
***
フォルティアは高い城壁に囲まれた防衛都市だった。かつては国境の最前線だったが、今は平和な商業都市として栄えている。
町に入ると、至る所に勇者や英雄の像が立ち、カラフルな旗が風になびいていた。街の人々は甲冑や剣を模した衣装を着て、祭りの雰囲気を楽しんでいる。
「わあ、すごい!」
ルナが目を輝かせながら周囲を見回した。確かに圧巻の光景だった。
「せっかくだから、マルスも勇者コスチュームコンテストに出てみたら?」
レインが提案すると、マルスは激しく首を横に振った。
「む、無理です! 人前に出るなんて…」
彼は震えながら、赤い甲冑の面を下げて顔を隠した。本物の戦神なのに、このギャップが彼の特徴だった。
宿に荷物を置いた後、一行は祭りの中心地である「英雄広場」に向かった。そこでは既に多くの催しが行われており、剣術の演武や弓の腕前を競うコンテストが開催されていた。
広場の中央には巨大なステージが設置され、そこには威厳のある男性が立っていた。
「あれが…ゴルド将軍?」
レインは少し緊張した面持ちで言った。ゴルド将軍は60代半ばの堂々とした体格の男性で、金の鎧に身を包み、胸には数々の勲章が輝いていた。
「おや、来たか!」
彼らがステージに近づくと、ゴルド将軍は大きな声で呼びかけた。
「レイン・ヴァルト! 噂の『バグクラフト』の創始者だな」
「は、はい…」
レインは身構えたが、ゴルド将軍は意外にも友好的な笑顔を見せた。
「ようこそ、勇者祭へ! 安物神祭りの噂は聞いているぞ。素晴らしいアイデアだ」
彼は階段を降りてきて、レインの肩を力強く叩いた。
「そして、これが噂の安物神たちか」
ゴルド将軍は一人ずつ安物神たちを見ていき、マルスの前で立ち止まった。
「ほう、これが戦の神か。立派な甲冑だな」
マルスは震えながら小さな声で「あ、ありがとうございます…」と答えた。
ゴルド将軍はしばらくマルスを観察した後、突然大きな声で言った。
「決めた! 今年の『勇者の証』の特別講演は、君たちにやってもらおう!」
「え? 特別講演?」
レインは驚いて聞き返した。
「ああ、『真の勇者とは何か』というテーマで、毎年祭りの最終日に行われる講演だ。今年は君たち、特にこの『戦の神』に話してもらいたい」
「で、でも…」
レインはマルスを心配そうに見た。臆病な彼に「勇者」について講演させるなんて…
「大丈夫だよ、マルス。無理なら僕が…」
「いや、戦神自身に話してもらいたい」
ゴルド将軍は頑として譲らなかった。
「せ、戦の神なのに、臆病という個性…」
マルスは顔を真っ赤にして俯いた。
「まさにそれだ!」
ゴルド将軍は突然目を輝かせた。
「真の勇気とは何か。それを体現している神こそが、最高の講師だ」
マルスはますます混乱し、震え始めた。すると、彼の周囲から赤い霧のようなものが漂い始めた。「戦意高揚」バグが不安から暴走しかけていた。
「マルス、落ち着いて」
レインが彼の肩に手を置いて声をかけると、なんとか霧は収まった。
「わ、分かりました…頑張ります」
マルスは小さな声で答えた。
***
祭りの最終日、「英雄広場」は超満員の観客で埋め尽くされていた。大きなステージには「真の勇者とは何か」という文字が掲げられ、マルスがスピーチをすることが告知されていた。
楽屋では、マルスが震えて立っていられないほどだった。
「ぼ、ぼくには無理だよ…こんなに人がいるなんて…」
「大丈夫だよ、マルス」
レインが励ました。
「あなたの言葉を聞きたいの。戦の神なのに戦いたくない、その矛盾こそが大切なんだよ」
「そうよ、マルス」
ルナも優しく言った。
「あなたは本当の勇気を知っているはず」
マルスは深呼吸をして、少しずつ落ち着いてきた。
「…頑張る」
いよいよ本番。ゴルド将軍の紹介の後、マルスはおずおずとステージに上がった。観客からはどよめきが起こる。「戦の神」という存在自体が珍しいが、その震える姿はさらに意外だった。
「あ、あの…ぼくは…マルスといいます。980円で作られた安物の…戦の神です」
マルスの声は小さく、前列の人にしか聞こえなかった。
「もっと大きな声で!」
観客から声が上がった。マルスはますます緊張し、顔を真っ赤にした。そのとき、彼の周りから赤い霧が漂い始めた。「戦意高揚」バグが暴走したのだ。
霧は観客席に広がり、触れた人々の目が赤く輝き始める。
「俺こそ真の勇者だ!」
突然、観客の一人が立ち上がって叫んだ。
「いや、私が勇者だ!」
別の観客も立ち上がる。
「私の方がもっと勇者にふさわしい!」
次々と観客が立ち上がり、全員が「自分こそ勇者だ」と主張し始めた。会場は一気に混乱の渦に巻き込まれる。
「なんだこれは!?」
ゴルド将軍が叫んだが、彼もすでにバグの影響を受けていた。
「私こそ最強の将軍だ! 私に勝てる者はいない!」
彼は剣を抜き、空を仰いで雄たけびを上げた。
さらに事態は悪化した。マルスの第二のバグ「武器擬人化」までもが発動し始めたのだ。観客たちが持っていた剣や盾、さらには装飾用の武器までもが、突然声を出し始めた。
「私を使え! 私と共に勇者になろう!」
「いやいや、私の方が強力だ! 私を選べ!」
「勇者になりたいなら、この私を振るうのだ!」
武器たちは持ち主の手から飛び出し、自ら動き始めた。大混乱の中、人々は武器に追いかけられたり、逆に武器を追いかけたりしていた。
「マルス、落ち着いて!」
レインがステージに駆け上がったが、マルスは混乱して目を閉じ、頭を抱えていた。
「ぼく…ぼくのせいで…」
そのとき、ゴルド将軍が巨大な笛を取り出し、高らかに吹いた。
「戦技神ティタン! 現れよ!」
笛の音とともに、空から巨大な神が降り立った。筋骨隆々とした巨人のような姿で、全身が青い炎に包まれている。彼の手には巨大な槍があった。
「我、戦技神ティタン! 混乱を鎮めん!」
ティタンは強烈な威圧感で周囲を睥睨した。しかし、予想外のことが起きた。マルスのバグがティタンにまで影響を及ぼしたのだ。
「我こそ…最強の勇者なり!」
突然、ティタンの態度が一変した。彼は槍を空に掲げ、豪快に笑い始めた。
「聞け、民よ! 今から『最強認定コンテスト』を開催する! 最も勇敢な者を見つけ出すのだ!」
ティタンの宣言に、すでに「自分こそ勇者」と思い込んでいた観客たちは大喜び。さらなる混乱が巻き起こった。
「第一の試練、この塔を登り切れ!」
ティタンは槍で地面を突くと、突如として広場に巨大な塔が現れた。人々は我先にと塔を登り始める。
「第二の試練、この川を泳ぎ切れ!」
今度は大きな川が出現。人々は服を着たまま飛び込み始めた。
フォルティアの町全体が巨大な「勇者試験場」と化していく。
「どうすればいいんだ…」
レインは途方に暮れた。ルナやガイア、シルフも混乱を収めようとするが、バグの影響は強すぎた。
ステージでは、マルスがひとり震えながら立ち尽くしていた。彼は周囲の混乱と、それが自分のせいだという事実に絶望していた。
「ぼくなんか…戦の神になるべきじゃなかった…」
彼の小さな呟きを、レインは聞き逃さなかった。
「マルス!」
レインは彼の前に立ち、真剣な表情で言った。
「あなたは臆病かもしれない。でも、だからこそ戦いの恐ろしさを知っている。それが大切なんだよ」
マルスは少し顔を上げた。
「本当の勇気とは何か、あなたなら分かるはずだ」
レインの言葉に、マルスの中で何かが変わり始めた。彼はゆっくりと立ち上がり、震えながらも前を向いた。
「ぼく…」
彼は小さな声で言い始めた。
「ぼくは怖いです…いつも怖いんです…」
観客はまだ混乱していたが、マルスの声に少しずつ耳を傾け始めた。
「でも…それでいいんだと思います」
マルスの声が少しずつ大きくなっていく。
「恐れを知らない勇気は…本当の勇気じゃない」
彼の言葉に、ティタンが足を止めた。
「戦いの恐ろしさを知らなければ…本当の平和も分からない」
マルスの言葉が広場全体に響き渡る。
「真の勇気とは…恐れを知りながらも立ち向かうこと。怖いけど、それでも前に進むこと…」
ティタンがマルスに近づいてきた。
「小さき神よ…汝の言葉、深き真理を含む」
ティタンの目から、バグの赤い光が消えていった。
「我、長き時を戦いし神なれど…恐れを忘れてしまっていた」
マルスがティタンを見上げた。
「恐れることは…弱さではありません。恐れを知る者こそが…大切なものを守れる」
ティタンは静かに頷き、膝をついてマルスと目線を合わせた。
「汝こそ真の戦の神なり…」
ティタンの言葉に、マルスは小さく頷いた。バグの影響は徐々に薄れ、観客たちも我に返り始めた。武器たちも元の姿に戻り、混乱は収まっていった。
広場に静けさが戻ると、突然、大きな拍手が起こった。
「素晴らしい!」
「真の勇気とは何か、分かった気がする!」
「戦の神マルス、最高!」
人々は感動の涙を流しながら、マルスに拍手を送った。彼は恥ずかしそうに頭を下げた。
ゴルド将軍が前に出てきた。彼の目には涙が光っていた。
「レイン・ヴァルト…そしてマルス」
彼は深く頭を下げた。
「かつて私はお前を『無能』と罵った。これほど大きな間違いはなかった」
彼はレインとマルスの前にひざまずいた。
「本当の強さとは何か、今日教えられた。私こそ無能だった…」
会場はさらなる拍手に包まれた。
「赦してくれ」
レインは微笑んで手を差し伸べた。
「過去は水に流しましょう、将軍」
祭りの最後を飾ったのは、ティタンとマルスによる「真の勇気」についての共同講演だった。臆病な安物の戦神と、高級の戦技神が共に語る姿は、誰もが想像していなかった光景だった。
祭りの後、マルスは少し変わったように見えた。まだ臆病ではあるが、より安定した表情を見せるようになった。
「あなた、成長したわね」
ルナが祝福のように言った。
「うん…」
マルスは少し照れながら頷いた。
「恐れることが…ぼくの強さなんだって、やっと分かった」
レインは誇らしげにマルスの肩に手を置いた。
「安物だからこそ、本当の価値が分かる。マルス、あなたは素晴らしい戦の神だよ」
マルスの「戦意高揚」バグは完全には消えなかったが、より制御しやすくなった。「恐怖を知る者こそが真の勇気を持つ」という真理を体得したことで、彼のバグは「弱さの中の強さ」という形に変化し始めていた。
安物神たちの旅は、また一歩、新しい段階へと進んだのだった。
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