転生投資家、異世界で億万長者になる ~魔導株と経済知識で成り上がる俺の戦略~

ソコニ

文字の大きさ
14 / 30

第14話:「障壁の実証実験」

しおりを挟む


市場操作との戦いから三日が過ぎた。エリオットの魔導株価格は14ゴールド前後で安定していたが、誠たちは安心できなかった。

「このままでは、また同じことが繰り返されるわ」

フェニックス・インベストメントの店内で、ミラが懸念を口にした。

「確かに」誠も頷いた。「一時的な株価回復に満足していては駄目だ。ヴァンダーウッド家は次の手を用意しているはずだから」

「もっと決定的な証拠が必要ですね」トビアスが提案した。「エリオットさんの研究が本物であることを、誰の目にも明らかに示せれば…」

三人は黙考した後、誠が決断を下した。

「エリオットの研究室へ行こう。彼の最新の進捗を確認して、次の一手を考えよう」

彼らは店を一時閉め、王立魔法学院へと向かった。前回の訪問時の緊張感はなく、すでに慣れた様子で地下研究室への道を進んだ。

エリオットは研究に没頭していた。彼の周りには複数の魔法陣が浮かび、青い光を放っていた。

「エリオット、調子はどうだい?」

「あ、誠さん!」彼は嬉しそうに顔を上げた。「ちょうど良いところに。新しい成果を見てください!」

彼は研究台の上に小さな装置を指さした。それは掌サイズの魔導石を中心に、複雑な金属のフレームが組まれた精巧な造りだった。

「これが…?」

「はい、携帯型反魔法障壁の試作機です!」エリオットは誇らしげに言った。「小規模ですが、実用レベルの防御力を持っています」

彼は装置を起動し、デモンストレーションを始めた。装置から放たれた青い光が周囲に半球状の障壁を形成する。エリオットは小さな魔法弾を発射し、それが障壁に触れた瞬間に消滅することを示した。

「すごい進歩だね!」誠は感嘆した。「これなら実用性を示せるじゃないか」

「そうね」ミラも目を輝かせた。「これを公開すれば、研究の価値は明らかになるわ」

「それこそが、私の考えていたことです」エリオットは熱心に言った。「実証実験を行いたいんです。できれば王国の高官たちの前で」

「それは素晴らしいアイデアだ」誠は即座に賛同した。「アルフレッドさんを通じて手配できるかもしれない」

「本当ですか!?」エリオットの目が希望に輝いた。

「ただし」誠は冷静に付け加えた。「ヴァンダーウッド家が妨害してくる可能性は高い。準備は万全にする必要がある」

四人は詳細な計画を立て始めた。アルフレッドに連絡を取り、王国防衛関連の高官たちを集めた実証実験を手配してもらう。同時に、エリオットは装置の最終調整と安全対策を徹底する。

「二日後にできそうです」トビアスがアルフレッドとの調整結果を報告した。「王国防衛評議会の数名と、魔法省からの視察官が来るとのことです」

「それまでに準備を整えよう」誠は決意を示した。「この実験の成功が、エリオットの研究と私たちの投資の未来を決める」

---

実証実験の日がやってきた。会場には王立魔法学院の大講堂が選ばれた。朝早くから、誠、ミラ、トビアスはエリオットの手伝いで準備を進めていた。

「装置の最終チェックは問題ないわ」ミラが報告した。彼女は計算式を使って障壁の魔力バランスを確認していた。

「会場の警備も厳重です」トビアスも付け加えた。「アルフレッドさんの手配で、信頼できる騎士団が周囲を警備しています」

「でも油断はできないな」誠は慎重に言った。「ヴァンダーウッド家は何らかの妨害を試みるだろう」

彼らの予想通り、開始時間が近づくにつれ、不穏な兆候が見られ始めた。会場に入る予定だった二人の高官が「急用で」キャンセルし、また別の高官は「体調不良」を理由に欠席を告げてきた。

「ヴァンダーウッド家の圧力ですね」アルフレッドが静かな怒りを隠しながら言った。

それでも、重要な高官は何人か出席してくれた。王国防衛大臣のオーウェン・シールドハート、魔法省次官のクラウディア・スペル、そして商務省の貿易部長ヘンリー・コインメーカーなど、影響力のある人物たちだ。

「予定より少ないけれど、十分な顔ぶれね」ミラが小声で誠に言った。

「ああ。この人たちが認めてくれれば、研究の公式承認は近い」

午後三時、実証実験が始まった。

エリオットは高官たちの前に立ち、研究の背景と意義を簡潔に説明した。イムペリアル帝国の「貫通衝撃波」の脅威、既存の防御魔法の限界、そして彼の反魔法障壁の革新性。彼の説明は明快で論理的だった。

「それでは、実際に装置の性能をお見せします」

エリオットは中央に設置された実験台に進み、携帯型反魔法障壁を起動した。装置から美しい青い光が放たれ、周囲に半径5メートルほどの障壁が形成された。

「まずは通常の攻撃魔法に対する防御効果をご覧ください」

彼の助手を務める学院の生徒が、様々な攻撃魔法を障壁に向けて放った。火球、雷撃、氷の矢—いずれも障壁に触れた瞬間に消滅していく。

高官たちからは驚きの声が上がった。特に、王国防衛大臣は興味深そうに身を乗り出していた。

「次に、より強力な貫通属性の魔法に対する効果です」

エリオットは特別に用意した模擬「貫通衝撃波」を発生させる装置を指示した。これは本物よりはるかに弱いものだが、原理は同じだという。

助手が装置を起動させると、鋭い紫色の光線が障壁に向かって発射された。それは普通の障壁なら簡単に突き抜けるはずの威力を持っていた。

しかし、エリオットの障壁に接触すると、光線は障壁の表面で光の粒子へと分解され、徐々に吸収されていった。

「見事だ!」オーウェン大臣が思わず声を上げた。

「これは…本当に革命的な技術ね」クラウディア次官も感心した様子だった。

実験は順調に進み、エリオットは最後のデモンストレーションに移った。

「これが、本研究の最終目標となる大規模障壁の縮小モデルです」

彼は実験台の中央に、より複雑な装置を設置した。この装置は先ほどよりも大きく、中心には「虚空クリスタル」と呼ばれる特殊な魔導石が組み込まれていた。

「この装置が完成すれば、城壁規模の障壁を生成できるようになります」

エリオットが装置を起動すると、より強力な障壁が形成され始めた。青から紫がかった色に変わり、その範囲も徐々に拡大していく。

しかし、突然、装置から不規則な閃光が発せられ始めた。

「あれ?これは…」エリオットの表情が変わった。「何かおかしい…」

彼が制御パネルを確認すると、数値が急激に上昇していた。通常ありえない挙動だ。

「魔力の流れが乱れています!」エリオットは焦りの表情を見せた。「これは外部からの干渉…!」

誠は即座に状況を理解した。「ヴァンダーウッド家の工作だ!」

装置の異常は急速に悪化し、障壁が不安定に揺らめき始めた。一部が膨張し、別の部分が収縮するという不規則な動きを見せる。

「危険です!皆さん、避難してください!」

エリオットの警告に、高官たちは慌てて後退し始めた。しかし、彼自身は装置の前から動かず、必死に制御を試みていた。

「エリオット、危ない!離れろ!」誠が叫んだ。

「駄目です!このまま放置すれば大爆発を起こします!」エリオットは振り返らず答えた。「学院全体が危険に…!」

装置からは不吉なうなり声が上がり、障壁は次第に赤紫色へと変色していった。その内部では魔力の渦が形成され、周囲の空間を歪め始めている。

「俺も手伝う!」

誠はエリオットの元へ駆け寄った。彼は市場予知能力を使って、魔力の「流れ」を観察した。それは市場の気流と似ていたが、遥かに激しく、複雑だった。

「見える…魔力の流れが…」

誠は集中し、乱れた魔力の流れのパターンを読み取ろうとした。

「ミラ!計算を頼む!」

ミラもすぐに加わり、エリオットの機械から読み取れる数値を基に、魔力安定化のための調整値を計算し始めた。

「エリオット、周波数を33.7に下げて!」誠は魔力の流れを見ながら指示した。「そして東側の出力を20%減らす!」

エリオットは驚いたものの、即座に従った。装置の振動が少し落ち着いたが、まだ完全には安定していない。

「次に、中央の結晶を45度回転させて!」

「ミラ、北と西の出力比は?」

「2対3にするべきよ!」ミラは瞬時に回答した。「そして全体の出力を72%に抑えて!」

三人は完全に息の合った連携を見せた。誠が魔力の流れを読み、エリオットが装置を操作し、ミラが最適値を計算する—この組み合わせが効果を発揮し始めた。

徐々に装置の振動は収まり、障壁の色も落ち着いていった。しかし、最後の不安定要素が残っていた。

「中心に小さな魔力の結び目がある!」誠が叫んだ。「これを解かないと…!」

「でも、どうやって?」エリオットが困惑した表情で尋ねた。

「…魔力の逆転です」トビアスが突然声を上げた。彼も危険を顧みず、三人の傍に駆け寄っていた。「魔法学校で学びました。結び目は逆向きの魔力で解けます!」

「その通りだ!」エリオットの目が輝いた。「でも、逆向きの魔力を正確に生成するには…」

「私が計算する!」ミラが即座に答えた。彼女は紙に数式を書き始めた。

「結び目の座標は…x軸27.3、y軸18.9、z軸42.1…」誠が市場予知能力で読み取った位置を伝える。

ミラは信じられないスピードで計算を進め、「逆転魔力の周波数は528.7Hz、強度は元の魔力の73%!」と結論を出した。

エリオットはその値を装置に入力し、最後の調整を行った。

「今だ!」

彼が発動ボタンを押すと、装置から鮮やかな緑色の光が放たれた。それは障壁内の結び目に向かって収束し、一瞬の閃光と共に消滅した。

障壁全体が安定し、美しい青色に戻った。装置の振動も完全に止まり、室内は静寂に包まれた。

「成功した…」エリオットがつぶやいた。

四人は疲労と緊張から解放され、互いを見つめて安堵の笑みを交わした。

講堂は一瞬静まり返った後、突然の拍手が鳴り響いた。振り返ると、避難していたはずの高官たちが戻ってきており、驚きと敬意に満ちた表情で彼らを見つめていた。

「素晴らしい…」オーウェン大臣が前に進み出た。「これこそ真の魔法研究者の姿だ!危機に直面しても冷静に対処し、技術を守る」

「エリオット・ライトシールド」大臣は厳かな口調で続けた。「あなたの研究は王国にとって無くてはならないものだ。今日から、防衛省の公式支援プロジェクトとして認定しよう」

エリオットの目に涙が浮かんだ。長年の努力が、ようやく認められる瞬間だった。

「そして、この危機を乗り越えたのは、あなた一人ではない」大臣は誠、ミラ、トビアスにも目を向けた。「フェニックス・インベストメントの皆さんの貢献も、王国は高く評価します」

クラウディア次官も加わった。「魔法省としても全面的に協力します。これほどの才能と連携力は、国家の宝です」

高官たちは次々と彼らを称え、支援と協力を約束した。

実験後、装置を調査したところ、外部から魔力干渉装置が仕掛けられていたことが判明した。ヴァンダーウッド家の仕業だという証拠はなかったが、状況から考えて間違いないだろう。

「彼らは本当に命まで狙ってくるのね…」ミラは怒りを込めて言った。

「しかし、結果的には私たちの勝利だ」誠は冷静に答えた。「この実験で、エリオットの研究価値が公に認められた。もう彼らも露骨な妨害はできないだろう」

アルフレッドが彼らのもとに来て、祝福の言葉を述べた。

「素晴らしい成果だ。私の予想を遥かに超える展開だった」彼はにこやかに言った。「これで王国内での政治的支援も確保できる。ヴァンダーウッド家も簡単には手を出せまい」

「アルフレッドさん、ありがとうございます」誠は深く頭を下げた。「あなたの支援がなければ、ここまで来られませんでした」

「いや、すべては君たちの努力の結果だ」アルフレッドは真摯に答えた。「私は単に機会を提供しただけさ」

帰り道、誠、ミラ、トビアスはエリオットと共に学院の中庭で休息していた。彼らは疲れていたが、達成感に満ちていた。

「皆さん、本当にありがとうございました」エリオットは心からの感謝を込めて言った。「特に危機の時、私一人では絶対に乗り越えられなかった」

「私たちはパートナーだからね」誠は微笑んだ。「お互いを助け合うのは当然だ」

「そうよ」ミラも頷いた。「それに、あなたの研究は本当に価値があるわ。王国のためにも、絶対に成功させなきゃ」

「僕も最高の経験になりました!」トビアスは目を輝かせて言った。「魔法と投資が融合する瞬間を見られて、感激です!」

四人は笑い合い、夕暮れの空を見上げた。

「さあ、明日からは新しい段階だ」誠は決意に満ちた声で言った。「エリオットの研究は公式支援を得て加速するし、フェニックス・インベストメントも新たな評価を得ることになる」

彼らの心には、困難を乗り越えた充実感と、これからの未来への希望が満ちていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

処理中です...