万華鏡の魔法都市

ソコニ

文字の大きさ
6 / 20

第6話「消えた守護者と追憶の試練」

しおりを挟む


都市評議会の緊急会議室は緊張感に包まれていた。長い楕円形のテーブルを囲むように、評議員たちが厳しい表情で着席している。テーブル中央には万華鏡都市の魔法投影図が浮かび、六大門のうち二つ—〈蒼炎の門〉と〈銀鏡の門〉—が赤く点滅して機能停止を示していた。

「事態は想定以上に悪化している」評議会議長のエラディウスが重い口調で言った。「二つの門が機能を停止し、都市の魔法均衡は危機的状況にある」

「市民への影響は?」若い女性評議員が尋ねた。

「魔法変動による建物の損傷、公共施設の機能不全、一部地域での魔法暴走現象…」側近が報告を読み上げる。「さらに魔法依存症状を訴える市民が病院に殺到しています」

リアナの父ヴァルターは静かに座っていたが、その目には奇妙な光が宿っていた。彼は投影図を見つめながら、微かに満足げな表情を浮かべていた。

「緊急事態を宣言する」エラディウスは宣言した。「均衡守護団に残りの門の警備強化を命じる。魔法学院は防衛魔法の研究を最優先せよ。市民には部分的な真実を伝え、パニックを防ぐ」

「部分的な真実とは?」別の評議員が問うた。

「魔法システムの一時的な不具合と説明する」エラディウスは答えた。「完全な崩壊の可能性については言及しない」

会議は一時間近く続き、様々な対策が議論された。しかし、根本的な解決策は見つからないままだった。

---

〈緋色の門〉は都市の西区に位置し、古い石造りの円形建造物として存在していた。外見は一般的な記念碑のように見えるが、内部には複雑な魔法回路が組み込まれ、都市全体の魔法均衡を支える重要な役割を果たしていた。

アレンとマーカスは門の周囲をパトロールしていた。評議会の命令により、残りの四つの門には均衡守護団の精鋭が配置され、四六時中監視する体制が敷かれたのだ。

「本当に〈影の観測者〉は残りの門を狙っているのだろうか」アレンは空を見上げながら問いかけた。朝から雲が広がり、都市全体が灰色の光に包まれていた。

「間違いない」マーカスは厳しい表情で答えた。「彼らの目的は均衡の崩壊にある。六大門すべてを破壊すれば、都市全体の魔法システムが崩壊するだろう」

二人は門の周囲を一周し、魔法センサーの状態を確認した。センサーは異常を検知した場合、即座に警報を発する仕組みになっていた。

「あれは…」マーカスが指さす方向に、エミリアが急いで近づいてくる姿が見えた。

「マーカスさん、アレンさん!」彼女は息を切らしながら二人に駆け寄った。「リアナさんからの連絡です。彼女はヴァルター評議員と対話を試みたそうですが…」

「失敗したのか?」マーカスが尋ねた。

エミリアは頷いた。「彼女の父は『均衡の崩壊は必要悪だ』と主張し、リアナさんに考えを改めるよう迫ったそうです。さらに…」

彼女は周囲を確認してから声を潜めた。「リアナさんは父の研究室から〈影の観測者〉の本拠地の場所を記した地図を密かに入手したそうです。彼女は今、その情報を確認しています」

「よくやった」マーカスは感心した様子で言った。「今夜、本部で作戦会議を開こう。エミリア、そのことをリアナに伝えてくれないか」

「はい」エミリアは頷いた。「それから、〈翠玉の門〉の監視を担当しているラッドさんからも報告がありました。門の周囲で不審な魔法痕跡が検出されたそうです」

「〈翠玉の門〉が次の標的か…」アレンはつぶやいた。

「私は本部に戻ります」エミリアは二人に軽く会釈した。「引き続き警戒をお願いします」

彼女が去った後、マーカスはアレンに向き直った。

「アレン、昨夜の話だが…本当に自分が均衡の守護者だと確信しているのか?」

アレンは深く息を吐いた。「確信とまでは言えないが…夢で見たことや、予言の描写と自分の特性が一致していることを考えると、可能性は高いと思う」

「ならば、お前は特別な存在だ」マーカスは真剣な眼差しでアレンを見た。「実は、『均衡守護団』という名前自体、『均衡の守護者を支える団体』という意味だったんだ。昔は守護者と直接連携していたらしい」

「そうだったのか…」アレンは驚いた。「でも、なぜ今まで誰も教えてくれなかったんだ?」

「長い間、均衡の守護者は伝説とされてきた。最後の守護者が姿を消してから数十年が経ち、多くの人はその存在を疑うようになった。だが、古参の団員たちは知っている。いつか守護者が再び現れると」

二人は〈緋色の門〉の中心部に向かって歩き始めた。門の内部は美しい赤い結晶で覆われ、中央には緋色に輝く魔法核があった。

「この魔法核が、都市全体の魔法均衡を支える六つの柱の一つなんだな」アレンは感嘆の声を上げた。

「ああ」マーカスは頷いた。「第一の魔法使いが千年前に確立した均衡システムの要だ」

アレンが魔法核に近づいた瞬間、突然、激しい頭痛に襲われた。彼の視界が歪み、足元がふらついた。

「アレン!」マーカスの声が遠くから聞こえる。

アレンは意識を失い、周囲の世界が溶けていくような感覚に包まれた。

---

アレンが目を開くと、そこは見知らぬ空間だった。無限に広がる白い空間に、七色の光が波のように揺れている。彼は自分の体が半透明になっていることに気づいた。

「ここは…どこだ?」

「追憶の試練の場」静かな声が響いた。

光の中から一人の人物が現れた。中年の男性で、アレンと似た面影を持っていた。彼の体も半透明で、淡い光に包まれていた。

「私はカイル、前任の均衡守護者だ」男性は穏やかに言った。

「前任の…?」アレンは困惑した。「あなたが最後の守護者?」

「そうだ」カイルは頷いた。「私は五十年前、都市の危機に際して核と一つになった。私の魂は今も万華鏡の塔の核の中に存在している」

「なぜ僕がここに?」

「お前が均衡の守護者に選ばれた者だからだ」カイルは真摯に答えた。「〈緋色の門〉の核が、お前の中に眠る力を感知し、この場に引き寄せたのだ」

カイルの背後に、さらに多くの人影が浮かび上がり始めた。様々な時代の服装をした男女、彼らはみなアレンと似た特徴を持っていた。

「彼らは…?」

「過去の均衡守護者たち」カイルは説明した。「千年の間、代々、都市の均衡を守るために自らの存在を犠牲にしてきた者たちだ」

アレンは圧倒された。彼らの数は数十人にも及び、最も古い者は第一の魔法使いの時代の衣装を身につけていた。

「私たちの記憶はここに宿っている」カイルは続けた。「すべての守護者の思い出は、魔法の流れの中に星のように留められているのだ」

「でも、なぜ僕は自分が守護者だということを覚えていないんだ?」アレンは問いかけた。

「お前の記憶は封印されている」カイルは静かに答えた。「それはお前を守るためだ」

「守る?」

「そう」カイルは深くため息をついた。「均衡の守護者の力は強大だ。その力がすべて一度に目覚めれば、お前の体と精神は耐えられない。だから段階的に目覚めさせる必要がある」

アレンはカイルの言葉を理解しようと努めた。「じゃあ、夢で見る過去の映像や、魔法を感じる能力は…」

「お前の力が少しずつ目覚めている証拠だ」カイルは頷いた。「しかし、完全な覚醒にはまだ時間がかかる」

「僕の記憶を取り戻すことはできるの?」

カイルの表情が暗くなった。「できる。だが、代償を伴う」

「代償?」

「記憶を取り戻すことで、お前は均衡守護者としての力を完全に目覚めさせることになる。しかし、その力と引き換えに、お前は『人間としての生』を失う危険性がある」

アレンは息を呑んだ。「人間としての生を失う…?」

「守護者としての力が全開放されれば、お前は都市の魔法と完全に一つになる。それは人間という存在の枠を超えることを意味する。私たち前任者のように、物質的な体を失い、魔法の流れの一部となるのだ」

恐ろしい選択だった。アレンは自分の存在そのものを賭けることになる。しかし、都市の崩壊を止めるためには、それが必要なのかもしれない。

「時間はあまりない」カイルは警告した。「六大門のうち二つがすでに破壊された。残りの門も危険にさらされている。お前は選択を迫られるだろう」

「どうすれば正しい選択ができる?」アレンは不安を隠せなかった。

「心に問え」カイルは穏やかに答えた。「すべての答えはお前の中にある」

カイルは手を伸ばし、アレンの胸に触れた。その瞬間、強い光がアレンを包み込み、彼の中に温かな力が流れ込んだ。

「これは私の力の一部だ」カイルの声が響いた。「必要な時に役立つだろう」

周囲の光が強まり、過去の守護者たちの姿が徐々に霞んでいく。

「待って!まだ聞きたいことが…」

「また会おう、新たなる守護者よ」

---

「アレン!アレン!」

マーカスの声に呼び戻され、アレンは目を開いた。彼は〈緋色の門〉の床に横たわっていた。マーカスが心配そうな表情で彼を見下ろしている。

「何があった?突然倒れたから驚いたぞ」

アレンはゆっくりと体を起こした。体の中に新たな力が流れているのを感じた。それはまるで静かな小川のように、彼の血管を通って全身に広がっていた。

「マーカスさん…信じられないかもしれないが、『追憶の試練』というものを体験したんだ」

アレンは試練の中で見たことをすべてマーカスに話した。過去の守護者たち、カイルとの対話、そして自分の選択が都市の運命を左右するという予言。

マーカスは驚きながらも、信じる目でアレンを見つめた。

「昔から伝わる伝説だった…」マーカスはつぶやいた。「『追憶の試練』は新たな守護者が覚醒する前に必ず訪れるという…」

「マーカスさん、僕は本当に均衡の守護者なのか?」

「もはや疑う余地はない」マーカスは力強く言った。「お前こそ我々が長い間待ち望んでいた存在だ。均衡守護団は本来、お前を守り、支えるために存在する」
アレンは立ち上がり、〈緋色の門〉の魔法核を見つめた。核は以前より強く輝き、まるで彼に応答するかのように脈動していた。

「力を感じる...」アレンは小さく呟いた。「でも、まだ完全ではない」

「完全な覚醒には時間がかかるだろう」マーカスは彼の肩に手を置いた。「だが、今は他の問題に集中しなければならない。〈影の観測者〉の動きが活発化している。彼らは残りの門を狙っている」

「そうだね」アレンは深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。「今夜の作戦会議で、みんなで対策を考えよう」

二人は門の警備を続けることにした。アレンの中にはカイルから受け継いだ力が静かに息づいていた。

---

夕暮れ時、リアナはヴァルター家の広大な邸宅の中を静かに歩いていた。彼女は父の書斎へと向かっていた。日中、父との対話を試みたが失敗に終わったことで、彼女の心は重かった。

父の書斎のドアの前で立ち止まり、ノックした。

「お父様、話があります」

「入りなさい、リアナ」ヴァルターの落ち着いた声が返ってきた。

彼女がドアを開けると、ヴァルターは窓辺に立ち、沈みゆく太陽を見つめていた。彼の姿は夕日に照らされ、長い影を部屋に落としていた。

「また来たのか」彼は振り返らずに言った。「朝の議論は十分だったと思うが」

「お父様、なぜ?」リアナは真っ直ぐに質問した。「なぜ〈影の観測者〉と手を組み、都市を危険にさらしているのですか?あなたは評議会の一員なのに」

ヴァルターはゆっくりと娘の方を向いた。彼の青い瞳には深い知識と決意が宿っていた。

「リアナ、お前はまだ若い」彼は静かに言った。「均衡の真の姿を理解していない」

「教えてください」リアナは一歩前に進んだ。「私に真実を話してください」

ヴァルターは長い沈黙の後、ため息をついた。

「均衡は幻想だ」彼は言った。「第一の魔法使いが作り出した人工的な秩序に過ぎない。本来、魔法はもっと自由で、もっと強力なものだった」

「でも、均衡があるからこそ、都市は安定しているのでは?」

「表面的な安定さ」ヴァルターは冷ややかに笑った。「千年の間、我々は制限された魔法の中で生きてきた。真の可能性を知らずに」

「だからといって、暴力的に均衡を崩すのは間違っています」リアナは声を強めた。「市民たちが苦しんでいます」

「均衡の崩壊は必要悪だ」ヴァルターは厳しい口調で言った。「古いシステムが崩れなければ、新しいものは生まれない。創造は破壊を伴うものだ」

「でも、別の方法があるはずです」

「ない」ヴァルターは断固として言った。「千年の研究の末に辿り着いた結論だ。均衡の崩壊は避けられない」

リアナは言葉に詰まった。彼女の心は父への愛と、都市を守るという使命の間で引き裂かれていた。

「リアナ」ヴァルターは近づいてきて、彼女の肩に手を置いた。「考えを改めなさい。我々の側に立てば、新しい時代の創造に参加できる。お前には特別な才能がある。私たちと共に働けば、お前の可能性も広がるだろう」

「お父様...」

「よく考えることだ」ヴァルターは彼女から離れ、書斎の奥へと歩いていった。「時間はあまりない」

リアナは言いたいことがたくさんあったが、父の決意の固さを感じ、それが無駄な努力だと悟った。彼女は静かに部屋を後にした。

ドアを閉めた後、彼女は廊下で深呼吸をした。父の説得は失敗したが、彼女は別の目的も持っていた。書斎に入る前に、彼女は父の研究室に立ち寄り、〈影の観測者〉の本拠地の地図を密かに入手していたのだ。

その地図を胸に押し当て、リアナは決意を固めた。「お父様、あなたを止めなければ」

---

夜、均衡守護団本部の小さな会議室に、アレン、リアナ、マーカス、エミリア、そして新たに参加したラッドが集まっていた。ラッドは〈翠玉の門〉の監視を担当する守護団員で、がっしりとした体格と鋭い目を持つ男性だった。彼の専門は「鍛冶魔法」と呼ばれる、金属を自在に操る特殊な術式だった。

「情報を共有しよう」マーカスがリーダーシップを取った。「アレン、お前から始めてくれ」

アレンは〈緋色の門〉での体験、「追憶の試練」で学んだことを詳しく説明した。彼が均衡の守護者であること、そして過去の守護者たちとの繋がりについて。

「信じられないな」ラッドが感嘆の声を上げた。「伝説の均衡守護者が、ここにいるとは」

「まだ完全な力は目覚めていないけど」アレンは謙虚に言った。

次にリアナが父との対話の内容と、入手した地図について報告した。

「これが〈影の観測者〉の本拠地の場所よ」彼女は地図を広げた。「都市の外周、北西の廃坑の近くに隠された施設があるわ」

「ヴァルター評議員は本気で均衡の崩壊を望んでいるのか」マーカスは厳しい表情を浮かべた。

「はい」リアナは悲しそうに頷いた。「父は『均衡は幻想だ』と信じ込んでいます。魔法の真の解放のためには、現在の秩序を壊す必要があると」

「だが、それは都市全体を危険にさらすことになる」エミリアが指摘した。

「ラッド、〈翠玉の門〉の状況は?」マーカスが尋ねた。

「不審な魔法痕跡が増えている」ラッドが報告した。「門の周囲で〈影の観測者〉と思われる者たちの目撃情報もある。彼らは次の攻撃の準備をしていると思われる」

「〈翠玉の門〉が次の標的か…」アレンはつぶやいた。

「我々にはどのような選択肢がある?」エミリアが問いかけた。

マーカスは考え込み、やがて決断を下した。「二つの方針を同時に進める。一つは〈翠玉の門〉の防衛強化。もう一つはアレンの能力の覚醒を促進すること」

「僕の能力を?」

「守護者の力が完全に目覚めれば、均衡を立て直す可能性がある」マーカスは説明した。「もちろんリスクもあるが、今は賭けに出る時だ」

「アレンの記憶と能力を取り戻す方法はあるの?」リアナが尋ねた。

「古い伝説によれば」マーカスは言った。「守護者の力は『試練』を通じて目覚めるという。アレンはすでに『追憶の試練』を経験した。次は『共鳴の試練』があるはずだ」

「それはどこで?」アレンが問うた。

「おそらく、万華鏡の塔の核に近い場所だろう」マーカスは推測した。「だが、塔の内部は厳重に警備されている。単純に侵入することはできない」

「私なら父のメダルを使えば」リアナが提案した。

「危険すぎる」エミリアが反対した。「あなたの父はすでにあなたを疑っているでしょう」

議論が続く中、ラッドが新たな提案をした。

「私には別の案がある」彼は静かに言った。「都市の古い水路を通れば、塔の地下に潜入できるかもしれない。かつて警備の仕事をしていた時に、その経路の存在を知った」

「それは本当か?」マーカスは驚いた様子だった。

「保証はできないが、試す価値はある」ラッドは答えた。

「では、計画はこうだ」マーカスは決断した。「ラッドとエミリアは〈翠玉の門〉の警備を強化する。アレン、リアナ、そして私は水路からの潜入を試みる。アレンの力を目覚めさせるのが最優先だ」

全員が同意し、明日の夜に作戦を実行することに決めた。

会議が終わると、アレンはふと窓の外を見た。万華鏡の塔からの光は以前より弱まり、不規則に揺らいでいた。時間が迫っていることを、彼は肌で感じていた。

「アレン」リアナが彼に近づいた。「怖くない?」

「正直、怖いよ」アレンは小さく微笑んだ。「でも、やるべきことはやらなきゃならない」

「私はあなたを信じてる」リアナは彼の手を軽く握った。「あなたならきっと都市を救える」

アレンは彼女の温かさに力づけられた。たとえ自分が「人間としての生」を失う危険があっても、大切な人々と都市を守るために、彼は前進する決意を固めた。

「明日、万華鏡の塔で真実に向き合おう」

夜空には雲が広がり、万華鏡の塔の揺らめく光だけが、暗闇の中で静かに輝いていた。都市の運命を左右する戦いが、今まさに始まろうとしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

盾の間違った使い方

KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。 まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。 マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。 しかし、当たった次の瞬間。 気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。 周囲は白骨死体だらけ。 慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。 仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。 ここは―― 多分、ボス部屋。 しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。 与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる 【異世界ショッピング】。 一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。 魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、 水一滴すら買えない。 ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。 そんな中、盾だけが違った。 傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。 両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。 盾で殴り 盾で守り 腹が減れば・・・盾で焼く。 フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。 ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。 ――そんなある日。 聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。 盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。 ​【AIの使用について】 本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。 主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。 ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

サイレント・サブマリン ―虚構の海―

来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。 科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。 電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。 小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。 「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」 しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。 謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か—— そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。 記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える—— これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。 【全17話完結】

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

処理中です...