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第13話:「見えざる敵と記憶の守り人の都」
しおりを挟むクロノシアに戻った一行は、イグニスの知人が経営する小さな宿に身を寄せていた。フィリアは二日間眠り続け、三日目の朝にようやく目を覚ました。しかし、彼女の状態は依然として安定せず、顔色は青白く、歩くことさえ困難な状態だった。
「このままでは危険です」イグニスは宿の一室でレナスとヴァルターに向かって言った。「彼女の力は急激に覚醒したため、体がその負担に耐えられていない」
「何か治療法はないのか?」レナスは心配そうに尋ねた。窓の外では雨が降り始め、街の上空に広がる虚空の亀裂が雨雲を通して幻想的に輝いていた。
「あります」イグニスは窓の外を見ながら答えた。「記憶の守り人の隠れ都市、メモリアスへ向かうべきです。そこなら彼女を治療できる技術と知識がある」
「メモリアス?」ヴァルターが眉をひそめた。「伝説の都市か?その存在は噂でしか聞いたことがない」
「存在します」イグニスは静かに言った。「私はそこで育ちました。神々の知識と技術を守る最後の砦です」
レナスはフィリアの休む部屋の方を見た。彼女の力の覚醒と共に、彼自身の体にも変化が起きていた。時の記憶の力を得てから、彼の右目の金色がより鮮やかになり、時折周囲の時間の流れが見えるような感覚を覚えるようになっていた。
「距離はどれくらいだ?」レナスが尋ねた。
「ここから南西に五日の旅程」イグニスは答えた。「平地を抜け、霧の谷を渡れば到着します。だが、その場所は特別な導きがなければ見つけられない」
「フィリアは旅に耐えられるのか?」ヴァルターが心配そうに言った。
「特別な担架を用意します」イグニスは説明した。「そして魔法の薬で彼女の容体を安定させる。それでも危険は伴いますが、このままではより危険です」
レナスは深く考え、やがて決断した。「メモリアスへ向かおう」
---
翌日の夜明け、彼らはクロノシアを出発した。イグニスが用意した担架にフィリアを乗せ、四人は南西へと進路を取った。ヴァルターとイグニスが交代で担架を運び、レナスは周囲を警戒した。
時の神殿での出来事以来、神殺しの徒の動きが活発になっていた。街道では黒装束の集団に関する噂が広がり、レナスたちは人目を避けるために脇道を通って移動した。
「森の抜け道を通れば、二日で霧の谷に着きます」イグニスが地図を見ながら言った。
森の中を進む途中、レナスの「時の記憶」の力が突如として活性化し、彼は立ち止まった。目の前の景色が歪み、同じ場所の過去の姿が重なって見えた。そこには大勢の人々が南へ向かって移動する姿があった。
「何が見えるんだ?」ヴァルターが尋ねた。
「記憶の守り人たちだ」レナスは呟いた。「神々の時代の終わりに、この道を通って南へと向かった。彼らは神々の知識を守るために…」
イグニスは静かに頷いた。「その通りです。メモリアスは神々の時代の遺産を守るために建設された都市。世界から隠れるように存在しています」
旅の三日目、彼らは「霧の谷」と呼ばれる場所に到達した。谷全体が濃い霧に覆われ、視界は数メートル先も見えなかった。
「ここからは私の導きに従って」イグニスは懐から小さな水晶のコンパスを取り出した。「これが道を示してくれます」
霧の中を進むにつれ、不思議な現象が起き始めた。周囲から囁き声が聞こえ、時折幻影のような人影が見えた。
「気をつけて」イグニスは警告した。「霧の谷は記憶と現実の境界が薄い場所。過去の記憶が実体化することがある」
レナスは急に左側に人影を感じ、振り向いた。そこには若い女性の姿があった。彼女は白い衣装を身につけ、腕には神々の文様が刻まれていた。レナスが驚いて見つめると、女性は微笑み、「器として育て」と言った後、霧の中に消えた。
「今の…」レナスは動揺した様子で言った。
「あなたの過去の記憶の一部かもしれません」イグニスは静かに答えた。「霧はそれを引き出す」
ヴァルターも時折立ち止まり、何かを見つめるような素振りを見せた。彼もまた、自分の過去に関する幻影を見ているようだった。
「もうすぐです」イグニスが谷の中央で立ち止まった。「ここで合図を送ります」
彼は水晶のコンパスを高く掲げ、古代語で何かを唱えた。すると、コンパスが青く輝き、その光が霧を貫いて上空へと伸びていった。しばらくすると、霧の中から応答するように金色の光が現れ、彼らの前に道が開け始めた。
「都市への入り口です」イグニスが言った。「私たちを迎えに来てくれたようだ」
霧が晴れた先に現れたのは、白い石造りの門だった。門の前には数名の人物が立っており、彼らは皆、特徴的な青い刺繍の入った衣装を着ていた。
「イグニス様、お帰りなさい」先頭の年配の男性が深々と頭を下げた。「そして神の器の方々をお連れになるとは…予言通りです」
「アモン長老」イグニスは敬意を込めて応じた。「妹のフィリアが力の覚醒により衰弱しています。緊急の治療を」
アモンと呼ばれた長老は素早くフィリアの状態を確認し、部下たちに指示を出した。彼らは特殊な光を放つ担架にフィリアを移し、先に進んでいった。
「こちらへどうぞ」アモンはレナスたちに言った。「メモリアスへようこそ」
---
霧の向こうに広がる光景に、レナスとヴァルターは言葉を失った。谷の奥には、巨大な盆地があり、その中に輝く都市が広がっていた。メモリアスは白い石と水晶で建てられた建物が立ち並び、その間を光の道が走り、空中には小さな光の球体が浮かんでいた。都市の中央には巨大な塔が聳え、その頂上から虹色の光が放たれていた。
「神々の技術…」ヴァルターが息を呑んだ。
「そして人間の知恵の融合です」アモンが補足した。「メモリアスは神々の時代の知識と現代の技術が調和した都市。私たち記憶の守り人の最後の砦です」
彼らは光の道を通って都市の中心部へと向かった。道中、多くの住民たちが彼らを見つめ、特にレナスの姿に驚きの表情を浮かべた。彼の右目の金色と、体に浮かぶ文様は、この都市の人々にとって特別な意味を持つようだった。
「彼らは知っているんですね」レナスが静かに言った。「私が何者か」
「はい」アモンは頷いた。「神の器の来訪は古くから予言されていました。特に金色の瞳を持つ者の到来は、時の転換点を意味します」
都市の中央に聳える「記憶の塔」と呼ばれる建物の中で、フィリアは特別な治療室に運ばれた。部屋の中央には水晶の台があり、その周囲には古代の文字が刻まれた円形の装置が設置されていた。
「彼女の力を安定させるための装置です」アモンが説明した。「神の力が暴走しないよう、調和させます」
フィリアは水晶の台に横たえられ、数名の治療師たちが彼女の周りに集まった。彼らは古代語で詠唱を始め、部屋中に青い光が広がった。
「彼女は大丈夫なんだろうか?」レナスが心配そうに尋ねた。
「ええ」アモンは安心させるように答えた。「彼女の状態は既に安定に向かっています。数日の休息で回復するでしょう」
治療が始まる中、アモンはレナスとヴァルターを別の部屋へと案内した。そこは広い円形の部屋で、壁一面に古代の書物や巻物が並んでいた。
「評議会の間です」アモンが説明した。「ここで記憶の守り人の長老たちが、重要な決断を下します」
部屋の中央のテーブルには、既に数名の老人たちが座っていた。彼らは皆、独特の威厳を持ち、深い知恵の光を目に宿していた。
「神の器レナス」中央に座る白髪の女性が静かに言った。「私はセラ、記憶の守り人の最高評議員です」
レナスは敬意を込めて頭を下げた。
「あなたの来訪は、多くの予言の実現を意味します」セラは続けた。「特に時の記憶の力を持つ者として」
「あなたは私のことを知っているようですね」レナスは静かに言った。
「断片的にです」セラは認めた。「神々が去った後、彼らは様々な予言と知識を私たちに残しました。その中には、『神の器』と呼ばれる存在についての言及がありました」
「私は何者なのですか?」レナスは率直に尋ねた。「なぜ神々は私を選んだのか」
セラは他の長老たちと視線を交わし、やがて決意したように息を吐いた。
「あなたとフィリアは特別な存在です」彼女は慎重に言葉を選んだ。「神々の時代の終わりに、特別な儀式によって生み出された『神の器』。あなた方は神々の力を受け継ぎ、世界の均衡を保つために創られたのです」
「私とフィリアが…」レナスは言葉を詰まらせた。
「あなた方は血のつながりはありませんが、魂の双子とも言える存在」セラは続けた。「レナスは力を受け取る器、フィリアはその力を形にする者。二人揃って初めて、神々の詩の真の力を引き出すことができるのです」
この啓示に、レナスは深く考え込んだ。彼とフィリアの間に感じていた不思議な繋がりの理由が、ようやく理解できた気がした。
「しかし、そのような大きな力には、常に危険が伴います」別の長老が言った。「神殺しの徒があなた方を狙っているのも、そのためです」
「彼らは神々の力が世界に戻ることを恐れているのだろうか?」ヴァルターが尋ねた。
「恐れているのではなく」セラが答えた。「彼らには別の目的があるのです」
その時、突然警報の音が鳴り響いた。部屋の中央に浮かぶ水晶球が赤く点滅し始めた。
「侵入者!」アモンが叫んだ。「都市の外周で結界が破られました」
---
メモリアスの防衛システムが作動し、光の道が赤く変色した。住民たちは慌ただしく避難を始め、守護者たちが武器を手に取って配置についた。
「何が起きている?」レナスがアモンに尋ねた。
「神殺しの徒の可能性があります」アモンは緊張した面持ちで言った。「だが、結界を破るほどの力を持つとは…」
「フィリアは?」レナスが心配そうに言った。
「治療室は最も安全な場所です」セラが安心させるように言った。「彼女は守られています」
レナスとヴァルターは記憶の塔の最上階に案内された。そこからは都市全体を見渡すことができた。外周の霧の中で光の点滅が見え、戦闘が起きていることが分かった。
「彼らはどうやって都市を見つけたのだろう?」ヴァルターが眉をひそめた。
「内部に協力者がいるのかもしれません」アモンが重い口調で言った。「長い間、私たちは神殺しの徒のスパイの存在を疑っていました」
その時、塔の警報が再び鳴り響いた。
「内部侵入!」声が響いた。「治療区画に侵入者が!」
レナスは即座に反応し、治療室へと駆け出した。ヴァルターも彼に続いた。二人が治療室に到着すると、そこには混沌とした光景が広がっていた。治療師たちが倒れ、フィリアの水晶の台の前に一人の黒装束の人物が立っていた。
「止まれ!」レナスが叫んだ。
人物—明らかに神殺しの徒のスパイ—は振り返った。彼の手には奇妙な球体があり、それは紫色の霧を放出し始めていた。
「遅すぎた、神の器よ」スパイは冷たく言った。「記憶喪失の霧を喰らえ」
球体から猛烈な勢いで紫の霧が噴出し、部屋中に広がり始めた。霧に触れた警備員たちが混乱した様子で立ち尽くし、自分が何をしていたのかを忘れたかのように周囲を見回した。
「記憶を奪う霧だ!」ヴァルターが警告した。「近づくな!」
しかし、霧は急速に広がり、レナスとヴァルターも包み込もうとしていた。霧に触れた者たちは次々と記憶を失い、混乱に陥っていた。
レナスは本能的に動いた。彼の体の文様が青く輝き始め、右目の金色がより鮮やかになった。「時の記憶」の力が彼の中で活性化し、神々の詩の言葉が意識の中に浮かび上がった。
彼は声高らかに詩を詠み始めた。
「エオス・メモリア・サルヴァトーレ・テンポリス」
古代語の言葉が彼の口から流れ出る瞬間、彼の体から青白い光が放射された。その光は紫の霧と接触するとそれを押し返し、浄化していった。
神殺しの徒のスパイは驚愕の表情を浮かべ、後退りした。「こんなことは…」
レナスの詠唱が続き、光の輪が部屋中を満たしていった。霧は次第に消え去り、混乱していた人々の目に再び意識の光が戻った。
「い、いやあぁぁ!」スパイは恐怖に叫び、逃げようとしたが、回復したヴァルターによって取り押さえられた。
レナスの詠唱が終わると同時に、彼の力も尽きた。彼はよろめき、膝をついた。体中の力が抜け、視界が暗くなる中、彼は倒れる直前にフィリアの姿を見た。彼女は水晶の台の上で微かに目を開け、彼を見つめていた。
「レナス…さん」彼女の弱々しい声が聞こえた。
それが、彼が意識を失う前に聞いた最後の言葉だった。
---
レナスが意識を取り戻したのは、それから丸一日後のことだった。彼は記憶の塔の特別室で目を覚ました。部屋は柔らかな光に満たされ、窓の外には夕暮れの空が見えた。
「目が覚めたか」
振り向くと、ヴァルターが椅子に座っていた。彼の顔には安堵の色が浮かんでいた。
「何が…」レナスは起き上がろうとして、体の痛みに顔をしかめた。
「無理するな」ヴァルターが言った。「君は多くの力を使った。体がその反動を受けている」
レナスは自分の腕を見た。そこには新たな文様が刻まれていた。以前の文様に重なるように、時計のような模様が現れていた。
「これは…」
「クロノスの詩の力が具現化したものだろう」部屋に入ってきたイグニスが言った。「君は『時の記憶』の力を完全に解放した」
「スパイは?フィリアは?」レナスは心配そうに尋ねた。
「スパイは捕らえられ、尋問されています」イグニスが答えた。「彼がどうやって都市の位置を突き止めたのかは、まだ分かっていません」
「フィリアは回復に向かっています」ヴァルターが続けた。「君が記憶喪失の霧から彼女を守ったことで、彼女の治療も順調に進んでいるようだ」
レナスは安堵のため息をついた。
「君がやったことは驚くべきことだ」イグニスが感嘆の声で言った。「記憶喪失の霧は古代の禁術。それを詩の力だけで打ち消すとは…」
「本能的だった」レナスは静かに言った。「詩の言葉が自然と浮かんできた」
「それこそが神の器の力です」イグニスは頷いた。「神々の詩を受け取り、必要な時に解放する」
窓の外を見ると、虚空の亀裂がより鮮明に見えるようになっていた。それは世界中で広がっている現象だという。神々の詩が集まるほど、亀裂は大きくなり、楽園の姿がより明確になっていく。
レナスは静かに考えを巡らせた。彼とフィリアは神々によって創られた「神の器」。二人が詩を集め、力を解放することで、世界には何が起こるのだろうか。そして神殺しの徒の真の目的とは—
彼の考えは、部屋のドアが開く音で中断された。そこに立っていたのは、杖を頼りにかろうじて立っているフィリアだった。彼女の顔色はまだ優れなかったが、目には強い意志の光が宿っていた。
「レナスさん」彼女は小さく微笑んだ。「私たちの旅は、まだ始まったばかりですね」
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