虚空の楽園 -神々が滅びし世界で、楽園の鍵を探す物語-

ソコニ

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第19話:「時の塔と神々の遺志」

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ソリアが示した扉の向こうには、螺旋状の階段が広がっていた。それは上へも下へも延々と続き、どこまで行くのかわからない構造だった。階段の周囲は透明な水晶でできており、外の虚空が見えた。無数の星々が輝き、時折流れ星のように光が走る。だが、それは単なる宇宙ではなく、時間と空間が混ざり合う特殊な次元だった。

「これが時の塔…」レナスは畏怖の念を込めて呟いた。

「上に向かうべきだ」ヴァルターが提案した。「塔の頂上に何かがあるはずだ」

三人は螺旋階段を登り始めた。驚くべきことに、階段を上るにつれて周囲の景色が変化していった。水晶の壁に映る景色は、遠い過去から未来へと移り変わっていた。

最初の階層では、神々の時代の光景が映し出されていた。金色の都市、空を飛ぶ乗り物、そして神々自身の姿。彼らは人間と交流し、世界に調和をもたらしていた。

「これが神々の時代…」フィリアは水晶に映る光景に見入った。「こんなにも美しかったのですね」

さらに上へ進むと、景色は徐々に変化し、神々が詩に力を込め、消滅していく様子が映し出された。悲しくも壮大な儀式の光景。

「ここには神々の詩の一部が刻まれています」フィリアが壁に近づき、そこに刻まれた文字を読み始めた。「『時は流れ、記憶は残る。空間は歪み、真実は隠れる』」

「クロノス神の詩の続きだ」レナスは理解した。「各階層に詩の断片が隠されているのかもしれない」

彼らは階段を登り続けた。次の階層では、神々が去った後の世界の変遷が映し出されていた。最初は平和だった世界が、徐々に混沌へと向かう様子。そして「神殺しの徒」や「黒翼の徒」のような組織の誕生と、彼らの争い。

「神々の詩を巡る争いが始まったんだ」ヴァルターが言った。「一方は完全に破壊しようとし、もう一方は利用しようとした」

さらに上の階層では、現在に近い出来事が映し出されていた。レナスとフィリアの誕生、そして彼らが別々の場所で育てられる様子。

「私たちの過去…」フィリアは驚きの声を上げた。

レナスは自分が見知らぬ人々に育てられる様子を見つめていた。彼の養父母は優しく、愛情を持って彼を育てていた。だが、彼らもまた「記憶の守り人」の一員だったのだ。片や、フィリアは「記憶の守り人」の聖域で育てられていた。イグニスが彼女の側で成長していく姿も見えた。

「これが私たちの真実…」レナスは静かに言った。

この階層にも詩の断片が刻まれていた。フィリアがそれを読み上げた。「『選ばれし者は二つの道を歩む。神の力を受け入れるか、人間の心を守るか』」

三人は黙って次の階層へと進んだ。そこでは未来の可能性が映し出されていた。それは一つの未来ではなく、複数の分岐した未来だった。

一つの未来では、レナスとフィリアが神々の詩を全て集め、虚空の亀裂が限界まで広がる様子。そして「楽園」と呼ばれる場所の扉が開く。だが、その扉の向こうに待っているものは、祝福なのか、それとも破滅なのか—その答えは示されなかった。

もう一つの未来では、レナスが神の力を完全に解放し、人間ではなく神となる姿。彼は黄金の光に包まれ、現実世界を超越した存在になっていた。だが、その選択の結果もまた、明確には示されなかった。

「未来は固定されていないのか…」ヴァルターは水晶の壁を見つめながら言った。

「それは私たちの選択次第なのでしょう」フィリアが答えた。

この階層にも詩の断片があった。「『扉が開けば、全ては変わる。楽園は希望か、それとも終焉か』」

彼らは階段を登り続けた。階層を重ねるごとに、時間の流れが一層複雑になり、時折過去と未来が同時に現れることもあった。それは混乱を引き起こしそうだったが、レナスの金色の瞳には全てがはっきりと見えていた。

「おそらく、これも神の器としての能力なのだろう」彼は理解した。

数時間にわたる上昇の後、彼らはついに時の塔の頂上に到達した。そこは巨大な円形の部屋で、中央には驚異的な装置があった。それは巨大な時計のようでもあり、星図のようでもあった。無数の歯車と振り子が複雑に組み合わさり、絶えず動き続けていた。

「世界の時計…」ヴァルターが息を呑んだ。

装置の周囲には七つの台座があり、それぞれに神々の象徴が刻まれていた。ゼオス、アテナ、プロメテウス、ポセイドン、ガイア、クロノス、そしてタナトス。

「七柱の主神」レナスは理解した。「彼らが詩に力を込めた神々だ」

最後の台座—クロノスの象徴がある台座—の前には、白い衣装を身にまとった老人の姿があった。彼はレナスたちの到着を待っていたかのように、静かに微笑んだ。

「神の器よ、ようこそ」老人の声は時の流れのように澄んでいた。「私はアイオン、時の番人だ。クロノス神の最後の意識を守護している」

「時の番人…」レナスは驚いた。彼はこの老人に会ったことがあるような、不思議な既視感を覚えた。

「あなたたちの旅は計画通りに進んでいる」アイオンは言った。「だが、まだ全ての答えを得てはいない」

「私たちは真実を求めています」フィリアが一歩前に出た。「神々の詩の真の目的は何なのですか?」

アイオンは中央の装置に近づき、手をかざした。すると装置全体が明るく輝き、部屋全体に星々の映像が広がった。

「これが世界の時間軸だ」彼は説明した。「過去から未来へと流れる時の川」

映像は神々の時代から始まり、神々が去った後の世界を映し出し、そして次第に未来へと進んでいった。だが、ある時点で時間軸が赤く変色し、分岐し始めた。

「神々が去ってから一万年後」アイオンは静かに言った。「世界は臨界点を迎える。神々の力が失われることで、世界は徐々に均衡を失い、やがて崩壊へと向かう」

映像は世界の崩壊を示していた。大地は裂け、海は干上がり、空は闇に覆われる。人類は生き残りをかけて争い、最後には滅亡へと向かう。

「これを防ぐために、神々は詩に力を込めた」アイオンは続けた。「それは神々の力を保存し、必要な時に解放するための手段だった」

「そして、私たちが神の器として選ばれた」レナスは理解した。

「その通り」アイオンは頷いた。「あなたたちは神々の血を分け与えられ、その力を受け継ぐために創られた。一方は力を受け取り、もう一方はそれを形にする」

装置の映像は変化し、詩が全て集まった時に何が起こるかを示していた。虚空の亀裂が完全に開き、現実世界と「楽園」と呼ばれる場所の間に扉が開く。

「神々の詩が全て集まるとき、虚空の楽園への扉が開く」アイオンは厳かに言った。「だがそれは祝福か、それとも滅びか—その答えは神々でさえ確信していなかった」

「どういう意味だ?」レナスは尋ねた。

「楽園は神々が創造した理想郷」アイオンは答えた。「だが、それは現実世界とは異なる法則で成り立つ場所。その扉が開けば、二つの世界の境界が崩れ、混乱が生じる可能性がある」

「それでも神々は扉を開こうとした?」ヴァルターが疑問を投げかけた。

「彼らは選択肢がなかった」アイオンの表情は悲しげだった。「世界の崩壊を防ぐためには、楽園の力が必要だった。だが、その解放は危険を伴う」

彼は装置の中心部を指差した。そこには小さな結晶があり、淡く脈動していた。

「これが時の結晶」アイオンは言った。「クロノス神が最後に残した詩の力だ。これを受け取れば、あなたは『時の支配』という力を得るだろう」

レナスは結晶を見つめた。これまでに得た力—創造、智慧、変革、海、大地—に加え、時を支配する力。それは彼をさらに神に近づけるものだった。

「だが、警告しておく」アイオンは真剣な表情で言った。「詩の力を集めるほど、あなたは人間から遠ざかり、神に近づく。全ての力を解放すれば、あなたは完全な神となり、人間ではなくなるだろう」

レナスは息を呑んだ。彼が恐れていたことが現実になりつつあった。彼の体は既に変化し、両目は神々と同じ金色に変わり、全身に神の文様が刻まれていた。これ以上力を得れば、彼はどうなるのか。

「それが私の宿命なのか?」レナスは静かに尋ねた。

「宿命ではない、選択だ」アイオンは力強く言った。「神々はあなたたちに選択する自由を与えた。神となるか、人間であり続けるか—その選択はあなた自身のものだ」

フィリアが静かにレナスの側に立った。「どんな選択をしても、私はあなたの側にいます」

アイオンは満足げに頷いた。「さあ、決断の時だ。時の結晶を受け取るか?」

レナスは沈黙した。これまでの旅で得た知識と経験を思い返した。神々の意図、虚空の騎士の警告、イグニスの裏切り、そして自分自身の変化。全てが彼の決断を待っているようだった。

「私は結晶を受け取る」レナスは最終的に言った。「だが、私は神になるためではなく、世界を救うためにこの力を使う」

アイオンは微笑み、結晶をレナスに差し出した。「あなたの決意を見せてもらおう」

レナスが結晶に触れた瞬間、彼の体から強い光が放たれた。全身の文様が輝き、その光は部屋全体を包み込んだ。彼の意識は時の流れに溶け込み、過去と未来を同時に見通すような感覚に包まれた。

彼の心に新たな言葉が流れ込んだ。「時の川は永遠に流れ、全てを包み込む」—クロノス神の詩の真の姿だった。

光が収まると、レナスの体には新たな文様が加わっていた。時を象徴する複雑な模様が、既存の文様と絡み合っていた。彼は「時の支配」という力を得たのだ。

「これで六つの詩を集めた」アイオンは言った。「残るは一つ、死の神タナトスの詩だけだ」

「それを集めれば、楽園の扉が開くのか?」レナスは尋ねた。

「その通り」アイオンは頷いた。「だが、忘れてはならない。扉の向こうに何があるのか、それが祝福か滅びか—その答えは誰も知らない」

彼は突然厳しい表情になった。「そして、もう一つの警告がある。他の道を選ぶ者たちがいる。彼らは神々の意図を誤解し、力を独占しようとしている」

「イグニスと黒翼の徒のことか?」ヴァルターが尋ねた。

「その通り」アイオンは重々しく言った。「彼らは『新たな神』を創造しようとしている。だが、それは神々の意図したことではない。神々は人間に力を委ねたのであって、新たな神を創るためではない」

レナスは胸に手を当てた。彼の中に宿る神々の力は、彼自身を変えつつあった。だが、彼は人間であり続けることを決意していた。

「私たちはどうすればいいのですか?」フィリアが尋ねた。

「最後の詩を求め、真実の答えを見つけなさい」アイオンが答えた。「そして、自分の心に従って選択しなさい」

アイオンの姿が徐々に透明になり始めた。「私の役目はここまでだ。これからは自分自身の道を進みなさい」

彼が完全に消える前に、最後の言葉を残した。「心に留めておくがいい。神の力と人間の心—その両方を持つことこそが、神々が望んだことかもしれない」

アイオンの姿が完全に消え、部屋には三人だけが残された。中央の装置はまだ動き続け、世界の時間を刻んでいた。

「最後の詩を探さなければ」レナスは決意を新たにした。「タナトス神の詩だ」

「死の神の神殿」ヴァルターが考え込むように言った。「それはどこにある?」

「私に分かります」フィリアが静かに言った。彼女の目には新たな決意の光が宿っていた。「私の中の力が…感じるのです」

彼女は窓の外を指差した。虚空の彼方、一つの方向を示していた。

「死の谷…そこにタナトスの神殿があります」

レナスはフィリアを見つめた。彼女もまた変化し始めていた。彼女の髪は以前より白く輝き、瞳にはわずかに金色の光が混じっていた。彼女もまた神の器として覚醒しつつあったのだ。

「行こう」レナスは決意した。「最後の真実を求めて」

彼らが時の塔を出る準備をしていた時、突然塔全体が揺れ始めた。窓の外を見ると、虚空に大きな変化が生じていた。亀裂がさらに広がり、その向こうに「楽園」の姿がより鮮明に見えるようになっていた。

「時の結晶を得たことで、亀裂が広がった」ヴァルターが警告した。「このままでは現実世界にも影響が及ぶぞ」

彼の言葉通り、塔の窓から現実世界を覗くと、空全体が歪み、虚空の亀裂が大きく広がっていた。各地で異常気象や奇妙な現象が起きているのが見えた。

「急がねば」レナスは言った。「塔から出て、死の谷を目指そう」

塔の入り口に戻ると、そこには彼らが来た時にはなかった新たな扉があった。それは虚空を通じて現実世界へと繋がっているようだった。

「これが私たちの道」フィリアが言った。

三人は扉に向かって歩み出した。彼らの前には新たな試練と真実が待っていた。そして最終的な選択—神となるか、人間であり続けるか。その答えはまだ見つかっていなかったが、レナスは自分の決意を固めていた。彼は人間の心を失わない。たとえ神の力を持っても、自分自身であり続けると。

扉が開き、眩い光が三人を包み込んだ。彼らの旅は新たな段階へと進むのだった。
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