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第4話「村の住民たち」
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騎士アルフレッドが去って数日が経った。みかげ村には穏やかな日々が訪れていた。リオは毎日、畑の世話や家の修繕に励み、要は「基本資源生産」のスキルを使って、できる限りリオの手助けをしていた。
畑では芽が順調に育ち、小さな葉を広げ始めていた。要の力で成長は通常より速いが、それでも収穫までには時間がかかる。当面の食料はリオが森で集めたものと、川で捕まえた魚に頼ることになる。
「御影さん、見て!トマトの苗がこんなに大きくなったよ!」
リオは畑の一角を指さした。確かに、数日前に植えたトマトの苗は、すでに人の膝くらいの高さまで成長していた。
「あと数週間もすれば実がなるかな?」
要は「もっと早い」と地面に描いた。「基本資源生産」のスキルを使えば、成熟を早めることができるからだ。
「本当?すごいね!」
リオは嬉しそうに笑った。彼は日に日に生き生きとしてきている。最初に村に来た時の怯えた表情は消え、自信に満ちた笑顔が増えてきた。
「そうだ、御影さん。この村をもっと人が来やすいようにしたいんだ。市場みたいなのがあれば、旅人も立ち寄るかもしれないよね」
リオは広場を見渡しながら言った。
要も同感だった。村を発展させるには、人の往来が必要だ。そして何より、村のレベルアップには住民の増加が不可欠なようだ。
「良い考え」と要は答えた。
「じゃあ、ここに市場を作ろう!」
リオは張り切って準備を始めた。広場の雑草を刈り、石を片付け、平らな場所を作っていく。要も地面を均したり、小石を取り除いたりして協力した。
「でも、何を売ればいいんだろう…」
リオは少し考え込んだ。確かに、二人だけでは商品を用意するのも限界がある。
「森の実?魚?」と要は提案した。
「そうだね!森の実や魚、それから…」
リオは突然、目を輝かせた。
「精霊石だ!」
要は驚いた。精霊石は貴重品だ。それを売るつもりなのだろうか。
「売るの?」と尋ねた。
「いや、売らないよ。でも、精霊石を小さく砕いたかけらなら…少しくらいなら大丈夫じゃないかな」
リオは精霊石を取り出し、見つめた。
「この石、よく見ると内側に小さな結晶がたくさんあるんだ。これを少しだけ取り出せば、魔法の素材として売れるはず」
要は心配だった。精霊石は盗賊団が狙うほど価値のあるものだ。その一部でも売り出せば、再び危険を招くかもしれない。
「危険では?」と伝えた。
リオは少し考え込んだ。
「確かに…でも、小さな村の市場で売る程度なら、大丈夫じゃないかな。それに、アルフレッドさんが時々見回りに来てくれるって言ってたし」
リオは決意を固めたようだった。
「少しずつ、慎重にやろう。まずは市場を整えて、普通の品物から始めるよ」
要は妥協案として受け入れることにした。リオの成長を見守るのも村の役目だ。時には自分で決断し、責任を持つことも必要だろう。
「わかった」と要は返事した。「気をつけて」
その日から、二人は市場の準備に本格的に取り組んだ。広場の一角に簡易的な台を設置し、屋根代わりになる布を張った。リオは器用な手つきで看板も作り、「みかげ村市場」と名付けた。
しかし、問題は客をどう呼び込むかだった。アルフレッドの話では、この村はかつて交易路の途中にあったが、新しい道ができてからは人通りが減り、徐々に過疎化したという。今では旅人が通ることはほとんどないのだ。
「どうすれば人が来るようになるかな…」
リオが悩んでいると、突然、村の西側から人の気配がした。要が意識を向けると、山道を下ってくる大きな荷車が見えた。
「リオ、人が来る」と地面に急いで描いた。
「え?本当?」
リオは驚いて山道の方を見た。やがて荷車を引く馬と、その横を歩く中年の男の姿が見えてきた。
「旅の商人だ!」
リオは喜びの声を上げた。
要も嬉しく思いながらも、警戒心も忘れなかった。前回の件があるので、来訪者には注意が必要だ。意識を集中して、男の様子を詳しく観察した。
男は40代くらいの体格のいい商人風の男性で、荷車には様々な品物が積まれていた。武器らしきものは見当たらず、全体的に危険な雰囲気はない。むしろ、疲れた表情で、道に迷ったような様子だった。
「おや、村があったのか」
男は村の入口で足を止め、周囲を見回した。
リオは少し緊張しながらも、男に向かって手を振った。
「こんにちは!旅の方ですか?」
男はリオを見て少し驚いた様子だった。
「おや、子供がいるとは。この村はまだ人が住んでいるのか?」
「はい!ここはみかげ村です。私はリオといいます」
リオは元気よく答えた。
男は荷車から降り、リオに近づいてきた。
「私はフィン・マーケット。旅の商人だ。実は道に迷ってな。ここからザールの町へはどう行けばいいだろう?」
「ザールですか?西の山道を上って、分岐点を右に行けば着きますよ」
リオは親切に道を教えた。
「そうか、ありがとう。少し休ませてもらってもいいかな?馬も疲れているようだ」
「もちろんです!広場で休んでください。水も用意します」
リオは急いで井戸へ向かい、水を汲んできた。フィンは馬に水を飲ませ、自分も喉を潤した。
「うまい水だ。この村は湧き水でも使っているのか?」
「はい、井戸の水がとても美味しいんです」
要はフィンの様子を観察し続けた。危険な雰囲気はないが、まだ完全には安心できない。
フィンは村を見回し、市場の準備をしていた場所に目が留まった。
「市場を開こうとしているのか?」
「はい!これから始めるところなんです」
リオは誇らしげに答えた。
フィンは興味深そうに市場の設備を見た。
「なかなか良い場所だな。ここなら荷車も停められるし、屋根もある。ただ、人通りが少なそうだが…」
「それが問題なんです。どうやって人を呼べばいいか悩んでいたところです」
フィンは少し考え込んだ後、にやりと笑った。
「そうだな…私も商売が少し停滞している。ここで一晩休ませてもらえるなら、明日、試しに一緒に市場を開いてみないか?私の商品と、この村のものを一緒に売るんだ」
リオの目が輝いた。
「本当ですか!?ぜひお願いします!」
フィンは荷車から品物を少し下ろし始めた。布地、調味料、小さな道具類など、様々なものがあった。
「この辺りではなかなか手に入らないものばかりだ。明日、近くの村々から人を呼びたい。お前、走れるか?」
「はい!速いですよ!」
「よし、これを持って」
フィンは小さな鈴と羊皮紙を取り出した。
「近くの村に行って、この鈴を鳴らしながら、『みかげ村で市が立ちます』と伝えてくれ。この紙には地図と日時が書いてある。各村の掲示板に貼るといい」
リオは嬉しそうに頷いた。
「行ってきます!」
リオは鈴と紙を持って、走り出した。
フィンは微笑みながら荷物の整理を続けた。彼は時々、不思議そうな表情で村を見回している。何か感じているのだろうか。
要はフィンを注意深く観察し続けた。彼が村に一晩泊まると言うなら、念のため監視を続ける必要がある。
夕方、リオが戻ってきた。彼は息を切らしながらも、満足げな表情をしていた。
「三つの村を回ってきました!みんな興味を持ってくれて、明日来ると言ってました!」
フィンは感心した様子で頷いた。
「よくやった。明日は賑わいそうだな」
夜になり、フィンはリオが整えた家の一つで休むことになった。彼は荷車から寝具を取り出し、簡素な夕食をリオと分け合った。
「随分と親切な子だな。この村には他に誰も住んでいないのか?」
「今は私だけです。でも、この村には特別な力があるんです」
リオはそこで言葉を切った。要の存在をどこまで話すべきか、迷っているようだった。
フィンは不思議そうな表情をしたが、それ以上は尋ねなかった。
「そうか。では、明日に備えて休もうか」
夜が更けて、静けさが村を包んだ。フィンは家の中で眠りについた。リオも別の家で休んでいる。
要は村全体に意識を広げ、夜の静けさの中で思いを巡らせた。フィンの提案は予想外の展開だったが、村の発展にとっては良い機会かもしれない。明日はどうなるだろうか。市場が成功すれば、村に人が増える可能性もある。
夜中、要は不思議な気配を感じた。フィンが寝ていた家から、彼が出てきたのだ。要は警戒し、フィンの行動を見守った。
フィンは月明かりの下、村の中を歩き回り始めた。しかし、怪しい動きはない。ただ村を観察しているようだった。彼は時々立ち止まり、地面に手を置いたり、空気を感じるように深呼吸したりしていた。
やがてフィンは広場の中央に立ち、小さな声で呟いた。
「不思議な村だ…何か特別な気配がする」
彼は周囲を見回し、まるで誰かに話しかけるように言った。
「ここには…誰かいるのか?」
要は驚いた。フィンは何かを感じ取っているようだ。特別な感覚を持っているのかもしれない。
試しに、要は広場の中央に小さな花を咲かせてみた。
フィンは目を見開いた。
「やはり…何かいる」
彼は恐れる様子もなく、むしろ興味深そうに花を見つめた。
「村の守り神か?それとも…」
要は次に、月光を利用して地面に「こんばんは」と描いた。
フィンは驚きの表情を浮かべたが、すぐに微笑んだ。
「なるほど、村そのものに意思があるというわけか。珍しい」
彼は深く頭を下げた。
「ご挨拶が遅れました。フィン・マーケットと申します。この村に宿を提供していただき、ありがとうございます」
要は「御影と申します」と地面に描いた。
「御影様…みかげ村の名の由来ですね。素晴らしい」
フィンはしばらく要と言葉を交わした。彼は要の存在を不思議がりつつも、恐れる様子はなかった。むしろ、商人らしい好奇心と実利的な視点で村を見ていた。
「御影様、私はこの村に大きな可能性を感じます。明日の市場が成功すれば、定期的に開催したいと思うのですが、いかがでしょう?」
要は「歓迎する」と答えた。
「ありがとうございます。私の交易ネットワークを使えば、この村を交易の中継点にできるかもしれません。もちろん、村の秘密は守ります」
フィンの提案は魅力的だった。村に人が集まり、活気が戻れば、レベルアップも期待できる。
「協力します」と要は答えた。
フィンは満足げに頷き、家に戻っていった。
朝が来て、リオが目を覚ますと、フィンはすでに市場の準備を始めていた。テントを広げ、商品を並べ、看板を立てている。
「おはよう、リオ。さあ、準備だ」
「フィンさん、おはようございます!」
リオは急いで朝食を済ませ、フィンの手伝いを始めた。要も地面を平らにしたり、風を調整して心地よい環境を作ったりと、できる限りの協力をした。
準備が整った頃、村の入口から人々がやってき始めた。最初は数人だったが、徐々に増えていき、やがて数十人が村の広場に集まった。
「わあ、すごい人だ…」
リオは驚きの声を上げた。フィンは誇らしげに微笑んだ。
「私の名前は近隣では知られているからな。さあ、始めよう!」
フィンは大きな声で市の開始を宣言した。
「みなさん、ようこそ!本日からみかげ村で定期市を開催します!珍しい品々をご用意していますので、どうぞごゆっくりご覧ください!」
人々は興味深そうに品物を見て回り始めた。フィンの商品は確かに珍しいものばかりで、すぐに売れ始めた。リオも森で集めた果実や、川で捕った魚を売り、好評だった。
「この果実、甘くて美味しいわね」
「この魚は新鮮だ」
「久しぶりの市だな。楽しいじゃないか」
村人たちの声が広場に響き、活気に満ちていた。
昼頃、さらに多くの人が訪れ、広場は賑わいを増した。中には商品を売りに来た村人もいて、市場は予想以上に大きなものになっていった。
そんな中、一人の若い女性が目を引いた。彼女は20代前半といったところで、派手な服装と、手に持った杖が特徴的だった。
「あの人、魔法使いかな?」
リオがフィンに小声で尋ねた。
「ああ、見習い魔法使いだろう。杖の形からして、まだ学び始めたばかりの若手だな」
女性は興味深そうに市場を見て回り、やがてリオの売り場に近づいてきた。
「こんにちは。この果実、少し魔力を帯びているわね」
女性はリオが売っていた森の実を手に取り、じっと見つめた。
「そうなんですか?」
リオは驚きながら答えた。
「ええ、微かだけど確かよ。どこで採れたの?」
「この村の北の森です」
女性は興味を示した。
「この村…みかげ村って言うのよね。不思議な感じがするわ」
彼女は周囲を見回し、何かを感じ取ろうとしているようだった。要は彼女に注目した。フィンと同様、何か特別な感覚を持っているのかもしれない。
「私はエリシア・フロイト。魔法学院の学生よ」
女性は自己紹介をした。
「僕はリオです。この村に住んでいます」
「へえ、一人で?」
「はい…まあ、一人というわけでは…」
リオは言葉を濁した。
エリシアは視線を広場の中央に向け、眉をひそめた。
「この村…何か特別な力が流れているわ。感じないかしら?」
リオは少し動揺した様子だった。
「そ、そうですか?」
エリシアはさらに言った。
「まるで村全体が…生きているような」
彼女の言葉に、リオは困った表情をした。要の存在をどう説明すべきか迷っているようだった。
要は判断した。エリシアには特別な感覚があるようだ。隠し通すよりも、理解してもらった方がいいかもしれない。
要は広場の中央で、地面から小さな花を咲かせた。エリシアの目の前で。
「!」
エリシアは驚きの声を上げた。彼女は花に近づき、しゃがみ込んで観察した。
「これは…魔法?いいえ、違う。もっと根源的な力ね」
彼女はリオを見た。
「この村には何かいるのね?」
リオは要の方を見た。要は「話してもいい」と地面に描いた。
リオは深呼吸して言った。
「実は…この村には御影さんという方がいるんです。村そのものが意識を持っているんです」
エリシアの目が輝いた。
「素晴らしい!精霊のような存在かしら?それとも村の守護神?」
「いいえ、村そのものなんです。御影さんは村として転生した方なんです」
エリシアは興奮した様子で立ち上がった。
「信じられないわ!こんな現象、魔法書にも載っていない!研究させてもらえないかしら?」
彼女の熱意は本物のようだった。要は彼女の目に見える知的好奇心を感じ取った。
「研究?」と要は地面に描いた。
「ええ!村の力、意識の範囲、できることの限界…様々な角度から調べさせてほしいの。もちろん、迷惑をかけるつもりはないわ」
要とリオは視線を交わした。エリシアの研究が村の理解を深める助けになるかもしれない。
「わかりました」と要は答えた。
エリシアは喜びの声を上げた。
「ありがとう!これは魔法学の歴史を変える発見になるかもしれないわ!」
彼女は急いでバッグから紙とペンを取り出し、メモを取り始めた。
市場は夕方まで続き、大盛況のうちに終了した。人々は満足げな表情で村を後にしていったが、フィンとエリシアは残った。
「素晴らしい一日だった」
フィンは売り上げを数えながら言った。
「リオ、御影様。今日の市は大成功でした。次回も開催したいと思いますが、よろしいでしょうか?」
「もちろんです!」
リオは嬉しそうに答えた。要も同意した。
「私も村に滞在したいわ」
エリシアが言った。
「研究のためには数日かかるの。もちろん、宿泊費は払うわ」
こうして、みかげ村には二人の新しい滞在者が増えた。フィンはビジネスパートナーとして、エリシアは研究者として、それぞれの目的を持って村に留まることになったのだ。
夜、三人が広場で焚き火を囲んでいると、フィンが尋ねた。
「御影様、あなたはなぜ村になったのですか?」
要はその質問に答えられなかった。自分がなぜ村として転生したのか、その理由は分からないからだ。
「わからない」と正直に答えた。
「そうですか…」
フィンは火を見つめながら言った。
「私は商人として多くの不思議を見てきましたが、これほど稀有な存在に出会ったのは初めてです。御影様との出会いは運命だったのかもしれません」
エリシアも頷いた。
「私も同感よ。この村には特別な力が流れている。単なる偶然ではないはず」
リオは嬉しそうな表情で言った。
「御影さんのおかげで、僕は安全な場所を見つけられたんです。これからもっと村を良くしていきたいです」
三人の声が夜空に響く中、要は深い満足感を覚えた。最初の住民だったリオに加え、今日から二人の新しい仲間を得た。村はさらに豊かになり、活気づいていくだろう。
【御影要】
【村レベル:2】
【住民数:1→3】
【スキル:基本生活機能、ダンジョン化スキル(制限付)、基本資源生産】
住民が増えたことで、村の力も少しずつ強くなっていくのを要は感じていた。これからどんな変化が起きるのか、期待と共に要は村の夜を見守り続けた。
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畑では芽が順調に育ち、小さな葉を広げ始めていた。要の力で成長は通常より速いが、それでも収穫までには時間がかかる。当面の食料はリオが森で集めたものと、川で捕まえた魚に頼ることになる。
「御影さん、見て!トマトの苗がこんなに大きくなったよ!」
リオは畑の一角を指さした。確かに、数日前に植えたトマトの苗は、すでに人の膝くらいの高さまで成長していた。
「あと数週間もすれば実がなるかな?」
要は「もっと早い」と地面に描いた。「基本資源生産」のスキルを使えば、成熟を早めることができるからだ。
「本当?すごいね!」
リオは嬉しそうに笑った。彼は日に日に生き生きとしてきている。最初に村に来た時の怯えた表情は消え、自信に満ちた笑顔が増えてきた。
「そうだ、御影さん。この村をもっと人が来やすいようにしたいんだ。市場みたいなのがあれば、旅人も立ち寄るかもしれないよね」
リオは広場を見渡しながら言った。
要も同感だった。村を発展させるには、人の往来が必要だ。そして何より、村のレベルアップには住民の増加が不可欠なようだ。
「良い考え」と要は答えた。
「じゃあ、ここに市場を作ろう!」
リオは張り切って準備を始めた。広場の雑草を刈り、石を片付け、平らな場所を作っていく。要も地面を均したり、小石を取り除いたりして協力した。
「でも、何を売ればいいんだろう…」
リオは少し考え込んだ。確かに、二人だけでは商品を用意するのも限界がある。
「森の実?魚?」と要は提案した。
「そうだね!森の実や魚、それから…」
リオは突然、目を輝かせた。
「精霊石だ!」
要は驚いた。精霊石は貴重品だ。それを売るつもりなのだろうか。
「売るの?」と尋ねた。
「いや、売らないよ。でも、精霊石を小さく砕いたかけらなら…少しくらいなら大丈夫じゃないかな」
リオは精霊石を取り出し、見つめた。
「この石、よく見ると内側に小さな結晶がたくさんあるんだ。これを少しだけ取り出せば、魔法の素材として売れるはず」
要は心配だった。精霊石は盗賊団が狙うほど価値のあるものだ。その一部でも売り出せば、再び危険を招くかもしれない。
「危険では?」と伝えた。
リオは少し考え込んだ。
「確かに…でも、小さな村の市場で売る程度なら、大丈夫じゃないかな。それに、アルフレッドさんが時々見回りに来てくれるって言ってたし」
リオは決意を固めたようだった。
「少しずつ、慎重にやろう。まずは市場を整えて、普通の品物から始めるよ」
要は妥協案として受け入れることにした。リオの成長を見守るのも村の役目だ。時には自分で決断し、責任を持つことも必要だろう。
「わかった」と要は返事した。「気をつけて」
その日から、二人は市場の準備に本格的に取り組んだ。広場の一角に簡易的な台を設置し、屋根代わりになる布を張った。リオは器用な手つきで看板も作り、「みかげ村市場」と名付けた。
しかし、問題は客をどう呼び込むかだった。アルフレッドの話では、この村はかつて交易路の途中にあったが、新しい道ができてからは人通りが減り、徐々に過疎化したという。今では旅人が通ることはほとんどないのだ。
「どうすれば人が来るようになるかな…」
リオが悩んでいると、突然、村の西側から人の気配がした。要が意識を向けると、山道を下ってくる大きな荷車が見えた。
「リオ、人が来る」と地面に急いで描いた。
「え?本当?」
リオは驚いて山道の方を見た。やがて荷車を引く馬と、その横を歩く中年の男の姿が見えてきた。
「旅の商人だ!」
リオは喜びの声を上げた。
要も嬉しく思いながらも、警戒心も忘れなかった。前回の件があるので、来訪者には注意が必要だ。意識を集中して、男の様子を詳しく観察した。
男は40代くらいの体格のいい商人風の男性で、荷車には様々な品物が積まれていた。武器らしきものは見当たらず、全体的に危険な雰囲気はない。むしろ、疲れた表情で、道に迷ったような様子だった。
「おや、村があったのか」
男は村の入口で足を止め、周囲を見回した。
リオは少し緊張しながらも、男に向かって手を振った。
「こんにちは!旅の方ですか?」
男はリオを見て少し驚いた様子だった。
「おや、子供がいるとは。この村はまだ人が住んでいるのか?」
「はい!ここはみかげ村です。私はリオといいます」
リオは元気よく答えた。
男は荷車から降り、リオに近づいてきた。
「私はフィン・マーケット。旅の商人だ。実は道に迷ってな。ここからザールの町へはどう行けばいいだろう?」
「ザールですか?西の山道を上って、分岐点を右に行けば着きますよ」
リオは親切に道を教えた。
「そうか、ありがとう。少し休ませてもらってもいいかな?馬も疲れているようだ」
「もちろんです!広場で休んでください。水も用意します」
リオは急いで井戸へ向かい、水を汲んできた。フィンは馬に水を飲ませ、自分も喉を潤した。
「うまい水だ。この村は湧き水でも使っているのか?」
「はい、井戸の水がとても美味しいんです」
要はフィンの様子を観察し続けた。危険な雰囲気はないが、まだ完全には安心できない。
フィンは村を見回し、市場の準備をしていた場所に目が留まった。
「市場を開こうとしているのか?」
「はい!これから始めるところなんです」
リオは誇らしげに答えた。
フィンは興味深そうに市場の設備を見た。
「なかなか良い場所だな。ここなら荷車も停められるし、屋根もある。ただ、人通りが少なそうだが…」
「それが問題なんです。どうやって人を呼べばいいか悩んでいたところです」
フィンは少し考え込んだ後、にやりと笑った。
「そうだな…私も商売が少し停滞している。ここで一晩休ませてもらえるなら、明日、試しに一緒に市場を開いてみないか?私の商品と、この村のものを一緒に売るんだ」
リオの目が輝いた。
「本当ですか!?ぜひお願いします!」
フィンは荷車から品物を少し下ろし始めた。布地、調味料、小さな道具類など、様々なものがあった。
「この辺りではなかなか手に入らないものばかりだ。明日、近くの村々から人を呼びたい。お前、走れるか?」
「はい!速いですよ!」
「よし、これを持って」
フィンは小さな鈴と羊皮紙を取り出した。
「近くの村に行って、この鈴を鳴らしながら、『みかげ村で市が立ちます』と伝えてくれ。この紙には地図と日時が書いてある。各村の掲示板に貼るといい」
リオは嬉しそうに頷いた。
「行ってきます!」
リオは鈴と紙を持って、走り出した。
フィンは微笑みながら荷物の整理を続けた。彼は時々、不思議そうな表情で村を見回している。何か感じているのだろうか。
要はフィンを注意深く観察し続けた。彼が村に一晩泊まると言うなら、念のため監視を続ける必要がある。
夕方、リオが戻ってきた。彼は息を切らしながらも、満足げな表情をしていた。
「三つの村を回ってきました!みんな興味を持ってくれて、明日来ると言ってました!」
フィンは感心した様子で頷いた。
「よくやった。明日は賑わいそうだな」
夜になり、フィンはリオが整えた家の一つで休むことになった。彼は荷車から寝具を取り出し、簡素な夕食をリオと分け合った。
「随分と親切な子だな。この村には他に誰も住んでいないのか?」
「今は私だけです。でも、この村には特別な力があるんです」
リオはそこで言葉を切った。要の存在をどこまで話すべきか、迷っているようだった。
フィンは不思議そうな表情をしたが、それ以上は尋ねなかった。
「そうか。では、明日に備えて休もうか」
夜が更けて、静けさが村を包んだ。フィンは家の中で眠りについた。リオも別の家で休んでいる。
要は村全体に意識を広げ、夜の静けさの中で思いを巡らせた。フィンの提案は予想外の展開だったが、村の発展にとっては良い機会かもしれない。明日はどうなるだろうか。市場が成功すれば、村に人が増える可能性もある。
夜中、要は不思議な気配を感じた。フィンが寝ていた家から、彼が出てきたのだ。要は警戒し、フィンの行動を見守った。
フィンは月明かりの下、村の中を歩き回り始めた。しかし、怪しい動きはない。ただ村を観察しているようだった。彼は時々立ち止まり、地面に手を置いたり、空気を感じるように深呼吸したりしていた。
やがてフィンは広場の中央に立ち、小さな声で呟いた。
「不思議な村だ…何か特別な気配がする」
彼は周囲を見回し、まるで誰かに話しかけるように言った。
「ここには…誰かいるのか?」
要は驚いた。フィンは何かを感じ取っているようだ。特別な感覚を持っているのかもしれない。
試しに、要は広場の中央に小さな花を咲かせてみた。
フィンは目を見開いた。
「やはり…何かいる」
彼は恐れる様子もなく、むしろ興味深そうに花を見つめた。
「村の守り神か?それとも…」
要は次に、月光を利用して地面に「こんばんは」と描いた。
フィンは驚きの表情を浮かべたが、すぐに微笑んだ。
「なるほど、村そのものに意思があるというわけか。珍しい」
彼は深く頭を下げた。
「ご挨拶が遅れました。フィン・マーケットと申します。この村に宿を提供していただき、ありがとうございます」
要は「御影と申します」と地面に描いた。
「御影様…みかげ村の名の由来ですね。素晴らしい」
フィンはしばらく要と言葉を交わした。彼は要の存在を不思議がりつつも、恐れる様子はなかった。むしろ、商人らしい好奇心と実利的な視点で村を見ていた。
「御影様、私はこの村に大きな可能性を感じます。明日の市場が成功すれば、定期的に開催したいと思うのですが、いかがでしょう?」
要は「歓迎する」と答えた。
「ありがとうございます。私の交易ネットワークを使えば、この村を交易の中継点にできるかもしれません。もちろん、村の秘密は守ります」
フィンの提案は魅力的だった。村に人が集まり、活気が戻れば、レベルアップも期待できる。
「協力します」と要は答えた。
フィンは満足げに頷き、家に戻っていった。
朝が来て、リオが目を覚ますと、フィンはすでに市場の準備を始めていた。テントを広げ、商品を並べ、看板を立てている。
「おはよう、リオ。さあ、準備だ」
「フィンさん、おはようございます!」
リオは急いで朝食を済ませ、フィンの手伝いを始めた。要も地面を平らにしたり、風を調整して心地よい環境を作ったりと、できる限りの協力をした。
準備が整った頃、村の入口から人々がやってき始めた。最初は数人だったが、徐々に増えていき、やがて数十人が村の広場に集まった。
「わあ、すごい人だ…」
リオは驚きの声を上げた。フィンは誇らしげに微笑んだ。
「私の名前は近隣では知られているからな。さあ、始めよう!」
フィンは大きな声で市の開始を宣言した。
「みなさん、ようこそ!本日からみかげ村で定期市を開催します!珍しい品々をご用意していますので、どうぞごゆっくりご覧ください!」
人々は興味深そうに品物を見て回り始めた。フィンの商品は確かに珍しいものばかりで、すぐに売れ始めた。リオも森で集めた果実や、川で捕った魚を売り、好評だった。
「この果実、甘くて美味しいわね」
「この魚は新鮮だ」
「久しぶりの市だな。楽しいじゃないか」
村人たちの声が広場に響き、活気に満ちていた。
昼頃、さらに多くの人が訪れ、広場は賑わいを増した。中には商品を売りに来た村人もいて、市場は予想以上に大きなものになっていった。
そんな中、一人の若い女性が目を引いた。彼女は20代前半といったところで、派手な服装と、手に持った杖が特徴的だった。
「あの人、魔法使いかな?」
リオがフィンに小声で尋ねた。
「ああ、見習い魔法使いだろう。杖の形からして、まだ学び始めたばかりの若手だな」
女性は興味深そうに市場を見て回り、やがてリオの売り場に近づいてきた。
「こんにちは。この果実、少し魔力を帯びているわね」
女性はリオが売っていた森の実を手に取り、じっと見つめた。
「そうなんですか?」
リオは驚きながら答えた。
「ええ、微かだけど確かよ。どこで採れたの?」
「この村の北の森です」
女性は興味を示した。
「この村…みかげ村って言うのよね。不思議な感じがするわ」
彼女は周囲を見回し、何かを感じ取ろうとしているようだった。要は彼女に注目した。フィンと同様、何か特別な感覚を持っているのかもしれない。
「私はエリシア・フロイト。魔法学院の学生よ」
女性は自己紹介をした。
「僕はリオです。この村に住んでいます」
「へえ、一人で?」
「はい…まあ、一人というわけでは…」
リオは言葉を濁した。
エリシアは視線を広場の中央に向け、眉をひそめた。
「この村…何か特別な力が流れているわ。感じないかしら?」
リオは少し動揺した様子だった。
「そ、そうですか?」
エリシアはさらに言った。
「まるで村全体が…生きているような」
彼女の言葉に、リオは困った表情をした。要の存在をどう説明すべきか迷っているようだった。
要は判断した。エリシアには特別な感覚があるようだ。隠し通すよりも、理解してもらった方がいいかもしれない。
要は広場の中央で、地面から小さな花を咲かせた。エリシアの目の前で。
「!」
エリシアは驚きの声を上げた。彼女は花に近づき、しゃがみ込んで観察した。
「これは…魔法?いいえ、違う。もっと根源的な力ね」
彼女はリオを見た。
「この村には何かいるのね?」
リオは要の方を見た。要は「話してもいい」と地面に描いた。
リオは深呼吸して言った。
「実は…この村には御影さんという方がいるんです。村そのものが意識を持っているんです」
エリシアの目が輝いた。
「素晴らしい!精霊のような存在かしら?それとも村の守護神?」
「いいえ、村そのものなんです。御影さんは村として転生した方なんです」
エリシアは興奮した様子で立ち上がった。
「信じられないわ!こんな現象、魔法書にも載っていない!研究させてもらえないかしら?」
彼女の熱意は本物のようだった。要は彼女の目に見える知的好奇心を感じ取った。
「研究?」と要は地面に描いた。
「ええ!村の力、意識の範囲、できることの限界…様々な角度から調べさせてほしいの。もちろん、迷惑をかけるつもりはないわ」
要とリオは視線を交わした。エリシアの研究が村の理解を深める助けになるかもしれない。
「わかりました」と要は答えた。
エリシアは喜びの声を上げた。
「ありがとう!これは魔法学の歴史を変える発見になるかもしれないわ!」
彼女は急いでバッグから紙とペンを取り出し、メモを取り始めた。
市場は夕方まで続き、大盛況のうちに終了した。人々は満足げな表情で村を後にしていったが、フィンとエリシアは残った。
「素晴らしい一日だった」
フィンは売り上げを数えながら言った。
「リオ、御影様。今日の市は大成功でした。次回も開催したいと思いますが、よろしいでしょうか?」
「もちろんです!」
リオは嬉しそうに答えた。要も同意した。
「私も村に滞在したいわ」
エリシアが言った。
「研究のためには数日かかるの。もちろん、宿泊費は払うわ」
こうして、みかげ村には二人の新しい滞在者が増えた。フィンはビジネスパートナーとして、エリシアは研究者として、それぞれの目的を持って村に留まることになったのだ。
夜、三人が広場で焚き火を囲んでいると、フィンが尋ねた。
「御影様、あなたはなぜ村になったのですか?」
要はその質問に答えられなかった。自分がなぜ村として転生したのか、その理由は分からないからだ。
「わからない」と正直に答えた。
「そうですか…」
フィンは火を見つめながら言った。
「私は商人として多くの不思議を見てきましたが、これほど稀有な存在に出会ったのは初めてです。御影様との出会いは運命だったのかもしれません」
エリシアも頷いた。
「私も同感よ。この村には特別な力が流れている。単なる偶然ではないはず」
リオは嬉しそうな表情で言った。
「御影さんのおかげで、僕は安全な場所を見つけられたんです。これからもっと村を良くしていきたいです」
三人の声が夜空に響く中、要は深い満足感を覚えた。最初の住民だったリオに加え、今日から二人の新しい仲間を得た。村はさらに豊かになり、活気づいていくだろう。
【御影要】
【村レベル:2】
【住民数:1→3】
【スキル:基本生活機能、ダンジョン化スキル(制限付)、基本資源生産】
住民が増えたことで、村の力も少しずつ強くなっていくのを要は感じていた。これからどんな変化が起きるのか、期待と共に要は村の夜を見守り続けた。
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